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西郷どん 第38話「傷だらけの維新」感想 “勝った”なんて存在するのか

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負けず嫌いなaoikaraです。負ける勝負はそもそもしません。この勝負は、勝ったのか負けたのか。何にせよ失ったものが大きすぎます。

 

というわけで今回のテーマは…

 

西郷どん 第38話「傷だらけの維新」感想

 

です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼ネタバレ記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

▼西郷どん 第37話「江戸無血開城」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

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GOODポイント

  • 久しぶりの久光!登場するだけでなんだかニヤニヤしてしまいました。たいしたことを言っているわけではないのですが、自然と頬が緩んでしまいます。私からすると、もはやこのドラマの癒やし担当です(笑)
  • 琴が家にやってきて「ろくに酒ものめん」と言いながらも、手にはしっかりぐい呑みを持っている雪篷さんに笑っちゃいました。
  • 吉之助と一蔵が二人で話し合うときに、錦の御旗がありましたね。吉之助の側には日=太陽が、一蔵の側には月が描かれていました。どこか、太陽と月という二人の姿を映し出しているのかもなんて思ったり…。

 

気になったポイント

  • 信吾の片耳が聞こえなくなったことについて、今回や前回で伏線のような描写があったらもっと良かったのになと思いました。信吾への違和感があって今回の答えがあった方が自然というか。吉二郎を説得するために、とってつけたように戦の悲惨さを物語っているような印象を受けてしまいました。今までの描写でも、信吾は十分に大変な状況ではあったのですが…。
  • ガトリング砲でカメラが割れる演出は「?」となりました。なぜ?
  • 戊辰戦争めっちゃ早かった!道産子としては函館の戦いは知っておきたかったな。

 

感想

吉二郎の人生は幸せだったのか

ずっと薩摩にいて西郷家を守ってきてくれた吉二郎が、戦場で命を落としてしまいました。吉之助が西郷家の長男として日本各地を奔走し、吉二郎は対照的にいつのまにか成り行きのように家を守る役目についていました。

 

しかし、弟たちも国のために戦っている姿を見て、薩摩隼人としての自分のプライドが削られていくというか、何も役に立てていないという思いがあったのでしょうね。そんなことはないのに。家を守るのだって、十分にすごいことなのに。

 

戦場に出たいという吉二郎は、どこか戦うことへの憧れのようなものを抱いているように思いました。実際に命があまりにも軽く奪われていく悲惨な状況を知っている吉之助や信吾とは、戦に抱いている感情があまりにも違うというか。現実を知っているからこそ、信吾は止めたはずですしね。

 

そして、結局は銃弾に倒れてしまいました。私は「言わんこっちゃない…」と思ってしまいました。呆れたわけではないんです。なんだかもう哀しみです。終わらない戦と、奪われていく命の儚さと、こんなところで死んでしまうのかという気持ちで。

 

初めて戦を目の当たりにした吉二郎は、瀕死の状態で弱音を吐くと思ったんです。しかし、吉二郎が最後に口にしたのは「役に立てて良かった」という言葉。やっと侍として自分が役に立ててうれしかったという思いも嘘ではないのでしょう。

 

だけど、死んでしまってはダメですよ。こんなところで死んじゃダメだろう。吉之助にとってあまりにもそばにいて当然の存在だったので、いなくなってしまうのが信じられないほどに悲しいです。

 

一蔵からするとむしろ「自分が裏切られた」

歴史で西郷というと、同志でもあった同じ薩摩出身の大久保に裏切られた、という見方もあるように思います。その二人をどう描いていくのかというのも、この大河ドラマの醍醐味でもあるわけで、これからが見所でもあるわけです。

 

戊辰戦争の全てを終えた吉之助は、自分が新政府で働くことを固辞しました。しかし、一蔵が言っていたように、全て吉之助が言うことを信じ、そのために綺麗事では住まされないようなことにも手を下してきたわけですよね。それをいきなり「やめる」と終わらせてしまうとは。

 

吉之助から「Cangoxina」の紙を手渡されて、一人ぽつんと取り残された一蔵が、静かに笑い出すんですよね。狂ったように堕ちたように、笑い声が大きくなっていって。その怒りに満ちた狂気的な笑いにぞっとしました。役者さんがうまいなぁ。

 

この先、一蔵は吉之助を“裏切る”のかもしれませんが、一蔵からすると「先に裏切ったのは吉之助の方だぞ」とでも言いたげなシーンでした。それぞれの思いをわかりきっているからこそ、吉之助は自分の内をもっと一蔵に話すべきだったのかもしれませんね。

 

吉之助は多くを手に入れて、多くを失った

吉之助が「幕府を討つ」と思い立ってから、ようやく事を成し遂げたわけなのですが…。結果として、吉之助が得たのは野望でもなく、希望でもなく、虚無感だったのではないでしょうか。

 

そもそもは「民のため」の国作りという吉之助の理想を、江戸幕府は踏みにじろうとして、一蔵と共に立ち上がったわけです。途中で「民のため」という目的を見失うこともありましたが、それでも思い出し、できるだけ最善の策を進めてきたわけです。

 

吉之助はある種の革命を成し遂げたわけです。しかし、実際に理想とするものを得るためには、目の前であまりにも多くの血が流れました。「民のため」と言いながら、自らの手で多くの民を犠牲にしました。大切な肉親である弟も失いました。

 

吉之助が率いる薩摩も、新政府の一員で、たしかに新政府は旧幕府に勝ちました。しかし、何に勝ったのか。こんなにも犠牲を目にしているのに。

 

その上で成り立つ新政府とは何か、吉之助はわからなくなってしまったのではないでしょうか。そして、一蔵に告げたように「もうおいの役目は終わった」と思ってしまったのではないかなと。

 

吉二郎が西郷家の評判が落ちないように振る舞い、自分のためにと苦しい生活の中でもお金を貯めてくれていて、あまりにも細かな帳簿を見たとき…。いいえ、吉之助はそれをしっかり見ることができなかったんですよね。

 

もういなくなってしまった弟のこんなにもあたたかな思いを、死んでから知ることになるのは、あまりにもつらい。そして、家では、吉之助の慟哭が響いていました。

 

吉之助は感情が豊かで、よく泣いたり笑ったりする印象がありました。が、「幕府を討つ」と決めてから、激しい感情を出すことがなかったように思います。静かに秘めているものは感じたとしても。

 

なので、久しぶりの泣き声でした。やっと泣けたのかなと。やっとあまりにもつらいことに対して、悲しむ時間ができたのかなとも思いました。あるいは「俺は何をやってるんだろう」という自責の念?うーん…。

 

そして、吉之助は自分の髷を刀で切りました。時代に合わせてちょんまげをやめた者たちがいましたが、吉之助は違う気がします。もう侍はやめよう、という意思表示なのかなと。薩摩で「民のために」生きる方法をこれから探していくのかなと思いました。

 

次回:西田敏行登場!

薩摩に戻った吉之助は、大島にいる愛加那との子・菊次郎を引き取る。しかし、吉二郎は遠慮をして、養母となった糸になかなか心を開かない。一方、信吾改め従道は、一蔵から吉之助を状況させるように命じる。

予告で、ドラマで語りを担当している西田敏行さんが登場したので驚きました。どうやら未来の菊次郎役のようですね。息子目線で父親を語っている、というようなことなのでしょうか。吉之助は吉之助として家で大変そうですが、また一蔵が頼って…いろんな心配が尽きませんね。

 

 

aoikara

 

▼西郷どん 第39話「父、西郷隆盛」記事はこちら

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▼西郷どん 記事はこちら

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