多動力があるかわからないけど、多動性はありそうなaoikaraです。今回はそんな
多動力と多動性
の話です。
キッカケは堀江貴文さんのインタビュー
堀江貴文さんが2017年5月27日に出版された『多動力』という書籍についてのインタビューを読んだことが、今回の「多動力」と「多動性」について考えるキッカケになりました。
「多動力」と「多動性」。とても似ている言葉ですが、実は全く異なる意味を持っていると、個人的には考えています。それぞれについて掘り下げながら、比較します。
前置き
- この記事での「多動力」は堀江貴文さんが語っている言葉の意味として説明します。あくまで堀江さんの考えを私が読み説き、解釈した上での説明です。「それ間違っているよ」「ちょっとずれてる」と思うのであれば、コメントなどでご指摘ください。
- また「多動性」についても、発達障害などとは別のオリジナルの意味として使っています。ご理解ください。
- 私は堀江さんの「多動力」は読んでないので、自分なりの解釈に過ぎません。ご了承ください。
「多動力」とは?
いくつも異なることを同時にこなせる力
堀江さん曰く、多動力とは「いくつも異なることを同時にこなせる力」のことだそうです。
多動力のメリット①オンリーワンでレアな存在になれる
多動力があるということは、いろんなことに興味があり、取り組んでいく力があるということ。肩書きがたくさんある人になれるんです。肩書きがたくさんある人は、他の人と被らず、まさにレアな存在。
たしかに「ライター」は日本にも世界にも数え切れないほどいますが、「中卒で相棒が好きで北海道出身なフリーライター」は私しかいないと自信を持って言えます。ライターとしての能力はわかりませんが、ある意味でレアな存在ですよね。
それは、その人の個性であり、オンリーワンな存在になれるのです。
多動力のメリット②業種の「超越者」になれる
仕事で多動力を活かしてさまざまな肩書きがある人は、いろんな業界で仕事ができますよね。たとえばインテリ芸人さん。インテリだからクイズ番組やニュースなどにも出られて、でも芸人だからお笑いもやる。肩書きがたくさんあればあるほど、仕事の幅も増えます。
一つの業種に限らず、いろんな業種を行き来するような「超越者」になれると、堀江さんは語っています。
仕事の副業などとも似ていますよね。本業だけではなく、副業をいくつも持っておく。本業が失敗しても、副業があるから大丈夫。それはリスクヘッジにもなりますし、本業で失敗しても良いから挑戦しようという意欲にもなれます。
多動力のメリット③知識も発想も広がる
さまざまな分野に興味を持って取り組むと、全く関係のないことでも点と点が線でつながることがあります。
たとえば、以前このブログでも名前が挙がったことがある、寿司職人の小野二郎さん。御年91歳ながら、現役で寿司を握っているその道の一流の方。
そんな一つの道を究めている方でも、ずーっと寿司を握ってらっしゃるだけではないんです。寿司をもっともっと良くするために、いろんな店に通うのだそうです。和食だけでなく、洋食や中華などジャンルを問わず。そこで得たことが、寿司に活きることもある。点と点が線につながってということ。
何かに行き詰まったときは、全く関係のないことからインスピレーションを受けて、道が開けたりするものです。
多動力がある人は、常に全く別のジャンルに携わっているので、知識や発想もどんどんつながって広がっていきます。この広がりがさらに新しい発想を生み、相乗効果でどんどん発展へとつながっていくのです。
100点満点を狙うより、80点をいくつも持てる人になれ!
1つのことで100点満点を目指すエキスパートするのにはとにかく時間がかかる。それよりは、短期間で80点の力を身につけ、及第点の能力をいくつも増やす=多動力をつける方が、これからの時代に求められる人材になれるというのが堀江さんの見解のようです。
もちろん1つのことを極める人も素晴らしい。ただし、全ての人がエキスパートを目指すわけでなく、多動力のある人物を目指しても良さそうだな、と思いますね。
「多動力」のある人の具体例
個人的に「この人は多動力がある人なんじゃないかな?」と思う人を挙げてみました。
お笑い芸人×作家=又吉直樹さん
お笑いコンビ「ピース」として活動し、さらに芥川賞を受賞するなど作家としても活躍を続けている又吉直樹さん。作家として成功したからといって、芸人として仕事をしていないかというとそんなことはなくて、むしろ精力的に活動しています。
どちらかをやるためにどちらかを捨てるということはしない、まさに多動力ですよね。
ミュージシャン×俳優×作家=星野源さん
星野源さんと言えば、歌手として2016年には「恋」が大ヒットしましたし、自身で作曲・作詞を行ったり、楽器も弾けるミュージシャン。俳優としても活躍して、コント番組でも全力投球。本も何冊か執筆している作家としての一面もあります。
どれかひとつが星野源さんというわけではなくて、いろんなことをするからこそ星野源さんというような。たくさんの魅力がある人ですよね。
「多動性」とは?
