想定内の流れだけど、やっぱりマキさんとの別れが寂しすぎるaoikaraです。はあああー4人が好きだったのになぁ、突然の別れだよーうーん。
というわけで今回のテーマは…
カルテット 第9話 感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※一部ネタバレもしています。ご了承ください。
あらすじ:“早乙女真紀”は誰?
マキさんの過去
“早乙女真紀”を自称していた女性の元義母・鏡子(もたいまさこ)は、富山県警の大菅(大倉孝二)という刑事からマキの過去を聞いていた。
富山生まれの「やまもとあきこ」という女性で、10歳の頃に母親を事故で失い、母の再婚相手の男には暴力を振るわれていたらしい。家出を何度も繰り返していたという。
そして、14年前に「早乙女真紀」の戸籍を300万円で買ったそうだ。
「上り坂下り坂」とよく歌っている曲も、実はマキの母親が演歌歌手だったときに出していた曲だという。
話を聞いて鏡子は「彼女は被害者だ」と同情する。しかし、大菅は「たいがいの犯罪者は自分を被害者だと思うことから始まる」と言う。鏡子は「戸籍を買っただけじゃないんですか?」と聞いて…。
カルテットの日常
すずめ(満島ひかり)とマキ(松たか子)は一緒にショッピングモールに買い物に出かけたり、ブランコに乗ったりした。
ふいにマキはすずめに誕生日を聞く。「4月3日」だと答える。すずめも聞く。「8月10日」だと答える。二人とも「ただ聞いただけ」。それすらも楽しい。
別荘に戻り4人でごはん。会話の流れから家森(高橋一生)の「商品名じゃなく本名を呼んであげて」談義が始まるが、ほかの3人は無表情。
別荘が売られる?
別府(松田龍平)はカルテットのメンバーに別荘が売りに出されそうだと話す。3人は「自立する」「ちゃんとする」というが、別府が拒否。
別府は小さい頃から「ちゃんとする」ことばかり考えて、今の自分になってしまった。ちゃんとしてない人たちが有名な音楽家になったという。
「3人のちゃんとしてないところが好きだから、誰がなんと言おうと甘やかす」と宣言。3人もなんとなく悪い気はしなかった。
マキの夫は鏡子から話を聞いて
拘置所にいるマキの元夫・幹生(宮藤官九郎)は、マキの素性について鏡子から聞くが、信じられない様子。事故のあとには遺族に2億円が出て、それで大学院まで通えたらしい。再婚相手の男は心不全で死亡し、マキが疑われているという。
有朱、またも仕掛ける
有朱(吉岡里帆)は楽しいことがないとバイト先のレストラン・ノクターンで退屈していた。店長(富澤たけし)を見て何か思いつき、自分の靴のヒールを壊す。
一方、レストランでは店長の妻が夫のためにサプライズケーキを用意していた。そこで一緒にサプライズを仕掛けるカルテットの4人。
しかし、店長は有朱と一緒にいる。有朱は店長にモーションをかけて女を見せて誘惑しようとする…が、店長は「君何してんの?」と拒否。
「そういうのやめてくれる?僕ママのこと愛してるから」
と、一喝するのだった。結果、有朱は解雇。カルテットの4人にもそれぞれメッセージを残し、去って行くのだった。
マキとすずめは出会っていてかもしれない
いつもの朝、別府は帰りに実家に寄って別荘の話をするという。家森はバイトの面接があるという。すずめも仕事。家にはマキ一人だけ。
しかし、お昼ごはんを食べにすずめが帰ってきた。話題は「もっと早く会っていたら」。すずめは「マキさんみたいに嘘がない人と会っていたら、もっと変わっていたかもしれない」という。
東京住まいだから地下鉄ですれ違っていたかもしれない、なんて話が出たり。マキは小さい頃は船の上で星を眺めるのが好きだったと語る。
刑事は幹生から聞きだそうとして…
大菅刑事は幹生も取り調べをして、「やまもとあきこ」のことを聞きだそうとしていた。大菅はマキが2億円という巨額の賠償金を受け取っていたことを説明するが、幹生は被害者だから当たり前だと返す。
しかし、大菅は加害者は12歳の少年だったと告げる。12歳で人を殺してしまって、家族離散して、破産して、それでも12年間賠償金を請求し続けた。それでも「やまもとあきこ」は被害者なんですよね、と半笑い気味に語る。
幹生はずーっと偽の自分だったから、違う名前が欲しかった。「巻真紀」になりたかったと語る。そして、戸籍を買ったのは父親を殺して逃げるためではなく、自分がいる限り賠償金を払い続けなければならない加害者のためだと言うのだった。
残念会からの祝賀会
