中卒フリーライターほぼ無職。

在宅Webフリーライターaoikaraの日常ブログです。

スポンサーリンク

男性は受付嬢になれない?「男の仕事」と「女の仕事」

スポンサーリンク

f:id:aoikara:20180714175337p:plain

女でフリーライターのaoikaraです。性別と職業を述べました。女性向けのサイトで記事を執筆させていただいてますし、性別を活かしている職業なのかもしれませんね。

 

今回のテーマは…

 

「男の仕事」「女の仕事」

 

みなさんはどんな仕事を想像されたでしょうか?

 

記事を書くキッカケは「受付嬢になりたかった。」男性の話

先日、はてな匿名ダイアリーでこちらの記事を読みました。

 

anond.hatelabo.jp

 

タイトルを見たときは、女性が叶わぬ夢について書いたのかと思っていました。実は違っていて、「受付嬢になりたかったけどなれなかった男性の話」でした。

 

ということは、私も「受付嬢は女性」という先入観があるってことなんですよね。先入観というよりかは、現状の事実。「嬢」ですしね。仮に「受付」だけだとしても、やはり女性のイメージがあるような気がします。

 

そもそも「受付」の仕事とは?

会社の「顔」となり来客への応対が主な業務

そもそも、どうして「受付」は女性の仕事というイメージがあるのか。仕事内容に関係しているのかもしれないと思い、調べてみました。

 

受付のお仕事は主に来客への応対。会社に来て初めて顔を合わせて対応する人なので、会社の「顔」となり、印象を左右する社員と言えます。基本的なビジネスマナーから臨機応変に対応する力だったり、コミュニケーション能力が必要とされます。具体的な業務はこんな感じ。

  • 社内への電話・メール応対
  • 来客応対
  • お客様のご案内
  • 社内文書(報告書など)作成
  • 会議室・応接室のスケジュール管理
  • 予約やアポイントメントの受付・登録・管理
  • 入館証管理
  • 顧客情報の登録・管理
  • レジ・精算応対
  • 備品管理
  • 受付・会議室・応接室等の掃除
  • 館内放送業務
  • セミナーやイベント企画・準備・実施

業務にも寄るのでしょうが、すごい量ですね!これはスキルがないとなぁ。私には無理だ。

 

しかし、業務に関して言えば性差は関係なく、女性でも男性でもできる仕事のように思えます。

 

どうして「受付」は女性の仕事になった?

「受付」の歴史が見当たらない!

なぜ「受付」が女性の仕事になったのかと考え、その成り立ちや歴史について調べることにしました。ところが、「受付」の歴史を調べてみても、イマイチ情報が見当たらないんです。参考文献などを探そうとしましたが、私の調査不足のこともあり、受付の歴史に関する書籍は見つけられませんでした。

 

日本女性の職業の歴史から調べてみた

「受付」業務というのがいつできたのか、それを探るためにまずは日本女性の職業の歴史について調べてみました。

 

▼参考サイト

働く女性 - Wikipedia

 

出典元が明らかでない部分もあるのですが、ざっくりとした概要として、「日本の働く女性」の項目を参考にしました。

 

明治維新後から始まって、1890年頃は繊維工場では9割ほどが女性の仕事だったそうです。

 

1901年には百貨店の三井呉服店(現在の三越)が3人の女性正社員を採用。当時は男性に徴兵制度があり、3年間の兵役義務で職場を離れる時期がありました。女性が半年間妊娠・出産で職場を離れたとしても、6回分の休みを取っても男性と同じだから問題ではなかったそうで「合理的な判断」だったのだとか。

 

産休制度があったということよりも、合理的なこととして女性の登用に好意的だったというのが、私としてはちょっと意外でした。

 

大正に入るとタイプライター、昭和に入るとエレベーターガール・バスガイドなどの「職業婦人(OL)」も登場。

 

戦後は労働や女性の地位向上に関する法律の制定もあり、就業・雇用の機会、選べる職業も増えていきました。そして、現在の多様な働き方に至る、といったところでしょうか。

 

私は、「受付」というのは戦前の大正や昭和の「タイプライター」や、「エレベーターガール」くらいの時代に生まれた職業なのかなと思っていました。けれど、それらしい情報もないので不確か。これまた結論が出ず。

 

もしや「加島銀行の受付」が日本で最初?

