私は小説家ではないけど、書くことを生業にしているから、書くことにきちんと向き合いたいなぁと思っているaoikaraです。もっともっと、面白い文章を書きたいですね。
というわけで今回のテーマは小説家が主役の…
100万円の女たち 第9話 ネタバレ&感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方は見てからどうぞ。
第9話「覚悟」あらすじ・ネタバレ
おぞましい回想
誰かの過去の記憶。少女が必死に逃げている。必死に逃げて、自分の部屋に閉じこもり、布団を被って身を隠した。そこにやってきたのは大人の男性。少女を見つけると、頬を撫で、にっこりと笑っている。しかし、少女は対照的におびえている。
少女は頭を横に振り、男は少女の服を脱がし始めたー
父親の死刑が執行
道間慎(野田洋次郎)の家の前には、菜々果(新木優子)のためのお供えが増えていた。家で電話がなる。久しぶりにFAXではない電話。慎が受け取ると「父親の死刑が執行された」という連絡を受ける。
お骨を拾いに行く慎。父親(リリー・フランキー)の遺書には一言「最低な人間が父親で申し訳なかった」と書かれていた。
美波の本気
同じ頃、家ではひとみ(松井玲奈)と佑希(我妻三輪子)が食事中。裸の美波(福島リラ)もリビングにやってくる。
早起きなのは「ちんたらしてられない」からと語る美波。ひとみが「もう誰も死なないよね」と心配そうに言うと、美波は「大丈夫。好きにはさせない」と返す。
佑希が「招待状の送り主のことですよね?」というと、美波は同意。ひとみと佑希はそれが誰なのかと考えていた。慎以外に得をする人は誰なのかと。
話題性はどんどん高まる
出版社でも、テレビのニュースで、慎の父親の死刑が執行されたと報じられている。花木ゆず担当の三浦(井端珠里)も、慎担当の桜井(山中崇)も、それを見ていた。
落ち込む慎
その日の晩ご飯、慎は味付けに失敗してしまう。さすがに動揺しているのか。その夜、桜井が言えに来て、「ご愁傷様です」と言いに来てくれた。慎は父親の骨をどうしようか悩んでいると言う。「母親と同じ墓ってわけにいかないでしょう」と。
そんな慎に、桜井は外に誘い出す。タクシーに乗りながら、大きな広告で『漂う小説』が100万部を突破したことが宣伝されているのを慎に見せて、うれしそうな桜井。
料亭で酒を呑みながら、桜井は「道間さん、新作書けませんか?」と話を持ちかける。慎は「時間が必要かも」と返す。桜井は「こんなときに言うべきじゃないのは承知の上で」と前置きした上で、
「『漂う感情』は今最も注目されている。これ以上ないってくらいのタイミング。何があっても、道間慎は小説家なんです」
と伝えた。
花木ゆずのジェラシー
花木ゆず(中村倫也)はまたもや評論家の森口竜市(池田鉄洋)と一緒にいる。新刊の『セカイロン』も大ヒットで、映像化のオファーが絶えないと言う。森口は「自分は花木ゆずの一番の理解者」と語るが、花木は明確には返事をしなかった。
そこへ、編集者の三浦がやってくる。10万部増刷になり、売り上げも2位だと。『漂う感情』と同じくらい映像化のオファーも来ていると。その言葉に表情が固まる花木。
森口は『セカイロン』と『漂う感情』を一緒にするなと全否定。花木も「ああいったものと並べられるのは少し残念」と無表情なほほえみで言い放つ。
慎の強さ、美波の弱さ
慎はリビングで原稿と鉛筆を持っていたが、筆は進んでいなかった。夜遅く、美波が帰ってくる。小説を書いているのかと聞かれて、慎は「さすがに浮かばない」と答える。
美波は「あんた泣いた?」と聞く。慎は「いや」と返事する。「なんでだろう。巧く説明できないんだけど、僕は泣くべきじゃない気がして」と。美波は「あんたってタフね」と言う。「メチャクチャどんくさいけど」といつものように嫌味も忘れずに。
