世の中のお母さんたちはすごいなあと思うaoikaraです。みんなすごいよ。あたしお母さんじゃないけど、すごいなーと思います。
というわけで今回のテーマは…
西郷どん 第7話「背中の母」ネタバレ
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。
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▼西郷どん 第6話「謎の漂流者」記事はこちら
第7話「背中の母」 あらすじ・ネタバレ
別れと出会い
嘉永五年夏、長い間労咳を煩っていた西郷吉之助(鈴木亮平)の祖父・龍右衛門(大村崑)が亡くなった。家族みんなで墓参りをしている。
すると、祖母のきみ(水野久美)をはじめとして、母の満佐(松坂慶子)や父の吉兵衛(風間杜夫)らが吉之助に嫁を取るようにという。吉之助ももう24歳。吉兵衛は一度吉之助が断った伊集院の家に掛け合ってみると言い出す。
吉之助はあまり乗り気ではなかった。
空気の読めない父子
一方、隣人の大久保正助(瑛太)は未だ謹慎中の身ながら、郷中の二才たちに勉学を教えて、赦免の日を待っていた。その日は海国図志という清国で出版された書物について。軍艦や大砲の技術を学ぶべきだと、ジョンマンが言っていたことと同じだと述べる。
と、隣から大きな声が聞こえる。それは吉之助と吉兵衛の言い合い。「おはんが嫁をもらわんせいで、琴も嫁に行きそびれちょる!あれも良い年じゃ!売れ残ったらどうする!」などと説教されている。
ちょうど大久保の家に来ていた琴(桜庭ななみ)は顔をそらす。そんな琴を市来正之丞(池田倫太朗)がちらりと見ている。
正助の講義はここまで。市来が残って、正助に質問している。エゲレスが戦で攻めてくるのかと。正助はジョンマンによるとメリケン人は穏やかなので、戦のために日本に来るわけではないだろうと述べる。市来は安心した様子。
そして立ち去る市来を、琴もまた見ていた。そんな二人を正助は微笑ましそうに見ている。
友人の助言と思い
吉之助はいつもの木の上で一人考えている。そこに正助がやってきて、薩摩藩主の島津斉彬(渡辺謙)が参勤するので江戸に行きたくて悩んでいるのだろうと言い当てる。吉之助は気づかれたことに驚くが、それは正助も思いが一緒だったからだった。
ただ、「いずれ嫁取りはせにゃならん。琴さあのためにもな」と正助は言い、市来と琴が好き合っているらしいことを伝える。吉之助が嫁を取らないと、琴も嫁に行けないだろうと諭して。そんなことはいつもいそいそと働いている。
「おいも江戸に行きたか!」
と大きな声で正助は言う。ただ、謹慎中の身では江戸には行けない。そんな正助の思いを理解している吉之助も何も言えず。「すんもはん、忘れてたもんせ」と正助も言う。
殿様がやったこと
吉之助はお役目として、農民たちの米の収穫について泊まりがけで様子を見に行っていた。殿様から借りてきた牛だと連れてきたりもして。
斉彬は「経済の根本は勧農なり。勧農は政の根本なり」という精神もと、新田開発を進めた。
江戸へ!
