中卒フリーライターほぼ無職。

在宅Webフリーライターaoikaraの日常ブログです。

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anone 第1話 ネタバレ ハズレのハリカ

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観るドラマが多いと楽しいけれど、真剣に見て書く時間と労力を考えると苦しいな~とうれしい悲鳴を上げるaoikaraです。また面白いドラマ見つかっちゃったよ!

 

というわけで今回のテーマは…

 

anone 第1話 ネタバレ&感想

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼感想記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

第1話 あらすじ・ネタバレ

 フリスクを食べる男

カシャカシャとフリスクを取り出す男が一人。場所は病院。訪れた老齢の女性たちが、この病院では悪い診断をされるときに、医者が名言をまじえて話してくれると話している。

 

「やまない雨はありませんよ」

「夜明け前が一番暗いんです」

「砂糖水を売るか、世界を変えるか」

 

男を目の前にして、医者(木村靖司)は名言ばかり言う。最後にはスティーブ・ジョブズの名言まで飛び出した。

 

「余命は半年ほどになりますかね」

 

宣告はあっさりしたものだった。男は「へぇー」と感嘆したかのように、半笑いで声を漏らす。

 

彼は持本舵(阿部サダヲ)という男で、カレーショップ「東印度会社」の店主だった。今日を最後に閉店するつもりだ。

 

ふらりとやってきた女

舵はフリスクを常備している。粒を取り出そうとして、いつもどばっと大量に出してしまう。舵のもとには督促状が届いている。

 

「ごめんな、無理だった」皿に描かれている男に向かって、そう話す。「俺もそっちにいくわ」と極めて軽やかに言う。

 

店に女性(小林聡美)が一人でふらりとやってきた。店は券売機を使うと舵が説明しているが、気にも留めず「焼きうどん」を注文する。カレーの店なのに。

 

舵は焼きうどんを作って出した。女性は「おいしい!」と喜んでいる。舵は今日で店を閉めることを開かす。女性は驚き、ようやくカレー屋だと気づき、「なんで焼きうどん屋さんじゃないんですか?」と尋ねる。舵は「生まれて初めて作りました」とまた笑いながら答える。

 

「そういうもんですよね」と受け止めたように女性が言う。「置かれた場所で咲きなさいって言いますもんね」「止まない雨はないとか」。舵が咳払い。「名言恐怖症なもんで」と女性の言葉を止める。

 

「雨はやんでもまた降る」「努力は裏切るけど、諦めは裏切らない」と、その方が良いと舵は言う。

 

その後もなんだかんだの実のなるような無駄なような話をして、女性は食べ終える。「おいしかった。じゃ」と帰ろうとして舵が止める。代金をもらってない。女性は「あれってプライベートじゃ?」と質問するが、「そう思っていた私が勝手」と財布を取り出す。

 

舵は思わず止める。「あの焼きうどんはプライベートです」と笑顔で了承する。女性も受け入れる。舵は笑顔で話し続ける

 

「人生の時間は限られているし、お会計のことなんてくだらない。もっと有意義なことに人生を使うべきだったんだ」

 

女性は「有意義なことって?」と聞く。舵は「それがわかってたら、もっと有意義だったんでしょうね」と答える。

 

「さいごにおきれいな方にごちそうできて良かった」舵は満足げにも見える。女性は「さいご?」と聞き返す。そして、舵の手元にある大量の督促状に気づく。

 

女性は舵に部屋の灯りを暗くさせて、咳に座り直す。「なんだったらお付き合いしますけど」と。「あたしものね、死に場所を求めてた。そういう場所を探してたところ」と彼女は言う。

 

舵は自分の車の助手席に女性を乗せて、うれしそうにエンジンを鳴らして走り出す。

 

見つける女

どこかの家に白い猫が張り込む。ふらりふらりと歩き、林田亜乃音(田中裕子)が猫に気づく。気を取られているうちに、指にはめていた結婚指輪を落としてしまう。

 

きょろきょろと探すと、きらりと光る指輪を見つける。見つけた床の一部がぐらぐらとしているのに気づく。それを取ってみると、そこにはあふれんばかりの一万円札があった。

 

特殊清掃で働く少女

辻沢ハリカ(広瀬すず)は特殊清掃の仕事でとあるアパートに来ていた。19歳で、ショートカットにダウンジャケット、ぶかぶかのパンツにスニーカー、少年のようにも見える。

