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西郷どん 第36話「慶喜の首」感想 悪者はどこにいる?

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松田翔太さんは悪い顔が似合うな~と思うaoikaraです。悪役というより悪い顔なんですよね。絶妙で色気もあります。このドラマでも良い表情を見せてくれます。

 

というわけで今回のテーマは…

 

西郷どん 第36話「慶喜の首」感想

 

です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼ネタバレ記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

▼西郷どん 第35話「戦の鬼」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

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GOODポイント

  • 慶喜の幕臣たちが江戸に着いたらすぐにうなぎを食べているのは、本当に危機感がないというかなんというか。「うなぎなんか食べている場合か!」という勝さんの叱咤、その通りでございます。ちょっと笑いどころを入れてくれるのが面白いですよね。
  • 山岡さんの当主を信じきる姿というのは、かつて吉之助が斉彬に仕えていたときのことを思い出しました。吉之助も、自分の姿と重ねたのかな。
  • お虎さんが西郷家しか心配していないのに笑いました。新八もいるよ~(笑)お虎さんと新八は、いつも絶妙に噛み合っていなくて面白いですよね。
  • 「控えよ~」 の幾島さん!ものすごく久しぶり!「ばあさん」呼びとは失礼な!そして天璋院もお美しかったです。

 

気になったポイント

  • 新八の頭の上の白いもふもふは何ですか?一人だけ歌舞伎役者がいるのかと気になりました。調べてみると、江戸開城の戦利品らしくて、となるとあのタイミングで被っているのがおかしいんですよね。なんで新八だけ?説明が欲しいよ~。
  • 鈴木亮平さんと藤本隆宏さんが対峙したとき、「あれ、西郷が二人…」となってしまいました。藤本さんも西郷を演じたことがあるんですよね。

 

感想

勧善懲悪ではない、人間同士のぶつかり合い

この大河ドラマを「勧善懲悪」と評する人もいるようですが、最近の話を見ていると私はそうは思いません。主人公が正義で、敵とみなしている人物が悪と描かれているでしょうか。

 

たしかに吉之助は主人公で、正義感の強い男です。一方で、慶喜は幕府を思いのままに動かそうとしている、吉之助からすると縁を切った敵対している人物です。

 

とはいえ、あまりにも冷酷に戦の鬼となってしまった吉之助と、追い詰められてただただ逃げたがっている慶喜を見て、正義と悪と簡単に分けられないと思います。「本当に正しいのか?」と問いかける信吾という存在もいます。

 

そして、今回の話では、二人の人間らしい姿が見えました。どちらが正義でどちらが悪でもないからこそ、人間だからこそぶつかり合うのだという、そんな姿が見えたように思います。

 

吉之助は「戦の鬼」ではなかった

前回の話もあり、吉之助はすっかり戦の鬼と化してしまったのかと思っていましたが、どうやら違っていたようです。

 

なぜ、あまりにも攻撃的になってしまったのか、私も弟の信吾と同じように感じていました。元々、平和主義であったはずの吉之助があまりにも違いすぎて。

 

理由は吉之助が「朝敵」と口にする慶喜でしょう。慶喜が将軍として思いのままに動けば、日本がなくなってしまうと、吉之助は危機を抱いたのだと思います。

 

なので、慶喜が何よりも大切にしている徳川、プライドでもある幕府を潰さなければ、慶喜の力を封じることはできないと考えたのかなと。

 

だからこそ、戦の鬼にならざるを得なかった。その覚悟を持たなければ、二百六十年も続いた幕府を、そして徳川家を討ち取ることなどできないと思ったのかなと。だから、弟が死にかけていても戦のことしか考えないようなそんな姿勢を見せていたのでしょう。

 

しかし、弟の命が助かるかもしれないとわかったとき、誰よりも早く行動したのは吉之助でした。そして、慶喜の家来である山岡鉄太郎が目の前で切腹しようとしたときも、止めて話を受け入れました。江戸が戦になることを見据えて、「町から人がいなくなるならその方が良い」という発言も、民が犠牲になるのを避けたいからこその発言でしょう。

