半沢直樹を見て、面白いドラマを見られるって最高だなと思う、aoikaraです。いろんなことがあっても、一時だけでも気持ちが離れられて、ドラマを楽しめるというのはすごく幸せ!
というわけで今回のテーマは…
半沢直樹 2020年版 第6話 感想
です。今回もデンジャラスな展開だったなぁ。
※ネタバレあります。
▼半沢直樹 2020年 第5話 記事はこちら
あらすじ
帝国航空を立て直し、何としても政府の要求する500億の債権放棄を拒否したい、東京中央銀行営業第2部次長の半沢直樹(堺雅人)。自らの目で、現場で働く人々を見て何とか再建案を作り上げた半沢たち。
しかし、政府直属の再建検討チーム「帝国航空タスクフォース」のリーダー・乃原正太(筒井道隆)は、そんな半沢たちの努力をあざ笑うかのように、再建案を白紙に戻すと容赦なく告げる。その強引かつ高圧的な態度に半沢は反発し宣戦布告。両者は激しく衝突する。
一方、半沢の作成した再建案は帝国航空内でも暗礁に乗り上げていた。赤字路線の廃止、徹底的な経費削減、そして約1万人もの余剰人員の整理など、どれも大きな痛みを伴うことは必至であり、中でも整備士ら専門職は異業種への転職を断固拒否。彼らへの対応に日々追われる財務部長・山久登(石黒賢)はすっかり疲弊していた。
そんな中、乃原から政府に楯突く半沢の態度を聞いた国土交通大臣・白井亜希子(江口のりこ)は、なんと大臣自ら銀行に乗り込んでくる。この異例の事態に紀本(段田安則)も大和田(香川照之)も、そして中野渡頭取(北大路欣也)までもが、政府の脅威を実感するのだった。
そして、銀行には再びあの男の姿が。黒崎駿一(片岡愛之助)である。急遽始まったヒアリングで、帝国航空を巡るある重大な過失が発見されて…
面白かったシーン・ぐっときたシーン
- 大和田が半沢に言った、「君が謝らなかったのは正しい。そして、紀本常務が謝ったのある意味では正しい。政治は理屈では割り切れない問題がある」は説得力がありましたね。でもまあ、その後の「頭取を守る!」ってのは、今どき親方様にお仕えする武士じゃないんだから…という気持ちにはなりましたけど。
- 今回は、帝国航空の雇用の受け入れ先として、聞いたことのある名前が続々と登場しましたね。下町ロケットの「帝国重工」にノーサイド・ゲームの「トキワ自動車」「カザマ商事」「日本モータース」。しかも帝国重工の「藤間社長」の名前も出てきましたよね。演じていた杉良太郎さんの顔がぱっと思い浮かんじゃいました。
- 花ちゃんが「白井晃子に会ったの!?」とはしゃいで半沢に聞くところ、半沢の心境とのギャップがあって良かったです。あれくらい息抜きできる方がいいよ。癒やされるよなぁ、ありがたいな。
- 半沢が女将からもらった5周年記念パーティーの案内、花ちゃんが見つけちゃってましたね。でも、半沢に言わなかった。何やら来週に展開が広がりそうな予感があります。
- 黒崎が今週もキター!!!もう大好きです。半沢直樹に出てくる敵キャラはどうしてこうも魅力的なんでしょうね。また「直樹」呼びしていましたね。どうも堺さんが笑いを耐えている顔に見えて仕方なかったですw
- 黒崎が立ち上がって、何を言う、何を言う…?と思ったら
「トイレ!」
トイレかーい! - 大和田の「銀・行・沈・没!」からの「頭・取・沈・ヴォツ(没)!」は何なんですか!この前の「death」は舌噛むのわかるけど、今回はなんで「VO」の発音なのかわかりませんw堺さんもよく笑わないよなぁ、役者さんってすごいなぁ。
- 録音のICレコーダーは、同じ池井戸作品の「七つの会議」に出てくるゼノックス製だったそうです。細かいなぁ。
気になったシーン
- いきなり不機嫌で机を蹴り出す乃原、こわっ。暴力的な人、嫌いです!早く倍返しされろ!
- スカイホープはスカイマークを思い浮かべたよね。
- 小料理屋の女将の5周年記念パーティー、何かありそうだな…。
- 白井大臣と箕部幹事長がいた店、なんかすごいな。なんだあの店。一生お呼びでない店だろうなぁ。
- 今週も児島さんはしゃべらず!ちゃんといたけどね!
個人的に「お?」とか「あ!」とか思ったシーン
- 原作は読んだはずなのに全然内容を覚えていなくて、純粋に楽しめています!
