ドラマというのは一つの表現以上に、伝えられるものがあるんだなぁと実感するaoikaraです。今回はすごいメッセージだったなと思いました。すごいな、コウノドリ。
というわけで今回のテーマは…
コウノドリ 第2シリーズ 第10話 感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方は見てからどうぞ。
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▼コウノドリ 第2シリーズ 第9話 記事はこちら
第10話のGOODポイント
- 壮真君役の山田楽士君、かわいかったなぁ。白川先生とハイタッチして遊んでいるのが妙にかわいらしかったです。
- 小松さんが、四宮先生に「お菓子ならひとつちょうだい!」ってせびるのがおかしかったですwへその緒だと言われて「おう、タベラレナァイ」みたいにカタコトになるのも謎めいていてw
- 鴻鳥先生がやりきれない思いを伝えるときに、四宮先生が「ああ」って言ってくれたんですけど、世界一優しい「ああ」でしたね。ここの信頼関係は熱いわ~。
- 今回は鴻鳥先生が序盤であんまり思いを明かさないんですよね。だからこそ、吾郎先生の質問からの語りがすごく熱い思いに聞こえました。すごく良い演出、脚本。素晴らしいです。
第10話の気になったポイント
特になし
感想
出生前診断
今回はすごく考えさせられる話でした。
出生前診断
どんなものなのかということもきちんと知っていました。以前も書いたと思うんですけど、子供が欲しいというのは多くの夫婦にとって共通の思いだと思います。でも、そのときに障害があるというリスクを考える親はどれくらいいるのだろうと。
出生前診断も、辻夫婦のようにリスクがあるなら諦めるために受ける場合もあれば、高山夫婦のように一応受けただけという場合もあるでしょう。外部から「命の選別をするのか」と否定する声もあれば、「障害があれば当然」と否定的な肯定もある。小松さんの友人の武田夫婦のように「受けない」ことでどんなことでも受け入れるという場合も然り。
そして、障害があるとわかったときの、いろんな人の気持ちもわかる。みんなの気持ちが。辻夫婦のように経済的に育てるのが厳しいと言うこともあるでしょう。生んだら生んだで、子供が苦しむかもしれない。だからって、そんな事情はお腹の中の赤ちゃんには関係ないとわかっているからこそ、最期に赤ちゃんを抱きたかったという気持ちもわかる。
一方で、木村さんのように実際にダウン症のお子さんがいる家族は複雑な気持ちもありますよね。「出生前診断でわかる障害は一部なのに、その子たちだけが弾かれるなんて…」という本音もすごくよくわかる。
さらに、高山さんのように、何度話し合って諦めようと決めても、母親としての本音では怖くても怖くても「産みたい」ってことにもなる。
ここでは描かれなくても、いざ産んでみて妻は受け入れても、夫は受け入れられず離婚するっていうケースだってある。
本当にそれぞれの夫婦、それぞれの家族によって、結論は違うものなんだなと。きっと、鴻鳥先生が言ってくれたことが全てなんだと思います。
出生前診断をして、その結果を聞いて、どんな選択をしてもおそらく後悔はする。家族がどうするのかきちんと向き合い、考えて、葛藤して、話し合って、それで出した答えなら、心の底からの納得はできなくても、きっと受け入れることができる。その葛藤に寄り添う産科医でありたいと。
こういう医師がいてくれたら、妊婦さんとその家族も選択肢が広がるし、罪悪感を少しだけでも減らせると思います。赤ちゃんのためにも、家族のためにも、なってほしいね。
正解なんてないんですよ。答えなんてない。各々が、どう受け止めて、どう考えるのか。本気で向き合うことでしか、各々の答えは見つからないんですね。うん。
ちなみに原作で出生前診断を扱った話はないそうです。つまり、今回の話はドラマのオリジナル。原作者の方も、答えを出せない問題だからと。だからこそ、このドラマで描いたのが本当にすごい。
“きょうだい”のこと
今回は“きょうだい”というのも一つのテーマだったような気がします。四宮先生と妹さんの関係性とか、木村さんの健常児の兄と障害児の弟だとか、辻夫婦のように障害を持つきょうだいを任せることはできないと娘を思うことだとか。
支え合っていけるパートナーでもあれば、障害の垣根を超えた仲の良いきょうだいになれることもあって。親が受け入れても、きょうだいが受け入れられるかってまた別の話で。その子にかかりきりになって、じゃあお兄ちゃんやお姉ちゃんは我慢させていいのかってなると、そんなことはないだろうし。
