中卒フリーライターほぼ無職。

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相棒17 第3話「辞書の神様」感想 動機は「辞書を愛していたから」

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千言万辞があったら私も愛読者になっただろうなぁと思うaoikaraです。常識外れが大好きです。

 

というわけで今回のテーマは…

 

相棒17 第3話「辞書の神様」感想

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

 

▼相棒17 第2話「ボディ~二重の罠」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

第3話 ゲスト・スタッフ

  • ゲスト:森本レオ 森田順平
  • 脚本:神森万里江
  • 監督:権野元

 

第3話「辞書の神様」あらすじ

言葉に取り憑かれた男の物語

『千言万辞』という辞書を担当する編集者の男性が、メッタ刺しの遺体で発見された。独特な語釈から、引く辞書ではなく読み物として『千言万辞』を愛読している、特命係の杉下右京(水谷豊)は、冠城亘(反町隆史)と共に捜査。

 

出版社で聞き込みをすると、辞書の原稿は元大学教授の大鷹公介(森本レオ)が手がけていると聞く。しかし、殺された編集者と折り合いが悪かったらしく、大鷹をサポートしている国島弘明(森田順平)という大学教授に主幹を切り替える話が持ち上がっていたらしい。

 

そんな大鷹は取り憑かれたように言葉の収集に没頭する姿には恐ろしいものがあり。しかし、事件当日現場に国島がいたことが発覚し…。

 

GOODポイント

  • 「夢」について辞書の解説に共感してしまう芹沢と、まったく共感しない伊丹。芹沢から久しぶりに「島根」という出身地のことも聞けましたね。伊丹だって夢を抱いていたことが…あるのかなぁ?
  • 言葉の解釈にイマイチぴんとこない冠城君。意外とロマンチストじゃないなぁ。
  • 右京「まじ卍」
    冠城「なんですかそれ」
    右京「意外とおじさんですね~」
    笑うしかないですw
  • 右京「青木君、君と冠城君は警察学校の同期かもしれませんが、僕は君の上司ですよ。さっさと言いなさいよ」
    これがパワハラですw
  • 伊丹「主幹という言葉に取り憑かれていたのはあなただったようですね」
    って言ってるんだけど、決まった!みたいな感じで笑いました。的外れだったわけですが…w
  • 道がわからないときは左に行きがち、勉強になります。
  • 付箋の伏線はさすがに気づかない!だけどちゃんと見せているし、見直してみるとたしかに赤い付箋だらけなんですよね。うまいことやるなぁ。
  • 「いきがかり」という大鷹先生と国島先生の共通認識が深いなぁ。
  • 右京さん=「ひねくれ者」、実に同意!冠城君の爆笑と、右京さんの不満顔にも笑わせていただきました。

 

気になったポイント

  • めちゃめちゃ頭を使う仕事だからおまんじゅうで糖分補給をしているのかと思いましたが…なるほどなぁ。
  • トイレに入れず「お風呂場でしなさい」←!?!?!???
  • 大鷹先生がパニックになってしまうところは、見ていてこちらも不安になってしまいました。本人の混乱具合とかも伝わってきて、胸が痛かったです。
  • 青木君、のれん外してないじゃん!衣笠副総監にくだらんもの呼ばわりされていたのに…。
  • 第1話・第2話に登場した利重剛さんと、今回の第3話に登場した酒向芳さん、どちらもSeason10 第8話「あすなろの唄」に登場した俳優さんなんですよね。本当に再登場が多いですね。

 

感想

「辞書」という題材と相棒の世界観が見事にマッチ

言葉を生業とさせていただいている私としては、「辞書」というテーマは非情に興味深かったです。相棒とは関係ありませんが、最近辞書を買いました。その話はまた別の機会に。

 

「辞書」というのは面白いテーマでした。それもいわゆる言葉の意味を調べるための辞書というより、読む辞書というのも。

 