 

今回は死後1ヶ月経っていた60歳男性の事後処理。ハリカは爪に青いネイルをしている。友達がしてくれたとハリカは話す。「あんたの仕事は気持ちが荒むから、お守りに」と。

 

同僚でブラジル人のニコライ(カズラガオ)が「神のお加護だね」と半ばからかい気味に言う。ハリカも愛想笑いしながら「余計なお世話ですよね」とつぶやく。

 

手袋をして、ネイルは隠れてしまう。身を覆い、部屋へ。新人の宮部(木戸大聖)はにおいに慣れず、退室。ニコライとハリカだけが残る。「始めます」とハリカは何にも動じず、遺品処理を行う。

 

ハズレ

仕事終わり、ニコライは上司の山木(山口森広)に給料が差し引かれていることを怒っている。山木は昼食代だと説明するが、1日で5千円も引かれている。

 

それを見ていたハリカは山木から5千円を奪い取り、ニコライと一緒に逃げる。ハリカはお金をニコライに手渡し、「ハズレ、ありがとう!」と感謝される。

 

友達のような

ハリカはスケボーに乗って街を走り、ネットカフェへ。女の子らしく派手な色のファッションの笠木有紗(碓井玲菜)と、カジュアルな服装の網島美空(北村優衣)に「ハズレおかえり!」と笑顔で出迎えられる。三人は同じ部屋で、お弁当を食べながらとりとめもない話をしている。

 

有紗は前歯が一本欠けている。捨て猫を救うために、カラオケに行ってマイクで殴られてしまったらしい。そんな話も笑いながらする。

 

ハリカが1日1200円のネットカフェに住むようになって1年。有紗と美空もネットカフェに住む同じ19歳の少女だった。信頼はしている。友達っていうのとは少し違う、とハリカは思っていた。それでも、二人の寝顔を見て、思わずスマホで撮るほどには親しみを感じていた。

 

カノンさん

ハリカはスマホで知り合ったカノンさんという男性とチャットでやりとりをする。ハリカはそこで「ハズレ」と名乗っていた。カノンさんは病気で入院しているらしい。

 

ハリカは仕事先のニコライがブラジル人で、デートに家族もやってくるという話をする。カノンは楽しそうに話を聞いている。カノンはハリカがしてくれる外の話が毎日の楽しみだと言う。

 

おばあちゃんの話

カノンは「あのおばあちゃんの話をまた聞きたいです」と言う。「はい、あのね」とハリカは書き出す。

 

ハリカの小さい頃の回想。大きな風車がいくつもある場所に車でやってきたハリカ。気持ち良く風が吹いている。いくつもかかしがいて、車で移動しながらいろんな景色を見るハリカは楽しそう。

 

ハリカは8歳から12歳まで、森の中でおばあちゃん(倍賞美津子)と二人で暮らしていたと言う。おばあちゃんの家は絵本から出てきたような素敵な家で、風見鶏があって、屋根が星の形をしていた。

 

おばあちゃんはハリカの手を握って森の中を楽しそうに一緒に歩く。のっそのっそと歩くリクガメを見て、実はブラン伯爵というイギリスの貴族で元は人間だったとおばあちゃんは話す。

 

また、木こりのゴーレム(長江英和)は土で作られていて、本人に言ってしまうと土に戻るから「絶対に教えちゃダメ」といたずらっぽい口調でハリカに言う。

 

森の中には、まるで魔法を使って1日で建てたような、素敵なツリーハウスもあった。それがハリカの家だった。森には学校も勉強もなかった。

 

ツリーハウスの中で、ハリカはおばあちゃんに「学校の友達に“おまえは変な子”と言われた」と明かす。おばあちゃんは「そりゃあ良かった」と言う。「変な子というのは褒め言葉」と言うのだ。

 

そして、お菓子の缶の中に入っているクッキーを見せる。他のとは形が違うクッキーだった。「失敗?」ハリカはクッキーを見て言う。「これは当たり」とおばあちゃんは言う。

 

「人間には持って生まれたものがある。誰かに預けたり帰られたりしたらダメなの。あなたはたしかに変な子よ。それは、あなたが“当たり”だからよ」

 

おばあちゃんは笑顔でそうハリカに言い聞かせてくれた。

 

「あのツリーハウスでの幸せな日々なことを思い出します。大切な思い出って、支えになるし、お守りになるし、居場所になるんだなぁ、と思います」

 

