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西郷どん 第16話「斉彬の遺言」ネタバレ 生きているのに死んでしまったような

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 亡くなってしまう人がいるのは切ないaoikaraです。リアルでもね、いろいろありますね。ドラマでも切なくなるなぁ。

 

というわけで今回のテーマは…

 

西郷どん 第16話「斉彬の遺言」ネタバレ

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼感想記事はこちら

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▼西郷どん 第15話「殿の死」記事はこちら

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第16話「斉彬の遺言」あらすじ・ネタバレ

突然の知らせ

京に着いた西郷吉之助(鈴木亮平)は君主・島津斉彬(渡辺謙)を迎え入れるための準備を着々と進めていた。

 

その夜、薩摩藩邸宿 鍵屋にて、酒と食事を準備し藩士を集める。皆の働きによって兵を受け入れる準備ができたことを労い、また兵を挙げることの前祝いの宴をするために。皆大いに盛り上がる。吉之助の郷中仲間・有村俊斎(高橋光臣)も笑顔を見せていた。

 

吉之助に酒をつぐ女中のお虎(近藤春菜)は、ますます慕ってうっとりとした表情で見ている。

 

と、そこに客がやってきたとの知らせが。月照(尾上菊之助)だった。明らかに険しい顔をしている。少しためらうように近衛忠煕(国広富之)宛てに薩摩から急ぎの書状が届いたと伝える。

 

何も知らない吉之助は明るい表情のまま。しかし、月照の重々しい空気を感じ取り、深刻な顔つきで書状を受け取り、読む。

 

「嘘じゃ」書状を目にした吉之助は、小さな声でつぶやく。「嘘じゃ…」受け入れられないというように。書状には「御逝去」の文字が。

 

吉之助のただならぬ様子に気づいた俊斎が書状を奪い取り、斉彬が亡くなったことを知って衝撃を受ける。月照が、「突然の高熱で倒れられて、そのまま…」とつらそうに様子を伝えるも、吉之助の耳には届かず。

 

吉之助は一人、外へ。雷が鳴り、激しい雨が打ち付けている。吉之助は絶望していた。

 

「今からおまえはわしになれ」

 

という斉彬の最期の言葉を思い出す。吉之助は崩れ落ち、慟哭する。体に雨が激しく打ち付ける。命より大切な主君がもうこの世にいないことを知った吉之助だった。

 

まだ終わってない

京の近衛家に近衛と月照、吉之助、俊斎、橋本左内(風間俊介)が集まる。蝉の激しい泣き声が聞こえる中、重々しい空気が流れる。俊斎が口を開き、斉彬の最期について説明する。医者の見立てによると、炎天下の中休みも取らず体に触ったのではとのこと。

 

それを聞いた月照は「毒やな」とつぶやく。左内も過去のことを思い出して毒を盛られたかもしれないと告げる。俊斎は衝撃を受けると共に怒りを露わにし、薩摩に戻りたいと言う。「お殿様の弔い合戦じゃ!」と。「のう、吉之助さあ?」と吉之助にも同意を求める。

 

吉之助は閉じていた目をゆっくりと開けて、しっかりと見開く。そして、

 

「そげんこつ、どげんでんよか」

 

と言う。「まだご公儀に負けたわけじゃなか。薩摩んほかにも同志はおる」と続けて。そのまま吉之助は近衛にぐっとにじりより、水戸の隠居である斉昭(伊武雅刀)に兵を挙げてもらおうと提案する。薩摩と共に立ち上がってくれた諸藩をまとめるのは、もはや水戸のご隠居しかいないと。

 

左内は薩摩が出られぬと知って斉昭も二の足を踏まれるやもしれないと懸念を申し出る。月照は吉之助の姿をじっと見ている。

 

吉之助は強いまなざしで、「改めて天守様に詔を賜りとうございもす」と近衛に申し出る。月照はその詔の内容が、水戸に兵を出せと言うことかと続ける。

 

