実はフィギュアスケートがそこそこ好きなaoikaraです。直に試合を見に行くほどではありません。テレビでやっていたら必ず見るというわけではありません。試合の結果を気にしているくらいには好きです。という微妙なライン。
というわけで今回のテーマは…
全日本フィギュア2017
のなかでも女子の演技について感想を述べたいと思います。ちなみにSPは録画で、FSはリアルタイムで見ました。
※敬称は一部略しています。
6位~1位の選手達の演技と感想
第6位 197.62点 本郷理華
SPでは、全日本3連覇中の宮原知子選手を破り、1位になった坂本花織選手が話題になりました。しかし、私が最も印象的だったSPはこの二人ではなく、本郷理華選手でした。
『カルミナ・ブラーナ』の壮大な曲にのせて、というよりは、彼女自身が曲を奏でているような雰囲気さえも感じました。彼女自身から音楽がにじみ出てくるとでも言うのでしょうか。
166cmという長身にすらりと長い手足が演技のダイナミックさを引き立てていて、彼女にとても合っていたプログラムでした。ジャンプの高さと飛距離も素晴らしかったですし、世界観に見入ってしまうステップは圧巻。赤い衣装も燃え上がるような曲調に合っていて本当に素敵。
私は個人的に、あのくるっと回ってこちらを見るようなターンが好きでした。はっとさせられて。美しいターンだなぁ。
点数としては3位でしたが、心に響いた演技として1位に挙げている方は多いのではないでしょうか。
ただ、その分FSが少し残念でした。ジャンプの転倒とステップアウトがあって、「ああ、もったいない…」と思いながら見ていました。演技後に目にいっぱい涙がたまっていて、見ているこちらもつらかったです。
それでも、心打つ素晴らしい演技に本当に感動しました。本郷選手の演技って、いつも心に響かせる何かがあるんですよ。点数とか何も関係なく。それが本当に好きで。
ソチオリンピックが終わってから、日本女子フィギュアを引っ張ってきた一人ですから、彼女にもオリンピックには行ってほしかった。でも、世界って厳しいですね。うーん…。
第5位 204.67点 三原舞依
逆に三原選手はSPで2アクセルに失敗し、7位という順位でした。ミスが少ない選手なので、転倒には驚きました。タンゴという今までにない曲調や、紫と黒の流れるような衣装は本当に素敵だったんですけれどね。
その失敗を全く感じさせないような、素晴らしいFSでした。彼女のスケートって柔らかくてしなやかで、ときめきを感じるんですよね。流れの中でのジャンプは本当に見事ですし、一つの演技として素晴らしい。
ノーミスと言っても良い演技で、本当に素晴らしかったです。最後の天を仰いで終わるシーンで涙ぐんでいたときは、私もほろっとしちゃいました。点数も伸びて、良かったです。
第4位 206.96点 樋口新葉
今までも全日本では表彰台の常連でしたが、今シーズンはオリンピックイヤーということもあって、とても気合いが入っているなぁと感じていました。国際大会での総合点では今季の日本女子でトップですしね。
ショートとフリー、どちらもジャンプでミスがあったのが惜しい。素晴らしいプログラムなだけに。でも、フリーの前に足をひねってケガをしていたようで、それを考えれば本当に素晴らしい演技。100%以上の演技だったと思います。
フリーの後に拳でリンクを叩くような仕草をしたのが印象的でした。樋口選手らしいなぁと思って。あの瞬間はぐっと来ました。
私は彼女のパワフルな演技が好きで、特に今シーズンのフリー『007』はアグレッシブな振り付けもあって、とても楽しいプログラムでした。彼女もまだ16歳なんですよね。そうとは思えないプログラムの完成度の高さ、貫禄です。
オリンピックは出場が叶わなかったですが、世界選手権の代表には選ばれました。それだけ、拮抗していた選考だったということでしょう。ぜひ、世界選手権では完璧な演技で世界を魅了してほしいです。すごく楽しいプログラムだから、本当に世界中の人に見てほしい!