- 乃原の「国民の総意」発言には、ドラマ『リーガル・ハイ』の「民意」を思い出しちゃいました。論点ずらしが見事すぎて、全然話し合いにならない。というか、話をする気もないのでしょうね。
- 帝国航空の整備部の女性社員役、内田慈さん、相棒 Season15 第4話「出来心」に出演されていましたよね。すごく親しみのある、印象に残る女優さんで、一目見て思い出しました。今回もナチュラルな演技が素敵だったなぁ。
- 半沢が白井大臣に「反省?」と反論したセリフ、長くて論理的でぜひ『リーガル・ハイ』の古美門研介に言ってほしいなぁ。半沢は淡々と述べていたのですが、古美門なら抑揚たっぷりに言ってのけると思ったら楽しくて、想像が膨らみました。こりゃ失敬。
感想
半沢&大和田&黒崎、三角関係の再来!
帝国航空の再建を担う半沢と、何やら企んでいそうな大和田と、そして戻ってきました金融庁の黒崎!!!因縁の3人がまたもや巡り会うとは。三角関係の再来ですね。
黒崎は低くていい声のダークモードでやってきたのに、半沢を見るや否やもう喜んじゃって。「あらあ、銀行に返り咲いたのね!アタシも同じ!」とウィンク飛ばすし、「ファイト、まんっまんよッ!」状態になっちゃうし。
半沢も今までは(計4回くらい?)きりっとした表情で立ち向かっていましたが、今回ばかりは目をつぶっちゃって、「勘弁してくれ~」って感じでしたね。
今回は銀行での不手際、そして再建案が通らなくなってしまったこともあり、「業務改善命令」が出されてしまいました。半沢 VS 黒崎と考えると、黒崎の初勝利といったところでしょうか。
物語としては悔しがるところなのですが、というか悔しい思いもあるのですが、なんかやっと黒崎が報われたのかと思うと「良かったなぁ」になっちゃいましたw
人を切るってしんどい仕事だからこそ、人材には“思い”がないと
企業を立ち行かせるため、コストカットは仕方のないことだと論理ではわかっていても、ただ道具を捨てるみたいに人間を切り捨てるなんてできないわけで、人を切るのは心の折れる仕事ですよね。切られる人なんか当然つらいし、しんどいし。
書類で見るだけでもため息が止まらなさそうなのに、ああやって実際の人と向き合って説明するのは、よりしんどいだろうなぁ。
こうやって解雇される人が反発したり、今までの経歴とは畑違いの部署や雇用先を紹介されて困惑したりする姿は、今の時代にも重なりました。今の時代になって、どれだけこういう光景が行われてきたんだろうと思うと、心苦しいです。私に何ができるわけでもないのですが。
財務部長の山久さんが言うように、一人一人に人生があって、家庭もあって、それを何百人、何千人とさばかなければならないのは、どう考えてもしんどい。会社も思い、人も思うからこそ。
山久さんがどう考えているのだろう、どういう人なのだろうと気になっていたので、苦悶の表情を会社人としては隠しながらも、人を切らなければならない状況にした半沢に「憎い」と言うのは、やっと本音が見えたような気がします。
だからこそ、「コストカット」なんて1枚の紙切れで終わらせる、一言で済ませるものではなくて、される側もする側も心を配らなきゃいけないんでしょうね。本当に人を思っていなければ、次の雇用先まで真剣に探そうとは思わないもんなぁ。
人を雇うもの、首を切るかもしれなくて、人生の大部分を担っているという責任が必要なのでしょうね。やっぱり、“思い”ないと働けないし、仕事もできないな。
それにしても山久さん演じる石黒賢さん、良い人の役柄なんだな。信じていいよね、信じさせてね。
鉄の女、芯のある女性だった?
開発投資銀行の谷川さん、OBとも政府ともずぶずぶの帝国航空に危機感を持っていて、諦めに近いようにタスクフォースを受け入れている感じが前回からしていました。とはいえ、それがメインバンクとしても最善だと考えている冷静さもありましたが。
今回は解雇される人の受け入れ先を探すのに協力してくれて、あれっとちょっと驚き。タスクフォースでも解雇は必要だからと弁明はしていましたが、本心はどこにあるのか。
そして、半沢の元部下である森山から「人生を変えてくれた上司」と聞いて、半沢のことを連想したとも話します。
あれあれ、谷川さん、たしかにスマートでクールで鉄の女ですけど、ものすごく優しくて熱い人なんじゃないかな…。
半沢と谷川さんの共闘も見られるかもしれないと思うと、これまた熱くなりますね!
曾根崎いいいいい!倍返し!!!
