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相棒19 第8話「一夜の夢」感想 道を外れたらどう生きていけばいい?

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自分から道をそれながら、まっすぐ歩きたいなぁと思ってきた、aoikaraです。いろんな道がありますよね。

 

というわけで今回のテーマは、茨の道を思わせる…

 

相棒19 第8話「一夜の夢」感想

 

です。

※ネタバレを含みます。

 

▼相棒19 第7話「同日同刻」感想 記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

相棒19 第8話 ゲスト・スタッフ

  • ゲスト:柏原収史 上野なつひ
  • 脚本:金井寛
  • 監督:杉山泰一

 

相棒19 第8話「一夜の夢」あらすじ

特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、レストランの前で揉めている男女を見掛け、間に入る。しかし、2人は大丈夫だと言って足早に立ち去ってしまった。

 

翌日、亘はネット記事で、昨晩の女性が与党幹事長の娘・小早川奈穂美(上野なつひ)と気付くが、その矢先、彼女の婚約者である資産家男性が他殺体で発見される。

 

捜査に乗り出した右京と亘は、奈穂美に事情を聞き、揉めていた男の素性を尋ねる。すると、落とした携帯電話を届けてくれた礼に、食事をしただけだという。問題の男は、宇野(柏原収史)というキャバクラの客引きで、奈穂美に一方的に結婚を迫っているらしい。

 

右京と亘は、宇野に疑惑の目を向けるが、確固たるアリバイがあることが判明。それでも、拾った携帯電話から奈穂美の弱みを握り、結婚しろと脅しているのではないかという疑いは消せず、捜査を続けるが…!?

 

男はなぜセレブ令嬢との結婚にこだわるのか?

いっぽう、脅迫を受けている令嬢にも秘密が…

右京と亘が、かつてない衝撃に見舞われる!

 

参考元:第8話「一夜の夢」2020年12月2日(水)|ストーリー|相棒 season19|テレビ朝日

 

GOODポイント

  • よーく見ると、たしかに宇野さんから小早川さんにぶつかりに行ってる。2回目を見返す面白さがありました。
  • 冠城君が右京さんをおごってくれるというのはたしかに珍しい!「約束がキャンセルになって仕方なく僕に」と言う右京さんの名推理!絶対それですね。青木ともそれやってたもんなぁ。上司にもやるか!
  • 捜査一課の聞き込みに「遅くなりました」と仲間っぽく入ってくる冠城君が面白かったです。イライラする伊丹に「呼んでないから」の芹沢、というバランスもよかったですね。
  • 事件現場に駆けつけてくる特命係に、「やっぱり来ましたね」とうれしそうな出雲さんがかわいかったです。
  • 観葉植物にぶつかりそうになってた伊丹に笑いました。うっかりw
  • 小早川家から見えるが美しすぎて、ほうっとなっちゃいました。あそこずーっといてぼーっとしたいわぁ。調べたらロケ地として有名な場所のようですね。
  • 結婚を脅迫する男に「ありえない」と言う青木君に、「そいつは自信満々なんだよ、おまえみたいに」と返す冠城君。「そんなやつ頭がおかしいとしか思えない!」って、青木君めっちゃブーメランだよ…。
  • 冠城君から角田課長への「暇か?」、レア!
  • てるおが珍しく特命係に来てくれましたね!うれしいな~。釘を刺しに来たならまだしも、「勝手にしろ」って言いに来たのは、本当にただ言いに来ただけで、てるおが使いっ走りみたいになっちゃってる!
  • 捜査一課、リストラされた40人以上の人ちゃんと当たったんだなぁ。捜査ってこういう地道なことの積み重ねですもんね。警察の方々、本当にありがたいよね。ご苦労様です!
  • 特命係と捜査一課、青木までみんなで仲良く捜査っていいですね~楽しいなぁ。

 

気になったポイント

  • ぶつかって落ちた荷物を相手に全部拾ってもらう女性って、もうそこでなかなかな人間性が見えますよね。ちゃーんと伏線になっていたなぁ。
  • 今時、スマホにロックをかけていないのが気になりました。あとぶつかってスマホを落とす可能性も高くはないし、すぐ拾われるかもしれないし。そこをクリアしなきゃ今回の話の全てがなくなってしまうけど、きっかけが一番気になる…。
  • 名目上は捜査のためとはいえ、青木君が見ている本人のスマホを取り上げるのは、人としてマナー違反だよ~冠城君!あれ嫌だわ~。
  • 星宮さん、なんで宇野さんと連絡取りたがらなかったんだろう。関わりたくなかったのかな。そこがわからなかったのは気になりました。