「どんな手を使ってもよか。今しかなか!殿の死を聞いて相手方が喜び油断しちょう今こそ好機ではございもはんか!」

 

必死の形相で吉之助が叫ぶように述べる。月照は吉之助を見、「よろしおす。できる限りのことをやらせてもらいます」と気持ちを受け取った。吉之助は月照に感謝する。

 

吉之助は皆をぐるりと見回し、「ご一同、まだおわっちょいもはん。ご協力お頼み申します」と頭を下げる。

 

最後の命綱

数日が経ち、近衛と月照のはたらきかけに朝廷は…。

 

近衛家の屋敷には、月照と吉之助と左内が集まっている。近衛は「まだ内々に聞いたたことやけどな…」と上機嫌に話し出す。天守様が近々密かに水戸へ詔を出されるそうだと。

 

それを聞いた左内は、「西郷様」と呼びかけて、「これで薩摩守様の悲願を果たすことができます」と胸に迫るものがありながら言う。吉之助は近衛と月照に「礼の申し上げようもございもはん」と頭を下げて大いに感謝する。

 

近衛は「あんな怒ってはる天守さんわしも初めて見た」と言う。「ご公儀によっぽど腹を据えかねてはるのやろな」と。さらには「大老さんもこれでお終いや」と言いながら高笑いしている。

 

左内は京にいる諸藩の同志たちにこのことを伝えるとし、吉之助は江戸の水戸のご隠居にすぐに兵が出せるようにと伝えるとした。

 

月照は二人の身を案じて送り出す。「おそらくこれが最後の命綱です」と伝えて。二人も重く受け止める。そして、吉之助と左内は立ち上がり、互いの顔を見合わせて、屋敷を後にする。

 

睨みをきかせても

一方、江戸城の大老屋敷に一橋慶喜(松田翔太)が出向いていた。慶喜は部屋で待たされている。そこには井伊の赤備えがある。慶喜は神妙な面持ちで待つ。

 

井伊直弼がやってきて、うやうやしい言葉遣いをしながらも淡々とした口調で迎え入れる。「お待たせをいたしご無礼つかまつりました。まさかこのように前触れもなくご登城とは思いも寄りませんもので。恐れ入り奉ります」と何の心にもこもっていない声で述べて、頭を下げる。

 

慶喜は突然に登城したことを容赦してほしいとする。「先にこちらの願いを申し出たとて、どうせ聞き入れてはくれぬと思ったものゆえ、こうしてふいにまいったのじゃ」とぴしゃりと言う。

 

「それはまた心外なお言葉。当節江戸城中は多忙を極め、まさに戦場の如くにございます」直弼はのらりくらりとかわすだけ。

 

「多忙とは思うがあれはいかがなものかな、掃部頭」大老ではなくあえてそう語気を強めて呼びかける慶喜。「あれと申されますと?」直弼が聞く。慶喜は、天守様の許しもなくメリケンとの条約をかわしたことを「いささか勇み足ではなかったか?」と述べる。

 

「それは…恐れ入り奉ります」重々しく受け入れたような口ぶりで、また直弼が頭を下げる。

 

「京へ行き、天守様に申し開きするのが肝要と思う」という慶喜の言葉にも「恐れ入り奉ります」と頭を下げる。「次の公方様はまだお若い。よこしまな指針を持たず…」と続けようとすると食い気味に「恐れ入り奉ります」と頭を下げる。

 

「おい!」

 

慶喜が思わず怒鳴りつける。立ち上がって直弼に近寄り、上から見下げるようにして、言葉を発する。

 

「これ以上の勝手、まかり通るとは思うなよ。いつ何時もこうして俺がにらみをきかせていることを忘れるな!」

 

との慶喜の言葉にも、直弼はまた「恐れ入り奉ります」と述べて同じように頭を下げるだけだった。

 

