※2017年6月25日(土)に刑法改正されたことを追記しました。
- まずは前回のブログで「強姦罪の4つの問題点」をおさらい
- 新しい法律の変更点
- なぜ法律の名前が「強制性交等罪」なの?
- さらに「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」
- 強姦罪と強制性交等罪の違いを表にまとめてみた
- 被害者を守る法律であってほしい
- 追記:やっと性犯罪厳罰化の改正刑法が成立しました
先日、とても興味深いニュースがありました。
強姦罪という法律の名前と内容が変わる
ということだそうです。以前、強姦罪についてこのブログでも言及したことがあるので、やっと動きが出てきたのかということで詳しくブログに書きたいと思います。
※事細かに書いているので過激な表現もあり、読んでいて気分の良いものではありません。
私個人の意見として、それでも読みたいという方だけご覧ください。
まずは前回のブログで「強姦罪の4つの問題点」をおさらい
私が以前書いた記事というのはこの2つです。
いろんな資料を拝見した上で気づいた4つの問題点というのが…
- セカンドレイプで被害者が二次被害に遭う
- 親告罪なので被害者が告訴しなければ立件されない
- 男性は被害者にならない
- 量刑が軽い
さらに詳細については、先ほどの記事をご覧ください。では、この問題点を踏まえた上で、新しい法律では何が変わったのかを見ていきましょう。
新しい法律の変更点
法律の名前:「強姦罪」→「強制性交等罪」
まず名前が強姦罪から強制性交等罪に変更されることになりました。
犯罪の被害者:女性のみ→男女とも 性差なし
強姦罪において被害者は女性のみでした。強制性交等罪は男女どちらも被害者になる、と被害者の性差がなくなりました。同時に加害者も男女どちらもなり得ることがあるということでしょうね。
親告罪→非親告罪
犯罪には親告罪と非親告罪があります。親告罪というのは被害者が告訴しなければ立件できない犯罪のこと。プライバシーを守るために被害者が嫌だと言えば告訴しないというメリットがあると言われています。
しかし、同時に容疑者からの報復が怖かったり、何度も被害にあった状況を聞かれるようなセカンドレイプに苦しんでしまい、告訴しないという事実がありました。法律で罰したくても罰せなかったのです。
強姦罪は親告罪だったのですが、新しい強制性交等罪は非親告罪で、被害者が告訴しなくても立件できるようになったということです。このおかげで被害者につけこむような加害者が減ると考えられているのでしょう。
量刑:重くなった
私は量刑が軽いのではないか、という指摘もしました。新しい法律では強姦罪と強姦致死傷罪の最下限が長くなるようです。
- 強姦の最下限:3年以上→5年以上
- 強姦致死傷罪の最下限:5年以上→6年以上
うーん、でもまだ軽い。最低刑務所に入っている年数が変わっただけですからね。もっと厳罰化しても良いと個人的には思います。
罪状:強制わいせつ罪も悪質であれば強制性交等罪になる
以前は性交のみが強姦罪でした。新しい強制性交等罪は強制わいせつ罪でも悪質であれば罰せられるようになりました。
具体的には書かれていなかったのですが、以前私がブログで指摘した性器ではなく肛門になどを犯す性犯罪などではないかと。強姦罪に問われず、一段軽い強制わいせつ罪だったんです。強姦罪に問われないためにわざとやっていた人もいるので本当に悪質です。
私が指摘していた問題のうち何がちゃんと変わったのか
もう一度私が指摘していた強姦罪の4つの問題点をおさらいすると…
- セカンドレイプで被害者が二次被害に遭う
- 親告罪で被害者が告訴しなければ立件されない
- 男性は被害者にならない
- 量刑が軽い
これがどう変わったのかというと…
- セカンドレイプで被害者が二次被害に遭う→非親告罪で改善されるかも
- 親告罪で被害者が告訴しなければ立件されない→非親告罪化
- 男性は被害者にならない→男女とも性差がなくなった
- 量刑が軽い→少し重くなりました
このようになりました。全ての問題が解決している、というわけではないけど、きちんと改善はされているようです。
なぜ法律の名前が「強制性交等罪」なの?
強姦とは「男性が女性を犯す」ことだから
なんで名前を変更するの?内容だけ変えればいいのでは?と思う人も多いのではないでしょうか。それは強姦という言葉の意味に深く関わっています。
強姦というのは「男性が女性を意に反して襲う・犯す・性交する」ことを指しています。強姦罪というのは客体は女性、つまり被害者が女性のみの言葉になってしまうのです。
被害者の性差をなくすのであれば、強姦という言葉の意味が合わなくなってしまうので、法律そのものの名前を変えることになったのだと思われます。
さらに「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」
性犯罪として、さらに新しい法律が作られることになりました。18歳未満の子供を保護・監督している父母などが影響力を利用してわいせつな行為や性交をすることを処罰するという法律です。
それぞれ「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」。家族間での性犯罪というのも大きな問題なので、新しく法律が作られたことで改善・解決へとつながってほしいです。
強姦罪と強制性交等罪の違いを表にまとめてみた
今まで書いてきた「強姦罪」と「強制性交等罪」の違いについて表にまとめてみました。
また法律になるにあたって具体的なことは少し変更になるかもしれませんが、現段階ではこのような状態です(2017年1月現在)。
被害者を守る法律であってほしい
まだこちらは法務省が決定した、という話であって具体的に進められるのは3月以降になるそうです。その間にもこの罪に問われる人は出てくるはずです。被害者を守るための法律だと思うので、なるべく早くに進めていただきたいなと思います。
今回の新しい法律というのは問題が改善されたということであって、全てがクリアになるわけではありません。ただ、被害者をきちんと守ってくれる法律により近づいてくれる一歩となってくれれば幸いです。
追記:やっと性犯罪厳罰化の改正刑法が成立しました
やっと性犯罪厳罰化の法律が改正されて、2017年6月16日(金)に成立しました。7月13日(木)から施行される見込みだそうです。
いろんな問題点が改善して、また新たな問題点が見つかったときは速やかにまた法律が変わってくれると良いと思います。何度も言うようですが、人を守るための法律であってほしいです。
良かったらポチッとください。
励みになります。
aoikara
▼お仕事のご依頼はこちらまで