相棒がない週はテンションが若干落ちるaoikaraです。まあ半年は相棒ないんですけどね。オフシーズンがあるからこそ、オンシーズンを楽しめるとも思っているので、ありあり!
というわけで今回のテーマは…
相棒18 第5話「さらば愛しき人よ」感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。
▼相棒18 第4話「声なき声」感想 記事はこちら
相棒18 第5話 ゲスト・スタッフ
- ゲスト:佐藤江梨子 水橋研二
- 脚本:児玉頼子
- 監督:橋本一
相棒18 第5話「さらば愛しき人よ」あらすじ
青酸カリの中毒死で『スノウ』というペンネームを持つ人気覆面詩人の女性が殺害された。
現場から、特命係の冠城亘(反町隆史)の写真が発見されたため、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)や芹沢慶二(山中崇史)たち捜査一課が事情を聞く。
冠城から明かされたのは、スノウの正体が遺体で発見された女性ではなく、竹田ユキ(佐藤江梨子)という名の別人で、数年前に別れた元恋人だという。被害者と同居していたユキが姿を消していることから、捜査一課は容疑者として行方を追うことに。
一方、亘はユキと出会い、逢瀬を重ねたコーヒー店を数年ぶりに訪れる。顔馴染みの店主・金子慎也(水橋研二)から、ユキの連絡先を教えてもらうためだった。
事件に興味を持った杉下右京(水谷豊)も、そこに合流。2人は、被害者がスノウを名乗っていた理由を探るため、詩集の発行元を訪れる。すると、出版の契約をめぐってトラブルが起きていたことが判明し!?
元恋人はなぜ亘の写真を大事に持っていたのか?覆面作家であることをひた隠しにしていた理由とは!?亘が、事件と繋がるほろ苦い恋の名残を追うー。
参考元:第5話「さらば愛しき人よ」2019年11月6日(水)|ストーリー|相棒 season18|テレビ朝日
GOODポイント
- 伊丹の「特命係の色男~」って冠城君呼ぶのは笑うわ。最近、いろんなバリエーションで特命係のこと呼んでくれるよね。
- 詩とか興味ない伊丹。芹沢にいじられてやんの。芹沢はミーハーだよね。というか、伊丹って刑事の仕事以外は何も興味がないんですよね。
- 冠城「振られたんです」
右京「だそうです」
は予告から見てたけど、本編でも十分面白い流れでした。言わせないでよ!右京さん!傷口に塩を塗るんだからもう…。女心もとい恋心わからないブラザーズだもんなぁ。伊丹の方が深く突っ込まず優しかったぞ! - 冠城君が元恋人のユキさんと訪れてたコーヒー店、良い感じの雰囲気ですよね。行ってみたいな~と思って調べたらありました。「るぽ」という喫茶店のようです。
- 「金子」という名字で「ねこさん」ってあだ名の付け方はセンスいいな。私もそういうあだ名ほしいな。私は「aoikara」だから「イカ」かな…え?
- 冠城君の部屋、たぶん初登場?ムーディーで良い雰囲気だなぁ。おしゃれ。
- 「あ~橋本監督だな」って撮り方に大満足でございます。今回は冠城君が車を運転する様子が、車のCMかなってくらい美しかったです。何あの舐めるようなアングル。素晴らしいね。
気になったポイント
- 捜査一課が現場から特命係に来て、また現場に一緒に行く、という順序に違和感。そんなに捜査中に行ったり来たりするかな?
- 元カノとの連絡先等などデータを削除したという冠城に、「なんで消去しちゃうかなーあ!」と嘆く芹沢。逆に芹沢は恋人別れてもデータ削除しないのか。
- 元カノとよく来た店に行ったら上司が尾行してニヤニヤしてる~やだわ~右京さんのデリカシーないわ~。と言いながらデリカシーのない視聴者としてニヤニヤしてる私。
感想
タイトルが全て、悲しい
最初は冠城君の過去の恋愛をちゃかして、楽しげな話になっていくのかなと思いきや、全然違いましたね。
こんなにセンチメンタルな冠城君を見るのは初めてかも。女性にモテて、たくさん遊んで、というところはありますが、気になるのは真面目な感じの女性なのは今までも見受けられましたけどね。
Season15 第10話 元日SP「帰還」でもそんな雰囲気がありましたね。意外と“純”なところもあるのね、冠城君。
だからこそ、結末が悲しすぎました。本当にただただ悲しい。副題がそのまま結末なんですね。
ラストの冠城君の遠くなっていく背中が本当に悲しかったというか、切なかったというか。救いがないので、つらかったですね。
冠城君の心情を思うと、後悔してもし切れないだろうなって。もっと早く気づけてたら、別れずずっとそばにいたら、そもそも店で出会わなければ…自分の行動全てに後悔してしまうんじゃないかなと思いました。
心の中は荒れ狂っていると思うんですが、何も言わず去って行ったところに、より重々しさ重さを感じましたね。はぁ…つらい。
冠城君が愛したのは美しい女性だった
サトエリこと佐藤江梨子さんは、昔相棒に出演して、強烈で狂気的な役どころだったんですよね。今回はとても対照的なユキさんという女性を演じていました。
前回のクレイジーさをつい思い出してしまって、「もしかしたらやばい人なんじゃないか」と疑ってもいたんですが、良い意味で予想を裏切ってくれました。
暗い過去があるからこそ、憂いがあって、ミステリアスで、繊細で。男の人が惹かれるのはわかりますね。私でも惹かれるし…ん?
