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相棒17 第16話「容疑者 内村完爾」感想 犯罪の被害者、加害者、傍観者…それぞれに思う

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内村完爾、と一発変換で出てくるaoikaraです。辞書登録しています(笑)。よく書きますからね。

 

というわけで今回のテーマは…

 

相棒17 第16話「容疑者 内村完爾」感想

 

 です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼相棒17 第15話「99%の女」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

第16話 ゲスト・スタッフ

  • ゲスト:江藤潤 あめくみちこ
  • 脚本:児玉頼子
  • 監督:内片輝

 

第16話「容疑者 内村完爾」あらすじ

神奈川県内の河川敷で、人権派として知られる弁護士の他殺遺体が発見され、現場にいた内村完爾刑事部長(片桐竜次)が容疑者として拘束される。

 

捜査に乗り出した杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、遺留品を手掛かりに、近くの線香工場で聞き込み。

 

すると従業員の中に、12年前に女子高生を殺害した罪で懲役刑を受け、最近出所したばかりの男が、殺害された弁護士の紹介で働き始めていることが判明。しかも、男はこの日、無断欠勤しており、行方がわからなくなっているという。

 

右京と亘は、12年前の事件と今回の一件の関係を調べるため、娘を殺害された被害者遺族の元へ。しかし、母親の由美(あめくみちこ)とは会えたものの、父親の笹山(江藤潤)は海外出張中とのこと。

 

ただ、内村と笹山は大学の同期で、12年前の事件の際も、内村は遺族の便宜を図っていたことが分かる。完全黙秘の内村刑事部長の真意とは…。

 

参考元:第16話「容疑者 内村完爾」2019年2月20日(水)|ストーリー|相棒 season17|テレビ朝日

 

GOODポイント

  • 内村刑事部長の危機には特命係が捜査権を得る…謎システム!てるお粗ぶってるなぁ。
  • 「これ絶対内密に」と言う人間がスピーカー説。あ、青木君のことです。いけませんねぇ。
  • 暇課長が特命係に居座っていろいろ言ってるのに、誰も聞いてない!「って、独り言!?」ってベタなボケに笑っちゃいました。
  • 右京さんは一瞬で資料を覚えるので、神奈川県警の人に取り上げられても問題なし!しかも右京さんの言ったことから捜査広がるし、「特命係」が人材の墓場だってこと神奈川県警の人は知らないんだろうなぁ、と思える対応でした。
  • 右京さんが伊丹に対して「そこにいても邪魔でしょうから」って言い方キツイな~。今回の右京さんはかなり人使い粗いですね。
  • 神奈川県警の管轄なのに警視庁の刑事たちが乗り出してくるので、大もめ。最終的に伊丹は「お邪魔しました~バーカ!!!と言う小ささ。ひどいw
  • 伊丹「須藤って何者なんですかっ?」
    冠城「言ってなかったんですか?」
    右京「聞かれなかったもので」
    今回の右京さん、かなりSっ気強め!
  • 過去の回想でてるおに髪がある、いやないんだけど、今よりある再現に笑っちゃいました。
  • てるお、内村刑事部長がいない間に椅子を拭いている、と思ったら自分が座るんかい!で、「中園刑事部長…」ってにやついちゃうのね(笑)
  • 神奈川県警が資料を送ってくれないとぼやくてるおに、右京さんが「送ってくれないのなら取りに行ってください」ときっぱり。「お、俺がか?」と驚くてるおに、「他に誰が?」とすんなり右京さん。今回本当にSっぽいw
  • 右京さん「草生える」「なるはやで」知識が多岐にわたっている!
  • てるお、神奈川県警で整理番号を持たされて待たされていましたね。それでも「がつんと言ってやったぞ!」と言うのに、右京さんと冠城君、全然評価してくれないの。頑張ったね、てるお。私が言っておこう(笑)
  • 捜査に当たろうとした伊丹が、右京さんに言われて「やみくもに探しても意味がありません」と言われていらっとしていましたね。今回の右京さん、本当に昔みたいだなぁ。
  • 冠城君が内村刑事部長のこと「古狸」と悪口言ってたら、花の里にキター!思わず立ち上がって背筋が伸びてしまう特命係の二人が面白かったです。お礼も言わず、「大目に見てやる」って言うのも刑事部長らしかったですw