雨に打たれても

その頃、吉之助は天守様の詔について水戸斉昭に知らせるために江戸へと急いでいた。雨が激しく打ち付ける道中でも、足を走らせて。

 

ふと、斉昭からもらった脇差しに手をかける。島津家の家紋が入った脇差しを両手で持ち上げ、じっくりと見つめて、そのまま天を仰ぐ。

 

「わしの手となり足となる、それがお前のお庭方の役目じゃ」

「命に替えて、お引き受けいたしもす」

 

とお庭方を命じられて脇差し手渡されたときのことを思い出して。

 

「今から、おまえはわしになれ」

 

最期の言葉を思い出して。まだその死を受け入れられないというように顔を歪ませて、それでも江戸へ向かって走る。

 

何を言われたところで

ところが、斉昭は詔のことを伝えられる前に江戸城に乗り込んでいた。福井藩主・松平慶永(津田寬治)を引き連れて。

 

なかなか直弼が来ず、斉昭は待たされて苛々しており、「おそーーーい!!!」と怒鳴り散らしている。座っていたが立ち上がり、廊下に出て様子を見るなどして「井伊は何をしておるのじゃ!」と憤怒。「遅うございますな」と慶永も同意するが、それでも怒りが収まらない斉昭はうろうろと歩く。

 

結局、夕方まで待たされて、斉昭は怒る体力もなくなるほどにしょぼくれている。当然何も食べておらず、慶永は腹が鳴る。

 

「これはこれはお待たせをいたしました」と、ようやく直弼がやってきた。悪びれもせず多忙だと理由を伝えて、待たせたのが自分であるにも関わらず「ご隠居さま、大事ござりませぬか?」と尋ねる。

 

もちろん怒っている斉昭は返事をしない。「ご無理をされますと薩摩守殿の後を追うことにもなりかねませんぞ」と言う直弼の言葉にはさすがに聞き捨てならぬと振り返る。

 

だが、怒りで口を開いたのは慶永。「掃部頭!我が朝早うから登城しておるのは聞いておるはず。それを待たせるだけ待たせ、食事の一つも用意させぬとはいかなる所存か!」と述べる。

 

「それは誠にございますか?」心底驚いたというように直弼は答える。「いやはや、お二人であれば当然ぬかりなくお弁当はご用意されるであろうといささかも疑っておりませんでしたゆえ」と淡々と直弼は述べる。

 

「おのれええ、井伊 無礼千万であろう!」斉昭は怒鳴りつけるも、「あぁ、これはこれは、恐れ入り奉ります」とまた同じように頭を下げる。斉昭になんと言われようと、「恐れ入り奉ります」で押し通す直弼だった。

 

ヒー様の運命

吉之助が江戸についたのは、それからしばらく後のことだった。天守様からの詔について斉昭に知らせるために水戸の屋敷に行ったものの、門前払いされてしまう。

 

そこで吉之助がやってきたのが磯田屋だった。斉昭の息子でもある慶喜が“ヒー様”として、たくさんの女たちに囲まれて絵を描いている。「異国船にこの国がぶっつぶされるところでも描いてやろうか」と悪い冗談も言いながら。

 

席を離れて慶喜はおよし(高梨臨)と二人になる。「何があったんですか?」気づいているようにおよしが聞く。「こうしておよしの顔を見るのも最後かもしれぬ」慶喜は質問には答えずこんなことを言う。

 

さらにおよしと目を合わせないまま、「俺と一緒に逃げてくれっていったら、どうする?」と聞く。およしは戸惑ったように「本気ですか?」と言う。

 

どしどしと大きな足音をたてて、吉之助がやってきた。まっすぐに慶喜に向い、姿勢を低くして「お願いがございもす」と述べる。慶喜は取り合おうとしなかったが、「頼みもす!」と吉之助は引き下がらない。

 

