新春から寝不足なaoikaraです。休むに休めてない。休みに調子乗ってしまいました。いけませんね。
というわけで今回のテーマは…
下町ロケット2 新春ドラマ特別編 感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。
▼下町ロケット2 最終回 記事はこちら
下町ロケット2 新春ドラマ特別編 あらすじ
全員の力を結集し、ようやく完成した佃製作所と帝国重工、そして北海道農業大学の野木博文教授(森崎博之)が協力した、無人農業トラクター「ランドクロウ」。
しかし、発売から数週間経ったあとも売り上げが伸びずにいた。一方、ギアゴースト&ダイダロスが手掛ける「ダーウィン」は絶好調で、差は開くばかり。
形勢逆転を狙う帝国重工の次期社長候補・的場俊一(神田正輝)は、ある手段に出る。それは、ダーウィンチームに力を貸し、なおかつ帝国重工の取引先である下請け企業に圧力をかけるというものだった。それにより、徐々にダーウィンチームから離脱企業が増え、ついにはダーウィンの在庫が底をつく。
思わぬ形でライバルの勢いを止めた佃航平(阿部寛)ら佃製作所のメンバーだったが、自分たちの技術力による正当な評価ではないため、心境は複雑なものだった。
逆に、窮地に立たされた重田登志行(古舘伊知郎)と伊丹大(尾上菊之助)は思わぬ一手を放ち・・・。
GOODポイント
- ダーウィンだらけの畑を見て、「ダーウィンダーウィン♪(ゲンナリ顔)」と歌い出してしまう佃社長には笑っちゃいました。
- 迫田はすっかり殿村さん並みに厳しい経理マンになっちゃいましたね。熱弁のあまり、佃社長の顔に唾が飛んでいるのは笑ってしまいます。
- 的場「だまれええええ!!!私が冷静じゃないとでも言うのか!」
いや、黙れって怒鳴る人間が冷静ではないでしょってツッコミ待ちかと笑いそうになりました。何コレ、笑ってはいけない? - 出たな蛇男め!
- エキストラの数!ものすごく多くて驚きました。
- ボーリングの代わりにカーリング!野木教授の声デカイw佃社長は転んじゃいましたね。あれ、本当は遠くに投げすぎるという設定だったらしいですが、転んだのが面白くてOKが出たそうです。たしかに、面白すぎるシーンでした(笑)
- ヤマタニはいろいろあるけど、やっぱりトラクターメーカーとして農家さんに寄り添うビジネスはしていたのね。
- 殿村さんのところへ行く佃製作所の方々。「お気を付けて」との軽部。ですよね。と言いつつ、会社でちゃっかり待ってて、「頑張れ」って…残業してる!
- アメリカの宇宙航空企業に行くために勉強している利菜ちゃん。でも、お父さんのことが心配で夜中に勉強しようと思っていたのに、全然しないで待っているのね。優しいなぁ。
- やる気を失っていた立花に対して、「最後まで仕事は全うするのが技術者」と諭し、改心したところを見計らって背中を押す島津さん…。いや技術者としても素晴らしいけれど、上司の鑑ですよ!もう人として素晴らしすぎる…。
- 言ったら通るでおなじみ、財前さんwとはいえ、今回は辞職まで覚悟していました。「何でも通ると思うなよ。危なかったぞ!」と藤間社長に言われているのが、なんとも微笑ましかったです。
- ロケット打ち上げの財前さん格好良すぎる。
- 軽部、ロケット打ち上げ見に来てる!
- 佃社長の最後のセリフ、「望むところだ!」が良かったなぁ。カッコイイ。
気になったポイント
- 戸川「的場的場って…おまえら(重田・伊丹)おかしいぞ!」
あ、それやっぱり思われてたんだ。ビジネスの話なのに、「的場を潰す!」とか言いまくってて、嫌がられてそうだなと思ったら、やっぱり。 - 的場さん、部屋の電気つけようよって前から思ってたよ。
- 重田「的場…死ね」
本人を目の前にして悪口がシンプル。小学生じゃないんだから。まあ、でもそれが重田社長の本音なのかもなぁ。 - 藤間社長の記者会見、なんというか大名感が強い。謝罪しているんだけど、大御所感あるから謝っているように見えない(笑)
- 島津さんを目の前に、「ギアゴーストざまあみろ」と言っちゃう立花。君はデリカシーがない!
