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【ドラマ】コウノドリ 第2シリーズ 第10話 ネタバレ 出生前診断

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いつもドラマを見るたびにさまざまなことを考えているaoikaraです。これは、そういうドラマです。いろんな人が考えてほしいことがたくさんあります。

 

というわけで今回のテーマは…

 

コウノドリ 第2シリーズ 第10話 ネタバレ

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方は見てからどうぞ。

 

▼感想記事はこちら

 

▼コウノドリ 第2シリーズ 第9話 記事はこちら

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第10話 あらすじ・ネタバレ

出生前診断

妊婦の高山透子(初音映莉子)と夫の光弘(石田卓也)が、楽しそうに部屋探しをしている。朗らかな雰囲気の中、以前受けた出生前診断の結果が届く。一応受けた検査だったが、結果は陽性。21トリソミー、ダウン症候群という診断で、二人からは笑顔が消えてしまう。

 

検査をした病院に電話をしても、結果を送るだけで、今後は自分たちで病院を探して話を聞いてくれというだけ。透子は電話の声を聞きながら、呆然とするしかなかった。

 

現実と向き合いながら

高山夫婦はペルソナ総合医療センターの産科にやってきて、産科医の鴻鳥サクラ(綾野剛)から話を聞く。そばには助産師の小松留美子(吉田羊)もいる。透子は黙っているだけで、光弘が矢継ぎ早に質問をしてくる。

 

鴻鳥はゆっくりと丁寧に説明する。透子が受けたのはNIPT(新型出生前診断)という検査で、お母さんの血液から赤ちゃんの染色体異常の可能性を調べることができるもの。今回だと90%以上という高い確率で、21トリソミーのダウン症の可能性がある。

 

羊水検査を受ければ、ほとんどのことがわかるが、全ての疾患がわかるわけではないとも説明する。光弘は羊水検査も「受けたい」と言うが、透子はまだ何も答えられなかった。

 

鴻鳥はダウン症という結果が出てからのことを二人で相談しているのかと問いかける。「どのように受け止めるのか、お二人で考える必要があります」と。その言葉に、光弘は「赤ちゃんを諦めるという選択もあるということですか?」と聞く。

 

鴻鳥は「ご家庭の事情もあると思います。お二人で現実と向き合って考えていく必要があります」と優しく丁寧に言う。透子は何も言わず、ただ自分のお腹をそっと手で押さえる。鴻鳥は言う。

 

「どんな決断になっても、僕たちは高山さんの決断を支えます。これからのこと、一緒に考えていきましょう」

 

と。高山夫婦は病院から帰る。透子はやっと声を出す「まさかこんなことになるなんて」と。光弘は「そんな顔すんな。結論が出たわけじゃない」と妻に言う。

 

同業者への憤り

産科の部屋に戻り、小松は「高山さん、これからだね」と話す。産科医の四宮春樹(星野源)は、結果について説明もしないのに出生前診断をしているクリニックを問題視している。産科医の高尾聡介(吉田悟郎)も、家族に判断を丸投げすればパニックになるのは仕方ないと同意する。

 

鴻鳥はまた遺伝カウンセリングがあるらしく、気を揉んでいる。何も言わず、複雑な表情をしている。

 

選択の一つ

遺伝カウンセリングには、妊婦の辻明代(りょう)と夫の信英(近藤公園)が来ていた。説明するのは鴻鳥と、新生児科部長兼周産期センター長の今橋貴之(大森南朋)。

 

出生前診断の結果、辻夫婦の赤ちゃんは21トリソミーのダウン症だった。辻夫婦は、出生前に疾患があるとわかれば中絶を希望していた。「気持ちに変化はありますか?」と鴻鳥が聞く。

 

「もちろん気持ちに変化はあります」と答えたのは信英。何度も話し合って、今も迷っていると。それでも明代が「いろいろ考えると、私たちには育てられない」と答える。

 

今橋は、「最初から疾患のある赤ちゃんを育てられる自信があるという家族はいません」と話す。赤ちゃん一人一人に個性があるように、それぞれの家族にも、それぞれの思いがあると話す。

