中卒フリーライターほぼ無職。

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大杉漣さんは「300の顔を持つ男」

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信じられないよ。信じられないよね。まだ信じられてないくらい。うん。ちょっと衝撃的すぎて、本当にふわふわしている。時間が経ってだんだん受け止められているけどね、でもまだ元気な姿しか知らないから。本当にわからないんだよね。

 

昨夜、2018年2月21日。私はドラマを見ていた。そのCMの間に、オリンピックの結果なんかを見ようとしてスマホをぱっとつけてみた。そこに飛び込んできた文字は

 

「大杉漣さん 死去」

 

ちょっと理解できない。急すぎて意味がわからない。びっくりしすぎて、もう…。「えっ?はっ?」と本当に口に出して言った。そのニュース記事にあった大杉漣さんの写真と、死去って文字がどうしても自分の中で一致しなかった。内容を読んでも全然受け入れられなかった。

 

動悸でドキドキして、何がなんだかわけがわからなくなった。いや、だってすごく元気だったよ。相棒もバイプレイヤーズも出てたよ。頭の理解が全然追いつかなかった。

 

その後はドラマの内容が全く入ってこなかった。でもコミカルな展開ではふふって笑ったりして。すぐに訃報のニュースをやっていて、ああ本当なんだって思った。それでも現実感がなくて、バイプレイヤーズの企画なんじゃないかとさえ思えてきた。ドッキリなんじゃないか。不謹慎だけど、そうなんじゃないか。それくらい現実とは思えない。

 

その後にはパシュート女子を見て金メダルを獲ってすごくうれしくて喜んだんだけど、感情がごちゃごちゃだった。人間の感情ってなんだろうね。

 

眠るために布団に入って、スマホでニュースやらツイッターやら見た。少しだけ現実なんだと思えてきたけど、それでもまだよくわからなかった。見ている中で、一人も大杉漣さんのことを悪く言う人がいなかった。みんな思い思いの大杉漣さんって人がいて。

 

出身地の徳島のサッカーチームを応援してJリーグが大好きな人だったとか、エキストラにも優しく接してくれる人だとか、バラエティでも楽しませてくれる人だとか、猫好きだとか。私が知らない大杉漣さんっていうのもいて、でもみんな大杉漣さんのことが好きなんだなぁとわかって。

 

「300の顔を持つ男」なんて称されることもある役者さんだけれど、大杉漣さんという人も300の顔を持っている人で、それが魅力的でたまらなくてね。あれもこれも出てる、大杉漣さんが出ている作品にハズレはないというくらいの役者さんで。バラエティに出ても茶目っ気たっぷりで。

 

とかなんとかいろいろ考えているとじわーっと涙が出てきて。号泣はしなかったんだけれど。現実感がないのと、現実を受け入れるとの間な感じで、変な感情で。

 

昨日、朝起きたときにはもう大杉漣さんがこの世にいなかったんだ、なんてどうしても思えない。でも、今日はなんとなく理解してきている。それもまた切ない。

 

バイプレイヤーズの撮影後に腹痛を訴えて、松重豊さんに付き添われて救急病院に行って、そのまま共演者やスタッフ、家族に見守られて息を引き取ったとニュースで報じられているのを見ました。家族はもちろん、共演者やスタッフの方も苦しいだろうなぁ。それでこんなドラマのような去り方をなされるなんてずるいなぁ。

 

今でも生きているような感じがします。私は元気なときしか知らないし、今でもずーっと生きている感じがして。もっともっと年を取ってしわくちゃになっても、「ああ大杉漣さんはやっぱり良い役者だ」と思える人だって思ってて。それが、ついこないだ見た姿より年を取ることがないなんて、つらすぎる。早いよ。66歳なんて。

 

動いている映像を見ちゃうと、ああもういないんだと思ってぐわーって目の奥からこみ上げてきてしまう。あー、つらいね。

 

 

大杉漣さんの作品を振り返ってみます。私はヤクザとかポルノ映画での大杉漣さんを実は見たことがないです。だから怖いイメージってのはあまりなくて、ドラマや映画に出てくる気になる人みたいな感じで。いつ“大杉漣さんだ”と認識したかわからないほど、自然に認識している役者さんでした。

 

世にも奇妙な物語は15回も出演されていると聞いて驚いた。私が見たことがあるのは夜汽車の男と、13番目の客だなぁ。なんだか小説とか絵本からそのまま出てきたような存在感のある役者さんだなぁと思って、奇妙な物語なのにマッチしていてどちらも面白い話。

 

花咲舞は黙ってないとかの、娘にぐいぐい口出しする気遣いなお父さんの役も好きだった。安心感があってね。緊急取調室の穏やかな刑事役も好きだったな。こう振り返ると優しい役が多いな。どちらもね、まだ続きがあるだろうねって思ってたからね。それがないのはすごく寂しいよ。

 

草彅剛さんとの共演も多かったんだよね。私が見たのはスペシャリストと嘘の戦争くらいだったけれど。どちらも影がありそうで、黒幕なんじゃないかと思わせる役どころで。どちらなのかという綱渡りにすごく見所があって。草彅さんの役にとっては重要な人だった。

 

バラエティで女装したときの話とか、オーディションのとんでもない話とかするときも面白くて。

 

私が好きな相棒では、2役で出演されてて。私はSeason2 第6話「殺してくれとアイツは言った」が好きなんですよ。ろくでもない小説家の役でね、ろくでもないんですよ。でも憎みきれないの。ラストの描き方も昔の相棒っぽくて良くて。

 

今は衣笠藤治副総監として出演されていて、これはまた違う役で。特命係を追い詰めるって役柄でさ、でも家庭がうまくいってないのを救ってもらったりして。青木を動かしたりして。どうするのかな、ここからまだまだ描かれるんじゃないのかな、って感じで。まだいなければならない人だよ。急すぎるよ。

 

そして、語りそびれちゃいけないのはバイプレイヤーズ。今放送されているのは2期で、1期からすごく面白かった。本人が本人を演じる、バイプレイヤーズたち。漣さんが一番年上とは思えないほどはっちゃけていて、頼りない役柄が面白くて、すごく楽しくて。

 

1期の中で漣さんが刺されるとかさ、過労で倒れたから他の役者が代役を頑張るとかさ、2期でも漣さんたちが遭難したからみんなが帰りを待っているとかさ。「そんなのありえない。大杉漣は全然元気だよ!」って信じきってるからできることが盛りだくさんで。それでみんなで笑っているのに、視聴者としても笑ってて。

 

もういないのか。いないのかー…いや、やっぱり信じられないな。最期はバイプレイヤーズの大杉漣として亡くなったなんてのもドラマチックすぎて。俳優としてすごすぎるよ。でも、やっぱり早すぎるよ。

 

私が述べてない以外にもすごくすごくたくさんの作品に出演されています。今確認しただけでも、私が認識していなくて「出てたんだ!」と思う作品もたくさんあって。そこに自然と存在する人だったから。

 

どうしても素晴らしい役者だったと、過去形で書きたくないんですよ。大杉漣さんは300の顔を持つ男で、素晴らしい役者です。本当にステキな人です。私も役者さんとして好きなんだなぁと今しみじみ思ってしまう。遅いぞ自分と言いたくなるくらい。

 

ご冥福をお祈り申しあげます。

 

 

 

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