「受付」の歴史を調べていく中で、「加島銀行」というワードを目にしました。そのとき思い出さしたのが、朝ドラ『あさが来た』。

 

朝ドラ『あさが来た』というのは、実在する女性実業家・広岡浅子さんがモデルとなったドラマで、主人公のあさが炭鉱事業で成功したり、嫁いだ先の両替屋を銀行にしたり、生命保険事業を作ったり、日本女子大学を設立したり…まあ今考えてもすごい人なんです。

 

「加島銀行」というのは、広岡浅子さんが嫁いだ先で設立しました。物語の中では、働きたいという女性の思いに応えるために、明治時代でありながら女性銀行員を窓口業務で雇ったという話が出てきます。窓口というのはまさに「受付」のお仕事ですよね。

 

これが史実を元にした話であるならば、日本で最初の受付業務は広岡浅子さんが「加島銀行」でやった窓口業務だったのではという考えに至りました。実際に調べてみたところ、ちょっと面白いことが発覚。

 

広岡浅子さんはアメリカの新聞でも「日本における炭鉱事業のパイオニア」として紹介されたこともありました。その中で、彼女の活動においてこんな風にも紹介されています。 

“She also takes a keen interest in educational matters; is at present promoting a university for girls, and, by way of giving practical encouragement, employs many educated girls at her banks, and has lately opened a new department which she has placed exclusively in the hands of ladies.”

(彼女は教育にも強い関心を持っており、女子大学の設立も支援している。また、女性活躍の実績を作る観点から、教育を受けた女性を自らの銀行に多数採用し、最近では、女性のみで運営する部署を新設した。

 出典元:アメリカで紹介された「女性銀行家・広岡浅子」 - もっと知りたい広岡浅子 | 大同生命の源流

 

ただし加島銀行はすでに廃業していて、当時の業務についての資料もなく、この新聞の内容が正しいという裏付けはありません。とはいえ、仮に新聞に書かれていることが事実であるならば、「女性のみで運営する部署」とは「窓口業務」のこと、つまり「受付」だったのではないかとも思えるのです。

 

「受付」は女性に雇用機会がない時代の仕事かも?

加島銀行での「受付」が最初だとして、「受付」は最初から女性の仕事だったということですよね。しかも、明治だとまだまだ女性の雇用機会が少ない時代。

 

就業の機会が少ない女性の仕事を男性がやろうとすると、仕事を奪ってしまうことになるでしょう。となると男性から「なりたい」とは言えませんし、「受付」業務が増えて女性がやっているのを見て「受付は女性の仕事」という認識も生まれて、「受付嬢」という言葉も生まれたんじゃないのかなと、勝手に考えてみました。

 

時代も流れて社会の状況も変わった今でも「受付は女性の仕事」という形だけが残っているのかもしれませんね。

 

男の仕事と女の仕事

「受付」だけ考えてみると、女性の仕事として成り立った理由がわかって面白いなぁと思いました。受付以外にも、男性だけができる仕事あるいは男性の方が圧倒的に多い仕事、女性だけができる仕事あるいは女性の方が圧倒的に多い仕事というのもありますよね。

 

そこで、国勢調査 平成27年国勢調査 抽出詳細集計(就業者の産業(小分類)・職業(小分類)など)を元に、男女別にパーセンテージを割り出して、職業別の男女比率を調べてみました。2015年と3年前のデータなので、現在とも少し違う部分もあると思いますが。

 

その中で一方の性別が90~95%を超えて多い職業をピックアップ。逆に男女両方5割程度の仕事も探してみました。

 