いくつも異なることが気になって集中できない性質
多動力が素晴らしい力だとわかったところで、今度は「多動性」を掘り下げます。私は自分に多動性があると思っていて(発達障害などの診断はなく、実感としてあるだけ)、私にとっての「多動性」の説明だと認識しておいてください。
多動性とは「いくつも異なることが気になって集中できない性質」のことだと思っています。
たとえば…
仕事をしなきゃと机に向かっている→部屋のゴミが気になって片付ける→本格的に掃除を始める→アルバムを見つけて眺める→懐かしい友達を見つける→気になってその友達と連絡を取る→今夜会おうと約束する…
なんていうように、思考が一つの場所に留まらず、あっちこっちに飛んで行ってしまうような感覚を、私は「多動性」と呼んでいます。
多動性によってメリットもあると思います。それは、多動力で先述したようなこと。でも、逆に多動性のデメリットもあると私は感じています。そのデメリットについて説明します。
多動性のデメリット①:頭の中が常にごちゃごちゃ
同時にいろんなことを考えてしまうので、思考が複雑に絡み合って頭の中がこんがらがってしまうんですよね。次々に思考が飛ぶというのは、ある意味シナプスが優秀なのかもしれませんが、絡まり方が異常に複雑で疲れます。
個人的な考えとして、頭の中がごちゃごちゃな人は、思考の整理整頓がすごく苦手なんですよね。なので、身の回りの整理整頓も苦手なんじゃないかなと。部屋もごちゃごちゃじゃないですか?私だけ?
まあ、思考がどんどんどんどん浮かんで、考えないようにしよう、というのが難しいんです。
多動性のデメリット②:ミスが多い、忘れっぽい
いろんなことを同時に考えているので、何が大事なのか重要度がわからなくなってしまいます。そのため別の思考に追いやられて、大事なことがすぽんと抜け落ちてしまうことがあるんですね。
そのせいでミスが多かったり、忘れっぽかったり、という特徴もあります。仕事をしていれば、ミスや忘れるというのはかなりの弱点ですよね。
多動性のデメリット③:同じ作業が苦痛でしかない
これは私だけかもしれない、あるいは多動性とは全く関係がないのかもしれませんが、同じ作業、特に単調な作業がとにかく苦痛。
昔、特定のURLを調べるという仕事をしていたことがあるんですね。最初は新しいことを知れるし、どうやったら速く作業ができるか考えるから楽しい。でも、慣れてくるとただ同じ仕事を繰り返しているだけ。延々と同じ単調な作業をするだけというのは、耐えられない!
音楽を聴きながらとか、すごく考える作業を切り上げて全く別の作業としてやって脳を休ませるために、とかならまだ耐えられるんですけど、ただそれだけというのは本当に耐えられない。すごくしんどくなっちゃいます。
多動性のデメリット④:集中力がない
同じ作業を延々にこなせないというのは、集中力がないからなのかもしれません。いろんなことが気になってそっちに気を取られてしまうということが1日の中で何回もあります。
パソコンが止まったりすると、もうぷつっと集中力が切れちゃいますね。ちょっとした時間でも仕事が中断している間は本を読んだり、スマホでアプリを開いたりしています。
多動性のデメリット⑤:飽きっぽい
私はすごくミーハーなところがあって、いろんなことに興味を持つんですけど、飽きるのも早い。熱しやすいけど冷めやすい。興味があったのに、別の事が気になったら、前のことはどうでもいいなーって思うこともしばしば。
ハマりにくい、極めることとは対極な性格ですね。
80点に満たないものがいっぱいになってしまうこともある
堀江さんは100点になるまで道を究めるより、80点をいくつも持っている方が有益だと語っていました。しかし、それは力にできる人だから。
ただの多動性だと、頭の中がごちゃごちゃで、ミスが多く、忘れっぽく、同じ作業が苦痛で、集中力がなく、飽きっぽい人ということになってしまう。そうなると、80点に満たないものをいっぱい持ってしまうことになるんです。
多動性は上手に活かせばすごいメリットを発揮してくれますが、そうではなくデメリットの部分が足かせになって、80点を取れないことに悩んでいる人もいるんじゃないかな、と思いました。
多動力と多動性の違い図解まとめ
- 多動力:思考はつながっていてどんどん広がり、全体を俯瞰して見渡して、何かをやっていても別の物事が見えている状態。
- 多動性:思考が複雑に絡まり合っていて、全体像が見えていない迷子状態。
多動力の思考
多動性の思考
私はこんなイメージです。
「多動性」を「多動力」に変えるための5ステップ
多動性があるということは、多動力の素質もあるということだと思います。では、多動性のデメリットをカバーし、多動力に変えるためにはどうしたら良いのか、考えてみました。
1.アウトプット:ごちゃごちゃな状態を書き出す
多動性だと考えや思考がとっちらかってしまう傾向があります。それを全部吐き出すことで、頭の中のごちゃごちゃ少し落ち着くはずです。
おすすめは書き出すこと。文字でイメージする人はパソコンのメモ帳を使ったり、ノートや手帳などに書いたり。スマホのアプリでもあるボイスレコーダーを使って声に出して録音するのも、絵でイメージする人は絵で描いても良いです。