いかにも右京さんが好きそうな読み物ですよね。対して冠城君はたしかにぴんと来なさそうでもあります。歴代相棒だと、亀山君も神戸君もカイト君も、全員がぴんと来なさそうなのが面白い。もちろん相棒ではないですが、青木君も。

 

他のドラマであればちょっぴりくどく聞こえてしまう言葉も、相棒という世界観ではマッチしていたように思います。

 

二転三転する展開で視聴者に推理を楽しませてくれますし、人間関係の描き方など物語にも深みがありました。伊丹や芹沢とかキャラも立ってましたしね。初めての脚本家さんで不安もあったのですが、個人的にはとても面白い話でした。

 

動機は「辞書を愛していたから」

今回の事件の動機は「辞書を愛していたから」。しかも犯人だと名乗り出た人物と、真犯人の全てが「辞書を愛していたから」が動機で。その方向性は若干異なるようですが…

 

言葉に取り憑かれた大鷹先生

「千言万辞」の著者の大鷹先生は、本当に言葉に取り憑かれた人。“変わった人”という枠じゃ収まりきらないような、言葉の狂人とでも言うのでしょうか。

 

良い声でほのぼのとした佇まい(あくまで声と見た目は)の森本レオさんであることを忘れてしまいそうな存在感でした。

 

アルツハイマーで何もわからなくなってしまう、だけど言葉への探究心は尽きない。その姿は言葉の探求者として素晴らしいことでもありますが、身の回りのことをどんどん忘れてしまうような姿は、見ていてとても切なくなってしまいました。

 

大鷹先生は“辞書”というより“言葉”を深く愛しているのでしょうね。言葉は一期一会で、たしかに二度と同じものがないかもしれないし。

 

あまりにも言葉に囚われているせいで、言葉をおろそかに扱う人には癇癪も起こす。言葉となれば時間も自由も失う。

 

そんな感じで家族にも見捨てられてしまったわけですが、自分がやってしまったかもと自首したり、国島さんを大事に思う気持ちだったり、言葉への姿勢だったりは憎めないというか。愛される人であるのがわかる気がします。

 

辞書の神様を愛する国島さん

卒のない仕事ぶりで大学教授としての手腕も発揮して、全く反りが合わなさそうな大鷹先生ともそこそこうまくやっているように見える、国島さん。

 

主幹になれなかったから、担当編集者を殺したと言っていましたが、実は大鷹先生と千言万辞を守るための嘘だったんですよね。

 

大鷹先生とはウマが合わない部分もあるし、人としてダメだなと思う部分もあるけれど、それでも右京さんの言う通り、深いところでは通じ合っていたんでしょうね。だからこそ、大鷹先生も国島さんが主幹になることを受け入れていたわけですし。

 

やはり言葉の探求者として大鷹先生を尊敬する部分もあったのだと思います。だからこそかばった。

 

「先生の…いえ、私と先生の千言万辞を守るためにやりました!」

 

と自首して述べる姿にはものすごい熱い思いを感じられました。守るため、という気持ちは嘘ではなかったから、染みる言葉だったのだろうなぁ。ものすごく良い人じゃん!すごい強い心の人じゃん!最初怪しいって思ってました。ごめんね。

 

できあがった千言万辞の表紙に大鷹先生と国島先生の名前があったのは、ぐっと来ました。二人ともうれしそうだった。言葉は変わるし、この辞書が古いものになるときが来るのかもしれませんが、でもこの一期一会もまた素晴らしい出来事なのだと思います。

 

主流を愛した和田さん

一人ずつ犯人候補から外れていく中で、なんとなーく気になっていたのが和田さん。ただ、動機まではわかりませんでした。だけど、まさか「辞書を愛していたから」だとはなぁ。千言万辞ではなく文礼堂国語辞典を。

 

たしかに自分が信念を持っていたものを否定するものが評価され、主流が亜流に超えられたらたまったもんじゃない、という気持ちはわからないでもないです。だけどなぁ、別に大鷹先生は文礼堂国語辞典を否定していたわけではないと思いますよ。