複雑なんですよね、きょうだいっていうのも。これも関係性に正解ってないんでしょうね。それぞれの家族にそれぞれの形があれば、きっとそれでいいはず。
母は強し
最初、高山夫婦の旦那さんが少し頼りなく見えてしまったんですよね。逆に、透子さんのお母さんがすごく心強く感じました。
たぶんなんですけど、透子さんは自分たちの子供がダウン症かもしれないと知って、すごくパニックになったと思うんですよ。その中に「産みたい」って気持ちがあって。でも、不安も大きくて、どうしたら良いのかもわからないだろうし、「産みたい」だけではなかった。
お互いの両親に相談したら、夫側の親には止められて。透子さんのお母さんは、娘の本音が知りたいと思ったんでしょうね。二人きりにさせてくれと言った。娘に「どう思うの?」と聞いたときは、まだ透子さんはパニックだったと思います。だからこそ、お母さんは自分の思いを伝えた。「あなたが大変だから、今回はやめた方が良い」と。
さらに夫は両親たちの意見を聞いて、産むのをやめようと言うし。透子さんは自分の「産みたい」という気持ちを封印するしかないですよね。だって、自分自身も迷っていて、不安がなくなることはないんだし。周りが言うならそれが正しいんじゃないかって思うだろうし。
なんとなく夫の光弘さんが先導していて、最終的には自分の意見を「夫婦の意見」って言ってるみたいでちょっともやもやしたんです。たぶん、光弘さんもそんなつもりは全くないと思うんですけど。
そして、処置するとなったときに。透子さんは足が動かなくなり、体が崩れ落ちるほど、命を絶やしてしまうことを拒んでいた。そうして、やっと「産みたい」という気持ちを伝えることができたんですよね。
誰かが抑圧していたわけじゃないのはわかるんです。透子さんにも迷う気持ちはあったし。でも、言えなかったんだろうなって思いました。それでも、「産みたい」が本音なんでしょう。
一緒にいた母親がそれを受け止めて、「母さんがいるから大丈夫!」って抱きしめたのは、ただキレイな話だけじゃないリアリティがあったように感じました。ああ、自分が母親になろうとしているときでも、自分の母親はこんなに強いものなのかと。
光弘さんも、透子さんの決断を夫として父親として受け入れていて、良かったです。これからまだ少し不安がありますけど。前向きな二人の未来につながってほしいな。
白川先生、成長したなぁ
今回は書きたいことがいっぱい!白川先生のことも書かせてください!
ちょっと前まで調子にのって自信家になっていたのに、意識が変わってからまた成長していますね。かっこいい医者になっています。
今橋先生が出生前診断のことで、新生児科医としていろんな葛藤があるという思いを吐き出すと、白川先生が今橋先生から教えられた言葉で救ってくれるっていうのがね。カッコイイ師弟関係だなと思いました。きっともう先輩後輩ではなくパートナーでしょうね。
面接を受けた先で「なりたいと思っている新生児科医がいる」って言って、相手の医者に「今橋先生だろ?大きい夢だね」って言われたときに、噛みしめるように笑顔の白川先生も良かった。尊敬が伝わってきて。すごくすごく良い顔でした。
小松さんの考えていることって?
小松さんが鴻鳥先生に何か話したそうにしていましたよね。もしかしてペルソナ辞めるとか?今から産科医になるとか?助産師としてのエキスパート的な何かになるとか?
またペルソナから頼りになる人たちがいなくなってしまうのかな…。結局わからずじまいでちょっと心配です。
四宮先生が心配
四宮先生もお父さんを亡くして心配だし…これからどうなるのかなぁ。自分の肉親の死もあんなにあっさり告げるのが四宮先生らしいというか…うん。心はもう大変だろうなとは思います。
鴻鳥先生がペルソナのことは「大丈夫」と言い、鴻鳥先生が心配そうにすると四宮先生は「大丈夫」言い。二人とも食い気味に言う感じに信頼が伝わるというか。鴻鳥先生は本当に心配で、四宮先生は心配をかけまいとしていて。
しのりん、大丈夫なのかな…。
次回:救いたい人たち
鴻鳥は高山夫婦と向き合っていた。まだ不安がある透子に、今橋はある“詩”を送る。一方、父親が亡くなって進退に悩む四宮に、鴻鳥はある人物に会わせることに。さらに、白川の行く病院が決まり、同期だった下屋との別れも訪れる。
鴻鳥先生が四宮先生を会わせる人って、おそらく初回に出ていた荻島先生ではないかしら。地方で産科医をやっている。ってことは、四宮先生もお父さんの実家を継ぐのかしら…。ペルソナ、どんどん人がいなくなるのかなぁ。寂しいなぁ。
でも、最終回もきちんと見ますよ!
aoikara
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