修学旅行が楽しかったaoikaraです。中卒だけど思い出はあります。夏休み前の6月には各地で修学旅行に行く学校も多いのではないでしょうか。そこで、今回のテーマは…
言葉を考えるシリーズ 第1回「修学旅行」
「修学旅行」という言葉に着目し、どう意味なのかを探っていきたいと思います。
言葉を考えるシリーズとは?
【言葉を考えるシリーズ】というのは、普段何気なく使っている言葉や話題になっている言葉に対して、どういう意味なのかを考えていくというブログ企画です。勝手に私が考えました。
ライターという仕事でありながら、語彙力も低く、言葉をうまく扱えていないという自覚があります。そこで、言葉を自ら考えて、きちんと理解しようとブログでシリーズ化することにしました。
まず1つの言葉に対して、私がいろんなアプローチから意味を考えます。そして、実際はどうなのか調べて答え合わせをするという順序です。
とはいえ今回が第1回目。続くかどうかは私の根気次第だと思いますので、一生懸命取り組んでいきたいと思います。
ついでにこの記事ではこんなのが登場!
こんにちは~aoikaraです!
記事にメリハリをあつけて、見やすくするためにキャラクターとフキダシを使うことにしました。ちなみにこのキャラクターは私aoikaraを模していますが、300倍かわいくしてあります。
どうぞよしなに~
そして、第1回で考える言葉は…
「修学旅行」です。
「修学旅行」を考える
そもそも修学旅行は二つの熟語から成り立っていますよね。修学と旅行。なので、それぞれを分けて考えることにします。
「修学」とは?
aoikaraの予想
学(問)を修めること?
熟語からだいたいは想像がつきますよね。ただ、次の疑問が出てきました。「修める」とはどういう意味なのかと。だいたい学問関係以外で使ったことがないですし、積極的に使う言葉でもないので、ちゃんと意味を理解できていないんですよね。
ということでさらにスポットを狭めて、「修める」の意味を探っていきます。
「修める」ってどういう意味?
aoikaraの予想までのプロセス①「修」を使った熟語を挙げる
「修める」という言葉からどういう意味かぱっと思い浮かばないので、まずは「修学」同様に「修」という漢字を使った熟語を考えてみることにしました。
修造、修理、修士課程、修了式、修正…
この中で「修学」と同じ意味を持つものをピックアップします。修造は松岡修造と固有名詞なので外す。修理、修正は「直す」という意味っぽいので外す。つまり残ったものが同じ意味の可能性が高いですね。
「修士課程」「修了式」だね!
aoikaraの予想までのプロセス②“修”の熟語の共通点は?
「修学」「修士課程」「修了式」 の共通点を考えてみようと思います。
どれも学校とか学ぶことに関連している気がする。
たしかに。ほかには?
現在形ではなくて、現在完了のような印象があるなぁ。「やった」というより「やり遂げた」感があるというか。
なるほど。ほかには?