ハリカはそう心から穏やかに思い、カノンに伝える。

 

カノンはおばあちゃんの家が今どうなっているのか気にする。ハリカは12歳の頃にまた別の場所に行くことになったので、それきりだと明かす。会いに行こうとは思わないのかというカノンの問いに、ぱちくりとまばたきをするハリカ。

 

場所がどこだったのかと聞かれて、「つげ」という町だったと思うと答える。「たぶん、あの場所にはもういません。でも、まあの森に帰りたいなって気持ちはあります」というのがハリカの気持ちだった。

 

カノンは、「当たり」だと言われていたのに、どうして「ハズレ」と名乗っているのかと尋ねる。ハリカは「なんとなく」と答える。「みんなにも呼んでもらってて」。

 

カノンは質問攻めにしてしまったことを詫びて、今日はこの辺でと締める空気に。ハリカは「待って」と、カノンの体調を気にする。カノンは薬を減らしたと答える。良くなったのではなく、その逆だと。カノンはログアウトした。

 

ハリカは風車のある、あの町を思い出していた。

 

本当か嘘か

ハリカは次の日も仕事へ。病気だった人だが、お金がなく在宅で亡くなったそうだ。その家の雑誌の中身を見るハリカ。「がんが完治する」という「重粒子線治療」の記事だった。

 

仕事が終わって、ハリカは一人屋上でその治療についてスマホで調べている。美空がやってきて、別の雑誌の「ネット詐欺」という記事をハリカに見せる。「あんたのって、それの病気バージョンじゃないの?」と言う。

 

ハリカはやってきて猫をなでながら、「本気にしてない」「かわいそうな人の漫画を楽しむのと同じ」と答える。割り切っているなら良い、と美空は心配そうな顔をしている。ハリカもカノンの様子が変なことには気づいていた。やたらと家のことを聞きだそうとしていると。

 

基本は嘘だと考えていると言う。「本当に病気とか、聞いてて重すぎ」ハリカは冷たくつぶやく。

 

人生が変わる

屋上には有紗もやってきた。「人生変わるかも!」と興奮気味に話し出す。友達と出かけたときに、一人で別行動をして海を散歩していたという有紗。すると、保冷バッグに入っている大金を見つけたと意気揚々と話す。

 

美空は怪訝そうな顔をして「何それ?何のお金?盗む気?」と怪しがっている。有紗はお金をもらう気満々で、すきっ歯の口で「差し歯を入れる!」と言う。「真面目に働いてたらいいことあるって」と美空はなだめるが、「ないよ!」と有紗は言い切る。

 

「いいことある人は最初からいいことありっぱなしなの。ないひとは最後までないっぱなしなの!」

 

そして「お金があればつらいことは減らせるの!」と熱弁する。ハリカは猫をなでているだけ。美空はやっと詳細を聞く気になる。それはという場所の海だと有紗は話す。漢字が読めない二人は、ハリカに読み方を聞く。

 

「つげ」

 

とハリカは短く答える。

 

いざ出発

有紗と美空とハリカは柘に向かうことに。ハリカはネットカフェの部屋にこっそり猫を隠し、準備をする。有紗は「なんかあったとき用」とスタンガンを持っていく。有里美空は自転車で、ハリカはスケボーで出発する。

 

心安らぐとき

夜も更けて、3人は野宿することに。ハリカはスマホでカノンとチャット。カノンはいきなり鳥の写真を送ってきた。「ハシビロコウ」という鳥だと解説してくれるカノン。病院の窓の外からにらんでいるというのだ。

 

ハリカはカノンが入院しているのは動物病院なのかとふざけて尋ねる。カノンは自分も実は動物だと、シロガオサキという猿の写真を送る。さらにカノンは、看護師がホッキョクウサギだとハリカに話を合わせて冗談を楽しんでいる。

 

カノンはハリカの仕事は休みだったのかと聞く。ハリカは午前中にあったと話し、がんの先進医療があることを知ったと話す。「重粒子線治療」とカノンは言い当てる。同じ病室の人がその治療で完治したらしい。

 

ただ、保険の適用外でものすごくお金がかかる治療だと。「僕には関係のない話です」とカノンは言う。

 

死にたい理由

一方、舵と謎の女性。舵はまたフリスクがうまく出せず、どばっと大量に出してしまいながら、話を聞いている。

 

