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相棒17 最終回「新世界より」感想 科学も非科学も、良くなるか悪くなるかは人間の問題

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今シーズンも相棒を見終わって、ちょっとした達成感を得ているaoikaraです。ついに最終回。というわけで今回のテーマは…

 

相棒17 最終回「新世界より」感想

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼相棒17 第19話「漂流少年~月本幸子の決断」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

 

相棒17 スタッフ・キャスト

  • ゲスト:中原丈雄 渕野右登 小木茂光 大浦龍宇一 八木優希
  • 脚本:金井寛
  • 監督:内片輝

 

相棒17 あらすじ

遺伝子工学の世界的権威である大学教授が殺害される事件が発生。准教授の八木橋(大浦龍宇一)によると、教授が取り組んでいたのは鳥インフルエンザに関する研究だったという。

 

その後、現場から有毒ガスの発生装箱と、『楽園の扉』という反科学主義を標榜する団体のバッチが発見される。

 

『楽園の扉』の代表・阿藤修(小木茂光)は、かつてクローン技術研究所に爆発物を仕掛けた疑いで逮捕されたものの、証拠不十分で不起訴になった曰く付きの人物。

 

警察は、殺人への関与を疑い、阿藤を拘束するが、「天の仕業だ」と言って取り付く島がない。

 

一方、特命係の杉下右京(水谷豊)は、防犯カメラの映像に不審な若い男女が映っているのを発見。2人の名前を突き止めるが、それは世界滅亡を描いた『沈む天体』という小説の主人公の名前だった。

 

作者である鷺宮(中原丈雄)が何らかの事情を知っているのではないかと考えた右京は、冠城亘(反町隆史)と共に、彼の元を訪ねる。すると鷺宮と阿藤が、かつて共同でIT企業を立ち上げていたことが分かる。

 

そんな中、防犯カメラに映っていた若い男女の行方が判明。小説と同じ、成瀬真一郎(渕野右登)、水原美波(八木優希)を名乗る彼らから事情を聞くと、2人は記憶喪失で、事件とは関係ないと主張する。

 

しかし、「このままじゃ世界が滅びる」と、奇妙なことも口にしていた。

 

さらに、殺された大学教授の研究室では、鳥インフルから致死率100%の新型ウイルスを作ることが可能で、その研究成果が『楽園の扉』に渡っている可能性が浮上してくる。

 

右京と亘は、『楽園の扉』を取材したことがある楓子(芦名星)の協力で、彼らの本拠地に乗り込むが…!?

 

男女が主張する滅亡のカウントダウン…妄想か、未来予知か、それとも…!?世界規模の危機に、特命係決死の捜査は通用するのか!?

 

GOODポイント

  • 質問しておいて答えている人の話を聞かない右京さん
  • 右京さんにいろいろ頼まれてむすっと青木君。「それは命令ですか?それともお願いですか?」と嫌味たっぷりに聞きますが、「お好きな方で」とさらりと交わす右京さん。もう青木君がやることは前提なんですねw
  • 梅がきれいだ。梅がきれいな季節だ。
  • 「世界が滅亡する」って言い分に、意外とびくつく伊丹がちょっとかわいかったです。
  • 冠城君と右京さん、青いシャツというおそろい。
  • 右京さんは幽霊とか超能力とか信じていますもんね。冠城君はお化けも苦手ですし、非科学的な怖さが苦手なんでしょう。
  • 「俺にも予知能力がある!昼飯の弁当がわかる」と言う角田課長に、「夕飯の残り物だからでしょ」と一刀両断の冠城君の当たりがキツイよう。
  • 甲斐さん、久しぶりだ~。お茶淹れてる~。あれ、特命係の二人は一日に摂取するカフェインの量が決まっているとか何とかで、抹茶飲まないんじゃなかったっけ…。
  • 風間楓子の取材に密着するという形で、紛れ込むカメラマン役の冠城君と、カメアシ役の右京さん。変装が面白すぎます~。なぜか当たりのキツイ冠城君にも笑えた~。
  • こっそり捜査しているのがバレた右京さんが「違法捜査じゃないか」と指摘されて、「我々は捜査権がないので、これはプライベートの見学ですね」って言い切るの、悪いぞ!
  • 忙しそうな特命係を見て、「俺暇か」と言う角田課長。自分に向けて言ったのは初かも!
  • 冠城君、あの兄妹にフラペチーノっぽいやつ買ってあげてましたね。あれだ、科学の進歩による贅沢をとことん味あわせて、元の生活に戻らせないようにする、一番悪いやつだ、とか思って見ていました。
  • 致死率の高いウィルスがばらまかれるとおびえて、自分だけマスク用意して逃げるのが青木君らしいですよね。ちゃんと仕事はしているから良いんだ。
  • 意外と特命係の言うことを内村刑事部長!と思ったら、責任はてるおに丸投げだー!
  • 右京さんの読み通りの場所にいた容疑者に対して、「警察はなんでも知っている」とのたまうてるお。恥ずかしくないのか!w
  • ウィルスが偽物で無事帰還する捜査一課!芹沢が「もうダメかと思ったけど、良かったぁあああ!!!」って開放感あふれてて、本当に良かったなぁ。
  • 仲間さんめちゃキレイ…。