 

明代はその言葉をきちんと受け止めながらも、「やっぱり産めない」と言う。辻夫婦は小さな弁当屋を経営していて、パートを一人雇うのでいっぱいいっぱいだった。もし疾患のある子供がいてかかりきりになると、生活が成り立たなくなると。そして、二人にはすでに上の娘もいるからと。

 

親子

辻夫婦は病院の帰りに娘を迎えに行く。三人とも笑顔だ。

 

ダウン症

ペルソナの新生児科医・白川領(坂口健太郎)は、看護師から小児循環器科は見つかったのかと聞かれて、まだ面接を控えていると答える。今橋とも一緒に歩きながら。と、今橋がとある女性に声をかけられる。

 

二人の息子と一緒にいる女性は木村弓枝(奥山佳恵)。主治医である今橋のもとに長年通っていて、うれしそうに話しかける。今日は上の息子の優真君(宮下柚百)が風邪を引いて病院に来たらしい。下の息子の壮真君(山田楽士)はダウン症。

 

弓枝は楽しそうに今橋と話し、帰って行く。そんな親子の姿を見て、今橋は優しい笑顔になっていた。

 

兄と妹

四宮の元に、妹の夏実(相楽樹)が会いに来ている。父親の晃志郎(塩見三省)調子が少しずつ回復して、最近では患者を診ているらしい。元気がもらえると、食事もできるようになっているとのこと。

 

四宮は父親のことを夏実に任せきりなことを詫びる。夏実は首を横に振り、「あんまりお兄ちゃんに心配かけるなって言われてる」とも言う。

 

また、晃志郎からと輪島塗の小さな小物入れを渡される。中には四宮のへその緒が入っていた。

 

羊水検査

鴻鳥のもとには、遺伝カウンセリングで高山夫婦が訪れていた。羊水検査をしに来たというが、まだ現実感がなく心の準備ができていないと透子は答える。

 

鴻鳥は「出生前診断は赤ちゃんの情報を知り、家族で向き合っていくためのものです。これは高山さんとお二人の赤ちゃんのことです」と言う。そばにいる小松も「時間がない中で向き合うのが難しいのはわかる。でも、しっかり向き合っていこうね」と声をかける。

 

そして、羊水検査。その直前に、透子は「ダウン症って結果が出たら、もう絶対ですか?」と聞く。鴻鳥が「ほぼ確定です」と答えると、透子の顔はこわばり、そばにいる小松の手を握る。

 

出生前診断に思うこと

産科の部屋では、四宮が羊水検査を受けにきたことをまずは安心していた。NICPだけで中絶という選択をする人もいることを嘆くように言う。

 

一方で、同じ産科医の倉崎恵美(松本若菜)は出生前診断には良い面もあると話す。親になる前に我が子の情報を集めるのは当たり前だと。疾患がわかって中絶をする家族がほとんどだが、どうして批判的な意見が多いのかと。だからこそ、妊婦さんが罪悪感や嫌悪感を抱いてしまう。中絶する人もそれぞれの理由があると言うのだった。

 

その言葉を引き継ぐように、ソーシャルワーカーの向井祥子(江口のりこ)が、高校生の中絶が多いのは若気の至りでできてしまってという場合が多いとも話す。性教育が全くアップデートされていない事態を嘆き、避妊など踏み込んで教育すべきと話す。

 

また、性暴力の被害者であれば、出生前診断も必要になる。生まれてくる我が子を知る権利があると主張する。

 

四宮は知った後にどうするか考えてもいないのに出生前診断をするのは無責任だと話す。向井はその意見に同意し、「赤ちゃんが置いてけぼりにならないように、夫婦で向き合ってほしい」と話す。

 

同じ場にいた鴻鳥だったが、一言も発さず複雑な表情をしていた。

 

結果

高山夫婦が病院からの帰り道。羊水検査の結果は、21トリソミーのダウン症だった。それを二人はなんと受け止めて良いのかまだわからずにいた。

 

親の思い

透子と光弘はお互いの両親を呼び、羊水検査の結果を伝える。光弘の父親と母親は「諦めた方がいいんじゃないか」と言う。透子を心配しての意見だった。

 