 

気になったポイント

  • 暇課長、チョッキについに柄が!赤いネクタイ!なんか服装が派手だなぁ、なんて思いました。
  • 線香の会社の工員さん、ソフトモヒカン気になる、と思ったら…。
  • 内村刑事部長が取調室でかつ丼出されていましたけどw係の人も丁重に出していましたね。あれって利益供与になるとかで、ダメなんじゃなかったですっけ?
  • 内村刑事部長が友情に熱いのて、ヤクザとも友達で“義理と人情”の人だからなのでは、なんて考えてしまいました。

 

感想

良い意味で初期っぽく、新しくもある

今回は初めての脚本家さんで、わくわくとドキドキがありました。印象としては、良い意味で初期っぽいテイストだなと感じました。

 

今回の右京さんがとことん人使いが粗かったんですよね。亀山君が「わかんねえ、あの人わかんねえよ!」と言っていたときを思い出しました(笑)

 

逆に新しさもありました。内村刑事部長を格好良く描くなんて、今までありませんでしたもんね。スピンオフ映画の『相棒X-DAY』で、シャツ姿で鉄アレイ持ち上げていた漢・内村、ってのはありましたけど(笑)

 

登場人物も自由感が強いというか、課長の独り言とか、伊丹の「バーカ!」とか、てるおのハラハラドキドキ劇場とか、今までない振り切った感じも面白かったです。

 

ストーリー展開はわかりやすかったです。トリックも難しくはないですが、たどりつくまでちゃんと視線を逸らす推理をさせてくれましたし。特に物語のメッセージ性という部分で、私は好きな話でした。

 

たまには内村刑事部長が格好良いのも、あり!

タイトルや予告から察するに、内村刑事部長がメインということは、ただカッコイイだけの話なのか、ダメなことをしての退場か、むしろ花道なのか…いろいろ考えましたよね。どうなるんだろうと思いながらも、「いや大丈夫だな」とあまり不安に思わずに見ました。

 

結果、内村刑事部長が格好良かったですね。友達のために黙って守って、力になろうとしていたわけですし。孫と餅つきするとかも前に話していましたし、自分が大切に思う人にはとにかく情に厚いんでしょうね。

 

まあ、ご本人が大切だと思ってらっしゃらない人への態度がひどすぎますけど(笑)それが内村刑事部長らしさですからね。そういうポジションは必要ですし、好きですよ。てるおとのスリリングな関係(右京さん談)も含めて。

 

ただ、貴重なシーンもありましたね。

 

「杉下、頼む!」

 

わあああー見納め聞き納め!いや、内村刑事部長はこれからもいますけど、絶対今後にこんなことを言うはずがありませんもん!

 

友人とその妻を救うために、ここまで言うとは。たしかに、あの情報の少なさから真実にたどりついたのは右京さんのおかげなわけで、その力を認めているからこそいつも忌々しいわけですもんね。初めて右京さんのこと認めたんじゃないかなぁ。

 

また、内村刑事部長は刑事として勘も鋭かったですよね。さんが山小屋にいるだろうってことを当てていましたし。ストーリー展開として都合が良いとも言えますが、刑事部長の勘が正しかった、とも言えるわけで。

 

友人としても刑事としても、ちゃんとわかっていたというのは、さすが刑事部長になっただけのことはあるんだなと思いました。私がこれだけ内村部長を褒めるのも、最初で最後となりそうです(笑)

 

犯罪の被害者、加害者、傍観者…それぞれに思う

今回の話は内村刑事部長が容疑者になることに注目されがちかと思いますが、私は他の部分でとても良いなと思う作品でした。

 

犯罪についていろんな角度から描かれていて、関わっている人それぞれの思いがあったんですよね。その点に関して、私はそこに物語の深みを感じられて、良い作品だったなと思いました。

 

被害者と遺族の思い

12年前に女子高生だった笹山明希さんが殺される理由は一つもなかったと思います。暗い中でイヤホンをして歩いてて、知らない男性に肩をつかまれる形で声をかけられたら、びっくりするし、おびえた表情にもなるでしょう。彼女が一番理不尽な目に遭っているんじゃないかな。