そんな斉彬の元に、時代を揺るがす知らせが来た。メリケンの軍艦が日本に向かって来ているという知らせだった。「世はいよいよ動く!見込みのありそうな二才の選別を急げ!」と側近の山田為久(徳井優)に命じる。
吉之助が歩いていると、大山格之助(北村有起哉)や有馬新七(増田修一朗)、村田新八(堀井新太)、有村俊斎(高橋光臣)らが喜び勇んでやってくる。斉彬が参勤のため、お供をする二才を探しているとのこと。
吉之助もその知らせを聞き、「江戸じゃああああ!!!」と大いに喜ぶ。
元気な母が
西郷家では、満佐が米を研ぎながらふらついていた。そんな母の様子に気づいた琴と、吉二郎(渡部豪太)がかけよる。ものすごい熱。本人は「ちょっと休めばはよ治りもんで」と言うが、ふらついている。そのまま満佐は床に伏せる。
母の病
江戸に行けるかもしれないと期待を胸に帰ってきた吉之助。だが、母の弱った様子を見て驚き心配する。満佐は「ちょっと風邪を引いたもんで」と言う。「もう大丈夫」と言うが、起き上がれず「ゆっくり休んでたもんせ」と吉之助は言う。
すると吉兵衛が吉之助だけを呼び出す。吉之助がお役目でなかなか家に帰れない間も、満佐の体は悪くなっていた。そして「おはんだけに言うが」と前置きして、吉兵衛は満佐が龍右衛門から死病をもらってしまったらしいことを話す。
実際に、この何日か前に満佐は咳き込み、吐血していた。それに気づいた吉兵衛が駆け寄るが、満佐が口にしたのは吉之助に嫁をもらってほしいということだった。自分の身体について理解し、自分がいなくなったらこの家はどうなるのか心配してのことだった。
「吉之助、頼む。満佐を安心させるためにも、嫁をもらうちくれ!」吉兵衛は頭を下げる。吉之助は呆然としてのち、「わかりもした」と意志の堅い表情で応える。
その夜、眠る満佐のそばには吉之助が一人。吉之助は思わず涙がこぼれそうになり、それを手でぐいと拭く。
呼び出し
島津家の豪邸には於一(北川景子)が呼び出されていた。相手は斉彬。西洋風のテーブルを挟み、椅子に座って話をする。二人が会うのは相撲大会以来。
於一は「ケガは癒えられもしたか?」と聞くが、「ケガなどしておらん!恥をかいたが!」と斉彬は笑う。於一はとびっきりの笑顔で「あれでお殿様のことが大好きになりもした!」と言う。
その日、呼び出されたのは斉彬の養女になるためだった。於一は「なにゆえ私なのでございもすか?」と尋ねる。斉彬は「まずよく食べる。健やかである。博打も強い、すんわり運も強い」とにっこりと答える。
於一は心配そうに「それはおなごにあるまじきことでは?」と尋ねるが、「運は身をたすくじゃ」と斉彬は答える。
さらに、「そなたに江戸に行ってもらう。島津家当主の娘として輿入れをしてもらう」とも言う。於一は縁談の相手を気にするが「まあ、いずれな」と斉彬は笑顔ではぐらかす。
於一の運命を変える、恐ろしい縁談が決まろうとしたいた。
吉之助の嫁
西郷家では吉之助の婚礼が執り行われていた。嫁として連れてこられたのは須賀(橋本愛)。父親の伊集院直五郎(北見敏之)が御前相撲を見て吉之助に惚れたので、娘も惚れるだろうと言う。
伊集院が「愛想のなか嫁」と言うように、たしかに須賀は一言も話さず、ぴくりとも表情を変えない。郷中の仲間たちも「能面みたいな花嫁じゃ」などと言っている。
郷中のみんなで集まり、吉之助を取り囲んで酒を呑む。皆で江戸に行きたいという話をしている。手応えを聞くと、吉之助は「んにゃんにゃ、おいはわからん」などと笑いながらはぐらかしている。
吉兵衛が須賀も連れてきて、夫婦二人を並ばせる。須賀はまたも一言も発さず、能面のような顔で頭を下げるだけ。思わず郷中の二才たちもだんまり。
ただ、吉兵衛が酒をつごうとすると、「いただきもす」と須賀は初めてしゃべった。しかもなかなかの飲みっぷり。「なかなかの嫁じゃの!」と吉兵衛はさらに飲ませる。須賀はぐいぐいと飲み、「よか嫁じゃ!」と吉兵衛を喜ばせる。
夜も更けて、宴も進み、郷中の二才たちは酔いつぶれている。すると正助が「そうじゃ!わが家でナンコをやりもうそう!」と言い、皆を誘っている。吉之助と須賀に気を遣っているのだった。そんな正助に吉之助は礼を言う。
満佐がやってきて、須賀に「着替えて布団でん敷きもうそうか」と優しく声をかける。残された吉之助は少しどぎまぎとしていた。吉兵衛は酔いつぶれて寝ている。そんな父に着物をそっとかけてやっている。