彼女は青羽るい子という名前。丸の内で商社をしていたと話す。自分では誰よりも仕事ができると思っていたと。30歳になって、自分より仕事ができない年下の人間が出世したと話す。自分は出世しないのに。それが14回も続いたと。

 

もう誰もいないなと思ったら、自分も出世したらしい。倉庫管理で部下のいない部署へと。舵が出世できなかった理由を尋ねると、「女だから?」と諦めたような口調でるい子は答える。

 

二人はファミレスで料理を注文することに。「最後の晩餐」とるい子は言う。舵はもっと贅沢に寿司などが良かったかと尋ねる。「お寿司食べたら死にたくなくなっちゃう」と、ファミレスという選択肢を大いに評価するるい子だった。

 

「やっぱりダメです。死んじゃダメです」食事終わりに、舵が急に言い出す。「ここまで来てダメだとか言わないで。この半年、死にたい死にたいってずっと言ってきたんです」とるい子は言う。

 

「死にたいって言わなきゃ生きられなかったんですよね。死にたいって生きたいから言ってるんですよね」

 

舵は言う。るい子はそれでも応じない。自分は刑務所帰りだと打ち明ける。会社の倉庫に火を付けて、5年入っていたと。二人は揉めそうになるが、夜の空を見上げて「あっ!」とつぶやく、それに夢中になる。

 

夜の空を見上げて

亜乃音も空を見上げて「あっ」と声がこぼれる。同じ頃、有紗と美空も空を見上げて「流れ星!」と興奮していた。

 

ハリカも流れ星を目にして、「カノンさん、流れ星が見えました」とチャットでメッセージを送る。「地球も流れ星になればいいのに」カノンはそんな風に答える。

 

不穏な朝

朝が明けて、亜乃音は一人で朝ごはんのトーストを食べる。家に入り込んできた猫に話しかけながら。

 

亜乃音が町を歩いていると、飼い犬を探すカップルがいる。犬を散歩している人から、海のテトラポットの近くにいるかもしれないよと教えてもらう。カップルは海へ向かう。そんな会話を聞き、亜乃音は海へと走る。

 

金の在処

有紗に導かれて、ハリカと美空は砂浜を歩く。有紗は「大丈夫大丈夫」と言う。「大丈夫って2回言ったら大丈夫じゃないってことだよ」とハリカが指摘すると、二人も納得する。

 

人の声が聞こえて有紗は思わず隠れる。ハリカと美空も同じく身を隠す。犬を探すカップルだったが、お金を取り戻しに来た人たちかもと不安に。有紗はまたスタンガンを見つめている。

 

犬の名前を呼ぶ声を聞き、お金が目的ではないとほっとする3人。その場から動こうとすると、有紗が「あっ」と言う。テトラポットに赤い×印がある。有紗がつけた目印だった。その下を掘り起こすと、保冷バッグがあり、その中には大量の一万円札があった。

 

と、犬の鳴く声が聞こえる。美空は飼い主が戻ってくるかもしれないと、有紗とハリカに見張りを頼む。その隙に、美空は一人で保冷バッグを手に取る。それを見逃さなかった有紗は「なんで自分だけ残ってるの?」と聞く。

 

美空は気まずそうになりながらも、「違うって、違う違う!」と否定。「2回言うのは違わないってこと」と有紗は指摘する。

 

美空はスタンガンを奪い、有紗にビリビリと当てる。有紗は顔をしかめているが気を失うことはない。美空は「留学したいの!」と叫んで逃走する。

 

「あいつ殺す!」ブチギレた有紗は美空を追いかける。ぽつんとハリカだけが残された。保冷バッグから出た数枚の1万円札を見つけ、本能的にかき集めてしまう。

 

美空は逃げて、有紗が追いかける。そんな様子を、車を停めて亜乃音が見つめている。

 

追いかける女

美空は自転車に乗って逃げる。有紗も自転車に乗って追いかけるが、途中で逃げ出した犬を目の前にして転んでしまう。

 

美空も自転車で転び、走って逃げようとする。すると亜乃音がやってきて、「返して!」と言う。保冷バッグを奪おうとしながら、「そのお金使っちゃダメなんです」と言っている。

 

美空はタクシーをつかまえて逃走。保冷バッグから1万円札を出して、走らせる。駅につき、会計も保冷バッグの中の1万円札で済ませる。亜乃音がタクシーに入ってきて、両替してほしいと自分の金と交換する。ちょうど来た電車に急いで乗り込むが、違和感。

