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西郷どん 第37話「江戸無血開城」感想 西郷吉之助としての軸はどこ?

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江戸城は見たことがないaoikaraです。これから関係してくる五稜郭と、もっと以前に関係があった大阪城は見たことがあるんですけれどね。歴史的な意味を噛みしめることで、城を見るのは楽しくなりますね。

 

というわけで今回のテーマは…

 

西郷どん 第37話「江戸無血開城」感想

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼ネタバレ記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

▼西郷どん 第36話「慶喜の首」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

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GOODポイント

  • 南野陽子さんはきちんと老けメイクと老けた演技をしていて、素晴らしいなぁと思いました。あれくらいの女優さんって、結構老けるのやりたがらないというか…。年を取った役のはずなのに、ずいぶん若く見えるなぁと思ってしまう方もいるので、感心しました。

 

気になったポイント

  • 幾島は一度天璋院の元から離れていますよね。どういういきさつで戻ってきたのかが気になるのですが、描かれなくて気になります。
  • 勝が「上野に西郷の銅像を作る」的なことを言っていましたが、現実への伏線?とはいえ、勝は銅像の建立と関係がないはず。吉之助と深い関わりがなかった人が作ったので、奥さんも「うちの人はこげな人じゃなか」と言ったのかもしれませんが…。
  • 勝が「一番大変だったのはあいつですよ、西郷どん。やってくれやしたよ」と称えていたように思うのですが、あれいりますかね?大河ドラマの主人公だ!ばばーん!みたいな蛇足の説明のように感じられました。言葉で説明しなくても、演出で何とかする物なのでは…。丁寧に説明してくれるとプラスに見ることもできますが、あまりにも主人公を立てる説明セリフでほんの少し気になりました。

 

感想

天璋院の覚悟

吉之助と交渉をするために、江戸城へと呼び出したのは篤姫こと天璋院でした。徳川と新政府、敵対している同士のはずですが、そこには薩摩にいた頃のような、同志のような関係を感じられて…。

 

篤姫の要求は、江戸の民でも慶喜の命でもなく、「徳川家を守ってほしい」でした。すっかり“徳川の人”になったのだなぁと。嫌味ではないです。純粋にね。

 

夫・徳川家定と過ごした時間は短かったですけれど、正室であったことに誇りを抱いていて、徳川を奥で守ってきたのだなぁと感じました。

 

江戸は危険ですっかり人も減ってしまったのに、まだ江戸城にいるという覚悟。慶喜や自分の命を犠牲にしてでも良いから徳川を守りたいという気持ちは、天璋院にとっての今の“軸”が徳川だからだろうなと思いました。斉彬から将軍継嗣を手助けするよう命じられた、あの頃の強さがそのままにあるのかなと。

 

吉之助とは立場上、相容れることはありませんでしたが。それでも江戸無血開城と決まった際には、また薩摩の同志に戻れたような気がします。

 

勝に言われるまで「民のため」忘れてたんかい!

吉之助は交渉のため勝とも会います。戦は避けられないという吉之助に対して、勝は心から訴えかけるんですよね。江戸が火の海になり、多くの民が犠牲になるだろうと。

 

勝に「おまえたちの目指す新しい国ってのはなんだい?」と訴えられてから、吉之助は「民のため」に国を作るという目的を忘れかけていたことを思い出すのですが…

 

逆に、今まで「民のため」という信念を忘れていたの!?

それ、吉之助の一番大事な部分じゃんね!?

 

私は、吉之助には「民のため」という主軸がありながら、それでも鬼にならなければならなかったのだと解釈していたのですが…。じゃあ、今までの武力でぶっつぶす!とかは我を失っていただけ?

 

見ている視聴者としては、吉之助が「民のため」を思っているというのは強く印象づけられていると思うのです。それなのに、当の本人である吉之助が忘れるというのは、なんだか違和感がありました。

 

鈴木さんの演技力で、ギリギリ受け入れて見られていますが、思っているよりぶれぶれな主人公じゃないか、と今さらながら気づき始めています。うーん。いや、この吉之助はキャラクターとして好きなんだけどなぁ。

 

吉之助が主の斉彬を失ってから、「生きる!」「死ぬ!」ともが言っていたときも思ったのですが、けっこう主軸がぶれますよね。重厚感のある演技なので、一本芯が通っているのだろうと思いきや、意外とぶれる。

 

このシーンは勝の訴えや、吉之助の心の変化という演技が良いだけに、人物や感情の描き方に違和感があり、ちょっとだけもやもやしてしまいました。うーん。

 

慶喜が素をさらけ出せたのは…

寛永寺にて一人、慶喜が書いていたのは辞世の句のように見えました。 紋付き袴姿は、切腹するための正装のようにも見えました。どのような状況になろうと、死を受け入れる覚悟があったのではないでしょうか。

 

吉之助がやってきたときは、慶喜の悪夢が現実になっているなぁ、なんて思いましたね。夢の中で吉之助に短刀で刺される、あの夢です。夢の中とは違い、慶喜は冷静に受け止めていました。それもやはり死を覚悟していたのだろうなと。

 

慶喜はいつもの調子で、吉之助に「俺を刺せ」なんて言うんですよ。「そのために来たんだろう」と。しかし、吉之助はなぜ大阪から逃げたのかと尋ねます。本当に自分たちが怖かったのかと。

 

