中卒フリーライターほぼ無職。

在宅Webフリーライターaoikaraの日常ブログです。

スポンサーリンク

相棒17 元日SP 第10話「ディーバ」感想 平成の時事ネタを思い起こさせるような…

スポンサーリンク

f:id:aoikara:20190102195735p:plain

歌声には自信がないaoikaraです。全然ディーバにはなれそうにありません。というわけで今回のテーマは…

 

相棒17 元日SP 第10話「ディーバ」感想

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼相棒17 第9話「刑事一人」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

相棒17 元日SP 第10話 ゲスト・スタッフ

  • ゲスト:大地真央 河井青葉 優希美青 西岡德馬
  • 脚本:太田愛
  • 監督:権野元

 

相棒17 元日SP 第10話「ディーバ」あらすじ

年末の朝、110番通報が発信されたマンションに駆けつけた特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)。二人は、室内で血を流して倒れている少女・槙(優希美青)を発見。彼女の幼い息子・樹が誘拐されたことも発覚。

 

槙の母親・貴巳(河井青葉)は亡き夫の父親である衆議院議員の敦盛劉造(西岡德馬)の元に向かう。身代金目的であれば、劉造に連絡してくるはずだと考えたらしい。

 

その後、槙は意識を取り戻したものの、息子の父親については黙秘。偽装誘拐の可能性も浮上し、捜査は難航する。

 

そんな中、犯人から連絡があり、意外な要求がなされる。それは、来日中の大物シャンソン歌手・神崎瞳子(大地真央)に、マスコミの前で告発文を読ませろという奇妙なものだった。

 

内容は、「三雲生命の社員・天野弘は自殺ではなく殺された」という告発。犯人はなぜ瞳子を巻き込み、こんな手の込んだことをするのか?

 

天野弘について調べ始めた冠城は、急速に業績を伸ばしている三雲生命について不穏な情報を入手する。そして、右京に相談しないまま単身、暴力団事務所に乗り込むが、それから消息を絶ってしまう。

 

一方、瞳子と誘拐事件の関係を探っていた右京は、貴巳と瞳子の過去にある接点があったことに気づき、劉造と三雲生命が浅からぬ関係にあることも指摘。そして、亘と連絡が取れないことから、元特命係の神戸尊(及川光博)に協力を依頼する。

 

そんな中、犯人から劉造に再び連絡があり、事態はついに殺人事件にまで発展してしまう…。

 

GOODポイント

  • 警視庁刑事部特殊犯捜査係の結城守(平井真軌)さん、Season15 第7話「フェイク」にも出てきましたよね。覚えがありました。
  • 上からの命令に「命令は命令だ」と言う内村刑事部長に中園参事官。虎の威を借る狐。
  • プライベートでホテルのロビーに二人でいる刑事とは…。
  • 右京さんと冠城君のホテルマンのコスプレきたー!かっこいい~。ホテル潜入系見てみたいなぁ。ホテルじゃなくても、前の温水さんが出演した話みたいに、潜入系の元日SPも見たいですね。久しぶりに。
  • ホテルマンの姿で着替えたスーツを持って、大勢のマスコミに追いかけられる冠城君の困り顔には笑っちゃいました。予告でも見ましたが、あの表情最高です。
  • ヤクザの親分役に、陣川君役の原田龍二さんの弟・本宮泰風さんが出演なさっていましたね。相棒ではSeason11 第11話 元日SP「アリス」の荻原武志役と、劇場版Ⅱの曹良明役と、2度出演なさっていますね。
  • 右京さん、ティーバッグでも紅茶を飲む徹底っぷりが好きです。貴重なシーン。
  • 芹沢は食べ物物色からのもぐもぐタイム。
  • 神戸君キター!レザーのロングコートにサングラス懐かしいー。その格好でお正月にどこ行くの(笑)
  • 右京さん、神崎瞳子の「あの子」をよく聞いているなぁ。たしかに知らない子なら「その子」って言うよね。細かいことが気になるのね。
  • 所轄の刑事のフリして、ヤクザのところにやってくる神戸君。柄の悪い刑事っぽい演技には笑っちゃいました。大根役者だなぁw「俺だって正月休みで呼び出されて…」って本音の不満が漏れまくりで面白かったです。機転は素晴らしいえづけどね。
  • 日本刀シャキーン!と構える冠城君かっこよすぎる。侍かな?
  • 神戸君の右京さんに対して「“たまに”いつでもお呼びください」に笑っちゃいました。「たまに」が重要なんですけどね。右京さんは「いつでも」を取っちゃってるから。
  • 神崎瞳子が敦盛議員の屋敷からいなくなって、青木君が焦って探して、念のためにベッドの下を覗くところとか、愛らしいところがありますよね。
  • 神崎瞳子に塩酸をかけた女性が、まさかの最初に花束を渡していた歌手だったとは!まさかの伏線!お見事!
  • 社美彌子役の仲間由紀恵さん、産休明けにおかえりなさい!相棒にも戻ってきてくれてうれしいなぁ。