単に学ぶだけじゃなくて、習得するとか、自分の物にするとか、得るものがあるようにも感じるかな。
aoikaraの予想までのプロセス③「修める」の意味を考える
これまで考えたことを踏まえて、「修める」の意味を私自身が考えてみると…
学びに対して使う言葉。
「やり遂げる」の意。
「習得する」 「自分の物にする」の意。
aoikaraの予想
私が考えたプロセスによって導き出された予想として、「修学」とは…
「学び遂げる」「学んで習得する」「学んで自分の物にする」
という意味ではないかと考えます。
実際の意味へのプロセス①「修学」で調べてみると…
「修学」の意味をコトバンクにて調べてみました。
小学館 デジタル大辞泉によると…
[名](スル)学問をおさめること。学んで知識を得ること。しゅがく。「子弟を英国で修学させる」「修学資金」
「学んで知識を得ること。」はまだかみ砕いていますが、「学問をおさめること。」に関しては「おさめる」の意味が具体的にならないと理解しづらいですよね。
また、三省堂 大辞林 第三版によると…
( 名 ) スル 学問や知識を学びおさめること。しゅがく。 「大学に-する折も、学問は大嫌で/小公子 賤子」
「学問や知識を学びおさめること。」と、こちらもまた「おさめる」が出てきました。「おさめる」=「修める」の意味がわからないことには深く理解することはできないので、さらに調べてみました。
実際の意味へのプロセス②「修める」の意味を調べる
コトバンクにて「修める」の言葉の意味を調べました。
小学館のデジタル大辞泉によると…
1 行いや人格を正しくする。心や行動が乱れないように整える。「身を―・める」
2 学問・技芸などを、学んで身につける。「フランス語を―・める」
3 壊れた所を補い直す。繕って整える。「―・め塗りし所の土いまだ乾かず」〈折たく柴の記・上〉
3つの意味がありますが、「修学」という言葉では「2 学問・技芸などを、学んで身につける」が当てはまりそうですね。
また、三省堂 大辞林 第三版によると…
① 学問・技芸を身につける。 「学問を-・める」 「医学を-・める」
② 欠点を直し、足りないところを補って、人格や行いを立派にする。 「身を-・める」
③ 乱れたり、損なわれたりしたところを直す。つくろう。 「そのやぶれを-・め塗らしむ/折たく柴の記」
こちらも3つの意味があり、 「① 学問・技芸を身につける。」が当てはまると言えそうですね。
以上のことをまとめます。
実際の意味
「修学」とは…
- 学問・技芸などを、学んで身につける。
- 学んで知識を得ること。
やはり単に学ぶだけではなく、そこから得ることが「修学」なんですね。私が導き出した「学び遂げる」「学んで習得する」「学んで自分の物にする」と導き出した答えにも遠からず、と言ったところでしょうか。
やったね~
深掘り①漢字「修」の成り立ち
今回とても気になった「修」という漢字について、なぜ「学ぶ」「身につける」という意味があるのかを調べてみました。実は、こんな成り立ちなのだとか。
「修」という漢字は4つの部分から成り立っていて、このうち①②③と④で分けられます。
「①人」「②水が流れる様」「③擬態語と右手」とは、「人が背中に水を流し手で洗っている」ことを表しています。そこから「洗い清める」「みそぎ」といった意味を持っています。
「④髪飾り・豊かで艶やかな髪」とは、そのままのこと。そこから「正しく整える」といった意味を持っています。
「洗い清める」「みそぎ」「正しく整える」といった言葉からは「清らかさ」「正しさ」を連想しますよね。それが「学び身につけること」という「修める」という言葉の意味の目的でもあるのかも…といったこともわかりました。
下記サイトを参考にさせていただきました。
「修学」が終わりましたので、お次は「旅行」についても意味を考えていきます。
「旅行」とは?
aoikaraの予想
旅に行くこと…?
読んで字の如く…って単純すぎますかね?もう少し深掘りするために、こんな風に考えてみました。
「旅」と「旅行」はどう違う?
「旅」と「旅行」は同じ漢字が使われていますしほぼ同様の意味ですが、持っている言葉のニュアンスが若干違いますよね。この2つの漢字を比較して、「旅行」という言葉の意味を解いていきたいと思います。
aoikaraの予想までのプロセス①「旅」と「旅行」を比較する
「旅に行きたいな」
「旅行に行きたいな」
「旅」は自由気ままであてのない感じがするな。「旅行」は計画的なおでかけのイメージ。“行”程の「行」という字が使われているからかな。?