慶喜と吉之助は別室へ二人きり。その部屋をおよしが心配そうに見ている。慶喜は窓の外を見て、吉之助はその背中を見るように座り、頭を下げている。

 

吉之助は、水戸に門前払いを受けたことを伝えて、「お力を貸してたもんせ!」と必死に頼み込む。「西郷、諦めろ。俺がやっても同じだ」と慶喜は言う。

 

「薩摩守が身罷った今、おまえの言うようにもう水戸を動かすくらいしか手がない。だが、今の水戸はそれどころじゃねんだよ。天守様の詔が下ったところで兵など出せぬ」と慶喜。その理由は、

 

「親父が蟄居させられたのさ」

 

それを聞いた吉之助は言葉を失う。井伊大老を諫めようと城に押しかけたことによる沙汰だった。「近いうち、俺にも沙汰が下る」と慶喜は言い、同じように井伊大老に詰め寄ったことを明かす。

 

慶喜は振り返り、吉之助の方を見て、「これであきらめがついた。俺ができることはこれくらいだ」と言う。しかし、吉之助は納得できないというように、激しく首を横に振る。

 

「おいはまだ諦めもはん!水戸が動かんなら、一橋様が経ってたもんせ!一橋様ならこの国を強うできるち、亡きお殿様も言うちょられもした!そうじゃ!」

 

自分を奮い立たせて言い聞かせるように吉之助は言う。「今一度、のう?今一度だけー」

 

「薩摩守はもうおらんのだ」

 

慶喜の一言に、吉之助は言葉を続けることができない。「口惜しいが、あの男は大きかった」そう言った慶喜は、吉之助の目をしっかりと見ながら、

 

「西郷、おまえと二度と会うことはないだろう!」

 

はっきりと言い切り、そのまま部屋を後にする。一人取り残された吉之助は呆然として、何も言えず。「あぁ…」とうめくような声を上げて、どうしようもなくうずくまる。

 

一人部屋を出た慶喜におよしが「ヒー様」と声をかける。「さあ、いきましょ?あたしたち一緒に逃げるんでしょ?」と軽やかな口調でおよしは言う。

 

「本気か?」と言う慶喜に、「前から何か訳がある人だと思ってた。とうとう逃げ出さなきゃいけないことになったのね。わっちが付いてってあげる」およしはそう言って寄り添う。

 

「おいおい、ちょっと待ってくれ。俺は地獄行きだぜ」

「地獄だってどこだって道連れにして。どうせヒー様だってひとりぼっちなんでしょ?」

 

およしはいつもと変わらない優しい表情と声で言う。慶喜は何かを決意したような顔をして、「およし、俺がまだ生きてたらきっと迎えに来る。それまで待っててくれるか?」と聞く。「待ってる。ここでヒー様を待ってる」およしもにっこりと微笑んで受け入れた。

 

慶喜は一人で店を出て行く。およしは切なそうにその背中を見つめる。この後、一橋慶喜は井伊大老から隠居・謹慎を言い渡されて、三年も邸内に蟄居させられた。

 

成すべき事は一つ

一方、直弼は驚いた様子で書状を読んでいる。それは密かに薦められていた詔の件を察知したからであった。「ご公儀に向けて兵を出そうとは、なんとも恐ろしい詔を出されたものじゃ」直弼は苦々しい表情で、いつになく感情的に言う。

 

彦根藩士の長野主膳(神保悟志)は、水戸や尾張にもこの詔の写しがあるとし、謀反の証として「放って置く手はないかと存じます」と強く申し出る。

 

直弼は「かといって天守様を捕縛し奉るわけにもいかんからのう。主膳、いかがいたせば良いであろう?」と本当に悩んでいるようにも聞こえる声色で言う。ただ、主膳はもちろんわかっていて「お人が悪い、おわかりではありませんか?」と続ける。

 

「不埒にも天守様をたぶらかし参らした者たちを召し捕るべきではありませんか?」

 