マキとすずめが待つ別荘で、別府が帰ってきた。別荘に関して説得に失敗したという。マキがたくさん料理を作ったが、残念会になりそうだ。そこへ家森が帰ってくる。なんとバイトに受かったという。一転、祝賀会に。
家森のバイト先はいつもカルテットが演奏しているレストラン・ノクターン。有朱の代わりということらしい。夢も大切だけど現実も大切だということ。だけど「いつか大きなホールで演奏してみたい」という夢も語るのだった。
突然、終わりはやってくる
みんなで和気藹々と過ごしているなか、大菅刑事が別荘にやってきてマキを呼ぶ。呼び鈴に出たすずめも、刑事の「やまもとあきこさんですよね?」の呼びかけに何かを察した様子。
明日、任意同行するので、準備をしてほしいとのことだったが…。マキはすずめに「私たち、地下鉄ですれ違うはずなかったの」と言い残し、自分の部屋に閉じこもってしまう。
本当の“マキ”は…
マキは自室で取り乱していた。心配したやってきた3人に「ちょっと待っててもらえますか?」と伝える。
そして、4人が集まって、マキが話す。「昔悪いことしたから、返ってきたんです」「私、早乙女真紀じゃない」「私、嘘だったんです」「14年前に戸籍買って逃げました」「もう…おしまいです」
「本当の私は…私は…」その先を言おうとして、マキの言葉が詰まる。言葉よりも涙が溢れて、進まない。すると、すずめが「もういいよ」と止める。
すずめ「マキさんが昔誰だったとか、どうでもいいよ」
マキ「みんなに嘘を吐いてた」
すずめ「どうでもいい!」
マキ「みんなを裏切ってた」
すずめ「裏切ってないよ」
すずめは続ける。「マキさんはみんなのこと好きだよ。それは嘘のはずないよ。だって、こぼれてたもん。本当の好きはこぼれるものでしょう?」
「マキさん奏者でしょ?音楽は戻らないよ、前に進むだけだよ。好きになったとき、人って過去から前に進むんだよ」
「私はマキさんが好き」笑顔で「信じてほしいかほしくないか、それだけ言って」と伝えて、涙ながらのマキの答えは「信じてほしい」。そんなマキを優しく包み込むように、すずめはギュッと抱きしめて、別府と家森もそれを眺めていた。
いつものように
4人は映画を見たり、棒状ドミノを楽しんだり、みんなで歯を磨いたり、いつものような日常を過ごした。
ふと、家森は別府に「人間には二種類いる」と説く。「人生やり直すスイッチ押す人間と、押さない人間」。家森は「押さない」らしい。それは
「みんなと出会ったから」
別れの日
最後の演奏をする日、4人はいつものように準備をする。どこかそわそわして。マキとすずめは空を眺めて「曇ってるね」「曇ってますね」と言い合う。
レストランでの演奏、終盤にはマキを連れて行く警察も客として来ていた。いつものように演奏を済ませる。
マキはさりげなく家森に髪のセットをお願いしたり、別府に物を拾ってもらったり。すずめはつらそうにしている。マキは「私もやり直しスイッチはもう押さない」と宣言する。
そしてマキは「預かっててくれる?」とすずめに自身のバイオリンを託す。ふと、すずめは「マキさん、誕生日いつ?」と聞く。マキは「6月1日」と答える。すずめはバイオリンを抱きしめて、「一緒に待ってるね」と告げた。マキは、3人を残して出て行った。
別れたあとは
マキは警察の車にのってラジオを切るように頼む。「長旅ですよ?」と刑事が聞くが、「頭の中に思い出したい音楽がたくさんあるんです」と答えて…。
別荘では別府が何か思いふけっていて、家森は号泣していて、すずめは朝ごはんを作っていた。それを3人でゆっくり黙々と食べるのだった。
ーーーーーーーーーー
という話でした。うーん、今回は切ないね。カルテットの別れを丁寧に描いていました。激情的でなく、丁寧で良かったと思います。では、詳しい感想を書いていきます。
第9話のGOODポイント
- マキさんとすずめちゃんがショッピングモールで買い物をしていて「見るだけ見るだけ」って唱えながらウィンドウショッピングしているのがかわいかったです。良いな~と思った服でも値段見てものすごい勢いで棚に返すのもわかる!
- 「わしを倒してからいけー!」高橋一生さんのあの声、なんですかw
- 別荘の件「大丈夫!」って言っておいて、やっぱりダメダメな別府君がらしいというか…w挙げ句の果てにチワワに噛まれるとか(大爆笑)。
- 有朱、まさに株をやってそうな女だわー。人生が博打って感じ。
- 有朱にあんなことされても、教わったことをきちんと覚えているすずめちゃんがなんかいい。
- ケーキが、ケーキが燃えている!