 

亜乃音が保冷バッグを掴み、閉まるドアに持ち手が挟まれてしまったのだ。お互いに引き合うが、亜乃音がバッグを奪い取る。そのまま電車は発進してしまった。

 

金を追う者たち

ハリカは転んでいる有紗を見つけて、手助けしようとする。しかし、払いのけられ、「勘違いしてた。どうせ裏切るから友達なんていらなかった」とぶっきらぼうに言われてしまう。

 

ハリカは声をかけて、先ほどかき集めたお金を有紗に手渡す。有紗は半分だけ受け取り、残りはハリカに返して一人でどこかへ行ってしまう。

 

有紗は一人でつけまつげを購入。ところが、素早く亜乃音がやってきて、自分のお金と交換。そのまま亜乃音はトイレに行き、有紗が必死で止めるのには気も留めず、保冷バッグに入っていた1万円札をびりびりと破って水に流してしまう。

 

店の外に停めていた車に乗り込む亜乃音。怒り狂う有紗は車に乗り込み、保冷バッグを見つけて盗もうとする。はずみで保冷バッグが飛んでいき、偶然居合わせた舵とるい子のもとへ。二人も保冷バッグの大金を目にして、自分たちのものにしようと持ち逃げしようとする。

 

すると、そこにスケボーにのったハリカがやってきて、保冷バッグを持ち去ってしまった。

 

あの場所に来た

ハリカは土手でスマホを見ていた。有紗と美空のメッセージのやりとりで二人とも退会していた。ハリカも退会し、二人の寝顔を撮った写真も削除。

 

ハリカは一人歩く。すると、目の前に大きな風車がある。いくつもいくつも。それは、あのときと同じ風車だった。大きな音を立ててびゅんびゅんと回るプロペラを見上げるように眺める。

 

ハリカはスマホで地図を見て、今いる場所を確かめる。その近くには、星の形を屋根の家があった。懐かしい記憶が蘇る。ハリカは星の形をした屋根の家へと走り出す。

 

大きな柵の向こうに、おばあちゃんの家はあった。絵本から出てきたような、風見鶏のいる、星の形をした屋根の家が。

 

すると亜乃音がやってきて、保冷バッグを返してほしいと言う。「それごめんなさいね。捨てるつもりで海に落として。返して…」。ハリカは手を離さない。

 

と、家のドアが開く。出てきたのは見知らぬ二人の男だった。男は「もしかして、ここにあった学校の生徒さん?」とハリカに声をかける。もう一人の男はそのことを知らないようだ。

 

知っている男が説明する。ここは全寮制の更生施設で、不登校の子などが治療をする場所だったと。「そこの子?」と男は聞く。ハリカは無表情の中にも戸惑いを見せて、「間違えました」と小さくつぶやいて立ち去る。

 

ハリカがいなくなって、男が話を続ける。「ためがい学舎」という更生施設では、治療という名の虐待が行われていたと。親に見放された子供ばかりいたと。子供が一人死んで閉鎖されたと。亜乃音がこっそりと身を隠して男の話を聞いていた。

 

本当の話

ハリカが森の中を歩いていると、あのツリーハウスを見つける。おんぼろになっていた。ブラン伯爵と呼ばれていたリクガメが現れて、ハリカは思わず駆け寄るが、亀に見えていたのは同じ色のたらいだった。

 

ここは8歳から12歳まで、森の中でおばあちゃんと過ごした場所のはずだった。

 

「あのツリーハウスでの幸せな日々なことを思い出します。大切な思い出って、支えになるし、お守りになるし、居場所になるんだなぁ、と思います」

 

そうハリカが思っている場所。「待って待って、ちょっと待ってよ」ハリカに話しかけてきたのは風見鶏(石田圭祐)だった。「君の記憶は間違ってるよ」と風見鶏は言う。「本当はそうじゃなかった、こうでしょう」。

 

ハリカがおばあちゃんだと思い込んでいたのは、為貝真砂子という施設の先生。楽しい気持ちでやってきたと思っていたが、本当は「嫌だ!」と叫び両親に置いてかれたのだった。

 

絵本のような家の中、だと思っていたのも偽りの記憶だった。本当は薄暗く恐ろしい雰囲気の家の中。同じ格好をした大人ばかりがいて、ハリカは真砂子の部屋に呼び出されていた。