第3位 208.03点 紀平梨花
彼女の代名詞でもあるトリプルアクセルがとにかく素晴らしかったです。世界でも飛ぶ人が少ない技を、日本の選手が挑んでくれるのは本当にうれしい。とてもクリーンなジャンプで、しかも3A-3Tのコンビネーションにするなんて素晴らしい。
ジャンプの質も高くて、加点もついていましたね。ジャンプなど技術点で言えば、現在の日本女子のトップなのではないでしょうか。ただ、スピンが苦手なのかな?レベル1の項目もありました。
また、フリーではジャンプで1つミスがありました。それでも3位というのは素晴らしいのですが、完成度が高まったら点数がどれだけ伸びるんだと思うとすごい。
それでも華やかさやしなやかさなど、人を魅了する表現力はすでに持ち合わせていて、まだ15歳と言うのですから末恐ろしい存在です。まだまだ伸びていくでしょうし、本当に今後が楽しみです。今後日本女子を引っ張っていく存在になるのではないかな~と期待しています。
第2位 213.51点 坂本花織
この全日本のヒロインだったのは彼女ですよね。SPでほかのオリンピック代表候補を抑えての1位は見事でした。あのショートは本当に素敵でしたね。スピードがあって流れるような入りからの、飛距離のあるダイナミックなジャンプ。それでいてしなやか。
ショート1位、最終滑走という大きなプレッシャーの中、大きなミスなく素人目に見ればほとんどパーフェクトに滑りきったFSも見事でした。点数が出た後の「ちょっと~」という本音もかわいらしいなぁと。
ただ、まだまだ発展途上ですよね。だからこそ、オリンピックまでにぐんと伸びる可能性もある。表現力とジャンプ以外の部分でも技術力や美しさを高めれば、もっと素晴らしいプログラムになると思います。伸びしろがすごくある。だからこそ、ものすごく楽しみです。
第1位 220.39 宮原知子
良かった。1位が決まった瞬間、そう思いました。フィギュアスケートでは、基本的に「みんな頑張れ!」って気持ちで応援しているんですが、宮原選手はどうしても特別に応援したくなるんですよね。
ソチオリンピックが終わってからの全日本3連覇。日本女子を次のオリンピックまで引っ張ってきてくれたのは間違いなく彼女です。でも、世界選手権直前での左股関節疲労骨折。当然氷の上には乗れず、リハビリ生活。ジャンプの練習を始めたのは10月だと言います。
それで、よくこれだけ戻してきてくれた。素晴らしいと誰もが思えるような演技をしてくれた。そのことに感動しました。
ショートは少し体が固かったように感じました。2位という点数に悔しさを感じているようで、フリーの演技前の6分間練習では、「絶対に勝ちたい」というまなざしの強さを感じました。
彼女は努力家で、真面目で、それが演技に現れているような選手。どことなく繊細で、丁寧な演技というイメージでした。でも、フリーの演技は美しさや女性らしさの中に、芯の強さのようなものを感じました。
途切れることのないスケーティング、音楽との調和、表情、情感の豊かさ。ジャンプも、ステップも、スピンも、コレオシークエンスも、技術の美しさという部分では群を抜いていて、勝っている選手はいないなと思いました。
ノーミスで滑り終えて、感極まり、力強くガッツポーズをしてみせたのが印象的でした。感情を表に出すことがない選手なので、珍しいなと思って。それだけ苦労があって、そして今できる最高の演技だったのでしょうね。濱田コーチも涙していました。
本当に素晴らしかったです。やっぱり宮原選手が1位だなぁと。とはいえ、ケガから復帰して、全日本という今のベスト。まだまだ高めていくのだろうと思います。オリンピックでもミスパーフェクトな演技を期待しています。
平昌オリンピック代表について
平昌オリンピックの代表には、宮原知子選手と、坂本花織選手が選ばれました。全日本選手権で優勝した宮原選手は決定していたのですが、坂本選手なのか樋口選手なのかというのが注目されていて、結果急成長をして2位という結果を残した坂本選手になりました。
客観的に判断すると、選考基準で上回っているのは樋口選手なのかな、と思いました。それでも、この急成長と、ミスなくショートもフリーも演技ができた坂本選手に期待したいという選考だったのかなと。
どちらが選ばれてもうれしいですし、どちらが選ばれても悲しい。どちらも素晴らしい選手だから。
名前が挙がっている選手も、そうじゃない選手も、みんなオリンピックに出せたらどんなに幸せでしょう。みんな今以上に素晴らしい演技をすると思う選手ばかりなんだもの。
でも、4年に一度という大舞台だからこそ、限られた選手しかいけないのでしょうね。切ないところです。
それでも、選ばれた宮原選手も坂本選手も本当に素晴らしいフィギュアスケーターですし、ものすごく期待しています。オリンピック、頑張って下さい!
番外編:男子についてもちょこっと
今回は女子に見入ってしまいまして、男子はリアルタイムで見る心の余裕がありませんでした。あと仕事が忙しくて、もうへとへとに疲れてしまって(笑)
それでも、トップ3の演技は録画で見ました。無良選手の演技には涙して、田中選手の成長に喜んで、宇野選手の挑戦に驚いて。全日本ってすごいなぁと。他の選手ももちろん、本当にみんな素晴らしい。
オリンピック代表は全日本2連覇の宇野選手、2年連続2位だった田中選手、そして今回はケガで欠場するも実績では申し分のない羽生選手に決定。
宇野選手は初めてのオリンピックで、金メダル候補でもありますし、今までの最高の演技をしてかっさらってほしいななんて思います。田中選手もすごく成長していて、世界を楽しませてきてほしい。フリーのコミカルなプログラムが好きです。
そして、羽生選手。ケガでしばらく演技を見られていません。一番つらいのは本人。オリンピックに出場できるのかどうか、そこから不安。でも、最悪の悲劇から、最高の勝利を手にしてくれる選手だと思うんですよね。
陰陽師のプログラムは大好きなので、ぜひオリンピックで見たい!ケガの回復と、オリンピック出場、そして日本人選手の金メダルに期待しています。
オリンピックに期待を込めて
ペアやアイスダンスについては言及できていませんでした。ペアの木原龍一選手&須崎海羽選手、そしてアイスダンスのクリス・リード選手&村元哉中選手、オリンピック代表おめでとうございます!団体もあるし、もうみんなの演技にドキドキする~。
ソチオリンピックはとても印象的な大会でした。浅田真央さんのショートの絶望からの、フリーの最高の演技。あれは本当に感動して、今でも見るたびに涙します。羽生選手の『パリの散歩道』は圧巻で、初の100点超えに興奮しました。そして、日本男子初の金メダル。
もちろん、ほかにも出場していた選手みんな素晴らしかった。それから4年。残っている選手もいますが、ほとんどが初出場の選手ばかり。時代は変わっていくのだなぁと実感。
平昌オリンピックで誰もが素晴らしい演技ができますように。それまでケガなく過ごせますように。そう願ってしまう全日本後のaoikaraなのでした。
aoikara