このドラマを観ると、自分が生きていることに本当に感謝したくなるaoikaraです。いろいろ考えさせられます。
というわけで今回のテーマは…
コウノドリ 第2シリーズ 第5話 ネタバレ&感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方は見てからどうぞ。
▼コウノドリ 第2シリーズ 第4話
第5話のあらすじ・ネタバレ
切迫早産
ペルソナ総合医療センターの産科医・鴻鳥サクラ(綾野剛)は、妊娠27週の妊婦である西山瑞希(篠原ゆき子)に入院を勧めている。切迫早産で安静にするための入院で、一日でも長くお腹の中に赤ちゃんをいさせたい。
鴻鳥は「一緒に頑張りましょう」と声をかける。驚いた瑞希だが、笑顔でうなずく。
お隣さん
病室では妊娠30週の七村ひかる(矢沢心)が夫の保(平原テツ)を見送っていた。同じ病室の隣に瑞希が入院することになり、話し相手ができたとひかるは大喜び。
命は助かったけれど
NICUでは研修医の赤西吾郎(宮沢氷魚)が奮闘中。「頑張ってるね」と下屋が様子を見に来ている。
新生児科医の白川領(坂口健太郎)は、動脈管開存症の赤ちゃんである大松翔太君を見ている。翔太君の緊急カイザーを判断し、執刀したのは下屋。様子が気になっている。薬が効かないので、一日でも早く手術がしたい。
しかし、夫婦が応じない。今も新生児科部長兼周産期センター長の今橋貴之(大森南朋)が大松夫婦に説明している。しかし、夫の憲次郎(矢島弘一)は「手術してまで助けてほしいとは思わない」と言い、妻を連れて帰ってしまう。
夫婦は下屋を一瞥。下屋は何も言えなかった。
仲良しの妊婦
隣同士のベッドの妊婦は趣味も会い、仲良くなる。ひかるは第3子、瑞希は第1子の妊娠だった。
殺し屋襲来!?
医局には、強面で大柄な男性がやってくる。その姿を見て、助産師の小松留美子(吉田羊)は「殺し屋?」とつぶやいてしまう。
男は瑞希とひかるの部屋へ。ひかるは言葉を失ってしまうが、瑞希は笑顔。男性は瑞希の夫の寛太(深水元基)だった。こういう風貌ながらパティシエで、夫婦二人で洋菓子店を営んでいる。ひかるにもプリンを渡している。
医局もおいしいプリンをいただく。珍しく四宮もプリンをキープしていた。
赤ちゃんのために
瑞希は小松に点滴をされて痛そうな表情。いつも点滴をするので腕がかちかちだった。ひかるも共感。鴻鳥も様子を見に来る。瑞希は「赤ちゃんのためならエンヤコラですよ」と母親の表情を見せる。
救える命なのに
NICUでは倉崎恵美(松本若菜)が自分の子供にミルクをあげていた。吾郎は大きくなったと声をかける。しかし、医者の倉崎は目の前に集中しろとばっさり。倉崎は白川を見ている。
白川は翔太君の処置をしていた。術前カンファレンスでも翔太君の話。今橋やソーシャルワーカーの向井祥子(江口のりこ)が両親に面会をするも、手術を希望してくれない。
翔太君の帝王切開を判断したのは下屋。緊急搬送で慌てた説明になったのは確かだが、赤ちゃんの命を救うためだったとまくし立てる下屋。鴻鳥は「誰も下屋を責めていない」と収める。
今橋は、両親が障害に戸惑っていると話す。自然に看取るという選択もあると話していると。白川と下屋は暗い表情に。鴻鳥は下屋に、再度両親に説明をするように促す。しかし、白川は「時間がない」と話す。
両親が手術に承諾しないのであれば、児童相談所に親権を一時停止してもらって手術したいとまで言う白川。四宮は「そんなことしたら親御さんはより受け入れられなくなる」と話す。
今橋も医者がベビーを育てるわけじゃないからと、両親の気持ちに寄り添おうと話す。「翔太君から親御さんを奪わないためにも」と。
下屋の後悔
カンファレンス後、白川は下屋に「気にすんなよ」と声をかける。「ベビーは俺がしっかり見てる。俺、絶対諦めないから」と。
四宮も珍しく自分のプリンを下屋に渡そうとする。さらに「緊急カイザー(帝王切開)を後悔しているならナンセンス」とも話す。
「目の前で車に轢かれている人間がいたら誰でも助ける。障害が残るかなんて誰も考えちゃいない。緊急オペってのはそういうもんだ」
下屋もその言葉に「はい」とうなずいた。
突然