すると、透子の中川澄江(中村久美)が「娘と二人で話させてくれませんか」と言う。ほかの人たちが部屋の外に出て、澄江は透子に「あなたはどうしたいの?」と聞く。透子は答えが見つからず、「お母さんはどう思う?」と聞き返す。

 

澄江は透子が小さい頃の話をする。よく熱を出して、夜中におぶって病院を探して走り回ったり、しゃべるのも遅くて心配だったと。「でも、笑った顔を見るだけで幸せで頑張れた」と噛みしめるように語る。

 

「じゃあ」という透子に「でも、この子は諦めた方が良い」と澄江は言う。「なんで?」と聞く透子に、「透子が苦労するところを見たくないから」と母としての意見を言う。

 

ダウン症の子を持つ親

今橋のもとに、以前会話を交わした木村弓枝が訪れていた。ダウン症の次男・壮真君も一緒に。知り合いに上の子がダウン症で、出生前診断を受けるつもりの人がいると話す。

 

「検査でわかるのは一部の染色体の疾患だけ。なんで、出生前診断でわかるこの子たちだけが弾かれるの?ダウン症のある子、いなくなっちゃうんじゃないかなぁ」

 

弓枝は明るい口調で、どこか寂しそうにつぶやく。「私、壮真のこと本当にかわいい」と満面の笑顔で言う弓枝。もちろん言うことを聞かずにイライラすることもあると話し、今橋がそれはどんな子でも同じだとフォロー。

 

「悠真も壮真も本当に愛おしい。だから、複雑なんだよね」とも話す。ダウン症だと知ってどうしたら良いのか、上の子のことを考えて一番悩んだと弓枝は明かすのだった。

 

親が子を思う

一方、辻夫婦は娘と一緒に公園にいた。信英が「本当にいいのか?」と明代に聞く。「もう何度も話し合ったでしょ」と明代は答える。「私たちが死んだ後、娘に全部任せるなんてできない」とも言う。はしゃいでいる娘を見ながら、信英も「そうだな」と言う。「そうだよな」と噛みしめるように。

 

親としての選択肢

小松は友人で妊娠中の武田京子(須藤理彩)の家に泊まることに。京子の夫の克也(山本圭祐)もほほえましそうに二人を見ている。

 

小松は助産師として友人の子を取り上げるつもりでやる気になっている。とはいえ、出産はまだ先。

 

話題は出生前診断について。京子も45歳という年齢なので考えたと話す。しかし、悩むのが怖いから診断はやめて、どんな子供でも受け入れることにしたと話す。「診断を受けない権利、か」と小松は言う。

 

同じ助産師である京子は、「お母さんの選択にただ寄り添うだけ。大切なあたし達の仕事」と話す。小松も頭では「寄り添う」と理解しながら、「だけどねぇ」と本音ではいろんなことを思うのだった。

 

母としての覚悟

遺伝カウンセリングには辻夫婦が訪れていた。鴻鳥が「考えはお変わりありませんか?」と聞くと、明代は「諦めようと思います」としっかりと答える。鴻鳥もそれをしっかりと受け入れる。

 

鴻鳥が中絶の説明をすると、明代はきちんとその手順をわかっていた。鴻鳥は「お母さんの体だけでなく、心にも負担がかかります」と話す。明代は「私のことはいいんです」と言う。思わず信英が「明代」と声をかける。「私は大丈夫」と明代は答える。

 

一緒にいた小松が「辻さんの体も大切だよ」と言う。それでも明代は「大丈夫です」と言うのだった。

 

へその緒

小松が産科の部屋に戻ると、四宮が輪島塗の小箱を見ていた。何が入っているのかと聞くと、四宮は「へその緒」であると言い、父親から渡されたことも明かす。

 

小松は、昔はへその緒がお守りだったと話す。女の子はお嫁に行くときに、男の子は戦争に行くときに持たされたと。亡くなったときに棺桶に入れれば、迷子にならずにお母さんに会えるとも言われていたらしい。

 

