陸王というタイトルなので、てっきり狩り的な話かと思っていたaoikaraです。全然誓いました。陸を制するという意味では狩り的な意味も…ないですね。というわけで今回のテーマは…
陸王 第1話 感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方は見てからどうぞ。
▼陸王 第1話 ネタバレ記事はこちら
GOODポイント
- 小籔さんが嫌味な営業担当…ってめちゃくちゃ似合いますね。良い意味ですよ。すごく口の立つ方なので、今後も言いくるめてほしいなと思いましたw
- マラソン足袋で走ったのが金栗四三。再来年の大河ドラマの主演なんですよ!これはちょっと興奮!
- マラソン解説が増田明美さんで本物だったのが笑っちゃいました。あの声を聞くと「長距離だな」と実感します。
- 息子に「ランニングシューズなんか無理!」と言われてしゅーんとなっている役所さんがちょっとかわいかったw
- 専務の玄さんは会社のためにきちんと考えていて、厳しい意見も言ってくれて、リストラだったら自分を真っ先に切ってくれなんて。この人は良い社員ですよ!
- 社長に文句を言えるという距離感ってある意味貴重ですよね。良い方向にも悪い方向にも動く。動かしやすいけど、そっぽも向きやすい。どうするのかな。
- 社長があけみさんに思いを吐露するシーンで、「阿川さん、さすが“聞く力”」とか思っちゃいましたw
- 玄さんとあけみさんの「くそじじい」「くそばばあ」論争は見苦しいなぁ。やめてよ、良い年なんだから血圧上がっちゃうよ。
- 大学生って反抗期はだいぶ落ち着いていると思うんですけど、大地はまあ激しかったですね~。でも、最後の「リストラするなら俺を切れよ」ってのは良かったですね。文句言いながらも、あれは大地の優しさなんだなって感じられました。
- 冨久子さんの「あたしゃやめないよ」というのが、最初は反発で、次は会社に対する愛情で、2度言うことで対比になっているのが良いな~と思いました。
- 掃除のおばちゃんがシューズを拾っていたという展開が良かったですね。おばちゃん世代にとって、こはぜ屋はネームバリューのある会社だった。つまり100年やってきた価値のある仕事だったということを感じました。
気になったポイント
- “こはぜ”ってどういう意味なんだろうと思っていたら、足袋を留める金具のことなんですね。初めて知りました。なるほど。
- ミシンもう足りないんだったら、部品を作るしかないですよね。そういうのやってくれる佃製作所っていうのがありましてね…。
- 初めてランニングシューズを作るのであれば、より多くの専門家の意見を聞くべきですよね。技術開発で主に参考にしたのがアリムラスポーツの店主だけってどうなんだろう。走ってみての話はいろんな人に聞いていましたけど、もっともっと事前調査すべきなんじゃ?とは思いました。
- 大地が茂木のことを応援していたので、今後関わっていく中で友情が芽生えるのかなーなんて思ったりしました。どうなんでしょう?
- アトランティスの村野さんは方針がこはぜ屋と一緒なので、もうランニングシューズ部門としてこはぜ屋に来ちゃえば良いのに、とか思っちゃった。そんな展開、ありますか?
感想
巻き返すための負け戦だらけ
池井戸潤さん原作の『半沢直樹』や『下町ロケット』が好きな私。今回も同じ原作者、同じスタッフということで期待して見ました。
結果…半沢よりはスカッとせず、下町よりも技術面での魅力的な部分がない。いや、下町ロケットも第1話はこんな感じでしたね。ダメ、ダメ、とにかくダメで。陸王の第1話のダメ、ダメ、ダメの連続。
ダメの連続一覧
- 足袋屋としての未来は危うい。
- →新しい事業を考えたけれど、開発には時間もお金もかかる。
- →試作品は実用的だが本格的なランニングシューズとしては耐久性がない。
- →練習シューズ用として使えるから、ネームバリューのある茂木に試してもらおうとするが捨てられる。
- →コンペに負ける
- →銀行で融資担当の坂本さんが転勤。
- →リストラを要求される。
- →なんとかやると息巻いたけど、プランはない。
- →茂木が靴を見つけたけど見ることなく終了。
たぶん今回は宮沢社長の決意が固まるまで、を描いたんでしょうね。本気でやっていくぞ、という。そこに火がつかないと周りは付いていかないし、あやふやな気持ちだったのがぶれずに固まった。そこまでにすごい負けがあって、ぶっちゃけこの第1話にスカッとするような勝ちシーンはないんですよね。
だからこそ、今後の巻き返しが楽しみなんです。この鬱々とした気持ち、どんどん晴らしてください!という気持ちです。
題材としてはとても面白い
題材として足袋屋がランニングシューズを開発する、というのは面白いな~と思いました。しかも、ミッドフット着地走法という理論的な説明もあって、裏付けがきちんとなされているのも感心しました。
だからこそ、今後どんな技術開発をしていくのか、選手にどれだけの伸びしろを与えられるのか。
最後にシューズの名前を「陸王」にしたというのも、「おお~」となりました。
履いていないようなフィット感と、ミッドフット走法しやすい靴、そのおかげで選手がケガをしないようにしたい、どれだけこの理想を叶えられるのかが楽しみです。
テレビで役所広司さんが見られるって貴重!