病室にはひかるの夫と子供たちも来て、寛太が作ったプリンをみんなで食べて笑顔。瑞希も笑顔。よく笑う瑞希に対して、寛太は無表情と対照的な夫婦だ。瑞希はそのままエコーに。
鴻鳥と小松はエコーを見て深刻な表情。そして、
「赤ちゃんの心拍が確認できません」
個室に移動して、時間をおいてから再度エコーをすることになった。夫も一緒に。待っている寛太は、一人で赤ちゃんを育てていくためのパンフレットを読んでいた。
受け止めたくない事実
四宮も瑞希のエコーのために呼び出される。助産師たちが、瑞希の赤ちゃんがIUFD=子宮内胎児死亡してしまったと話す。再度エコーがあるからまだわからないかもという助産師に「それはない」と言ったのは下屋。
「鴻鳥先生が赤ちゃんの心拍を見つけられないわけがない」と。この時間は、西山夫婦が事実を受け止めるための時間だった。
寛太も伴って、再度瑞希のエコー。四宮が見るが、首を横に振る。西山夫婦は失望。一方、ひかるは瑞希が個室に移動することになったと聞き、心配そうにしている。
原因は…
下屋は瑞希の診察の記録を見ている。四宮にリスクがあったのか問われるが、どの数値にも異常はない。つまり…
「原因はわかりません」
鴻鳥は西山夫婦にそう伝えた。そして、赤ちゃんが亡くなっていても早めに出産しなければならないこと、明日の朝から準備するということも。瑞希は何か言いたげにしたが、飲み込んだように「わかりました」と承諾した。
夫婦の悲しみ
鴻鳥が去った個室で、瑞希は寛太に「ごめんね」と言う。何度も何度も「ごめんね」と。寛太は首を振る。瑞希は泣き崩れ、寛太は抱きしめることしかできなかった。
やりきれない医者
鴻鳥はいろんな論文を読んでいる。原因を見つけようとしていた。夜も更け、四宮や小松に帰るよう言われる。それでも聞かない。下屋も心配そうに見ていた。
瑞希は一晩中泣き続けた。
この悲しみはどこへ
翌朝、鴻鳥は西山夫婦に手術の説明をする。突然「私のせいですか?」と聞く瑞希。思い当たることをなんでもぶつけて。鴻鳥は「西山さんのせいではありません」と伝える。
「入院してたのに、なんで助からなかったんですか?」と。鴻鳥は「僕も昨日からずっと考えてます。なんでだ、なんでだろうって。でも、わからないんです」と本当のことを明かす。
そして、西山夫婦が本当に赤ちゃんを大切にしていたことを語る。瑞希の目からは涙がこぼれ落ちる。「僕には、このことを予測することができませんでした。結果としてこうなってしまい、申し訳ありませんでした」と頭を下げる。
瑞希は、怒りとも悲しみとも言えない声を上げて、泣き叫んでいた。
悲しい出産
鴻鳥はいつものように診察。その途中でも、パソコンで瑞希の陣痛の様子をチェックしていた。瑞希は陣痛に苦しんでいた。小松が「頑張れ!」と励ます。ほかの助産師に「頑張れはどうなのか」と言われるが、「悲しいお産にしたくない」と小松はやり方を変えない。
ほかの部屋では、産声を上げて元気な赤ちゃんが産まれていた。
瑞希は思い出していた。洋菓子店で働きながら、寛太に「パパになるんだよ」と告げたときのことを。寛太はいつものように表情を変えない。名前について「男ならケーキ」と言い出す。「女ならあかり」とも。「女は明るい方がいい。おまえみたいに」と。
瑞希は「あかりー!!!」と叫びながら、出産する。寛太も「頑張れあかり!」と声をかける。そして、赤ちゃんが産まれた。産声のない子が。小松は「すごくかわいい女の子ですよ」と言う。西山夫婦もほっとした笑顔だった。
鴻鳥も「おめでとうございます」と声をかける。
無力感
その後、鴻鳥は四宮と屋上へ。産まれたこと、結局原因はわからなかったたことを話す。解剖も、西山夫婦は望まなかったと。「だろうな」と四宮もうなずく。
赤ちゃんとしたいこと
その日は母児同室で寝泊まりすることに。瑞希はおっぱいが張って傷む。「体はお母さんなのに」と切なげにつぶやく。そばにいる小松が瑞希を抱きしめて「そうだね」と答える。
小松は、突然のことで何も考えられない西山夫婦の気持ちに共感する。それでも、お腹の中で亡くなってしまうと戸籍に残してあげられないことも話す。
そして、何でもしたいことをやってほしいと話す。だっこしたり、沐浴したり、おっぱいをあげたり、写真を撮ったり、手形や足形をとったり、髪の毛を爪を切って残したり。