 

「辻沢ハリカ、よろしくね!」子供の頃のハリカは、朗らかに楽しそうに自己紹介をする。どうしてここに来たのかわかっているのかと真砂子に尋ねられると、自分が今までに注意してきたことをいくつも挙げるハリカ。

 

その一つ「あのね、みんなと同じ制服を着ないから」と言うと、真砂子は「どうしてみんなと同じ制服を着ないの?」と聞く。「あのね、好きな洋服を着た方が楽しいから!」ハリカは楽しそうにはっきりと答える。

 

「みんなと違う行動を取ってはいけない」と真砂子は厳しく言う。「みんなって誰のこと?」ハリカはきょとんとした顔で答える。「あのね、みんなって誰かわからないから、同じにできないの」あっけらかんと言うのだった。

 

「あなたは病気です。あなたの両親は弟さんにあなたの病気が移るのを恐れているんです」と真砂子は説明する。しかし、ハリカは「あのね、私、たける好きだよ」と弟のことを言う。

 

「あなたのそういうところが家族を苦しめるんです!」真砂子は厳しく言い放ち、ゴーレムに命じてツリーハウスにハリカを閉じ込める。「クッキーだって何枚も焼けばハズレができる」と真砂子は言い、

 

「あなたの名前はハズレ」

 

とはっきりと言う。「辻沢ハリカ、ハリカだよ!」ハリカは言い返すが、真砂子には何も響かない。しばらく経って、ハリカのほかにも男の子が2人やってくる。一人は前髪が長く、一人は小柄な男の子だった。

 

小柄な方が熱で苦しみ、「ママ」と何度も呼んでいる。ハリカはツリーハウスの外に助けを求めて必死に「助けて!死んじゃうよ!」と叫ぶが、誰も来ない。何度も何度も叫んでいるのに。

 

やっと真砂子がやってきた。「ハズレ」と真砂子はハリカを呼ぶ。「返事をしなさい」と言われたハリカは「はい」と力なく答える。「あなたの名前は?」

 

「私の名前はハズレです」

 

真砂子は「もう一度」と言い、ハリカは「私の名前は…」

 

「ハズレです」

 

今の19歳のハリカがそうつぶやいた。

 

その後、ハリカが12歳のときに弟が事故で死んだ。両親も後を追った。ハリカは更生施設を出て、児童養護施設に預けられることになった。

 

過去の自分

亜乃音がやってきて、保冷バッグをハリカの手から取る。力のない手だった。「あなた名前は?どこから来たの?」亜乃音が聞くが、ハリカは何も答えない。答える気力もない。

 

「誰だって、過去に置いてきたい自分っています。今さらもう、過去の自分は助けてあげられない。せめて今を…」

 

亜乃音はそう言い、ハリカの顔を見て、その続きは言わなかった。代わりにハリカに何かを握らせて、保冷バッグを持って車に戻る。サンバイザーに挟んであった男(木場勝己)の写真を見て、「何しでかしてくれるの」と静かにつぶやいていた。

 

ハリカの手に握らせてあったのは石だった。ハリカはその石をツリーハウスめがけて投げる。窓ガラスが音を立てて割れた。

 

出会い

ハリカは一人で街に戻っていた。歩いていると「あのね」と母親に話しかける女の子がいた。「だからいつもの靴にしなさいって言ったでしょ」と母親は娘に注意している。ハリカはそんな親子を見ていた。

 

またぼうっと歩いていると、ハリカは見上げてはっとした表情になる。何かを見つけたようで、走り出す。それだけを目指して。

 

それは、にらみつけるような表情をしたハシビロコウが描かれた看板。その近くには病院があった。窓が開いている病室がある。顔は見えないが、青年が一人ベッドにいる。

 

ハリカは会いに行くわけでなく、いつものようにカノンとのチャットにログインする。チャット上でいつものあいさつのやりとりをして、カノンは「今日の外の世界はどうですか?」と聞く。

 

「今日、柘市に行ってきました」とハリカは答える。「私、カノンさんにたくさん嘘をついてました。おばあちゃん、いませんでした。私、思っていたよりもずっとハズレでした」と、今日感じたことを打ち明ける。

 

「ごめんなさい。カノンさんにも、何にもしてあげられません」そう続けたハリカに、「ハリカちゃん」とカノンはメッセージを送る。「はい」と返事をするハリカ。しかし、ハリカはチャット上で「ハズレ」としか名乗っていなかった。