美波は「あたしとキスしたの覚えてる?」と聞く。慎は「覚えてる」と返す。美波は「あれ、あたしのファーストキス。30で」と言う。そこから過去の話をする。
「私の経験人数、何人だと思う?30年間で一人だけ。相手は実の父親。何度も何度もやられた」
と。そして
「あの日、生まれて初めてセックスしてもいいって思った。あんたならあたしの呪いを解いてくれるんじゃないかって思って。自分でもよくわからないけど」
そして約束を持ちかける。「この家のいろんなこと解決したら、そのときは勇気出してあんたにお願いしてもいい?」と。慎は「うん」と静かに答える。「ちゃんと抱いてよね」と笑いながら言う美波。「頑張ります」と慎も気恥ずかしそうに答えた。
そして二人は「おやすみ」と言い合って、美波はリビングから出て行った。
女たちが考えたのは
慎は買い物の帰り道、またマスコミに追われる。今度は死刑が執行された父親について。何も答えず、家の中に入る。
すると、リビングの机の上に「招待状」と書かれた封筒を見つける。中を開けると…そこには女たちからのディナーのお誘いが書いてあった。
気づいたひとみが「待ってるね」と声をかける。慎も「ありがとう」とその厚意を受け取っていた。
一人で生きていくということは
ディナーにでかけるためにみどり(武田玲奈)は自分でメイク中。だが、うまくできない。そこへ美波がやってきて、みどりにメイクを施す。
美波に対して性に奔放なイメージを持っているみどりは、少し潔癖に接している部分がある。それでも美波は「前にも言ったけど、自分一人で生きていこうなんて思わないで」と語る。みどりは反抗的に「自分は一人で生きてきたくせに?」と返す。
美波は自分が一人で生きてきたからこそ「相当な覚悟がいる」と言う。「今のあんたには絶対無理」と。そして、メイクが完成。みどりはとても魅力的な表情になっていた。
「人の気持ちは素直に受け取ればいい」と言って、美波は部屋から出て行く。みどりは、うれしそうに支度をして、家を出てディナーに向かった。
美波の強い意思
美波も部屋を出て、ちいさくため息。慎も部屋から出てきて、「行かないの?」と美波に声をかける。美波は無邪気な笑顔を見せて「主役は最後なの」と慎を送りだそうとする。
「ねえ美波ちゃん」と家を出る前に美波に声をかける慎。「菜々果ちゃんを殺した犯人はどうやって中に入ったんだろう?」と聞く。家の鍵はしまっていた。しかし、犯人の指紋があった。だとするなら、合い鍵か、もしくは家の中の誰かが開けたか…
そんな話を聞いて「あたしのこと疑ってんじゃないでしょうね?」と冗談っぽく言う美波。「この件はあたしに任せておきなさい。小説はどうしようもない小説を書きなさい。それがあんたの仕事」と慎に言う。「ありがとう」と慎は返す。
「先行ってる」
「後でね」
慎は家を出て行った。
女たちに伝えたいこと
高級レストランのディナーに、慎とひとみ、佑希、みどりが着席していた。美波はまだ来ない。慎は「大事なことはちゃんと伝えておきたくて」と、それぞれの女たちに言葉を伝える。
「ひとみちゃんは、最初にうちに来たときは『何この子?』って思った。でも、いつも僕の本を読んでくれて応援してくれて、本当にありがとう」
「みどりちゃんは、格好悪いとこばっか見せてごめん」
「慣れました」
「これからもよろしく」
「佑希ちゃんは、言葉はきついけど、優しさには何度も救われた」
「光栄です」
「菜々果ちゃんは…主演やってほしかったなぁ…」
「美波ちゃんは、いないから言うけど、正直いつも怖い」つい女たちも楽しそうに笑う。「でも、いつもみんなのことを一番心配してくれている、一家の大黒柱みたいな存在」
5人の女たちへの思いを伝えた慎だった。
美波の危機
一方、美波は慎の家で椅子に座り、縛られていた。男たちが3人いて、家じゅうに灯油をまいている。男の一人が、美波への伝言を預かってきた紙を出す。その紙には