 

気になったポイント

  • 冒頭に倒れている人を見つけた人が、鑑識の益子さんに見えました。全然別人だったんですけどね。
  • 危険な薬品置いている割りには、セキュリティが数字のパスワードだけって、危なくないですか?事実、危険にさらされているし…。
  • 記憶喪失、が本当にしろ嘘にしろ、二人ともお互いのことを知らないのに妙に距離近いから、「記憶喪失はないかなぁ…」と割と最初の方から思いました。
  • ネットは匿名じゃないんだから、ひどい書き込みとかしたら情報開示して訴えれば良いのに。あまりにもひどい攻撃性は見過ごしちゃいけない。
  • 刑事ドラマあるある、活字の遺書はだいたい他人が書いてる説。ってこれ最近も書いたな…。
  • 警察にいるメガネの人がずーっと気になって、何かしら関係しているんじゃないか…ってにらんでいたんですが、単にいる人でした。見込みがはずれたー。
  • いくら人が多いからとはいえ、容疑者を見逃している警察よ~。こういうときこそ、顔認証システムを使えば良いのに…。
  • 殴ったら粉々に砕けるガラス!強化ガラスだ!安全だ!
  • 刑事ドラマあるある、悪いことをしている人間に背中を向けたら、だいたい殺される。背中を向けたらダメ!
  • 風間楓子のネタ元が社さんだと見抜けない衣笠副総監。敵を作るから、足元すくわれそうね。衣笠さんも、女性を突き落とした青木をかばったで、今の地位から陥落しちゃうこと忘れない方が良いよ~。
  • 真一郎君は「世界が滅亡する」って何度も言ってましたけど、そもそも自分が生きている時点で世界は滅亡していませんよね。まあ2019年当時の世界が滅亡して、今の自分たちのような暮らしになってしまう、という意味だったのかな。

 

感想

科学も非科学も、良くなるか悪くなるかは人間の問題

最終回、「世界が終わる!」という壮大すぎる煽りで、「世界が終わったら相棒が終わるとかの話じゃなくなるから、逆に面白いな」と思いながら見ました。頭一つ抜けたふっとび具合の設定だったので、逆に冷静に見られたように思います。

 

話としては、現代的で面白かったかな。容疑者や関わる人たちの「科学が悪で、非科学が正義」という考えには納得しかねますけどね。科学が正義で、非科学が悪と唱えるつもりもないです。

 

いきすぎた科学に警鐘を鳴らすのは良い。でも、問題提起や解決はそれでいいのか、という疑問ですね。

 

科学を悪用する人はたしかにいます。科学が進歩すれば、リスクが高まることもあります。

 