- 稲本さんはダメって言われていることばっかりやろうとして、パニック映画で言うことを聞かず一番最初に殺される女性キャラクターを思い起こさせました。
- ダーウィンが製造中止を言い渡す予定だった場所に、キーシンの戸川と北堀社長いませんでしたよね。プロジェクトから離脱したのかしら。
感想
本当の最終回かも
一応は年内に放送された話が最終回でしたが、私は完全に新春ドラマを最終回として捉えています。あまりにスッキリしない終わり方でしたからね。実質の最終回といっても過言ではないでしょう。
「やられたらやり返す」だけが正解じゃない
正直、前の最終回はスッキリしなかった。「こてんぱんに打ちのめしてやる!的場もダーウィンも共倒れだ!」くらいに思っていました。池井戸作品によくある、「やられたらやり返す」精神がめらめらと燃えていたわけです。
それが実現したわけです。ダーウィン側の策により、的場は足元をすくわれて、目を掛けていた部下にも見限られて失脚。まあ卑怯なやり方ですし、法律的にアウトだったので、公正取引委員会が出てきたときには「ですよねー」となりました。
ダーウィンもずっと不具合を見過ごしていたせいで、根本的な製造の欠陥が農業ロボットの不備となり、敵方の佃製作所に頭を下げなければならないという事態。製造中止は目前。
殿村さんをバカにしていた高校の同級生の稲本は、台風で米が全滅しそうに。
全ての人間が、ただただ敵方を潰してやろうという気持ちで、本来を見失っていました。要は、物作りに、ビジネスに誠意がなかったんです。その結果、全てを失うことになってしまいました。
だけど、全てを失った者たちを見て、スッキリしたかと言われると、そうではありませんでした。いや、当然の報いなんですよ。自業自得、ただそれだけ。
でも、落ちこぼれていく様子を目の前にして、スカッとしたとは言えない。なんだか虚しいだけで、痛々しくて、後味の悪さは残るんです。
佃製作所だって、ものすごく被害を被っているわけですよ。振り回されて。裏切られて。許せないという気持ちが大きくて、見限るのは仕方ないわけで。それは殿村さんも同じで。
でも、殿村さんは稲本さんに手を貸しました。それを見て、佃製作所もギアゴーストに、ダーウィンに手を差し伸べました。農業を救いたいという目的を叶えるためには、そうすべきだと。苦しんでいる農家の人を目の前にして、切り捨てることはできなかった。
これもまた佃製作所の誠意なんですよね。「やられたらやり返す」はたしかにスッキリして、ざまあみろって思う気持ちもあるんですけど、それだけが正解じゃない。手を差し伸べるという選択肢も、あっても良いのかもなと、清々しい気持ちになれる結末でした。素晴らしい。
悪い奴らだってやっぱり人間
憎たらしい奴らだとしても、やっぱり人間なんだなと思えた瞬間もありました。
的場は大企業のために生きようとした
的場は自身が思い描く大企業の姿があったのでしょう。強い親(大企業)が弱い子ども(下請け)を導いて、社会と日本を作るという。だから勝たなければならないと。ただ、今の時代とは方向性が違ったし、やり方も間違っていました。ただ悪人だったわけではなく、的場は的場なりの信念があったのかもと感じました。
重田と伊丹の涙
重田も的場を倒すことだけを目的にしてきたせいで、成し遂げて得たのは達成感ではなく、虚しさでした。
伊丹も、涙を流してソファに横になって縮こまり、震えていましたしね。佃製作所の特許が必要になったら、必死に何度も何度も頭を下げて頼み込んできていましたし。
そんな重田も伊丹も、佃製作所に救ってもらったときに、頭を垂れて涙を流していました。あのとき初めて復讐心ではなく、誠意によって心が晴れたのではないかな。
あの伊丹の涙は美しかったし、島津さんとの再会シーンでは、おかえりって言いたくなりました。やっと、二人が仲間として再会できたなぁと。
稲本は腐っても農家
殿村さんをバカにし続けていた稲本も、台風で米が全滅しそうになり、命懸けで稲刈りしようとしていました。その必死さは、ああ稲本も農家だったんだなぁと思わせる姿で。帝国重工や佃製作所に救ってもらって、手を握って喜びを伝えていましたしね。
あ、そういえば吉井もいましたね。殿村さんの「失せろ!」で簡単に失せるところなんて、人間らしいじゃないですか。彼はどうなったんだろう。はて?