 

右京さんの言う通り、言葉の正しさを主張したかった人間が、偽りの言葉で人を欺くなんてことがあるのは、一番屈辱的なことだったのではないでしょうか。自分自身を欺いていますよね。あの編集者には効いた言葉だったんだろうなぁ、と思いました。

 

 肯定は何かの否定ではないのに

今回犯人に対して気になったのが、常識という項目について大鷹先生に言われているような気持ちだった、という部分。

 

「平凡でつまらない価値観。新しいものを拒む頭の古い考え。今これを読んで不快に感じているあなたのこと」

 

という言葉ですね。言い方は悪いですが、大鷹先生が言いたがっていたなんてのは、全くもって犯人の思い込みだと思うんですよね。

 

そもそも、大鷹先生はたしかに嫌味な書き方もするけれど、それはむしろ言葉だとか物事を決めつけることに対して釘を刺しているだけというか。

 

言葉も物事も変化するもので、あくまでその時点での説明。それなのにまるで辞書の中身が全て正しいというように、“常識”という決めつけに囚われていたらつまらないよという思いが込められているような気がします。この解釈は私の主観もかなり込められていますが。

 

だから、決してあの“正しい辞書”のことを悪く言ってたわけではないんですよ。それもそれで良くて、大鷹先生は違うアプローチなだけで。女子高生の言葉を知りたがるほど言葉に寛容な人ですし、別の言葉の変化や捉え方を否定するつもりはないと思います。

 

アンチと言う言葉を使ったのは犯人ですし、大鷹先生本人にはそんな意図はなかった気がします。ただただ、言葉が好きで、言葉に取り憑かれているだけで。

 

何かを肯定することで、それ以外を否定した、みたいに言う人いるじゃないですか。例えば私が「粒あんのどら焼き大好き!」と言ったら、「こしあんが好きじゃだめなのか」「どら焼きが嫌いな人間は存在意義がないのか」みたいに返してくる人。

 

なんというか、肯定は別の物事の否定じゃないのよ。あくまでその物事の肯定なのよ。否定されたという感情は、割と想像力であることも多いと思うのです。私自身もありますし。今回の事件は、そういう悪意の思い込みが殺意になってしまったのかな、とも思いました。

 

次回:角田課長 vs 右京さん!?

組織犯罪対策四課の賭博担当、通称バクハンの課長・源馬の指揮の下、過去最大規模の裏カジノ一斉摘発が行われる。右京と冠城も摘発に協力するが、一方で摘発を逃れた店もあった。右京は源馬が裏組織とつながっているのではないかと疑うが、源馬と旧知の仲である角田は捜査から手を引くように言う。効くはずもない右京だが、冠城は角田課長を裏切れないと捜査から降りて…。

ゲスト:中野英雄 長谷川公彦 崎本大海
脚本:真野勝成
監督:橋本一

 

右京さんと角田課長がめちゃくちゃ険悪ムード!悲壮感漂いまくりなんですけれど、嫌な予感しかしないんですけど!!!角田課長…いなくならないよね?大木さんがいなくなったのに、これ以上に相棒の癒やしを失ってしまうのはつらすぎます。

 

脚本が真野さんなのでね…人が死ぬ予感しかないです。最初はとても好きな脚本家さんだったのですが、最近は厳しい状況が描かれることも多く、つらい気持ちになってしまうこともあります。

 

角田課長の「人材の死神だな」ってむしろ真野さんへの言葉のような…。角田課長はいなくなっちゃダメ!今山西さんが舞台やってるから可能性ありありだけど!ダメ!まじで!物語の流れを真野さんに任されたなら不運だけれどなぁ。心配しながら見守ります。

 

 

aoikara

 

▼相棒17 第4話「バクハン」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

▼相棒17 記事一覧はこちら

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