 

気になったポイント

  • 槙ちゃんの流血、血の色すごく明るくて血糊っぽさ出すぎじゃないですか?気になりました。
  • 敦盛議員のお屋敷、相棒でよく使われているロケ地ですよね。
  • 秘書と家政婦が気になるな~と思ったら、思い過ごし!
  • 課長のチョッキの色、気になる~。めっちゃオレンジだし、めっちゃ黄土色だし!
  • なぜ冠城君はフリーライターの尾幡の居場所を知ってたんだろ?
  • ヤクザがハードディスクを壊していなかった違和感。
  • あからさまな神崎瞳子のスマホでの盗撮。あれ気づかないのはどうなんだろ。わざと?
  • 特命係の二人が弁護士事務所についてから、資料見つけるのさすがに早すぎ!
  • 敦盛議員を茶封筒で誘導する必要ってありました?見失わせるのが目的だったのかな。捜査員の時間稼ぎになっている感じがして、違和感がありました。

 

感想

一言で言うと、後味が悪い

2019年の相棒の元日スペシャル。うーん…。正直に言いますと、後味が悪かったなぁと。もっと口を滑らせてしまうと、胸糞悪い話だったなぁ、と思ってしまいました。

 

観ながら、三雲生命の自殺した社員を使って、敦盛議員が貴巳さんへの心臓移植をしようとしていた、とか推理していたんですが、そこまではえぐくなかったですね。別の方向性でえぐかったですけど。

 

希望は見出しながらも、見終わってスッキリ「良い話だった!」「面白かった!」とは言い切れない、ざらっとしたものが心に残りました。

 

キャラクターの描き方と物語の丁寧な作り方はさすが

相棒のキャラ立ちの仕方とか、物語の丁寧な描き方は、さすが太田愛さんの脚本だなと思いました。権野監督の映し方も見やすかったです。

 

誘拐していると見せかけて、実は外に出ていないというのは、よくあるトリックですが見抜けませんでした。なるほどなぁ。さまざまな伏線の中でも驚いたのは、先述もしましたが、塩酸をかけた女性とまだ親しくしているということ。よく見ると、たしかに同じ女性!

 

感想を書くために2度目に見た際に、いろいろと気づくことがありました。例えば、事件の犯人たちは、真実が導かれないように、それでも敦盛議員の犯罪を暴く方向へ導いているとか。うまいこと隠しているんですよね。警察にも。

 

その犯人たちが想定していなかったアクシデントが起きたときのリアクションも、本物でしょう。誰もが予想しない最後を、それでもきちんと導かれていましたね。

 

平成の時事ネタを思い起こさせるような…

今回の話には、2018年を中心とした平成の時事ネタを思い起こさせるようなキーワードがいくつも散りばめられていましたね。例えば…

 

  • 失言しても失脚しない政治家(※これに関してはアメリカもじゃんって私は思うけど)
  • モリカケ問題
  • サウジアラビアのジャーナリスト(電話先で殺害)
  • ブラック企業
  • 洗脳
  • 男尊女卑
  • metoo問題

などなど。洗脳は平成の宗教問題を思い出させます。精神再構築セミナーとか怖すぎる。いろんなの詰め込んだな~という印象がありました。

 