と。「うむ、それしかないか」と直弼が答えると、主膳はさっそく動き始める。一人茶室に残った直弼は、「また忙しくなるのう」とつぶやく。

 

残ったもの

再び京へと引き返した吉之助。近衛の屋敷にやってきたが、そこは悲壮感漂う場だった。吉之助は口を真一文字にして表情が硬い。近衛はうちひしがれ、泣き崩れている。

 

月照は「全て大老さんに先手を打たれてたということですか…」とやっとの思いで声を絞り出すように言う。左内は一筋の涙を流し、「これで、我らの最後の望みは…絶たれました」と震える声でつぶやく。

 

吉之助は「申し訳ございもはん」と精気が抜けたような声で言うしかなかった。

 

その夜、薩摩藩邸宿・鍵邸にて、吉之助は部屋で一人。畳の上に、斉彬からもらった脇差しを置き、じっと静かに見つめる。

 

部屋の外からお虎の声がして、客が来たという。それは月照だった。「すんません、夜遅うに。どうしても西郷さんとお話しをしとうなりまして」月照は気遣いつつも、しっかりとした意思を持ってやってきたようだ。吉之助と向かい合うように座る。

 

硬い表情のままの吉之助を見て、月照は「泣きはらへんのやなぁ、西郷さん」と言う。吉之助は少し困惑したような顔をしている。「薩摩守様が身罷られてから、涙一つこぼされません」そんな風に吉之助のことを言う。そして、

 

「西郷さん。あんたさん、薩摩へ帰って死ぬおつもりでっしゃろ?」

 

しっかりとした口調で聞く。吉之助は何も答えないが、少しだけ目が泳ぐ。それを見た月照は「やっぱり…」と息をつく。

 

「おいは、殿のおらんこん世におっても意味のなか人間でごわす」

 

微笑んでいるはずなのに哀しみがにじんでいるような顔で、吉之助が言う。

 

「あんたさん、よう肥えとりやすから、腹を切ったら、血いもぎょうさんでて、はらわたもさぞかし立派なもんが出てくるのやろなぁ」つらつらと月照が述べる。「けれど、それだけのことです」ときっぱりと切り捨てるように続けて。

 

「薩摩守様のご遺志はどなたが継ぐのですか?よろしおすか、あんたさんの頭の中には薩摩守様のご遺志がいっぱい詰まってる。今死んでしもうたら、そのお考えも消えてしまうのです」

「生きるんや!生きて、あんたさんが薩摩守様になりなされ!」

 

いつも穏やかな月照が、今までにないほど強いまなざしと、強い声で吉之助に言う。吉之助はその言葉をしっかりと聞きながらも、まだ自分の中で答えが出せずにいた。

 

守らねば

その後、詔を口実に井伊大老が動き出していた。幕府に刃向かおうと企て者たちへの取り締まりが始まったのだ。これが世に言う、安政の大獄である。連日、いきなり人が来て激しく取り締まられて、罪人として連れられていく。

 

そして、幕府の追及の手は月照の元にも伸びていた京では、江戸へ行こうとする月照を近衛が強く引き留めていた。「そこのいておくれやす」と言う月照に、吉之助や左内も道を塞ぐように目の前に座り、「どきもはん」と止める。

 

「月照さんはご公儀に名乗り出はるおつもりじゃ!」と嘆く近衛。「なりません。すででに多くの同志たちが捕まり、ご公儀に命を奪われております」と必死で止める左内。「今度の大老さんを甘う見たらあきません」厳しく近衛が言う。

 

「私は天守様やお公家衆のみなさんをたぶらかした者やと思われてます。そんな私を匿うたことがわかったら、今度は大恩ある近衛様にまでその累が及ぶかもしれません」と、月照が答えるも、近衛は「うちの家は五摂家筆頭や!そないなことさせますかいな!」怒りに震えている。

 