 

「ハズレさんって、ハリカちゃんですよね」とカノンは言う。「僕も嘘ついてました。君のこと、初めから気づいてました」

 

カノンがこのチャットを始めたときに、「ハズレ」という聞き覚えのある名前があり、近づいてみたと。話しているうちに、もしかしてと思った。自分の記憶とは少し違ってたけど、「あの子だ、辻沢ハリカちゃんだ」と確信したのだと話す。

 

カノンもあの更生施設にいた一人だった。前髪を切らず、ツリーハウスに閉じ込められていた男の子で、紙野彦星(清水尋也)という名前の。

 

「ごめんなさい、黙ってて」と彦星は謝る。ハリカのおばあちゃんとの思い出を壊すのが怖くて、打ち明けられなかったと言う。そして、一緒に脱走したときの話をする。ハリカは全く覚えていなかった。

 

一度、ゴーレムが鍵をかけ忘れたときがあり、彦星とハリカは二人で夜に脱走したらしい。必死に二人で走ったと。彦星は逃げるのに必死だったが、ハリカは「あのね」と楽しい話を道々でしてくれた。

 

そして、二人で流れ星を一緒に見た。そのとき、ハリカがぽつりとつぶやいた。「地球も流れ星になればいいのに」と。彦星にとって、ほんの少しの時間でも楽しかった思い出の一つだった。

 

「大切な思い出って、支えになるし、お守りになるし、居場所になる。そう思います」

 

ハリカが空想で作り上げていた幸せな日々を思っていたように、彦星にとってはハリカと過ごした時間が幸せな日々のひとつだった。

 

「あのとき、本当は君に言いたかったんです。君の名前のこと。

 

君の名前はハズレじゃない。君の名前はハズレじゃないよって」

 

ハリカはメッセージを読んで、一筋の涙を流していた。ふと病室の青年を見るが、彼はハリカの存在には気づかない。

 

「はい。私の名前はハリカです。辻沢ハリカです

 

そう、ハリカも伝える。「はい」と彦星も返事をする。ハリカは彦星に会いたいと言う。しかし、彦星は「それはできません」と言う。「君に会ったら死ぬのが怖くなってしまう。君に会ったら一人きりが当たり前じゃなくなる」と。

 

「当たり前じゃないです!私は君がいることを知っています。嘘ですよね、死ぬなんて言って。騙してるんですよね?」

「僕はもうすぐいなくなります」

「嫌です。嫌です…」

 

ハリカはお金がいくらあったらあの治療ができるのかと聞く。彦星は「できればいつものとおり、外の世界の話を聞かせてくれれば、僕はもう十分だから」と答えるだけ。ハリカも「はい、外のこと、また毎日君に話します」と従う。

 

「ありがとう」と彦星が言い、いなくなってしまう。

 

「あのね」とハリカが言い、

「またね」と彦星が返す。

 

彦星はチャットからログアウトしてしまった。

 

諦め

舵とるい子は車に乗っていた。舵はまた、フリスクをうまく出せなかった。そんな様子を何度も見たるい子は、「ちょうど1個出せたら死ぬのをやめる」と言い出す。舵が焦っている間にフリスクが2個出てしまった。

 

「努力は裏切るけど、諦めは裏切りません」るい子は舵が言っていた言葉を反復し、車を出て駆け出す。舵が追いかける。二人が向かったのは海。

 

すると、亜乃音がいて、火が上がっている。あの保冷バッグに入っていた大量の1万円札を燃やしているのだった。舵とるい子は驚く。

 

1万円札

ハリカは猫のいるネットカフェに戻る。ダウンジャケットを脱ごうとして、かき集めた1万円札がポケットに入っていることに気づく。

 

同じ頃、一人の男(瑛太)がギャンブルの施設に来ていた。

 

ハリカがその1万円札を見て不思議に思い、2枚を並べる。同じ番号が書かれていたのだった。

 

ギャンブルに来ている男は、自分の1万円札を両替機に入れる。しかし、すぐに戻ってきてしまう。もう一度入れても、戻ってくる。男は1万円札をその場で破り、立ち去っていった。

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何何何!?結局何がなんだかわからず、謎が多いままで終わってしまいました。面白いな…。というわけで、感想は次回の記事で詳しく書きます!

 

 

 aoikara

 

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