 

きちんと命の重みを感じている人間らしい姿もありました。信吾のためにイギリスの医者を呼び寄せようとする吉之助の表情は、昔のままでした。本当に必死でした。

 

そんな吉之助だからこそ、戸惑っていた信吾もまた信じることができたように思います。まだまっすぐな部分は失っていなかったのだと、ほっとしました。

 

慶喜は「朝敵」ではなかった

慶喜は臆病でプライドが高い人間ではありましたが、以前から日本のことを一番に考えてもいました。だからこそ、井伊に刃向かって蟄居させられたわけですし。

 

誰よりも日本のことを考えているはずなのに、この幕末の荒れる世の中で徳川の人間として目立てば、命を狙われる。そして、まさか生まれの家にまで狙われるとは。そこで慶喜は崩壊してしまったんですよね。

 

そして、臆病でプライドが高い部分だけが残ってしまいました。徳川が何よりも大切であり、そこに背く人間には容赦しないという方針に変わっていきました。それが長州征伐にもつながったように思います。

 

だからこそ、同じように刃向かう薩摩も一緒に、諸外国に売ろうとしてしまったのでしょう。徳川に、そして慶喜に刃向かえばこんな恐ろしいことになるぞというつもりで。

 

しかし、性根には「日本のため」という気持ちもあります。もちろんそれは「=徳川のため」なのですが。だからこそ、朝廷に刃向かったことはありませんでした。結局、鳥羽伏見の戦いでも、朝廷に刃を向けることはなかったのです。

 

勝が慶喜に向かって「戦には勝てる」と言ったときも、

 

「そうなったときいよいよ日本は滅びる!俺を見くびるな!」

 

ときっぱりと言いました。日本のためを思う気持ちがまだ残っていたのですよね。まあ「徳川の恥をさらせるか」って発言にプライドの高さもにじみ出ていましたが。それでも、慶喜も悪者ではないと思うんですよね。

 

ただ、プライドが高いからこそ、側室のふきの言うことを素直に聞けなかった。関係ないところに割って入ってくる側室もどうかと思いますけどね。

 

それでも「謝れば良いではないですか!」というのは、そんな簡単なことではないと感じながらも、根本は吉之助と慶喜のこじれた関係だとみれば、言われたとおりのような気もします。

 

でも、慶喜のプライドからいって「そんなことできるわけがない」ので。そして、ふきまで追いだしてしまいました。「本当にいいんですね?私、行っちゃいますよ」ってのが、切ない心地でした。慶喜は一番心を許せていたはずの最後の味方を失ってしまったのですよね。どうするのかしら…。

 

敵対していても思いは同じような…

吉之助と慶喜は、今やすっかり敵対している関係です。正反対なようですが、その根本として「日本のために」という思いは同じように思います。「日本」が意味するところは、お互いに異なりそうですが。

 

しかし、その相違を譲歩しわかり合おうと思えば、それこそお互いにとって「日本のため」に動けると思うのです。

 

だけど、ここまで来てしまったから、それもできない。あまりにも堕ちてしまった二人のように思いましたが、実は人間らしい部分も残っていた。そんな姿を現す、良い回だったと思います。

 

次回:「日本のため」とは

江戸城総攻撃を前に、吉之助は幾島の手引きで天璋院に会う。吉之助は城から逃げるように伝えるが、篤姫は幕府の者として死を覚悟していた。そして、吉之助は勝と交渉をすることになる。

 歴史的にも有名な瞬間がやってくるわけですね。吉之助と天璋院の関係を丁寧に描いていたので、それがどう作用するのかも楽しみです。日本のために問いかける勝さんの予告にもぐっときました。さあ、吉之助が決断しないとね。次回も見届けます。

 

 

 

aoikara

 

▼西郷どん 第36話「慶喜の首」記事はこちら

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