 

個人的に「あ!」とか「お!」とかなったポイント

  • 宇野健介役の柏原収史さんは、Season6 第10話で、小早川菜穂美役の上野なつひさんはSeason17 第6話に出演されていましたね。再登場の方が今シーズンもたくさんいらっしゃいます。
  • 反町さん肌が日焼けしているな~!別荘にたっぷりいたのかな。浅利さんの肌の白さが際立っていました。
  • 育ちがいいからこそ、悪い遊びをしたくなっちゃうご令嬢ってのがリアルだなぁと思いました。やらかした後もやばいなと思いつつ、お父さんがなんとかしてくれるだろう感が妙にあったというか、絶望的な雰囲気がないのもまたリアルだなぁ、なんて。
  • お金持ちの家の子の友達の友達くらいが口軽くてSNSに上げちゃうってなんとなくリアルですよね。

 

感想

絶妙に愛されにくく、憎まれにくいから、絶望的に生きづらい

今回の話は、「どうして結婚を脅迫?」という謎を考えながら、一人の男性の人生を見ていた感覚でした。宇野さんはなぁ、うーん、なんというか、理解できる部分と、理解できない部分がある。

 

宇野さんは生きるのが下手な人なんだろうなと感じます。たとえば、生き方がヘタでも、「ダメなヤツなんだけど、なんか憎めないよね」と愛される人がいるじゃないですが。その逆というか。

 

たぶんある程度、頭も良くていろんなことがわかってる。殺した友人のことを「のろまだったのに」って言ってたので、たぶんある程度しっかりとしている子どもだったんだと思います。で、プライドもある。

 

だから大人になってからも根拠のない自信だけはあって、プライドばかり大きくて、ヤクザなんかに悪態もつく。愛嬌がなくて、愛されにくい。かといって誰かに恨まれるほどものすごい悪でもない。器用にも生きられないし、悪い方に振り切って狡猾に生きることもできない。

 

絶妙に愛されにくくて、憎まれもしないから、絶望的に生きづらそうな人なんじゃないかなと思ってしまいました。

 

私自身、見ていてあまり同情的になれなかったんですよね。人生を奪われたと思ったからかつての友人を殺して、結婚を脅迫することに関しては、かなり身勝手だなぁと思ってしまいましたし。逆恨みだよなぁと。

 

相棒の犯人の中には、とても悲劇的で「そういう気持ちにもなるかもな」と共感できるような人もいるけど、彼は違う。

 

その絶妙な愛されにくさとか、憎まれにくさみたいなものが、同情的になれない理由の一つなのかなと思いました。そんな生きにくい人生だったからこそ、もう生きたくなかったんだろうなとも感じました

 

マンションの屋上にいる時点で飛び降りそうだなという気配はしていたから、あまり驚きはしませんでした。とはいえ、ああいう結末は嫌ですね。見ていてつらい。

 

でも、宇野さんには、小学生の頃から友人の女性がいたわけですよね。頼れる肉親はいなくても、自分の運命を委ねられる、信頼できる人はいた。それってすごく貴重な財産だと思うんですけど、いつもあるから気づかなかったのかな。

 

いや、むしろ大切な存在だからこそ、彼女が最後の砦で、警察に話してしまった時点で人生に絶望しちゃったのかなぁ。うーん、なんだかなぁ、なんとか宇野さんが生きていく道はなかったんだろうか。

 

どんな言葉をかければよかったのか

宇野さんについては同情も共感もできなくて、否定的な気持ちを抱いています。それでも、右京さんがかけた言葉はちょっと辛辣だなと思っちゃいました。

 

「あなたのこれまでの人生がどんなに惨めで苦しくても、あなた自身が選び取った、まぎれもないあなたの人生ですよ」っていうのは、選択肢に余裕がある人の意見じゃないかなぁと。

 

言いたいこともわかるし、私も同じように考える部分もあるけど、宇野さんが次のステップに進めるような言葉ではなかったと思います。他人の人生によって“生まれ変わる”のが彼の最後の砦だったからな…。真理なんだけど、背中を押したのって右京さんなのかも、と思ってしまったりして…。

 

家庭が苦しくて、自分も体が弱くて、犯罪に手を染めるような状況で、その立場で道をそらさず真っ当に生きていけるんだろうか。私は心が強くないから、そうやって自分に問いかけてしまいます。

 