そんな風に「思いついたことノート」みたいなものを作っておくと良いでしょう。それはただ考えや思考を吐き出すためのノート。キレイにまとめなくても良いです。何か作業をしながら別のことを思い出したときも、さっと書き出しておきましょう。
2.発見:「やりたいこと」「やるべきこと」を見つける
多動力というのは、同時にいろんなことをこなす力を意味しています。そのためには、自分が「やるべきこと」や「やりたいこと」を見つける必要があります。
そこで、先ほどの「思いついたことノート」の出番。その中から、「やるべきこと」や「やりたいこと」が見つかるはずです。
3.整理:優先順位を決める
「やるべきこと」や「やりたいこと」の一覧ができたら、優先順位に並べてみましょう。
- 基本的には時期が限定されていたり、締め切りがあるものが最優先。
- 「やるべきこと」>「やりたいこと」。
優先順位はこんな風に考えておく。
「やるべきこと」の中でも、急ぐこと・納期が迫っていることなどは優先。時間がかかること、も早くから始めておくこと良いでしょう。
「やりたいこと」に関しては、考え方で優先順位も変わります。「やりたい」という気持ちが強い順だったり、ほかの人が関わって共同でやることだから優先させたいというのも理由としてありです。
「やるべきこと」「やりたいこと」が途中で増えたら、また書き足して整理しましょう。
基本的には優先順位が高い順から物事をこなしていきましょう。
4.実践:“終わり”を決めて物事に取り組む
では、作業を実践します。大切なのは終わりを決めておくこと。どこまでやったら良いのかわからないと、集中力のない多動性なタイプは続きません。なので、「終わり」を決めておくと、ゴールがわかって集中できます。
必ずクリアできる「終わり」を作る
ゴールは甘く見積もりましょう。だいたい自分が考えているよりは頑張れないのが人間です。
たとえば時間なら「15分だけ」とか、仕事量なら「1000文字書く」とか。必ずクリアできるゴールにしておいて、まずはこなすことで達成感を得る。その気持ちよさを忘れないように。
すぐにこなせるようになったら、徐々に時間を増やしたり、仕事量を増やしていきます。でも、ゴールできない時間や仕事量になったら、それ以上は増やさないこと。それが現段階での能力の限界だからです。無理する必要はありません。
今日は頑張れそうだなと思っても、作業量を増やさないこと。余裕ができたら、自分の好きな時間に使いましょう。すべて作業につぎ込むことはないのです。
休憩を忘れない
作業を一つ終えたら、休みましょう。脳も体も休ませることで、次の作業に集中できます。別の作業に移るときの切り替え時間にもできます。
コツは「嫌なこと」と「楽しいこと」を交互に
作業をする上で「やりたくないけどやらなければならないこと」もありますよね。そういったことは、義務感で渋々やっているようなもので、集中力が続かず放棄したくなってしまいます。
なので、作業は「嫌なこと」と「楽しいこと」を交互に組み込みましょう。嫌な作業が終われば、自分の好きなことができると思えば、気持ちが楽ですよね。また好きな作業が終わった後なら、嫌な作業も頑張れるはず。
自分の心と集中力を上手にコントロールしましょう。
5.補填:確認作業を怠らない
多動性だとケアレスミスも多いです。なので、作業での確認を怠らないこと。というよりは、確認すらも作業のひとつの考えるのです。
「仕事のメールを書いた!送信!」ではなく、「仕事のメールを書いた!間違っている箇所がないかな…よし、送信!」と、行動するまでに確認作業というワンクッションを挟みましょう。致命的なミスを犯すことも減るはずです。
多動性を多動力にするまとめ
- アウトプット:ごちゃごちゃな状態を書き出す
- 発見:「やりたいこと」「やるべきこと」を見つける
- 整理:優先順位を決める
- 実践:“終わり”を決めて物事に取り組む
- 補填:確認作業を怠らない
この繰り返しと考えておきましょう。
まとめ
というわけで、多動性な私なりに、多動力を導く方法を考えてみました。
いろんなことを同時に考えているからといって、同時に全てを及第点でこなすというのは意外と難しいことなんです。実は、それができる人というのは、多動性がなくアベレージが高い人だったりします。
しかし、多動性は多動力を引き出せる可能性は十分にあるはずです。
そのために大切なのは一つずつ順番にこなすこと。
多動力と言っても、作業をするときは1つの作業だけに集中しますよね。たとえば、
- ウェブ開発をする
- テニスを習う
- 取材しに行く
という3つの仕事を抱えていても、ウェブ開発しながら、テニスを習って、取材しに行くというように、物理的に一度に同時にこなしているわけではありませんよね。取り組むときは一つずつ。
だから、多動性でいっぱいやりたいことを抱えているときも、一つずつ順番に取り組んでいけば、多動力のように同時にいろんなことをこなせる力が身につきます。(たぶん)
多動性だという人は、その特性を活かして、多動力にできたら、きっとすごい力を発揮できるのではないかと思います。あと、普通に堀江さんの本が読みたいです。
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