小松は「お父さんの気持ちだね。しのりん(四宮)を守ってくれますようにっていう」と笑顔で伝える。それを聞いた四宮は、もう一度その小箱をじっと見つめるのだった。

 

迷い

遺伝カウンセリングに、透子が一人で来ていた。鴻鳥と今橋が話を聞く。透子は両親に「諦めた方が良い」と言われて、夫もそういうつもりだと明かす。鴻鳥が「高山さんも同じ結論ですか?」と聞くと、透子は「まだ迷ってます」と答える。「まだ答えが出ません」と。

 

なかなか子供ができず、3年治療してやっと授かって、とてもうれしかったとお腹を優しくなでる。「だけど、育てられるのかな。ダウン症の子を育てるのって大変ですよね」と不安もある。

 

今橋は知的な発達に違いがあり、お父さんやお母さんとは違うと話す。心臓病や呼吸器疾患があって、産まれてから数回手術が必要になることもあると。ただ、ダウン症の子自身は悩まず幸福を感じて生きていくとも言われていると話す。ソーシャルワーカーにも相談して、ダウン症のご家族の話を聞いてみますかとも提案する。

 

鴻鳥は、「気持ちの整理がつかないこともあるでしょう。夫婦でぶつかることもあるでしょう」と透子の気持ちに寄り添う。

 

透子は感情が溢れるように、涙をこぼしながら、「全然答えが出ない」と言う。「ダメですね、本当に私…情けない」と。「そんなことはありません」と鴻鳥が言う。「どんな選択をしても後悔することはあります」と。

 

「その後悔を減らすには、しっかり考えて赤ちゃんの負担を減らすしかないんです。お二人で話し合って、ご家族の答えを見つけてください」

 

鴻鳥はそう透子に伝えた。

 

子を思う気持ちは誰も同じ

辻家では、親子3人が川の字になって寝ていた。信英が眠れない妻を気遣う。「今、おなか蹴ったの」と明代は明かす。「ごめん、大丈夫」明代が言う。

 

ふと、娘がぼんやりと目を覚ましてしまい、優しく撫でて寝かしつける。夫も愛おしそうに我が子を見る。娘の将来の夢を話し合ったりして、明代と信英は優しい笑顔になっていた。信英は、妻のその手を力強く握りしめる。

 

最期の願い

明代は薬を投与されて、人工的に陣痛を促し、中絶の準備をしていた。夫もそばで手を握って支えている。明代は痛みに耐えて、苦しそうだ。

 

「大丈夫です。我慢できます」と明代は何度も言う。しかし、その表情は歪んでいた。中絶にはまだ時間がかかる。小松も背中をさすりながら、「頑張れ」と声をかける。

 

「先生、一つお願いが」と明代は鴻鳥の言う。「最期にこの子を抱いてもいいですか?」その言葉を鴻鳥は受け入れる。そして、痛みが強くなってきてー

 

決断したことでも

鴻鳥はピアノがあるバーにいた。今日はBABYとしてではなく、一人で、鴻鳥サクラとしてピアノを弾く。優しく、みんなを包み込むような音を奏でる。

 

明代は中絶が終わり、憔悴しきっていた。堕ろした子をだっこさせてもらったと話す。「すごく小さくて…でも、温かかった」そう言うと、明代は今までにないほど感情を爆発させて、嗚咽を上げて泣きじゃくる。

 

小松は明代にそっと寄り添う。信英もそばで目に涙をためていた。

 

何度だって考える

透子は、自宅で夫にダウン症に関する本をいくつか見せていた。「もう決めたじゃないか」と光弘は言う。「私、まだ迷ってる」と透子も言う。「これ以上考えたって、苦しいだけじゃないか」と光弘は返す。

 

「苦しくて当たり前。父さんでも母さんでもなく、夫婦で考えて、話し合って、二人で考えよう」

 

そう透子は言う。

 

今橋の教え

NICUでは、白川が小さな赤ちゃんの様子を見ていた。今橋から「今日はもう上がったら?」と声をかけられるが、もう少しいると話す。「お母さんが来てくれたらいいのに」と本音ものぞかせる白川。すると、今橋がふと語り始める。