第2部から私がずっとむかついていた曾根崎ですが、ついに、ついに倍返し!!!もう、今回も冒頭からずっと吠えていてむかつきましたからね!
そもそもギリギリの経営状態で踏ん張っている企業を前にして、「おまえはクビ!」なんて社内事情で半沢にマウント取ろうとする姿は、バンカーというか一社会人としてどうなんだ。こんなやつとは仕事したくないし、頼りにしたくもないなと思ってしまいます。
自分のミスを他人に押しつけるだけでなく、それを利用して担当に返り咲こうなんて、本当によく半沢に対して「どこまで卑怯なんだ!」と言えるよな。本当に
「どの口が言ってる!」
「おまえは東京中央銀行の、いや日本中のバンカーの面汚しだ!!!」
なんですよね。そのとーり!倍返し!!!まあね、自分が担当から外されて、しかも頭取命令で、プライドが傷つくのもわかりますよ。でも、やってることがお粗末すぎてなぁ。仕事に誇りがあるからプライドが傷ついたってわけでもないし、これもまた半沢が言っていた「自分のためにだけ仕事をする人間」なのでしょう。
曾根崎の裏にいる人間は?
曾根崎が「あなたの指示で!」と大和田のことばかり見ていていましたよね。でも、どうもそれがあまりにも露骨すぎてミスリードなんじゃないか、と思ってしまうんですよね。
そもそも原作には大和田はいないわけで、物語の順当な流れからいくと、紀本が黒幕なのではないかなと疑ってます。でないと、紀本が顔色をうかがっているだけの取締役になってしまう。それだけではないと思うんですよね。あと個人的に、段田安則さんが半沢直樹流に崩れる悪役っぷりを見てみたい(笑)
でも、大和田が「これで良かったのでしょうか?」と中野渡頭取に聞いていたのも、気になります。頭取が銀行を守るための指示→大和田経由→曾根崎とかもあるのかなぁ。うーん。
半沢の怖い物知らず、強すぎる
乃原が来ようが、白井大臣が来ようが、半沢は変わらないですね。強い。見ているこっちはハラハラするよ。今回ばかりは大和田の気持ちもちょっとはわかるよ。
乃原なんかは、債権放棄を断固拒否した半沢にむかついて、さっそく白井大臣に告げ口ですもんね。「タスクフォースに否定的だったとか。その態度も著しく品位を欠いたものだったとか」なーんて白井大臣はおっしゃってましたが、話しているときに机を蹴り飛ばし、相手と向き合うときはふんぞり返って足を組む乃原と比べて、どちらが品位を欠いているんだか、と呆れてしまいました。
「反省してるんでしょうね?」という白井大臣に対し、半沢は反論。
「お言葉ですが、500億円もの債権放棄をなんとか防ごうとするのは銀行員として当然の対応です。反省すべき筋合いのものではありません」
「それに、我々が融資をしている企業は他にもたくさんあります。帝国航空だけを特別扱いすれば、今懸命に努力をしている他の企業から“不公平だ”という不満の声があがります。それでも本当に国民の総意と言えるのでしょうか?」
スラッスラと述べていましたね。いやあ、これだけでも少しスッキリしたくらいです。
政府の強権発動がこわすぎる…
いやあ、政府怖すぎじゃん。いきなり乃原の
「国に盾突くつもりか」
こっわ~~~~。怖い!!!私みたいなびびりだと「消される!」と思って、長いものにはぐーるぐるぐる巻かれてしまいそう。
白井大臣も、箕部幹事長のスポークスマンなのかと思っていましたが、かなり自分から動きますよね。若い女性議員が、メガバンクの頭取に「ね、頭取?」と命令を下すような重みがありながら軽やかに言ってのけるのが、こわいなぁと思いました。
そして、帝国航空の人材の受け入れ先であるスカイホープの路線を認可しないという強権まで発動!そんなことしていいわけ!?そんなのあり!?
なんというか、“人”レベルで考えたら、雇用を失った人の気持ちを考えたら、絶対にそんなことできないじゃないですか。なんか権力を持っている人にとって、一人の人間なんて道具でもなくてそれ以下で、自分たちの要求を通すためならとことん踏みにじられるんだなって、こわくなりました。
ドラマですけど、そういう人が全くいないとは思えない世の中ですよね。世は憂いても、ドラマはしっかり楽しまなくちゃ!だって倍返しがあるから!!
今回は以上。
次回、児島さんがしゃべってる!やったー!そして、銀行の裏切り者を探すことになりそうです。もうね、ずーっと半沢直樹が続けばいいのに。それこそまさに「国民の総意」かも。主語が大きいですね。「私の意見」にしておきます。
aoikara
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