「赤ちゃんと一緒に過ごせる間に、してあげたいことはなんでもして。そのためにうちらは何でも協力する」と。
寛太が「二人でお風呂にいれてあげたい」と話す。小松が教えながら、二人であかりちゃんをお風呂に入れている。「気持ちよさそうだな」と寛太。「あかりは美人だ。俺似だから」と。瑞希は「私に似てるわよ。こんなにかわいいんだから」と返す。
二人は幸せそうだった。
患者に寄り添うために
そんな西山夫婦を見ている下屋と白川。下屋は「患者さんに寄り添うって、どういうことだろうね」とつぶやく。そのまま退室。
下屋は大松夫婦に手紙を書くことにしたのだった。四宮がやってきて、手紙について聞く。下屋は「赤ちゃんの命のことだけを考えて、ご夫婦の気持ちを置き去りにしたかも」と話す。「お二人の時間が緊急カイザーから止まったままなら、時計の針が動き出すように自分がすべきことをしたい。鴻鳥先生のように」と。
四宮は自分の意見を述べる。鴻鳥がやったことは両親の感情を下げるためだと。死産の4分の1は原因が不明。できないこと、わからないことがあると。「俺なら絶対に頭を下げない。次の出産に向けて綿密な計画を練るだけ」。
下屋は手紙を止めないのかと四宮に尋ねる。「もう研修医じゃないから」というのが四宮の答え。下屋は自分の手紙を見つめる。
妊婦の友達
ひかるのベッドの隣には、別の妊婦が入院していた。ふと病室の外を見ると、瑞希を見かけて声をかけるひかる。出産したことを知り、うれしそうに話を振るが、瑞希は気まずそう。ひかるは死産のことを知らなかった。
去り際、瑞希は「元気な赤ちゃん産んでね!」と声をかける。ひかるは病室に戻る途中で、看護師たちの話から瑞希の赤ちゃんが亡くなったことを知る。病室に戻っても、涙が止まらなかった。
悲しみを少しずつ
鴻鳥はピアノを弾く店へ。気持ちを整えるために、BABYではなく鴻鳥サクラとしてピアノを弾いていた。感情をのせて。
助産師たちは西山夫婦の赤ちゃんの見送りのために、千羽鶴を折っていた。
お見送り
お見送り当日。祈りの部屋であかりちゃんは見送られることになった。助産師や医者たちがみんなあかりちゃんを抱き、愛おしそうな表情で見る。寛太はケーキのプレゼントをする。「あかり おめでとう ママ ありがとう」というメッセージを添えて。
そして、親子3人で帰る。
親子で向かう場所
3人が向かったのは、瑞希と寛太が働く洋菓子店だった。二人は笑顔であかりちゃんに説明していた。
下屋の思い
NICUの前には、翔太君の母親である美代子(井上依吏子)が来ていた。下屋が見つけて声をかける。渡した手紙の事について話し、「説明不足ですみませんでした」と頭を下げる。
意外にも、美代子は「私も主人も先生を恨んでません」と話す。下屋が医者として最善を尽くしてくれたことを理解していた。今日は翔太君の手術の話が聞きたくて来たという。そのまま、NICUの部屋へ。
下屋はそれを聞いて、笑顔で涙を流していた。
出産
ひかるに陣痛が来る。鴻鳥に「産んでも大丈夫?」と聞くと、力強く「大丈夫」と答える。夫と子供たちもやってきて、無事にひかるの子供は産まれた。
成長
鴻鳥と小松と下屋でおしゃれなバーに。下屋は翔太君が明日手術することをうれしく話していた。下屋は今回のことは落ち込んだと話す。言い訳ばかりで情けないと、自己嫌悪だと。翔太君を救うためにぶれていない白川を見て、悔しい気持ちになったと話す。
小松は下屋が成長した証だと話す。仲間から刺激をもらっているのだと。「みんないつまで一緒にいられるのかねー」と小松はつぶやく。
友情
ひかるは無事退院して、家族5人での生活がスタート。瑞希からプリンが届いていた。「ひかるさん おめでとう」というメッセージと共に。ひかるもやっと笑顔になれた。
緊急事態
ペルソナに妊婦が救急搬送されてくる。救命医の加瀬宏(平山祐介)もやってくる。下屋が「神谷さん!」と必死に声をかけるがー。
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という話でした。うーん、つらい話でしたね。今回は。感想を書きます。
GOODポイント