 

たしかに、犯人の須藤にも理不尽な目にあって心が荒んでいた、という点は同情する部分ではあります。しかし、そのことは目の前にいる明希さんには何にも関係のないことで、殺していい理由なんて全くありません。

 

娘を亡くし遺族となった親御さんとしては、当然犯人は許せませんよね。弁護士が被疑者の人権を訴える姿を見て、娘の人権は永遠に失われたわけで、受け入れ難いですし心をかき乱されますよね。より重い罪と、より思い罰をと願うと思うし、そりゃあそうだよなと共感してしまう部分も多かったです。

 

娘を殺した奴をいっそこの手で…と思ってしまう気持ちもわからなくはありません。それでも、やっぱりダメじゃないかと。

 

そうしたかったからこそ、娘を殺した容疑者の弁護士を殺した犯人をかばった母親の由美さん。気持ちはわかります。

 

でも、今その殺人を肯定すれば、娘さんがされたことを肯定するのと一緒になってしまうのではないかなとも思ってしまいます。娘さんが一番されたくなかったことを、母親がやってしまうのか。許せないと思うように、自分が許されない人間になってしまうのではないか。

 

旦那さんの隆文さんは献身的に奥さんを支えていて、本当に偉いなと思いました。自宅に数台のカメラがあるのは物々しいなと思いましたが、それだけ守らなければならないほど精神を追い詰められてしまったという事情があったんですね。

 

奥さんが殺人を犯したかもしれないと思ってしまって、自分も同じ責任を負わなければと考えたことも…すごいですよね。支えて、寄り添って、だから奥さんも今まで頑張ってこられたんじゃないかなと思うほどに。

 

突然に大切な人の命が奪われてしまうと、心が受け入れられず、壊れてしまうと思います。しかも理不尽に殺されたわけですから。命が奪われる一つ一つの出来事に、その重さと悲しみがあることを、忘れたはいけないなと改めて思いました。

 

加害者と守る弁護士の思い

被害者の遺族としては、何をしたとしても犯人を許せないですよね。それでも反省していてほしい、本当の気持ちとあったことを本人の口から話してほしい、とも思うでしょう。

 

今回は犯人が全く反省なんてしてないと思ってしまった遺族よって、事件が複雑に絡み合ってしまったと思います。

 

ただ、ある目線から見たときには薄情でも、実は深い反省の念があるということもあるのだなと知りました。例えば、犯人から反省を記した短い手紙。遺族は反省していないと感じていましたが、私は全部ドラマを見たから言うわけではなくて、最初に「本当に反省していないのかな?」と思いました。

 

昔見たドキュメンタリーで、犯罪被害者の遺族の方が、犯人から謝罪の手紙を受け取っているのを見ました。今回の話とは対照的に、とても長い手紙だったんです。ただ、自分語りなだけと遺族には感じられて、心に響いていませんでした。

 

今回は、その逆なのではないかな、となんとなく思ったんです。どんな言葉を書いても嘘みたいに聞こえて、反省していても罪を償うことはできなくて、その重さを言葉にできなかったのかなと。

 

だから、結局伝えられる反省や謝罪の言葉が、必要最低限になってしまったのではないかと思いました。

 

実際そうでした。須藤は書こうとして、出そうとして、でも何を書いてもどうしようもなくて、遺族からの手紙を返却しながらも、出せない手紙をたくさん書いていました。

 

遺族の由美さんも、届かなくてもたくさんの手紙を書いていました。その一方で、犯人の須藤も書いていた。

 

右京さんが由美さんに「あなたが知りたかった答えです」と言ったときに、本当そうだなと思いました。娘を殺した人間がどう思っていたのか、反省しているのか、知りたかったことが答えが、12年間の手紙にあったわけです。

 

須藤が犯したことは、決して許されることではないし、反省しているからといって遺族の人が許す必要もなくて。つらい気持ちはこれからもずーっと変わらないですし。でも、ほんの少しだけでも、笹山夫妻の救いになったら良いなと願ってしまいます。