▼参考にしたサイト

www.e-stat.go.jp

男性(の方が多い)の仕事

  • 100%:鉄道線路工事従事者(女性0人)、船舶機関長・機関士(漁労船を除く)(女性20人)、船長・航海士・機関長・機関士(漁労船)(女性30人)、航空機操縦士(女性10人)
  • 99%: 発電員,変電員、クレーン・ウインチ運転従事者、建設・さく井機械運転従事者、ボイラー・オペレーター、とび職、甲板員,船舶技士・機関員、電線架線・敷設従事者、船舶・航空機運転従事者、大工、定置・建設機械運転従事者、砂利・砂・粘土採取従事者、型枠大工、配管従事者
  • 98%:船長・航海士・運航士(漁労船を除く),水先人、土木従事者、鉄筋作業従事者、自動車整備・修理従事者、電気工事従事者、船内・沿岸荷役従事者
    J 建設・採掘従事者、左官、消防員、輸送機械整備・修理従事者(自動車を除く)
    、はん用・生産用・業務用機械器具整備・修理従事者
  • 97%:機械整備・修理従事者、電気通信設備工事従事者、採掘従事者、ブロック積・タイル張従事者、輸送・機械運転従事者、自動車運転従事者、自動車運転従事者、鉄道運転従事者、鉄道運転従事者、製銑・製鋼・非鉄金属製錬従事者、鉄工,製缶従事者、その他の採掘従事者、伐木・造材・集材従事者、金属溶接・溶断従事者
  • 96%:土木・測量技術者、金属技術者、屋根ふき従事者、警備員、鋳物製造・鍛造従事者、輸送用機器技術者
  • 95%:機械技術者、電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)、板金従事者

数値としては100%とありながらも、女性が少人数従事している仕事もあります。それでも鉄道線路工事に女性は0人!他にも力が必要だったり危険を伴う仕事だったり、製造業や運転、あとは技術者なんかも男性の割合が圧倒的に多い仕事のようです。

 

あと、もっと細かい職業でいうと、私はこの職業は男性が就く人が多いと思ったのが…

  • 歌舞伎役者
  • 相撲とり

歌舞伎と相撲は文化的なものが大きいですね。

 

女性(の方が多い)の仕事と言えば…

  • 100%:助産師(男性0人)、歯科衛生士(男性0人)
  • 98%:保健師(男性2人)
  • 97%:保育士、家政婦(夫),家事手伝い(男性3人)
  • 96%:栄養士
  • 94%:幼稚園教員
  • 93%:看護師(准看護師を含む)、保健医療サービス職業従事者
  • 92%:家庭生活支援サービス職業従事者、看護助手
  • 90%:訪問介護従事者

男性と比べて、圧倒的に女性の方が多い職業の数は意外と少ないです。とはいえ、たしかに女性が多いイメージの職業ばかりですね。

 

驚いたのは助産師と歯科衛生士。女性しかいないんですよ。男性は本当に0人。まあこの調査では、という話で本当はいるかもしれないんですが。

 

助産師さんにはそもそも男性は資格として取得できないそうです。知りませんでした。たしかに聞いたことはないなぁ。受験資格のようなもので「女性のみ」という記述はないようですが、現在まで男性の助産師さんはいません。可能性としては男性もなれるのかもしれませんが、妊娠・出産という女性に関わる仕事なので難しい部分も大きいのかなと感じました。

 

男女の割合がほぼ同じ仕事

  • 男性53%・女性47%:デザイナー、個人教師(学習指導)、運搬・清掃・包装等従事者
  • 男性52%・女性48%:理学療法士、作業療法士、販売類似職業従事者、金融・保険営業職業従事者
  • 男性51%・女性49%:物品一時預り人
  • 男性50%・女性50%:飲食店主・店長、電気機械器具検査従事者、教員
  • 男性48%・女性52%:計量計測機器・光学機械器具検査従事者
  • 男性47%・女性53%:郵便事務員、営業・販売事務従事者

 デザイナーとか教員というのは、たしかにあまり男女差がない職業のように感じますね。検査従事者が同じくらいというのは、個人的には驚きました。その理由とかも調べたら面白いのでしょうが、本題とは逸れるのでまた今度。

 

「歌舞伎の家に生まれた女の子」のジレンマに近いような

「受付嬢になりたかった」という増田を読んで、歌舞伎の家に生まれて「歌舞伎役者になると思っていたがなれなかった」という女性がいることを思い出しました。

 

歌舞伎というのも男性しかなれない仕事、いわば「男の仕事」。受付嬢になりたかった男性とは少し違うかもしれませんが、それに近いジレンマを感じたのです。

 

