除夜の鐘がゴーンとなる前に、ゴーンという知らせが日本にやってきた。元日産会長で、金融商品取引法違反で逮捕されて、現在は保釈中のカルロス・ゴーン氏が、レバノンへ国外逃亡したというニュース。
率直な感想としては、「そんなことできちゃうんだ」という驚きがあった。でもまあ、ときどき逮捕した犯人が逃げるとかがあるから、ゴーンさんほどの人脈とお金があれば、まあそんなことができちゃうのかもと思った。
そして出てきたのは嫌悪感、冷静な感想、そして呆れだった。
嫌悪感
私は日本に生まれて、日本という国に生きてきて、日本の司法の下で生きているわけだから、それを堂々と違反することに対しての嫌悪感もある。
金融商品取引法違反に関しては、裁判前だし専門的なことは詳しくないから、違法かどうかはまだわからない。でも、今回の件に関しては違法。日本から逃亡したという正式な記録はないわけだから、その点に関して違法なのは間違いないから。
単純に違法なことをして「してやったぜ！」みたいな人がいたら、うわぁ…って白い目で見てしまう。バカッターを目にしたときと同じ気持ち。わざわざ叩いたり炎上させたりはしないけど、そっと距離を置く。
規模や内容は全く違うし、ゴーンさん側からしたら正当性あるのかもだけど、私はやっぱり良い目では見られないかな。
冷静な感想
でもまあ他国の価値観からすると、他国の司法の是非には違和感があるのかもしれないな、とも思う。
香港のデモで活動家が逮捕されているのを見ると、あの場所の“逮捕”って日本とは意味合いが違って、見せしめのようなものだなと感じるし。司法って何だよって思っちゃうし。でも中国側からしたら自分たちに正当性があって。
香港の状況とゴーンさんは全くもって違うけれど、他国から見た司法への違和感ってのはあるし、レバノンとかフランスから見ると、日本の司法に対して疑問があるのも不思議じゃないなとは思う。
日本も一応は推定無罪。裁判の判決で有罪とならない限り、無罪と推定される。でも、「逮捕されたら有罪」みたいな世の中の空気があるのもたしか。
起訴されたら99.9%は有罪らしいし、起訴するまで相当に吟味されるわけだけれど、誤認逮捕なんてとんでもないという認識はあるわけだから、逮捕する時点で有罪だろうと思ってしまうものなのかな。
それで拘束されて、自由を奪われるのは、推定無罪じゃなくて推定有罪じゃないかと他国から批難されたというニュースも見た。証拠隠滅を図ろうとする可能性もあるから、身柄拘束は仕方ないのかなと思う部分はあるけれども。
そもそもゴーンさんは無罪を主張しているわけだから、逮捕されたのだってありえないって思っているわけだろうし。
同じ日本で暮らしていても、ときどきえっと驚くような司法の実態もあるのはたしか。性犯罪での無罪判決とか、ありえないような横暴な逮捕や取り調べとか、あるのはある。
でも、日本の警察や検察全てがおかしいわけじゃないし、大半は真面目に真摯に取り組んでらっしゃる方々だと思う。
つまりはいろんな国の人からいろんな意見が出るのは自然なことだとは思う。本当に無罪だというなら、法廷で闘えば良いのにとも思う。正しい司法がまかり通ってない場所で正当な判決が下されないって考えるのもわかるけどね。
それは弁護士も信じてないわけだし、知らされてなかったみたいだし、信頼関係なんて築けないじゃん。一対一の信頼関係が築けなくて、簡単に裏切ってしまう人が、「自分が正しい」と言っても残念だけど私は響かない。
やっていることは信頼できないなって思っちゃう。本当にひどい扱いを受けたのかもしれないから、なんとも言えないけれども。
呆れ
逃亡ルートとか明らかになってないことは多いけれど、今回の逃亡のためにもいろんな人が関わっていて、ものすごい額のお金をかけたんだろうなってことだけはわかる。
どんだけ金あるんだよという呆れ。というかそのお金はどこから出てきたんだ。って意地悪な勘ぐりをしてしまう。
そんなにお金があってどうするんだろう。何に使うんだろう。私なんて1億円があるだけでもあっぷあっぷしちゃうよ。全然使い切れないよ。
お金は把握できる量じゃないと、誰かに利用されたり、使い方を間違えてしまったりして、お金に使われるようになってしまうと思う。ゴーンさんはどっちなんだろう。
結論として、お金は欲しい。誰だってほしい。でも、お金に使われるようになってしまったら身を滅ぼすのかなって。ゴーンさんがそうだというわけじゃなくて、個人の感想です。
aoikara