「今度の大老さんを甘うみたらあきません。そうですのやろ?」近衛が言っていたことをそのまま繰り返し、月照は答える。月照を救えない現実に、近衛は泣き崩れる。そんな近衛を案じるように、「ゆっくり 別れの歌でも 詠み合いとうございましたけど…」と月照は言い、吉之助と左内の間をすり抜けて江戸へ向かおうとする。

 

吉之助は何か思案するような顔をしている。立ち上がり、月照の前に立ちはだかるようにして「行かせもはん」と止める。「ご公儀にそん命を預けっとなら、いっそおいに預けたもんせ」と。そして、座り、願い出るようにしながら、

 

「おいとともに、薩摩に行ってたもんせ」

 

と続ける。近衛も、「そうや薩摩や!薩摩やったらご公儀も安々と手は出されへん」と薦める。左内も吉之助の隣に座り、月照を見つめて、もう一度兵を起こすことになればまた月照の力を借りることになるとその思いを同じくして。

 

月照は、薩摩までの道中で追っ手からから逃げ切れるかどうかを心配している。吉之助は、

 

「おいが命を賭して、お守りいたしもす」

 

と力強いまなざしと声で告げる。それを見た月照は「わかりました。この命、預けまひょ」と決意する。

 

旅の支度

 俊斎も呼んで月照を薩摩に連れて行くための旅の準備をする。山伏の格好をさせて身を隠そうと思ったが、品の良さが出てしまい却って悪目立ちしそうになる。むしろ僧の姿の方が自然だろうとの左内の助言により、山伏になりすます案は没。

 

供に薩摩に行く吉之助と俊斎は京の人間のふりをしようと、お虎から京都弁の指南を受ける。

 

別れの時

左内と吉之助が藩邸を出て。左内が大阪に出るための舟を用意し、調合した薬まで持たせてくれた。吉之助は、「左内どんにはほんのごてお世話になりもした!」と心から感謝し、深く頭を下げる。

 

そんな吉之助を見て、左内は首を横に振る。「いえ、自分のためにやっているのです」と。

 

「僕は医者ですが、この止んだ日本国の医者になりたいと思って来た。医者は目の前の一人しか救えない。しかし僕は、もっと遥かに多くの人を救いたかった。そのためにはこの国の仕組みを是が非でも変えねばならん!

 

強い意志のこもった声で左内は言う。

 

「吉之助殿、僕はまだ、何一つとして諦めてはいません」

 

そう闘志を感じさせる熱いまなざしで見て、笑ってみせる。吉之助も左内の思いを受け止め、二人で通じ合ったように笑顔になる。

 

左内は舟の準備へ。吉之助も旅の支度へ。お互いに強い決意を胸にして。

 

舟に月照と俊斎が乗り込み、吉之助も伴っていよいよ別れの時。吉之助は再度「いろいろありがとさげもした」と左内に感謝を述べて、お互いの身を案じる言葉をかけあう。

 

「吉之助どの」と左内は吉之助の肩に手を置き、「江戸でお待ちしております」と目を見る。「必ずや、江戸で!」同じ意志を持った吉之助もまっすぐ目を見つめて答える。左内はうれしそうに笑顔になって、ばんっと吉之助の肩を叩く。

 

そして、三人は舟で出立。左内が残って見送る。その姿を、吉之助は最後まで見ていた。こうして吉之助たちは京を抜け出し、一路薩摩へと向かった。

 

左内が顔を隠してひっそりと帰ろうとしたところ、「待たれよ!」と主膳やその使いの者に止められる。「橋本左内殿だな?」と主膳に問われるが、町人のふりをする。が、「逃がした者たちのことについて聞きたい」と詰められて、必死に逃げようともがく。

 

しかし、追いかけられ取り押さえられ、やりきれぬ思いで「んあああああ!!!」と叫ぶ。

 

 追い詰められて

橋本左内が捕まり、幕府の狙いは月照と吉之助に定められた。吉之助は月照をおぶってでも歩き、薩摩へ向かっていた。

 