歌舞伎の家に生まれた女性が女優さんだったりすると、すごくその演技が良かったりもして。例えば、私は歌舞伎の家に生まれた女優・松たか子さんの演技がとても好きです。松たか子さんは歌舞伎役者になりたかったというわけではないようですが。

 

「なりたいけどなれない」というジレンマは、女優さんとしての表現の幅というか奥深さというか、そういう部分に深く関わっているように思うのです。

 

生まれたときから歌舞伎があって、一番近くにあって一番影響を受けていることなのに、「女だから絶対になれない」という宿命がある。でも、その思いを抱きつつも演技だとかその人としての何かしらに昇華されているような気がして。

 

その昇華のされ方はすごく美しく、その姿を見られた私は「うれしいな」と思ってしまうんですよね。ただの受け手としては、その事情を知らなくても演技に圧倒されてしまう。

 

「男の仕事」「女の仕事」に思うこと

受付ではなくても、「男の仕事」と「女の仕事」というのは今でもあるのだと思います。社会的な側面を考えると男女で平等にという変化を求められている時代のように思いますが。

 

それでも、先述したような歌舞伎役者とか助産師だとかは、男女それぞれの仕事として残っています。それが悪いことだとは決して思いません。

 

受付に関しては男の仕事でも女の仕事でもなくて、そのうちAIの仕事になるのではないか、と個人的には思います。そしたらそれはそれで、「人としてやりたいけどAIの仕事だからできない」というジレンマが生まれるのかなぁ、とも思ったり。

 

あの増田を書いた男性は、すごく素敵な人だと思うんですよね。私は受付嬢になりたいと思ったことは1度もなく、ポジティブなイメージもネガティブなイメージも持っていませんでした。

 

その「受付嬢」という仕事を、あの増田を書いた男性は、

僕は受付嬢に憧れるのって、すごく短くいえば、姿勢がよくて、言葉遣いがよくて、身だしなみができて、とにかくきちんときれいにしている。

そういうところが憧れなのでそういう意味では受付嬢になってみたかったのである。

と、形容している。そっか、受付嬢にはこういう魅力的な部分があるのかと初めて気づけたことでした。そして、こうも続けています。 

そういう受付嬢になる夢は、今はもうあきらめたのだが、受付嬢から学ぶべきことがたくさんあった。

憧れが、今の僕につながっているのである。

 「受付嬢になれなかった」という切なさで締める文なのですが、私はここがとても良いな思っていて。強く憧れている職業があって、それになりたいと努力する人もいる。それでなれることもあるし、なれないこともあります。

 

男性は受付嬢にはなれない。だけど、そこで腐ることもなく、学んだことや憧れたことが今のご自身につながっているって、昇華できているということだからものすごく素敵だなぁと思ったんです。単純にすごいなと。私は全然できていないから、素直に尊敬してしまいました。

 

仮に、この男性と知り合いだったとして、とても仲の良い間柄になったときに「受付嬢になりたかったんだよね」と言われてその理由を聞いたら、「あーわかるよ」と、その姿を見て納得すると思います。

 

なりたくてもなれない職業はありますよね。でも、ただ諦めるだけではなく、自分に活かせたというのは、生き方として最強だと思います。それができる人ってすごくカッコイイ。だから、私はその姿は良いなぁって思うわけで。うーん、言葉にするのは難しい。

 

 だから、その残念な気持ちをなぐさめたり喜ばせたりする言葉はたぶんないのだけれど、私は「良い生き方だな」って思っちゃった。「カッコイイな」って。

 

ぐだぐだまとめ

「男の仕事」「女の仕事」というのは、そのルーツを調べるときちんと理由もあるので、面白いなと思います。ただ、「なりたいけど性別が理由でなれなかった」という人にとっては、そんなこと慰めに言葉にもならなくて。

 

ただ、そのジレンマを感じながらも、今の人生に昇華できている生き方はカッコイイなと、少々的外れなことを思ってしまったことを告白しながら、記事の終わりとさせていただきます。

 

参考にさせていただいたサイト

 

 

aoikara

スポンサーリンク