- 殺し屋のように見える強面の西山さんの旦那さん。まさかのパティシエで驚きました。「女は明るい方がいい。おまえみたいに」とかさりげなーくのろけちゃう優しさとかがギャップあってステキだなぁ。
- プリンは食べる四宮先生かわいい。
- 下屋先生が落ち込んでいるからってプリンをあげる四宮先生、優しいなぁ。と思ったら、まさかの賞味期限切れ!後処理かーい。
- 小松さんが来た瞬間「これは俺のジャムパン!」と主張する四宮先生。今回なんでこういうかわいいシーンが多いのか。
気になったポイント
- 死産で産まれても「おめでとうございます」と言われるのか…。産んだ側としては複雑というか「どこがおめでとうなのよ!」と思ってしまいそう。うーん。
- 吾郎先生、死産の赤ちゃんも正面玄関から送るって、今じゃなくてもいいよね。タイミングが悪いなと感じてしまいました。
- 小松さんの「みんないつまで一緒にいられるのかな」っていうのが伏線な気がしてならない。誰か異動?
感想
命さえあれば
今回の話は見ていてつらかったです。何も原因がわからない死産が4分の1もあるなんて、知りませんでした。お母さんとしては、誰も責める相手がいなくて、自分ばかり責めて、やりきれなくて、つらいだろうな。お腹の中で育ててきただけでなくて、未来までも奪われてしまったのだから。
亡くなっているのに陣痛を感じて産んで、やりたいことをできるだけやって、とてもつらい中に西山さん夫婦は幸せを見いだせていたような気がします。切ない切ないものでしたけれど。
妊婦さん同士で仲良くなっていただけに、対照的で切なかったです。七村さんは健康な赤ちゃんを産んで、西山さんからプリンとメッセージが届いたのにはほろっとしました。「おめでとう」と言えるくらい、心を取り戻せたのかなと。
命があっても
産むことができなかった夫婦を見ると、命があるのになぜ救わないのか、大松さん夫婦を見て思ってしまいます。でも、これも難しい問題です。
子供が欲しいと思っている夫婦の中で、赤ちゃんと母体にどれだけのリスクがあるか把握していて、赤ちゃんがどんな状態でも受け止めようと覚悟がある人たちはどれくらいいるのでしょうか。
障害があって、いきなり受け入れるというのも難しいことだと思います。自分たちに世話ができるのか、親になる覚悟はあるのか、経済的な問題はどうなのか。悩む気持ちはとてもよくわかります。
大松さん夫婦のような話が最近ありました。それは口唇口蓋裂の赤ちゃんの話でした。
▼参考までに
医者としては目の前にある命を助けられる方法があるのに、それができないもどかしさがある。助けられない命もごまんといるのに。一方で親の立場になると、悩んでしまうのもわかります。
でも、命を拒絶した時点で、それは殺人ですよね。意図的に命を奪っているわけですから。それって、すごくすごく重いことだと思うんです。だからといって親御さんたちを責めているわけではなくて。
ただ、故意に命を奪ったということだけは、自覚しなければならないのだと思います。うん。難しい問題だけれど。
下屋先生の成長
今回は下屋先生の葛藤もありました。客観的に見れば、下屋先生の判断は間違いではなかったと思います。ただ、本人が親御さんに寄り添えていなかったと悩む気持ちもわかる。
そのことに悩むということ自体が、小松さんに言われていたように下屋先生の成長なんでしょうね。結果としては手紙を書いたことで、ご両親にもきちんと伝わったようです。
ただ、下屋先生の葛藤が丁寧に描かれていた一方で、両親の心の変化というのが急すぎたので、そこをもう少しじっくり描いてほしかったなという気持ちもあります。
次回:カエ同士
下屋はピンチヒッターとして行った、こはる産婦人科で一人の妊婦と出会う。仲も深まり信頼し合える関係となるが、白川に首をつっこみすぎだと釘を刺されてしまう。その妊婦の様子に違和感を感じるが、院長には「週明けに検査する」と言われるだけ。そんな妊婦が心肺停止でペルソナに緊急搬送されてきた。
下屋先生への試練が続きそうですね。助かるといいなぁ。次も見ます。
aoikara
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