もちろん、同じ状況でも犯罪者にならず、真っ当に生きる人もいます。立派です。でも、犯罪に手を染めやすい、道を踏み外しやすい状況ではあって、そうならないのは本人の努力で。

 

与えられなかったものは、全部努力でカバーしなきゃダメなのかと思うと、ほかの境遇の人たちとはあまりにもスタートラインが違いすぎる。だから、犯罪に走ってしまう人もいる。

 

そういう社会を変えていくのも警察のお仕事の一つだと思うんですよね。もちろんそこには福祉とか政治も大事だと思いますけど。

 

それを自分の力だけで、自分の選択で人生を切り開け、と言ってしまうのは厳しいなというか。同じ社会で生きているけど、切り捨てられたような印象が私はありました。

 

「おまえの人生はおまえで頑張れよ」は正しいけど、でも言ってる人と言われている人の状況は全く違ってて、何もせずに手に入れてきたものを努力して手に入れなければならない人の重みには寄り添っていないように感じました。個人的な感想ですが。

 

とはいえ、人を殺したことに関してはあれだけ厳しい言葉を投げられるのは当然だと思います。それだけのことをしたと思うし。人生を奪われたなんて逆恨みでしかないし。

 

なんなら親が再婚するから養子に出された星宮さんの気持ちを考えてほしいくらい。実の親に見捨てられた、と感じて道をそれてもおかしくないのに、努力してきてまっすぐ生きてきたわけでしょう。

 

それを「裏切った」「俺の人生を返せ」なんてかつての友人に言われるなんてつらすぎる。しかも婚約者は犯罪に手を染めていて、生きていても彼はつらい思いをしただろうし。つらい。

 

だから、宇野さんが犯した罪の重さに対して右京さんの言葉が厳しかったことに納得はしています。それでも彼の人生において何か違った言葉をかけられていたら、こんなことしなかったんじゃないかなと思ってしまいます。うーん。

 

社会的なメッセージ?

今回の話で、社会のレールから外れてしまった人が、どうやって人生を取り戻していけばいいのかを考えさせられました。

 

代議士とその娘なんて、宇野さんは手に入れたかったものを生まれたときから全て持っているでしょう。それなのに、違法賭博なんてして、必要もないのにわざわざレールを外れている。こっちは好きでレールから外れたわけじゃないのに。だから、宇野さんが脅迫するとしても罪悪感は抱かないだろうなと感じました。

 

宇野さんも宇野さんで、生きづらいと思います。でも、家もある、仕事もある。同じ話にはホームレスの人も出てくる。家はない、仕事もあるかわからない。でも、ホームレスの人が一番誠実に対応していたように感じます。

 

もっと大変な人がいるんだから自分が大変でも頑張りなさい、と宇野さんに言いたいわけではないです。全くそうは思わない。ただ、真っ当に生きるって何なんだろうとは思ってしまいました。

 

真っ当に生きたくても生きられない、自分の人生を生きたくても生きられない、そう感じてしまう気持ちは理解できる。そこに、彼の最期の選択の理由があったのかもな。

 

「結婚を脅迫」のパワーワード

脅迫するだけならお金だけでいいはずなのに、なぜ結婚を迫る?という疑問をずーっと推理するのが面白かったです。新しい着眼点だなと感じました。

 

星宮さんの人生を奪い取りたかったから、星宮さんが手に入れるはずだったものを全て手に入れようとしているんだなと気づいて、そういうことかと腑に落ちました。いや、感情としては理解できないんですけどね。でも、理由には非常に納得。

 

親子がすんなり受け入れすぎているかなとか、流れがちょっと不自然かなと思う箇所などはありましたが、発想として面白かったです。まだまだ新しい視点の物語ができるんだなぁ。すごいな、ドラマを作る人たちって。

 

次回:特命が匿名

歩道橋から女性が転落する事件が発生し、目撃者の主婦により、知人男性が被疑者として浮上。人気シェフだったがSNSで炎上して、金の困っていたらしい。主婦のお手本のような証言により、被害者女性が弁護士と接触していたことも発覚。弁護士はSNSでの炎上を見かけては声をかけていたとわかり…

特命係でありながら、「匿名」ってタイトルの話は今までなかったですよね。これはありそうでなかった。

 

そして、SNSでの匿名発言というのは、まさに今の時代を反映させるようなお話。私もいろいろ思うところがあるテーマなので、どう描かれるのか興味深いです。

 

脚本が初めての方ということもあって、予想がつかないのでわくわくしますね。次回も楽しみです。

 

 

aoikara

 

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