「かわいい子には旅をさせよ」
「かわいい子には旅行をさせよ」
「旅」は苦労させる雰囲気があるのに、「旅行」だと意味が真逆になる!「旅行」だと甘やかしているというか…。「旅」は大変なもので、「旅行」は楽しいものなのかな。
元々は「旅」が正しいこちらのことわざ。「かわいい我が子だからこそ甘やかさず、世間の大変なことも経験させる」という意味があります。それを「旅行」にしてしまうと、意味が180度変わってしまう感じがしますよね。
aoikaraの予想までのプロセス②「旅」のイメージ
計画的ではなく、目的も明確ではないので、その分だけ苦労することもある。
計画をせず目的もない旅だとトラブルなどもあったりして、苦労することもありますしね。言葉のイメージとして大変さを感じるのは、そういう理由があるのかも?
aoikaraの予想までのプロセス③「旅行」のイメージ
計画的で、“楽しむこと”を目的としている。
「旅行」は「旅」と違ってレジャーという側面もあるように思います。あれ、でもこれだと「旅行」は「おでかけ」と同じ意味になってしまいますね…。この違いも考えないと。
aoikaraの予想までのプロセス④「旅行」と「おでかけ」の違い
遠出をして、観光をすることかな。あと基本は泊まり?
旅行はおでかけよりも遠くに行くイメージがあります。あと旅行は有名な場所を見学したり、食事をしたり、ショッピングしたりとひとまとめで“観光”をしていますね。「日帰り旅行」という言葉があるくらいですし、基本的には泊まるのが旅行なのかも。
aoikaraの予想
「旅行」とは…
観光を目的として、宿泊を含めて計画的に予定を立てて、遠くに出かけること。
これが私なりに考えた予想です。
実際の意味までのプロセス①「旅行」の意味を調べる
こちらもコトバンクにて調べました。「旅行」について。
小学館 デジタル大辞泉によると…
家を離れて他の土地へ行くこと。旅をすること。たび。
非常にシンプルですね。しかも「たび」って書いてありますし。ちなみに「旅」の箇所にも「旅行」と書いてありました。ほぼ同義なのかな。
また、三省堂 大辞林 第三版によると…
見物・保養・調査などのため、居所を離れてよその土地へ行くこと。旅をすること。たび。
こちらは目的も書かれていますね。でもほぼ同じ。しかもまた「旅」と書かれています。あまり意味に違いがないのでしょうか。
実際の意味までのプロセス②「旅行」の変遷を知る
「旅」と「旅行」の違いを知るために、日本の「旅」「旅行」の変遷について調べてみました。旅行のWikipediaで読んだものをざっくりとまとめますと…
人間はそもそも必然的に旅をしなければなりませんでした。狩猟時代で言うと、食料採集のために旅をしなければならなかったのです。それから少し時代が進んだ飛鳥~平安時代だと、行政によって政治的な意味で強制的に旅をしなければならないこともありました。交通の便も悪く、非常に危険だったので、喜んで旅をする人はいませんでした。
それが平安末期になって自発的に旅をする人たちが現れます。それが信仰を目的とした旅。熊野詣、四国八十八箇所のお遍路、伊勢参り…など信仰心から旅が盛んになりました。
江戸時代に入ると交通手段と交通施設が飛躍的に整備されました。道も整備されて、馬やかごで移動しやすく。宿泊施設もあれば、休憩できる茶屋もあって。旅がしやすくなったので、観光を目的として旅行する人も増えました。
そして、現代ではさまざまな交通手段によって行き先も増えて、誰もが旅行をできる時代になりました。
旅というのは広い意味で、旅行に限定されるのだとしたら、自発的にすることが「旅行」なのではないかな、と私は考えました。
▼詳しく知りたい方は下記を参考に
実際の意味
今まで考えてきたプロセスをもとにまとめると、「旅行」とは…
- 居所を離れてほかの土地に行くこと。
- 形態はどうあれ自発的に行動する旅。
このような考えにまとまりました。
「修学旅行」とは?