 

「昔だったら救えなかった命が、医学の進歩で救えるようになった。それは喜んで良い。でも、命を救えるようになったからこそ、苦悩する家族もいる。命を救うって、どういうことなのかな

 

そんな風に言い、「難しいね」と笑顔で続ける。白川がそれに答える。

 

「NICUの卒業生やご家族の笑顔を見ると、俺も頑張んなきゃなって思うんです。NICUの卒業がゴールじゃない。その後に続く赤ちゃんとご家族の人生に寄り添いたい。それが俺たちの仕事の目標だって、今橋先生が教えてくれました

 

その言葉を聞き、今橋は「ありがとう、白川先生」と感謝する。

 

尊敬する人

白川は、小児循環器科の研修のために、別の病院で面接を受けていた。そこで、自分の思いを話す。

 

「新生児科に尊敬する先生がいます。その先生のような新生児科医になりたいと思っていました。でも、その先生と同じになることだけが恩返しではない。違う技術や知識を身につけて、一つでも多くの命を救えるようになりたいんです」

 

そのためなら研修医からやり直してもかまわないと話す。面接官の医者は、「尊敬する先生って、今橋先生でしょ?」と言い当てる。白川は驚きながらも「はい」と答える。「ずいぶんと大きな目標だ」と言われて、白川は笑顔になり、「はい」と力強く答える。

 

鴻鳥サクラとしての気持ち

ペルソナの産科では、辻夫婦が赤ちゃんを連れて帰るのをみんなで見送っていた。辻夫婦は小さな棺を抱いて、産科に感謝して帰って行く。

 

鴻鳥は部屋に戻り、思い詰めた表情で黙っている。四宮が気を遣い、珍しくドリンクをあげている。鴻鳥が話し出す。

 

「産科医として避けられないことだからね。ご家族が幸せになるための選択。そう自分に言い聞かせてる」

「でもさぁ…僕は赤ちゃんが好きだから

 

そうやりきれない表情と声で言う。「ああ」と、四宮が支えるように答える。

 

最終決断

高山夫婦はペルソナを訪れている。しかし、透子はなかなか病院の中に入ることができなかった。思いとどまる気持ちがあるように。

 

遺伝カウンセリングにて、光弘が二人で話し合ったと言い、「今回はこの子を諦めよう」という結論を伝える。鴻鳥が透子にも同じ意見かと問うと、ぼんやりと無表情で何も答えず、少ししてから静かな笑顔で「はい」と答える。

 

ただ、透子は「超音波見せてもらえますか?」と聞く。光弘は戸惑う。透子は思いを明かす。「今回は諦めよう、次が、っていうけど、それはこの子には関係ないの」と。「きちんと見よう、私たちの赤ちゃんだよ」。

 

そして、透子は超音波をしてもらう。お腹の中の赤ちゃんは元気に動いていた。それを透子も光弘も見つめていた。

 

鴻鳥サクラという産科医

産科や新生児科をまじえたカンファレンスにて、高山夫婦のことが話し合われる。中絶という結果になったが、透子は最期に赤ちゃんをだっこしたいと言っていると鴻鳥は話す。

 

「えっ」

 

と思わず言葉が漏れてしまったのは研修医の赤西吾郎(宮沢氷魚)。口ごもりながら、「中絶するのに、最期にだっこしたいんだなぁと思って…」という本音に、四宮が「おまえなぁ」と諫めようとして

 

「いいよ、吾郎先生、続けて」

 

と鴻鳥がいつになく強い口調で促す。吾郎はぽつりぽつりと話し始める。

 

「僕は考えてしまうんです。出生前診断。どうして命の選別をするんだろうって。出生前診断がメジャーになって、それが当たり前になったら、医師としてどう向き合えば良いんでしょうか」

 

それに鴻鳥が答える。

 

「吾郎先生、その質問の答えは僕にはわからない。命は尊い。赤ちゃんが産まれてくるのは奇跡だ。平等である命を選別してはいけない」

「僕はずっと迷っている。命の選別、その言葉にみんな囚われていて、お父さん、お母さん、家族、その事情には目を向けラテ以内。それぞれの事情の上に命は産まれていく。育てていくのは家族なんだ」