嫁が笑わぬ理由
須賀は満佐と一緒に布団を敷いている。嫁入り道具としてもらった布団はたいそう立派なものだった。「夜が明けたらあたいと一緒に畑に行きもうそうか」などと満佐は須賀に言い、吉之助に「そげん急かせんでも」と言われてしまう。
それでも満佐は「須賀さあ、おはんはこの家のこと、一刻も早う覚えてくりゃんせ。もうあまり時がなかかもしれんで」と言う。須賀はじっと目を見て話を聞いている。「吉之助と西郷の家のこと、よろしく頼みもす」と満佐は頭を下げる。
「すんもはん!」須賀は思い詰めていたように頭を下げて謝る。「こげな愛想のなか嫁ですんもはん!」と。「愛想よくせんかと、父にも言われちょいもした。笑思っても笑えんとでございもす。許してたもんせ!」と続けるのだった。
「須賀どん」吉之助は優しく声をかける。「こげな貧しか大所帯に来てくれて、ありがたかどん」と心から言う。「いえ、貧しさは、恥ではございもはん」しっかりと言う須賀。
そんな二人を見て、満佐は心から嬉しそうに微笑む。そんな満佐を見て、自分も笑おうと表情を和らげようとする須賀だが、やはりうまく笑えず顔が引きつっている。「あー、よかよか。無理に笑わんでよか」と吉之助は笑顔で言う。そんな言葉に、須賀はふっと顔の力が抜けて、微笑んでいるようにも見える。
満佐は「安心した」と言い、二人に「おやすみなさい」と告げる。
はじめての夜
吉之助と須賀、横に並んで寝る二人。「しっかり休みもうそ」と吉之助は言い、巣鴨「はい」と答える。なんとも気まずい時間。吉之助は須賀を見て、「須賀どん」と声をかけて、そっと近づこうとする。
と、「わーふかふかじゃあ!」と吉之助の弟たちが二人の寝床に飛び込んできた。満佐や吉二郎が止めているが、弟たちはよけそうにない。こうして、その夜は更けていった。
自由な嫁
翌日、須賀は満佐と一緒に畑へ。それぞれに食べさせてほしい調理法を教えながら野菜を収穫。須賀はなかなか豪快に野菜をもぎ取っている。
また、冬の間に一年分の味噌を造ると樽を見せている。「こげんたくさん…」と須賀が言うほどたくさんの味噌が入っている。須賀も合わせて十一人の大所帯で大量に必要だった。
満佐が吉之助が味噌造りは得意だと言うと、「旦那さあに全てお任せしもす」とさらりと言ってのける須賀。熊吉と琴は影でそんな様子を心配。熊吉は思わず「今年の味噌はおいが作りもうそう」とつぶやく。
一方、吉之助は吉二郎と一緒に川へ。苦労しながらもなんとかうなぎを捕まえていた。
夫婦というものは
そのうなぎを焼いて、満佐の元へ。良いのにという満佐の様子を見て、須賀は「母上は、どこか悪かとでございもすか?」と心配している。満佐は笑顔でそんなことはないというように見せて、須賀に食べるようにうなぎを渡す。
「では、遠慮なくいただきもうそう」ぱくりと須賀がうなぎを食べる。「んー」思わず表情がとろけそうなほどにおいしいうなぎだった。
「須賀さあ、この家には馴染めそうじゃろうか?」と聞いたのはきみ。「そいはまだなんとも…」と答える須賀に、「正直でよかよか!」と吉兵衛は楽しそうに相づちを打つ。
そのまま吉兵衛は吉之助のことを言う。「吉之助は、惚れた腫れたで嫁をもらうような軟弱な男じゃなか!おいが持ってきた縁談を受けた」と言い、吉之助はやめてほしがっている。さらに続ける吉兵衛。
「男と女はわからんぞ。おいも母上に言われて仕方なく満佐を嫁にとった。じゃっとん、ひったまがるほど良かおなごじゃった!」と晴れやかな表情。「まず、こげなおいのことを好きになるよう努力しよった。情にほだされて、おいも満佐に惚れてしまった!」うれしそうに吉兵衛は語る。
満佐は恥ずかしそうにして、「もう良かでん」と止めている。「自慢じゃなかどん!何十年も、楽しか夫婦じゃった!」吉兵衛は実感を込めて言う。
そして、須賀に向き直る。「須賀さあ、まずは相手に惚れるごっちゃ。そっから夫婦は始まる」須賀は大きな目でじっと吉兵衛を見つめて聞いている。「吉之助は良か男じゃ。何しろ、この満佐が初めて産んだ子じゃってな!ぬわはははは!」と得意そうい笑う。
須賀はまた愛想よく笑おうとするが、顔を引きつらせている。「無理して笑うことはなか」と吉之助に優しく言われて、ほっと顔の力を抜く。
吉兵衛はきみに子どもの前でよくそんな恥ずかしい話ができるなと呆れたように窘められる。しかもしらふで。