でも、今ってこういう世の中に暮らしているんですよね。ドラマの中のことだけでなくて。上記で挙げたような問題を、肌で感じたこともあります。2019年のお正月だからこそ、平成最後の相棒元日SPだからこそ描けたさまざまなテーマなのかなとも思いました。

 

敦盛議員は外道中の外道、地獄へ落ちてほしい

今回の犯人たちのターゲットは敦盛議員。三雲生命での「精神再構築セミナー」で精神に異常を来している社員が増え続け、自殺した社員もいながらも、隠蔽のために厚生労働省へさりげなくプレッシャーをかけていました。

 

それだけでも十分に議員様らしく最悪だなぁと思っていたのですが、槙さんにしたことは…もう本当にありえない。許せない。相棒のSeason5の第1話「杉下右京 最初の事件」を思い起こさせるような、気持ちの悪さでした。

 

ターゲットにされて追い詰められても仕方ない。正直殺されても仕方ないと思います。今回の偽装誘拐事件で復讐されるべき人間だと思います。最悪of最悪。

 

最初は血がつながっている孫に手を出したのかと思って、もう吐き気をもよおす気持ち悪さだったのですが、血はつながっていないんですよね。とはいえ…気持ち悪いですし、やったことの卑劣さには変わりありません。

 

「正当な子孫を残したかった」と主張していますが、別の女性に子どもを生ませるなり、方法はいろいろとあったはずです。それなのに、年端もいかない15歳の女の子に乱暴するなんて…そういうおぞましい欲求がなければそんなことをしないでしょう。気持ちが悪い。

 

右京さんが言っていた通り、「あなたは終わりです」、本当に。右京さんが激高しなかったのはちょっと心残りですが、全てを失った外道には怒る気力さえもったいないのかもしれません。個人的にこういう犯罪が一番嫌いです。地獄へ落ちればいい!!!

 

槙さんと子どもの境遇が不遇すぎて…つらい

槙さんは本当に不遇すぎます。両親の愛情には恵まれましたが、実は父親とは血がつながっていない。実の父親は刑務所にいる。義理の父親の父、つまり義理の祖父に襲われる。愛してくれた義理の父は死に、守ってくれる実の母親も死ぬ…。

 

でも、槙さんはまだ守ってくれる市橋宏樹君や澄江さんがいます。神崎瞳子さんも。血がつながっていない自分を愛してくれた父親のように、自分も触れることさえ恐ろしかった息子の樹君を愛そうとした。

 

槙さんの強さが、彼女の未来を明るくしてくれると願いたいです。そうやって希望を見出さないと、あまりにもつらすぎます。

 

闘う歌姫「ディーバ」が闘った理由

今回のキーパーソンの一人は、なんといっても神崎瞳子。フランスで活躍するシャンソン歌手の彼女の代名詞は「闘う歌姫(ディーバ)」。敦盛議員を追い詰める偽装誘拐事件を計画したのは、神崎瞳子でした。

 

そんな神崎瞳子が、なぜ敦盛議員の犯罪を暴こうとしたのか。優さんと数年の関係があっただけで、こんなに肩入れするものかと不思議がる意見を見ました。

 

しかし、私は案外すんなりとその状況を受け入れました。なぜなら彼女は、本当に「闘う歌姫」だったから。それだけ正義感が強く、まっすぐな女性だったのだと、思ったからです。

 

神崎瞳子は、敦盛議員の息子で、貴巳さんの夫、槙さんの義理の父親である優さんと知り合いでした。明確には言葉にしていませんでしたが、おそらく愛し合っていたのではないかと思います。

 

当初は恋仲で揉めたと思われた神崎瞳子と貴巳さんでしたが、実は神崎瞳子が貴巳さんを優さんに託していました。貴巳さんの深い愛情に気づき、身を引いて、自分は歌だけで生きていこうと決意したのです。神崎瞳子には、そこに恨みも憎しみもなく、それが当たり前というように。

 

自分に塩酸をかけた女性に対しても、「悔しいなら歌で勝負なさい」と強く諭しました。加害者の女性は泣いて反省し、そのことが表沙汰にならず、歌手にもなれたのです。神崎瞳子の懐の深さを感じさせるエピソードです。

 

彼女は歌が好きで、自由に歌いたかった。正義感が強く、曲がったことが許せない。だから、敦盛議員のやったことを許せず、自由に唄を歌うように、法律に縛られずに、してやったのだと思います。

 

ある種の正義は、法律を犯したとはいえ正当性があり、右京さんも強く責めることはありませんでした。彼女の生き方は、とても清々しいのです。きちんと人物像としても描かれていましたし、協力するどころか主導する女性だろうなと感じました。

 

宝塚の大スターである大地真央さんが演じてらっしゃったので、ディーバとして歌唱シーンがあるのも良かったです。

 

新旧相棒の競演!