役所広司さんという俳優は、もはや映画俳優みたいな感じであまりドラマで見ることはありません。一時期は大和ハウスのCMに出ていて(「ダイワハウチュ」好きでしたw)よく見かけたのですが、最近はさっぱり。
だから、テレビで見られてうれしいなぁと思います。頼りないけど憎めない、そんな社長としてぴったりでしたね。演技が良いよなぁ。主演にこんなに渋い俳優を持ってくる、最高ですよ!
ちょっぴりある違和感
ドラマ上の違和感というのも感じられて、ちょっと気になるので書いておきます。
一世一代のコンペに“思い”だけで臨む?
こはぜ屋のランニングシューズ開発で、何もかもがダメという状態で。そんなときに会社を救うかもしれない、コンペ話がやってきたわけですよね。これは一世一代のことですよ。
なのに、それに向けての準備がなさすぎる。それも時代に取り残されている、という演出なのかもしれませんけどね。うーん。きちんとプレゼンテーションしないとダメですよ。あの足袋というデザインだけで子供たちは「ダサい」と思ってしまう要因になる。じゃあメリットは何なのか。それをアピールしないと。
思いだけで決まる、というのは陳腐な展開だと思っていたので、ここで敗北してくれたのは良かったです。むしろ当然の結果。
“思い”を謳っていたスピーチも、私は個人的にそこまで胸を打たなかった。社員だけが泣きそうになっていて、ちょっと違和感。いや、良いことは言ってるんですよ。でも、そこまでかな?みたいに思ってしまいました。なんだろうなぁ。
演出の「スカッとするでしょ!」「感動的でしょ!」という押しつけ感が強い
半沢直樹の大胆演出で成功したからなんでしょうけど、このスタッフの方々の「スカッとするでしょ!」演出が少し過剰に思えてしまうんですよね。
今回も最後のいや~な融資課長に対して言ってやるのがスカッとシーンなんでしょうけど、彼はそこまで言っていることが間違っているわけではないし…。たしかに彼は目先の利益だけしか考えていないかもしれませんが、銀行員としては当たり前の選択をしていますし、その選択も間違ってはいない。
たしかに坂本さんは企業に寄り添っている良い銀行員ですし、ビジネスとしての具体的なプランを考える力は大いにある。しかし、結局は実績につながっていませんよね。今のところは。
融資課長は人間的には嫌な奴ー最低レベルでーなんだけど、今のところの策としてリストラは間違いではない。だから、彼を打ち負かしてやった感は少ないというか。
また、「感動的でしょ!」みたいなのもちょっと…。例のコンペのスピーチもですし、融資課長に向かっての演説も。社員が大喜び…するかな?リストラするかもよ?会社なくなるかもよ?ってときに、胸を打つ話だったのかな?
ドラマや映画でお笑い芸人さんが出てくるみたいなシーンで、役者さんたちが笑っているとすごく違和感を感じるんです。ライブ感がなくて。演じてる笑い声だな、みたいな。そんな感じ。演じている感動っぽくて、ちょっとくさい演出だなと感じてしまいました。
みんなが感動している顔は映さなくて良いんですよ。視聴者がどう感じるかは委ねるべきじゃないかなって。あまりにも押しつけられる感じがちょっと苦手。でも、慣れるしかないかな。半沢とか下町は好きなんだけどなー、なんでダメなんだろ?
とはいえ見るよ
とはいえ見ます。2時間を飽きられず見られたわけですし。続きも気になります。だって、ここで終わったら悔しいだけですからね。なんだかんだ言って、私もこはぜ屋の味方っていう気持ちで見ちゃうんですよ。バカにされたら悔しいし、コンペに負けたら悲しいし。
だからこそね、いろんなプロフェッショナルをそろえて(下町で言うと弁護士みたいな)、挑んでほしいんですよ。そして、足袋屋のプロフェッショナルを売り込んでほしい。期待して見ますよ。
次回:ソール作りへの第一歩が…
坂本から紹介された新素材「シルクレイ」は、有村からも太鼓判を押される物だった。特許を持つ飯山という人物は、2年前に自社を倒産させて現在は消息不明らしい。宮沢はなんとか飯山に会えたものの…
渋いですね~寺尾さん。おじさんとおじさん、良いですね。特許の問題とか、茂木の挫折とかいろいろありそうです。次回こそは良い方向に動きますように!
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aoikara
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