今回の話にも、遺伝子の研究機関には目的のためにテロに使おうとした人間、女性の気を引くために海外へ売り飛ばそうとした人間がいたわけで。あの男性は自分がなくてイライラしました。

 

一方で、悪用する人間を止めようとして、殺されてしまった科学者もいたわけで。科学そのものが問題というよりは、扱う人間の問題ではないでしょうか。

 

鷺宮さんが理想とした非科学の中で育った真一郎君ですが、自分の目的のためにあっさり人を殺すという選択をしようとしていましたよね。世界の滅亡を止めたいという純粋な気持ちなのはわかりますが、あっさり人を殺そうと思える人間に育ってしまうって怖さを感じました。

 

私たちは凶器となる物をたくさん持っています。もちろん、制限されている物もあります。日本であれば刀とか銃とか毒物とか。

 

でも、包丁やナイフや、縄、異物を飲ませても人を殺せてしまいます。物語で語られたように、SNSで中傷を受けて、傷ついて自殺する。ある意味で言葉だって凶器です。

 

それを攻撃性を持って使うか使わないか、結局は人間の問題なのだと思います。個人が悪いというわけではなくて、人と人の間にある関係性の中で、凶器にもなることもある。

 

もちろん科学の発展で凶器が増えて、それも考えるべき問題だとは思います。それでも、社会が良くなるか悪くなるかは、技術や科学の進歩と比例も反比例もしなくて、人間がどう思うか、どう扱うかという課題のようにも思います。

 

その人に目を向けずに、科学が悪いという方向に走ってしまった、鷺宮さんや阿藤さんを非常に残念に感じます。

 

目をそらしても、破壊しても、世界は変わらない

鷺宮さんが自分で作ったSNSで中傷を受けたり個人を特定されたりして、社会で行き場を失ってしまった人たちを迎え入れている、というのは素晴らしいなと思いました。その責任感は立派だと思います。

 

鷺宮さんも、阿藤さんも、自分がしたことを悔いて、新しい方法を探すのは良いと思います。それぞれが新世界を作ったのでしょう。しかし、他人を攻撃したり、事実をねじまげて洗脳したりするのは、正しい方法とは思えません。

 

そうやって「自分が人々を導く」って感覚で、自分だけが人々を一段上から見ている感じが嫌なんですよね。そもそも、ITの会社でもそういう目線だったから、ユーザー目線で物事を考えられなかったんじゃないのかな…。

 

自分が崇高な人間で、科学を使えない人間は愚かなのだから、科学をやめてしまえ…。もちろん危機感はあったでしょう。でも、「新世界」なんて言ってるくらいですし、神にでもなった気分だったんじゃないか、という気がして嫌悪感。

 

やってることは科学を利用している支配者、権力者、独裁者と変わりませんよ。「これが幸せだよ」って洗脳しているんですし。それぞれが選ぶ幸せを尊重しなさいよ。

 

そして、自分たちが作った科学の技術で、自分の大切な人を傷つけたっていう問題から、めちゃくちゃ目をそらしているんですよ。自分で解決せずに、社会の課題として、世界を変えたがっているんです。

 

違うよ。それは自分がやってしまった過ちを償おうとしているんじゃなくて、“科学”に責任があったって思いたいだけで。何も変われない。

 

思考停止で科学を否定するのは簡単ですよ。でも、右京さんの言う通り、人工的な歴史を教えて何になるんでしょう。いつか真実を知るんです。

 

そして、真実を見せなくても、完璧とはいえない世の中があるのは変わりありません。嫌なことから目を反らしても、嫌なことがあるのは変わりません。目をそらしても、ないってことにはならないよ。

 

じゃあ、よりよき未来を作るにはどうしていったら良いのかって考えたら良かった。まあ、考えた結果が「楽園の扉」や「新世界」だったのかもしれませんけどね。

 

鷺宮さんが、自分が作った新世界の子どもを指して、「あんな心からの笑顔が見られるか」と言ってました。いや、見られるよ。あっさり答えられますよ。それと同時に、笑顔になれない場所があることから、目を反らしてはいけないんですよ。