 元日SPのスペシャルなシーンとして、冠城君と神戸君という新旧相棒の競演もありましたね。神戸君が、捕まってしまった冠城君に「間抜けな顔してらあ」みたいなのは、ちょっと笑っちゃいましたけど。

 

二人のアクションシーンもお見事。相棒だからこそのオーラってありますよね。二人とも違う種類のカッコイイオーラが出まくりで、そりゃあもう格好良かったです。

 

あ、青木君サヨナラ!

衣笠副総監の足元がすくわれないように働きかけた青木君は、謎のお力のおかげでサイバーセキュリティ対策本部に戻ってしまうんですね。あらあ、どんな力が働いたのかなぁ、とすっとぼけておきます。

 

正直、特命係の青木君が気に入っていたので、ちょっと寂しいです。寂しいって意見を見かけない…私だけ!?(笑)

 

もしかすると、今度こそ本当に警察官としてアウトにするために、もう一度何かやらかすのかもなぁと思いました。衣笠副総監のメンツも丸つぶれになる可能性もありますしね。そのために、また戻したのかなぁと。

 

元の職場でも仲間はずれにされそう。やったことが卑劣すぎてなぁ。女性をエスカレーターの上から突き落とすなんて、最悪な人間ですからね!特命係だから、まだ“かわいがり”で済んでいたんですよ!

 

そろそろ青木君のお父さんが出てくるエピソードも見たいですね。伏線回収してほしいな。特命係とも和解してほしいですけどね。青木君はいてほしいなぁ。

 

個人的には明るい元日SPが好き

良い部分もたくさんあった元日SPですが、「うーん…」と思ってしまうのは、単純にめでたしめでたし、にはできない話だったからだと思います。最後に花の里で乾杯して…っていかにもめでたし感出してましたけど、個人的にはもやもやが残りました。

 

人がけっこう死んでいますし、三雲生命の悪事も暴かれるのか不安ですし、なんといっても敦盛議員がやったことがえぐすぎて…。たしかに一歩前へ進んだけれど、いつまた沈み込まされるかわからないしなぁと、単純に喜べなかったです。

 

犯人側に正当性があり、右京さんも共感できるような、むしろ犯人たちを救いたいからこそ事件を暴くというのは太田愛さんの脚本としてとても好きです。今回もそうでしたし、犯人たちにも同情し、共感しました。

 

それでもちょっと敦盛議員のえぐさが際立っちゃいました。後味が良いとは正直言えないです。それでも、作品としては良かったと思います。

 

次回:また亀山君を思い出させる人!

警察24時で捜査一課を追いかけていたら、まさかの特命係が大活躍で、映像はお蔵入り!かと思いきや、警察官を辞めた芹沢の同期が事件に関係しているようで…

ゲスト:袴田吉彦 やべきょうすけ
脚本:根本ノンジ
監督:杉山泰一

 

袴田吉彦さん、前も相棒に出ていましたね。しかも亀山君が辞めてしまうSeason7の「レベル4」という話で。今回の西岡徳馬さんも亀山君が辞めるキッカケの話で出演していましたし、なんかつながりがある人ばかり。これは偶然?

 

それと、「警視庁特命係24時」的な密着番組風予告が面白すぎました!話も面白そうで、コメディ展開にわくわく。そして久しぶりに芹沢回。お正月明けも、相棒ファンは楽しみが絶えません!

 

 

aoikara

 

▼相棒17 第11話「密着特命係24時」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

▼相棒17 記事一覧はこちら

www.aoikara-writer.com

スポンサーリンク