私もつたない物書きとして、苦しい中だからこそ求めている文章が生まれるってなんとなくわかります。私も苦しいからこそ乗り越えて生み出しているものがあって、たぶん今は同じことを書けないしできないなと共感する部分はありました。
ユキさんは美しい女性でしたね。見目の話ではなくて、内面が。自分の経験を言葉にして、形にして、それが実を結んだわけですから。とにかく優しい人だったと思います。
これは不謹慎かもしれないんですが、スーツケースに入れられていたユキさんの遺体が、とても美しかったんですよね。もうそこに魂がないのかって思えないくらい。
やっとそばに来られた冠城君との物理的な距離は近いのに、美しいままなのに、こんなにも距離が遠くて。だからこそ残酷でした。
冒頭の詩も含めて、2度みたい作品
リアルタイムで視聴していたときは、ユキさんの冒頭の詩はふわっと聞き流してしまったんですね。なので、2回目に見たときにちゃんと聞いてみました。以下に引用します。
目を背けたくなるほどの
まぶしい光の中で感じたぬくもりなんて
すぐに跡形もなく消えてしまう
まるで香りのようなもの
これは冠城君とのことなんでしょうね。きっと、コーヒーの香りで。幸せな香りで、記憶をくすぐるけど、永遠じゃない。幸せなのに切ない。深いなぁと思っちゃいました。
ユキさんや冠城君、そして犯人の心情も含めて、2度見ることで見えてくることがたくさんありました。今回の話は2回視聴をおすすめしたいです。
共感できない犯人と、違和感
相棒の犯人の中にも、絶対にやっちゃいけないことだけど、共感できる人とそうでない人がいるんですよね。今回の犯人に関しては、共感はできなかったです。なんだかぞわぞわするというか。
冠城君とユキさんの出会いの場でもある、コーヒー店の店主・金子さんが犯人だったわけですが。冠城君においしいコーヒーを振る舞っていたじゃないですが。
ユキさんを殺した手で作ったコーヒーもまたおいしかった、っていう怖さがあって。ぞっとしました。「あれ、ちょっとおいしくないな」みたいな動揺があっても良かったですよね。
「コスタリカに農園を持っている」みたいな話題が出ていたので、「ははーん、コスタリカに逃がしてあげたんだな!」名探偵ばりに推理したんですが、全然違いました!
電話番号を書くシーンとかも含めて、もっと伏線を張れたんじゃないかな…っていう思いはありました。
リアルタイムで視聴しているときは、金子さんの独白が長い割に、心情をあまり理解できなくて動機にも違和感がありました。
ただ、見返してみて動機を理解できたというか。金子さんはユキさんに対して「彼女のため」ってずっと言うんですよね。「彼女を苦しみから解き放つ」とか「だから詩をやめさせて殺した」っていう。
でも、実は違うんですよね。彼女を愛していたからこそ、独り占めしたかったんだと思います。だから信頼している友人を殺して、詩もやめさせて、「自分しかいない」と思わせたかったのかも。
それを「ユキさんのため」って言ってるんだけど、全然違ってて。ものすごくエゴなんですよね。結局、ユキさんが自分のものになるというエゴが叶わなかったから、愛が憎しみに変わって殺した。
「彼女ため」というのは、全て金子さんは後付けなんですよね。ぞわぞわの正体は「愛」って言いながら、めちゃくちゃ「自己愛」が強いエゴを見せつけられているからだな、と理解できました。
あとは「なんで金子さんが住所知ってるの?」「なんで金子さんが家に上がれたの?」「なぜ金子さんがユキさんの過去を知ることになったの?」という疑問は残ったまま。その経緯が全く描かれてなかったですよね。
お店の常連だとしても、知り合いレベルの距離感で家にあげるかなぁ、という疑問がありました。私の読解力不足もあるとは思いますが、金子さんとユキさんの関係性をもう少し深掘りしてほしかったですね。関係が希薄なのに把握している恐ろしさってことなのかなぁ。
集中力がない
今回は物語として、結末に行く前に、ちょっと集中が切れてしまったんですよね。実は前回の第4話「声なき声」でもそうでした。
物語の質と私との相性の問題なのかな。眠気か?集中力のなさか?まあいろんな要因があるとは思うのですが、私も体調も整えて相棒に挑まなければとも思います。
右京さんの目、逝く
とある事情でアパートの一室を訪れた右京は、目に大けがを負ってしまう。しばらくは目が見えない状態で、事件の捜査をするらしく…
毎度毎度、予告で気になる展開にしてくるのうまいですよね~。右京さんの目、大丈夫なのかなぁ。心配。
根本ノンジさんは、相棒以外でも良い脚本を書いてらっしゃって期待。今まで書いてくださった相棒の話も、独自性があってテーマがいつも面白いんですよ。この設定だけでも面白いぞ、という作りが本当にうまい。
今回も右京さんの目が一時的に見えなくなり、事件を解決すると糸口になるんじゃないかと思うので、期待したいです。
aoikara
▼相棒18 第6話「右京の目」感想記事はこちら
▼相棒18 記事一覧はこちら