 

鷺宮さんは目をそらす方法を、阿藤さんは破壊する方法を、それしか考えられない感じが嫌でした。科学を悪用している人間と変わらないですよ。

 

あの兄妹はどう生きるのか

落雷で、不思議な格好をした男女が倒れているシーンから始まりました。まるでバックトゥーザフューチャーだな、タイムスリップかなんて思っていたら、まさかの「未来から来た」

 

「ついに相棒もこういうのに手を出したのか…」とかなり不安になったのですが…。それはないだろうと思い、「小説家の人から洗脳を受けているんじゃないのか」と思いながら見ていたら、やはりそんな感じでしたね。

 

現実を伝えても、兄の真一郎はまだぼうっとしているというか、現実を受け入れられていないように見えました。そもそも、法の裁きを受ける必要もありますしね。今から元の社会に戻るか、現世に行くのか、と考えるのは難しいでしょう。

 

一方で、妹の美波は髪型を変えたり、甘いスイーツ食べたり、「外の世界」を案外受け入れているようでした。二人の姿が対照的だな、とも思えて。

 

鷺宮さんが作り上げた世界で、全てを知ってもそこに残ると言う子どもがほとんどだったようですね。たしかに、離れる理由なんてないほど、幸せなのはたしかだったのでしょう。

 

一方で、思春期にさしかかったり、いなくなった子たちのことを思い出して、「外の世界」に興味を抱く子もいるでしょう。それを止める権利はないわけで。逆に「外の世界」に出なさいという必要もないんですよね。

 

あの小さな場所が世界だと思っている子たちがかわいそうとは思わないですし、自然と調和の中で暮らすというのは、心も体も穏やかで豊かな世界だろうなとも思います。実際、社会での行き場をなくした人にとっては理想郷ですしね。

 

だからって、今のこの世の中全てを否定する必要はないんです。それぞれに、生きやすい場所を作れる、生きやすい社会であってほしい。科学で発展した別の社会を攻撃してしまえば、生きやすい社会が崩壊してしまいます。それは本末転倒です。

 

今回は伊丹が格好良すぎる!

今回は、伊丹が格好良かったです!阿藤が致死性のウィルスを投げ捨てたときも、体を張ってつかみました。あの伊丹の勇気!しかし、数が多くて、一部を取れず…。

 

もう感染して終わりだろうか、と諦めムードの芹沢に対して、伊丹は

 

「殺人犯捕まえるまで死ねるかよ」

 

って…もう!芹沢も言ってましたが、カッコイイ…。

 

ウィルスが陰性で全員無事だったときに、芹沢が「もう無理だと思ってたけど助かった~!!」と喜んでいたら、「ばか、犯人捕まえるぞ!」とすぐに行動する伊丹もカッコイイ!

 

犯人捕まえてから、

 

「おまえ、一人の女のために、世界中の人々を殺そうとしたんだぞおおおお!!!」

 

と切れまくる伊丹もカッコイイ!今回は伊丹が格好良かった。それは間違いないです。

 

来シーズン、そして花の里の未来は…

さて、相棒17もついに終わりました。20話もあって、それぞれの話に見応えがあり、別れもあり…安定して面白かったです。

 

来シーズンも、続編を期待して良いのかな。物語だからいつか終わりを迎えるものだと思っているし、覚悟もできている部分はあるけど、それでも続いてくれるとうれしいです。

 

そして、花の里のシーンがないのはやはり寂しいですね。新しい女将か大将が来るのか、ドキドキ。冠城君が言っていた「新しい店」が伏線になり、行きつけの店が変わるのかもしれませんね。

 

Season17も楽しい相棒をありがとうございました!スタッフ・キャストの方々、お疲れ様でした。輿水さんの脚本、和泉監督の復帰、も期待して良いですか…?

 

相棒のない半年が始まります。寂しいですね。毎年やってくるこの時期の虚無感ですw半年間、楽しみにしているので、よろしくお願いします!

 

 

aoikara

 

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