「修学」と「旅行」それぞれの意味を調べたので、いよいよ「修学旅行」の意味を考えていきます。
実際の意味までのプロセス①「修学旅行」のイメージ
私が調べた以外にも「修学旅行」へのイメージがあると思うんですよ。それも付け加えないと説明が不足すると思ったので、イメージを挙げてみました。
集団、班行動、先生が引率、学校が主体…
ぞろぞろと集団の生徒がいると「修学旅行だ~」ってなりますよね。
実際の意味までのプロセス②今まで調べた意味をまとめる
私が調べた結果として、「修学」の意味は…
- 学問・技芸などを、学んで身につける。
- 学んで知識を得ること。
「旅行」の意味は…
- 居所を離れてほかの土地に行くこと。
- 形態はどうあれ自発的に行動する旅。
と結論づけました。そして、先ほどの修学旅行のイメージを合わせた意味を考えます。
「修学旅行とは…」
- 学校が主体となって、教師が児童・生徒を引率し、集団で居所を離れてほかの土地を訪れること。
- 学んで知識を得て、身につけることを目的としている。
私なりの結論です。
実際の意味までのプロセス③「修学旅行」の言葉の意味を調べる
では、「修学旅行」は辞書でどのように解説されているのでしょうか。またまたコトバンクにて、調べてみました。
小学館 デジタル大辞泉によると…
児童・生徒が文化・産業などの重要地を実地に見聞して知識や情操を深めるため、教師が引率して行う旅行。
「文化・産業などの重要地を実地に見聞して」と目的を達成するための行動が具体的に書かれています。
また三省堂 大辞林 第三版によると…
児童生徒の心身の発達、学校生活の充実をはかる目的で、教師の引率のもとに、学年または学級単位で行う旅行。
「児童生徒の心身の発達、学校生活の充実をはかる目的」と、学校重視の目的が書かれています。また、「学年または学級単位」と集団についても具体的に書かれています。ただ小さい学校だと全員で行ったりするし、別の学校と共同で行くところもあるし、集団の定義が“一般的に”という範囲で正確ではないからここは却下。
実際の意味までのプロセス④「修学旅行」の百科事典の意味
百科事典の意味はより具体的なようです。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典によると…
教職員の引率のもとに,児童,生徒が日常経験しない土地の自然や文化を見学し学習するために行う旅行。明治 10年代頃から始り,慣行的に実施されていたが,現在は教育課程のなかに,特別活動に属する「遠足的学校行事」として位置づけられている。
「日常経験しない土地の自然や文化」と場所について具体的に書かれているのは良いですね。また現代での位置づけについては知りませんでした。そうなんですね。
株式会社 平凡社 世界大百科事典 第2版によると…
学校の公式行事として教職員の引率のもと,校外教育・学習の目的をもって学生,生徒,児童が集団で行う旅行。共同宿泊をともなう点で遠足と,また学習目的が複合的であり複数の目的地を周遊する点で臨海学校,林間学校,合宿などと区別される。
似ているようで違う「遠足」や「臨海学校」との区別まで網羅している説明が良いですね。
さて、今まで調べたことを統括して結論を出します。
結論
「修学旅行」とは…
- 学校が主体となって、教師が児童・生徒を引率し、集団で行動する旅行。旅行とは居所を離れて他の土地へ行くことである。
- 日常経験しない土地の自然・文化・産業を学んで知識を得て身につけ、児童生徒の心身の発達や学校生活の充実を目的としている。
- 共同宿泊するため遠足とは区別される。また学習目的が複合的であり複数の場所を訪れることから臨海学校、林間学校、合宿とも区別される。
このような結論に至りました。
言葉を考えるシリーズ 第1回目「修学旅行」いかがだったでしょうか。私は正直言うと…
調べて書くのめっちゃ大変で疲れた~
はい、大変でした(笑)。疲れるけれど、言葉を深く理解しようと考えるのはなかなか楽しかったです。また、気になる言葉があれば丁寧に調べて「言葉を考える」ようにしていきたいです。
今週のお題「修学旅行の思い出」
aoikara
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