 

「出生前診断の結果で中絶を希望する家族もある。心が重くなる。いつまでも慣れることはない。でも、悩みに悩んだ上で僕たちに助けを求めているのに、その手を払いのけることはできない」

「中絶をしたお母さんが赤ちゃんを最期に抱きたい、たしかに矛盾しているかもしれない。だけど、その葛藤に僕たちが寄り添わないで誰が寄り添う」

 

「どの選択も間違ってない。いや、間違ってなかったと思えるように、産科医として、家族と一緒に命と向き合っていく。それが僕に、僕たちにできることなんだと。そう信じて僕はここにいる」

 

みんなしんと静まりかえり、鴻鳥の言葉に聞き入っていた。鴻鳥が「すみません、関係ない話しで」と謝る。四宮が「関係なくない。大切な話だろ」と返す。今橋も「大切な、命の話です」と答える。

 

そのカンファレンスの後では、みんなが病院にいるたくさんの命を感じていた。小さくて、大きな命を。

 

夫婦と、母子と

透子は中絶のために入院。病室には光弘と、母親の澄江が訪れている。光弘が「ごめんな」と声をかける。「え?」と少し驚く透子。

 

「一緒に出生前診断したのに、俺たちには関係ないことだと思ってた。けど、子供を持つって決めたときから、本当は関係あることだったんだよな」そう言って透子の手を握り「二人で出した結論だから。おまえだけが背負う問題じゃないから」。

 

そんな娘夫婦の会話を聞きながらも、澄江は何も言わずただりんごの皮を剥いているだけだった。

 

突然

四宮に夏実から電話が来る。「お父さんの容態が急変して、そのまま…」と告げた直後、カイザーの妊婦が緊急搬送されてくる。妹の話を聞けず、四宮は手術へと向かう。

 

本音

透子は光弘と澄江に寄り添われながら、小松に処置室へと案内される。その部屋の中に、透子はなかなか入れない。一歩一歩、足が重いように前に進まない。そして、入り口の手前で崩れ落ちてしまった。

 

「この子、あたしの赤ちゃんなの」

 

ぽつりとつぶやき、

 

「産みたい」

 

透子は突然言う。

 

「でも、怖い…。自信がない、でも…」

 

その後の言葉は続けられない。澄江が来て、「透子、あんた産みたいんだね?」と聞く。透子は泣きながらうなずく。澄江が透子を抱きしめて「大丈夫」と言う。「あんたがへばっても、母さんが一緒に育てる!」と。透子は涙が溢れて止まらなかった。光弘はその後ろで、何もできず、何の言葉もかけられなかった。

 

そんな様子を小松と鴻鳥も、ただ何も言わず見つめていた。

 

四宮がカイザーした赤ちゃんは無事に産まれていた。

 

透子は病室に戻り、光弘と二人きりに。「ごめんなさい」と透子が謝る。光弘は透子の隣に座り「なんで謝るんだよ」と優しく言う。そっと二人は寄り添う。

 

鴻鳥は産科の部屋に戻り、小松に「僕は冷静でしたか?」と聞く。小松は「私もどうだろ。どうしても気持ち入っちゃう」と言う。二人とも「これからが大切」と考えていた。産科医としてできることを精一杯やると鴻鳥が言う。

 

その言葉を聞いて、小松が「考えてることがある」と鴻鳥に何かを話そうとすると…

 

四宮がオペから戻ってきた。そして「しばらく帰ります」と言う。「親父が死んだ」と端的に伝えて。

 

ペルソナのことを案じている四宮に「大丈夫だ」と、鴻鳥が食い気味に言う。鴻鳥や小松が四宮の心配をすると、「大丈夫だ」と今度は四宮が食い気味に言う。「ペルソナのこと頼むぞ」四宮はそう伝えて、能登へと向かうー。

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と言う話でした。今回の話も本当にいろんなことを考えさせられます。難しい問題です。詳しい感想は次回書きます。

 

 

aoikara

 

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