ずいぶんと日が経ち、吉之助は髪も乱れてひげも伸びている。休憩中に月照に飲ませるための水を汲んできて渡し、もうすぐ宿場なのでそれまで辛抱してほしいと伝えている。

 

そこに血相を変えて俊斎がやってきた。「宿場にこげなもんが…」と焦る俊斎が手渡したのは、月照と吉之助の似顔絵が描かれた紙だった。吉之助も月照も呆然とする。

 

すでに捕り方でいっぱいだとも俊斎は言う。薩摩まではまだまだ遠いのにたどり着けるだろうかとも。とにかくは今晩寝る場所を探すという吉之助の言葉に従い、顔の割れていない俊斎が探すことに。

 

遺志のある者

なんとか寝場所を見つけ、夜には皆静かに寝静まっている。しかし、吉之助だけが横になるも眠れず。やはり脇差しを見つめる。脇差しを手に取り、起き上がる。俊斎と月照は穏やかに寝ている。

  

吉之助は外へ。月明かりがまぶしいほどに吉之助の姿を照らす。ぼんやりと歩きながら、

 

「おいは殿のいないこん世におっても、意味のなか人間でごわす」

 

と、自分の言葉を思い出す。手に持った脇差しを見つめて、やがてそれを抜くかのように両手で構え、「殿」とつぶやく。迷いがある。

 

「あんたさんが薩摩守様になりなされ!」

 

月照の言葉も思い出す。島津の家紋である十文字が入った脇差しをじっと見つめて。刀を抜けるでもなく。「殿…」もう一度つぶやく。

 

「薩摩守はもうおらんのだ!」

 

慶喜の言葉がずっしりとのしかかってきた。変えられない現実。「ないごておいを置いて行かれもした…」顔をしわくちゃにして泣きながら。「おいは.…殿の元にまいりとうございもす」その脇差しを抜き、鋭い刃に飲み込まれるように見つめ…

 

「何をしておる」

 

聞き覚えのある声が吉之助の頭に鳴り響く。困惑して振り向くと、そこにはマント姿の斉彬がいた。煌々とした月の光に照らされて。

 

「殿…」

「おまえはいったい 何を学んできたのだ」

 

穏やかに斉彬は聞く。

 

「答えよ、西郷。西郷!」

 

あの力強く響く声が厳しく問いかける。「殿、殿ぉ…」之助は表情を歪ませて、膝から崩れ、涙が止まらず。斉彬は両腕をゆっくりと広げる。吉之助の身を受け止めるかのように。

 

「殿…」と吉之助は何度も呼びかけて、おぼつかない足元ですがるように駆け寄る。あと少しで斉彬に触れそうになったが、マントで包まれると、そこに斉彬の姿はなかった。

 

抱きつくように近づいた吉之助は地面に這いつくばるようになる。目の前にはしっかりと根を張る大樹がある。斉彬がいないことに気づいても、その現実が受け入れられないというように、吉之助は斉彬の姿を追い求める。

 

「殿、待ってたもんせえ!いかんでたもんせ!」

 

大樹の前でうずくまり、ひとしきり泣く。そして、

 

「わかりもした」

 

決意をした。

 

「殿、おいはい...おいは生きて、殿の思いを果たそうち思います」

 

深く深く思いを告げた。「生きて…生きて」強く噛みしめるように。月照が吉之助の姿をそっと見ていた。

 

「ありがとございもした!」

 

思いの丈をぶつけるように言葉を絞り出し、身を震わせながら、もう見えない斉彬に深く深く頭を下げる吉之助だった。

ーーーーーーーーーー

いやぁ、やっぱり吉之助にとって最も大切な人である斉彬が逝ってしまって、重い話でした。吉之助は思っていたよりもずっと立派でしたが。うーん、つらいね。詳しい感想は次の記事で書きます。

 

 

 

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