 

 

一方で、殺された小柳弁護士も、人権派とはいえ、法廷前でテレビのインタビューに答えて被疑者の人権を訴えるのはちょっとなぁ…。パフォーマンスだと感じてしまいましたし、いただけない。遺族の気持ちを考えると、やっぱりしちゃいけないことですよ。

 

ただ、しっかりと反省して刑を受け入れ、出所した須藤に対して仕事を紹介したり、名誉毀損のような書き込みに対して対応するとか、弁護士としての仕事を真っ当してはいますよね。立場としては正しいことをしているので、殺されたのは当然だなんてのは、やっぱり思えないんですよね。

 

社会の傍観者の思い

今回のような殺人事件だけではなくて、社会ではさまざまな出来事が毎日起きていますよね。心を苦しめるようなことが。そこに加害者がいたときに、傍観者は責めます。マスコミ晒されたり、ネットで叩かれたり、社会的制裁とでも言うのでしょうか。

 

加害者が制裁を受けて仕方ない部分はあるのかもしれません。制裁を下す人たちも、「こいつは悪い人間だから、自分には相手を責める正当性がある」という大前提で責められるから、すごく気持ちが良いと思います。だって、傍から見ても「正しいこと」だから。

 

ただ、その快感に溺れているだけで叩いている人もいると思います。青木君が正義をふりかざしていると言ってましたが、まさにそんな感じ。もちろんそうではない人もいるでしょうが。

 

悪いことをした人間には、“何されてもいい”状態になってしまって。そうされても仕方がないのかな、本当に。

 

今回、小柳弁護士を殺した犯人も、殺人を犯した人間なんだからと須藤さんをネットに晒していたじゃないですか。おれが正義だ、俺は間違ってないと。“何してもいい”状態が、結果として、殺すという手段になった。あまりにもあっさりと、自分が晒して叩いていた人間と同じになっているんですよね。

 

本当に軽蔑していたら、そうはならないと思います。じゃあなぜ同じになってしまったかと言うと、正義の主張が主目的ではなくて、誰かを酷い目に遭わせられる正当性を手に入れて、自分を満たすためでしかないからです。だから簡単に同じことしちゃうんですよ。

 

犯罪までいかなくても、そういう人がたくさんいるように感じます。私の心の中にもあるかもしれない。社会に人がいて、当事者よりも傍観者になることの方が多いから、その立場の危うさも考えなければならないことなのかなと思いました。

 

匿名でも悪いことをしていればすぐにわかる

今の時代は匿名でも、何かしていてもすぐにわかる。そんなことをまざまざと見せられたのかなとも思います。

 

知ろうと思えばいくらでも知れます。情報はこぼれているものだから、数珠つなぎのようにどんどん見つかります。捜査となれば、もっと詳細が明らかになるでしょう。

 

悪いことする人間は、匿名だろうとすぐにわかるし、裁かれます。そして、自ら居場所をなくして、生き場所を失ってしまう。そんなことしていたら嫌われて誰にも相手にしてもらえないから。そうなる前に、誰かを傷つけない方が、自分の居場所は見つかると思います。

 

次回予告:ついに…宿敵がキター!

都内で連続殺人事件が起きる。無差別殺人かと思われたが、特命係が直前に不審な電話がかかってきたことを突き止める。そこに花の里に客人が。その後、近くで殺人事件があり、右京の元にはダークウェブを通じて電話がかかってくる。右京は、元相棒である南井の暗躍を疑っており…

伊武雅刀さんが出て、「キター!」って思っちゃいました。相棒16 第7話「倫敦からの客人」で出演していた南井さん、決着がついてなかったのできっとまた対決すると思っていたから。ついに、ついに来ましたね!

 

▼相棒16 第7話「倫敦からの客人」記事はこちら

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この話は好きだったので、次回が本当に楽しみです。ただ、期待値を上げすぎるとそれはそれで勝手にがっかりしてしまうかもしれないので、あくまでフラットに見ます。それでもやっぱり楽しみだ~!!!

 

 

aoikara

 

▼相棒17 第17話「倫敦からの刺客」記事はこちら

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▼相棒17 記事一覧はこちら

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