- 有朱の別れ、濃いわ~。
- 「咲いても咲かなくても花ですよ」「起きても寝ても生きてる」「つらくても悲しくても心」なんか、わかる、わかるよ。
- 別府君が提案したB級映画を全否定で放り出すマキさん、グッジョブ!
- 「この映画、いつ面白くなるの?」「そういうところを楽しむ映画なんです」うーん、人によるよね!
- あのすごい棒状ドミノやってみたい。
- 曇り、は二人が好きな天気でしたよね。マキさんとすずめちゃんが。
- レストランの控え室にあったポスターがフリー画像の人でしたw
あ、この人この人!
第9話の気になったポイント
- マキさんがホッチキスを見て、切ない表情をしていました。あれって家森さんがいってた「本当の名前」と「商品名」は違うってことを思い出していたのかな。「本当の自分」と「戸籍をもらった自分」って投影していたのかな、なんて。
そういえば、悲しくない別れもありました
そう、有朱との別れ。まさか最終回を前に有朱が退場してしまうとは!予告で店長にモーションをかけていて、また一波乱ありそうだな~なんて思っていたら、まったくなびかず拒否されてしまいましたね。
また店長の「俺ママのこと愛してるから」って断り文句がものすごくカッコイイの!そんな辞め方をしていながら、店長の奥さんに「だ~いすき」って言える神経が謎。まさに淀君とか楊貴妃とか…。
4人への別れのつげ方も面白かったですね
- 有朱「私のこと忘れないで」マキ「忘れられません」
- 有朱「いつになったらスキーに連れて行ってくれるんですか?」家森「こっちから連絡しまーす」←これは有朱が使った断り文句!
- 有朱「えー…と?」別府「あ、別府でs」有朱「ああああー別府さん!だーいすき!」
- 有朱「私と一緒に大きなことやらない?」すずめ「(首を横に振る)」
もしかすると、最終回にも出るんじゃないかしら?
本当に寂しいマキさんとの別れ
夫さんの合点がいった表情が切ない
富山県警の大菅刑事がマキさんの夫・幹生にマキさんの事情を聞こうとしていて、マキさんがマキさんではないことを知りました。
その苦しい生涯を知って、マキさんは“普通であること”を求めたんだと思う幹生。「ああ、だから…」って顔を手で覆ってしまうんです。
私が思い出したのは、幹生がマキさんのことを「ミステリアスだと思ってたけど、とても普通な人」だったということ。マキさんがミステリアスなのは自分じゃない自分だったからで、普通な人だったのは普通を望んでいてその幸せが本当に手に入ったからで。
幹生が飽き飽きとしていたマキさんの姿こそ、マキさんにとっては何よりの幸せだったわけで…。それに気づいたときの切なさがね、私も切ないです。「ああ、だから」って本当に合点がいきました。
「自分の全てが嘘だった」の告白
警察が別荘にまで訪ねてきて、マキさんはカルテットのメンバーにも全てを打ち明けます。でも、全てではないですね。身分を隠していたことも告げたけど、結局戸籍を買った理由もカルテットに明らかにしてません。
途中でマキさんが「本当の私は…」と言ったところで詰まってしまったから。もう言うのも苦しくて仕方がないって、言葉が出てこないって。すずめちゃんが止めてくれてぎゅっと抱きしめてくれて、本当にうれしかった。そのシーンは泣きそうでした。
でも、本当にみんな出会う前のマキさんがどんなマキさんだろうと関係なく、今のマキさんが好きなんですよね。そんな人たちがいることが、マキさんにとって本当に幸せなんじゃないかなぁと。私も未だに「マキさん」って呼んでますしね。
誕生日の話
個人的にぐっと来たのは誕生日の話。マキさんとすずめちゃんは、今回の話の冒頭で誕生日を聞きあうんですよね。マキさんが答えたのは、今の戸籍の誕生日なのでしょう。
でも、全てが明らかになったとき、すずめちゃんはもう一度マキさんに誕生日を聞くんです。そこで、マキさんは本当の誕生日を伝える。ああ、本当の自分が言えたんだね、この人達ならって思ったのかなって。なんだかうれしくなるシーンでした。
はあ…そして別れからの次は最終回ですよー。
次回:最終回、一年後の4人が歩む道とは
罪を償うために出頭したマキ。バラバラになってしまったカルテット。それから一年後、彼らは別々の道を歩んでいたー。
4人の夢である「大きなホールで演奏したい」が叶うといいな…なんて。この現実的なドラマに限ってありえないかな?
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aoikara
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