「俺はロッシュ殿から逃げたのさ」慶喜が口にしたのは意外な言葉でした。フランスは幕府に力を貸すと言い、武器や兵士を交渉にしてきた。勝てば薩摩が欲しいとも要求。かたは薩摩はエゲレスの力を借り、フランスとエゲレスが日本で戦う。

 

そうすれば、日本はどちらかに乗っ取られる。そんなことはされたくないと、「逃げるしかなかったのだ」と慶喜は言います。

 

私は慶喜がロッシュとの交渉に好意的だと感じていました。しかし、たしかに「薩摩」とロッシュが口にしたとき、慶喜は少しだけ表情を歪ませたと記憶しています。あれは困惑や焦りだったのですね。

 

開国派ではあるけれど、日本と徳川家に何よりもの誇りを持っている慶喜が、外国の言いなりになるとは思えません。プライドという意味でも。「逃げる」という無様な格好でしか、日本を守れなかった。

 

フランスから逃げた慶喜は、イギリスとの交渉を断った吉之助と、全く同じ理由でした。日本はどこの国のものでもない。日本は日本だという。吉之助には、その真意が伝わったのでしょうね。

 

吉之助は、慶喜を「恐ろしかった」と言いました。慶喜にとっては、吉之助が「恐ろしい」存在だったでしょう。お互いに恐れあっていたのです。不思議なことに。

 

今、敵として向かい合っている二人は、同じ目的を持った“ヒー様”と“牛男”という同志だったときと何ら変わりないと。そして、「ヒー様、よくぞ逃げて日本をお守りいただきもした!」と労う言葉は、吉之助しか言えないことだったと思います。二人の関係性だからこそ。

 

ほっと気が緩んだように、慶喜の目からは涙があふれ出て。私には、徳川家と将軍という思い責務による肩の荷が下りたという脱力感と、自分を理解してくれたという心の緩みから、感情があふれ出したように思いました。

 

慶喜が誰かの前で泣いたのは初めてではないでしょうか。ずっと、プライドの高い「俺様」な徳川家の人間だったわけで。それも慶喜の一部ではありますが、重荷にも感じていたのかなと。他の誰よりも、吉之助の前で涙を流した気持ちがわかるような気がします。

 

寛永寺から水戸へ発つときには、なんとも清々しい顔をしていましたね。小気味いい面立ちはそのままに、アクはなくなったように見えました。慶喜はこれから76歳まで生きるのですが、きっと“ヒー様”としての人生を歩んだので長生きできたのかな、なんて思いました。

 

吉之助がきちんと年を取っているように見えるから不思議

さて、吉之助が回想することが多かった今回は、昔のシーンがたくさん出てきました。それを見て思ったのですが、そんなに年月が経っているわけではないのに、昔の吉之助がきちんと若く見えるんですよ。そして、今の吉之助がきちんと年を取っているように見える。

 

メイクであったり、映像の質であったり、いろんな演出もあるのでしょうが、役者さんの演技力だったり役作りもすごいのかなと。本当に一人の人の人生をしっかりと眺めているようで、不思議な感覚になりました。

 

これから明治になり、また吉之助は見た目でも変化がありますね。考え方や年齢、時代と共に変化していく見た目というのも、見ている上での楽しみとなりそうです。

 

戦は一人の意思で解決できることではない

江戸城を総攻撃することなく、なんとか無血開城となりました。これで戦も収束…するかと思いきや、幕府派の新たな火種となってしまいましたね。

 

私は、吉之助が「攻撃をやめる」と言えば、あとは他の藩を納得させるために動けば良いだけなので、戦は終わると思ったんですよ。実際、総攻撃はなくなりました。

 

しかし、戦は終わらないんですね。一人の意思だけではどうにもできない、あまりにも大きな忠義が潜在的にあるのでしょう。吉之助が勝に問われたように、いつまでも戦をして鎮圧しなければならない…新しい国とはいったいなんなのかと思ってしまいます。

 

もう火がついてしまった勢力は止められません。新しい国を作ると希望に満ち溢れていた吉之助たちでしたが、もう次の悲劇の準備は始まっているのだなと切なくなってしまいました。そして、それが吉之助の運命も変えて行ってしまうのだなと…。

 

次回:次に堕ちたのは…

彰義隊は一日で討伐できたものの、次々に新政府軍に抵抗する勢力が現れる。援軍を求めるために薩摩に戻った吉之助。家を守ってくれていた弟の吉二郎も戦場に出たいと言い出す。それを受け入れるも、吉二郎が倒れたという話を聞き…

慶喜が堕ち、吉之助が堕ち、二人が和解することで闇堕ちから復活したわけですが…。新たに大久保が堕ちたー!!!と予告を見て思いました。瑛太さんも演技力高いよなぁ。暗い部分をちゃんと演じています。

 

いよいよ、西郷どんも明治編。ともに歩んできた吉之助と一蔵が、少しずつ別の道を歩んでいく様子が描かれるのでしょう。切ないですね。ここまでたくさんのことを成し遂げた同志であり、何より親友ですし。

 

吉二郎のことも気がかりです。仮になくなったとしたら、この恨みが吉之助の戦への原動力になったのかな…なんて。史実も歴史もわからないので、完全に予測に過ぎませんが。次回もしっかりと見ます!

 

 

 

aoikara

 

▼西郷どん 第38話「傷だらけの維新」記事はこちら

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