お幸せに(笑)
と活字で書かれていた。
幸せと不幸と
慎と女たちは、楽しそうにディナーを食べる。たまにはこういうのも良いと、毎月1回はここでディナーをしようという取り決めもできる。
その頃、慎の家は燃えていた。何もかも全て。壁も床も天井も。遺骨も、FAXも、小説も、そして椅子に座ったままの美波もー。
ーーーーーーーーーー
と言う話でした。うわあああー許さないぞー犯人!というわけで、詳しい感想を書いていきます。
GOODポイント
- 美波、すっごいスタイル。裸もだけど、服を着ているときもね。すっごく格好良くて様になる。さすが、演じている方がスーパーモデルなだけありますね。本当にカッコイイ。
- ついに慎にも招待状が!!!と思いきや、女たちからのお誘いという遊び心でした。恐怖のギャップがあるだけに、ほっとしてしまいました。
- 慎が女たちに言いたいことを、大切そうに言っててすごくほほえましい気分になりました。菜々果に夢で「言いたいことは言って」と言われて、決意したのでしょうね。本当は菜々果にも届けたかった。美波にも。
- 料理おいしいって言われてうれしそうな慎もほほえましいなぁ。このドラマは本当に幸せと不幸のどん底の対比がすごい。つらい。
感想
美波は一人で生きてきた
美波ってずっと強い人だなぁと思っていました。言う言葉もきついし、だからといって人を傷つけるわけじゃなく、芯があって自分が何を言われてもぶれず、みんなを守るためにはどんなことでもする。その姿はとてもカッコイイと思っていました。
でも、強くならざるを得なかったのだろうなぁ。一人で生きてきたから。一人で生きていかざるを得なかったから。本当は無条件に頼れるはずの親という存在に尊厳を踏みにじられて、そうならないためには一人で生きていくしかなかった。
それは並大抵のことじゃなかったのでしょうね。だからこそ、みどりに「一人で生きていこうなんて思わないで」と言うのは、優しさなんですよ。
でも、強いからこそ脆くて、慎とならセックスしても良いと思って、キスをして、それがファーストキスで。そこまで彼女が頑なに拒んできたのは、受け入れてしまえば自分が壊れてしまいそうだから。彼女の強さは脆さの裏返しだったんだな、と思うと、とても切なく、そして今以上にすごい人なんだなと感じました。
だから、だから許さん!
黒幕は誰だ!?
結局は黒幕が誰か全然わからないですね~。桜井のような気もするし、花木ゆずは雑魚キャラっぽい気がするし、裏の裏で慎!?
父親の気持ちを知りたくて、女たちを殺していたとか?実はみんな自殺志願者で、慎が殺してあげてたとか?家の中の人物という線も合っているよね。あるいは桜井だとしたら、慎の本を売るためならどんなことでもするサイコパスだったとか?
どんな展開でも私は衝撃を受けるでしょう。誰だとしても菜々果と美波を殺したのは許さない!うわあああん。30分で惹きつける、ドラマでこの濃密度はすごいですね。
次回:招待状の送り主は?
慎の家は焼かれ、美波は殺された。共同生活する場所がなくなったため、慎と女たちは離れることに。最後にということで、みどりから招待状の内容を聞かされる。そして慎は招待状を送った人物の正体に気づくー。
ってことは、やっぱり慎が犯人説はないのかな。狂気の桜井かしら怖い怖い。というわけで最終回までやってきました。本当に素晴らしい作品ですね。原作も面白いんですが、ドラマは映像ということをきちんと活かした作品になっていました。結末も楽しみです。
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aoikara
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