私は遠距離恋愛をしている。いつになるかはまるで未定なのだが、一人で、一緒に暮らす日のことを想像したりする。
ある日、SNSやブログで花を飾るというおうちを見かけて、「いいなぁ」と思った。隔週で届くサービスなどもあり、見ているだけでわくわくした。私も、花を飾る家に住みたいなぁ、と思った。
私は在宅ワークで外に出ることも少なく、ほぼ暑さ寒さでしか、季節を感じられない。花が家にあれば、目と鼻に彩りと季節を届けてくれるような気がしたのだ。花は種類を分類できるほどの知識はないが、どれも個性があって、見ているのは好きでときめく。
他にも、誕生日や記念日に、大きくなくても良いけど小さなケーキを買いたいなとか、散歩できるような道があれば良いなとか、公園や緑があったらいいなとか、想像はふくらむ。
でも、私が想像しているのは、生活必需品ではない。まずは最低限の物さえ手に入れるのが大変なのに、私ってそれ以上の物を求めてるのか…って、ちょっと悲しい気分になった。まずは地に足着けないと、と。
そんな想像をして、でももっと生活基盤を考えないと話をした。あってもなくても良いけど、あるとうれしい。絶対に必要ではないのに、そんな物を私は欲しがる傾向があるみたいだと、自嘲気味に。
「そうかな?」と恋人は答えた。例えばと花の話をしてみた。「たしかに必要ないね」と言われるかと思ったら、「いいよね、花ね」と返ってきた。
あ、なんだかとてもうれしい気持ちになった。値段的には、花屋で買った方がいいんじゃない。届くサービスだと送料もかかるし。一輪だったらそんなに高くないかもね。一輪挿しで、枯れたら次のを回にいこうか。じゃあ、花屋の近くに住みたいね。
なんて、会話が弾んだ。それが、すごくうれしかった。あってもなくても良いけど、あるとうれしい。って、自嘲気味になるような繊細な気持ちを肯定されたら、心がほっこりするよね。
うれしい。そういう幸せを感じられるように、いつか花屋の近くに住めるよう、頑張ろう。私の目標がまた一つできた。
aoikara