佃製作所は人を救い、未来を作った
復讐心というのはものすごいエネルギーがあるんですよね。ただ、どんな犠牲も厭わないから、周りに迷惑をかけ続けることもある。人を裏切り、信頼を失っていくこともある。今回のギアゴーストと佃製作所は、まさにそんな関係でした。
しかし、復讐心を失えば、そのエネルギーは消えてしまう。見落としてきた誠意や信頼のせいで、もう前に進めなくなってしまう。それがダーウィンプロジェクトでした。復讐だけでは未来はないんです。そこにあるのは人ではなくて感情だけだから。
ギアゴーストが危機に陥って、最初はもちろん断り続けていた佃製作所ですが、最終的には助けたんですよ。佃製作所は“人”を見ていた。いつでも誠意を持っていた。だから、誰の未来も奪わなかったし、これからもっと先に進める未来を作っていった。
物作りって、人を助けて、未来を作っていくことなんじゃないかなと思いました。それができる技術力の高さもある。こんな企業も、こんな関係も、こんな結末も現実ではあり得ません。理想というほどキレイでもない。それでも、佃製作所というのは実在しないほど、理想の会社だなと思うのです。
こんな未来ができたら、本当にすごい!
台風に襲われる農家の姿はすさまじいものがありました。殿村さんのときに一度見ましたが、何度見ても苦しい。今回は備えあれば憂い無しということで、殿村さんのところは問題がなかったけれど、稲本家が…という展開でしたね。
そこで手を貸す殿村さんもカッコイイですよね。同じ農家仲間だからって、嫌がらせされててなかなかできることではありませんよ。
そして、ランドクロウのキャラバンもすごいですよね。台風情報が入ってきたら、自治体の要請によって現地に向かい、地図データを元に農作業を行う。なるほどなぁと。こういうのが本当にあったら…と農業への希望が見えた気持ちでした。すごい。
あれだけ至れり尽くせりの対応されたら、そりゃあ帝国重工のトラクターも買っちゃいますよね、稲本さん。現実的にはどうなのかはわかりませんけれど、農業の未来が明るくなったのかも。
「少しは日本の農業を救えたか」
という野木教授の言葉は、その場にいた全ての人の心に響いていましたね。噛みしめた達成感と、小さくはありますが確かに前進したという気持ちと。農業を守っていかないとね。
結局動かすのは人なんだな
結局、動かすのは人なんだな、と思った今回の話。素晴らしい技術があるとしても、それを作り出すのも、それを使うのも人間で、全ての物事の間に人がいる。だから、その人がどうあれば良い方向へ動くのかを描いているドラマなのではないかなと。
良い“人”を見られました。良いドラマです。
続編も期待していい?
今回も面白かったですし、純粋に感動しました。こういう物語もありだなと、清々しい気持ちになれて。
そして…続編に期待しても良いですかね?まだ原作はありませんし、キャストを集めるのもなかなか大変だとは思いますけど、また続きが見たいです。
宇宙、大地、と来て今度は…その間。教育、とかどうでしょう。アメリカに渡った利菜ちゃんの様子も気になりますし、ギアゴーストとの関係性とか、島津さんのこととか、いろいろね。
続編があるかはわかりませんが、現段階でもとても大満足です。素晴らしい話をいつもありがとうございました!ドラマに関わって全ての方へ感謝をお伝えしたいです。
aoikara
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