「日の本一の嫁の自慢をして、何が悪か!ぬわはははははは!」
吉之助は本当にうれしそうに笑うのだった。満佐もそばで微笑んでいた。
沈黙の朝
翌朝、琴が吉兵衛を起こすがなかなか起きない。満佐が仕方ないと言うように「旦那さあ」と起こすために触れると「冷たか」。吉之助も「父上?…父上?父上!父上!!」と声をかける。満佐は「目を覚ましてたもんせ!」と叫んでいる。
龍右衛門が亡くなってからたった二ヶ月。吉兵衛の死はあまりにもあっけないものだった。
悪いことは続くのか
西郷家は皆で吉兵衛の墓参りへ。満佐は倒れてしまう。熊吉がおぶって家へと連れて帰る。吉兵衛の死後、満佐の病状は悪くなる一方だった。
皆で内職をしているときに、須賀が「こげなったら人形を墓に入れなければ」と言い出す。一年のうちに二人亡くなれば、三人目を欲しがるものだと。その代わりに墓に人形を入れると言う。琴や吉二郎らは人形を用意せねばと、ざわつく。
「落ち着かんか!」と大きな声でぴしゃりと言ったのはきみ。自分は七十年生きているがそんな話は聞いたことがないと、「迷信」と言い切る。
それでもと須賀は心配するが、吉之助も止める。「気持ちはわかっとで」と気持ちに寄り添いながら。
江戸へ行く者
斉彬は、選ばれた二才たちよりも一足早く江戸へと向かう。吉之助はその姿を遠くから見送っていた。
吉之助は床に伏せている満佐のもとに薬を持ってくる。満佐は薬が「高かったじゃろう」と家計のことを心配している。「すまんねえ」と息子の気遣いに申し訳ない様子。吉之助は笑顔で「ないもないも」と言う。
そんな薬を煮詰めているとき、格之助と俊斎がやってきた。江戸に行くのに選ばれたとうれしそうにしている。当然吉之助も選ばれたと思っているが、「おいは選ばれんかった」と吉之助は答える。格之助と俊斎は願い出なかったのだろうと言うが、吉之助はそんなことはないと否定。
その会話を満佐が聞いていた。
母の願い
吉之助や琴は満佐の様子を見て、お粥を持ってきている。しかし、満佐は「あたいはよかで。おはんらで食べや」とか細い声で、それでも努めて明るく言う。「治るもんも治らん」と吉之助は心配する。
満佐は吉之助の手を借りて起き上がり、「一つだけお願いが」と言う。
背中の母
吉之助は満佐を背負って、桜島が見える場所へとやってきた。今日も海の奥に見える桜島は美しい。満佐も景色を見て笑顔になる。「美しかぁ。生きちょう間に、どげんしてでん、ここに来たかったぁ」と本当にうれしそうに言う。
そして、「おはんが産まれてすぐの頃、おはんを抱いて、父上と三人でここにきたとよ」とゆっくりと教えてくれる。吉之助が生まれたばかりの頃、同じ場所に来ていた父と母。吉兵衛は「あん桜島のようにでっかく立派な男になるよう励むんじゃぞ!」と声をかけていた。
「こげん立派になってくれてぇ…一緒に桜島もいることができて…もう思い残すことはなか」満佐は言う。吉之助はぐっとこらえて笑顔になり、「桜島どん!母上の病を治してたもんせえー!!」と大きな声を上げていた。
さらに満佐は言う。「おはん、江戸行きの願い、出しちょらんなぁ」と。「あたいの体を気遣って、あれほど行きたかった江戸を、諦めてくれたとじゃねぇ」。そういう母に、「そげなことはなか」と吉之助は笑顔で返す。
満佐は笑うように「吉之助さあは、昔から、嘘が下手ぁ」と言う。「おはんは心が熱すぎて、つい情に負ける。幼か頃から、母は心配でした」そっと吉之助を頭を撫でるようにしながら言う。
「じゃっとん、こいからは、吉之助さあの好きなように、生きやんせ!」
「おはんがそばにいてくれて、うれしかった…。あたいは、西郷吉之助の母親で、ほんのごて、幸せでございもした」
そう言い切ると、満佐はふっと体の力が抜けてしまう。「母上」吉之助が声をかけるも、返事はない。「母上?」もう一度読んでも声は返ってこない。「返事をしっくいやい。返事をしっくいやい!」吉之助は涙が止まらなかった。
西郷家では半年足らずのうちにじいさま、父上、母上が亡くなった。吉之助にとって、生涯で一番つらく悲しい年だった。
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という話でした。今回はつらい。つらい話です。
aoikara
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