良いドラマを最初から最後まで見終えた達成感は素晴らしいと思うaoikaraです。見終えちゃいましたよ、今回も。
というわけで今回のテーマは…
緊急取調室 Season2 最終回 感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方は見てからどうぞ。
▼最終回のネタバレ記事はこちら
GOODポイント
- 前後編って地味に前回の話を丁寧に描いてくれるのがありがたいですね。いろんなドラマを観ていると、記憶がふわ~っと曖昧になってしまうので。
- 磐城刑事部長(大倉孝二)、自分をかばって真壁が被弾したのに、さっさと車に逃げ込もうとするクズっぷりというか小物っぷりというか…うん、小さい男ですよ。
- もつなべコンビが「俺たちも(円陣に)入れてくれ!」って言ったのがかわいらしかったですね。監物(鈴木浩介)の意思なのに「って、ナベが言ってる」って渡辺(速水もこみち)になすりつける素直じゃないところも含めてw
- 磐城刑事部長、ペンかじったーうえーやめてー。(結果的に梶山がかじったみたいになっててかわいそう)
気になったポイント
- 梶山(田中哲司)が真壁(天海祐希)のペンを噛んだようなことになっていますが、これこそ新たな免罪の発生ではないでしょうか。警察官がまた同じ過ちを繰り返して良いのでしょうか!…(笑)
感想
全てのキャラが生きていた!
“人”な真壁
今回の真壁はいつもよりは弱気だったように感じました。まあ、やっぱり取り調べをしている相手が自分の亡くなった夫にそっくりというのは、動揺する部分があるのでしょう。でも、それをみんながフォローしてくれる信頼感があった。
それでいて、やっぱり警察官だった。ずっとね。自分が撃たれたことまで利用して、怖いからと逃げず。格好いい。そして、言葉に力があった。やっぱり取調官として優秀なんですね。
芯が通っていた小石川
今回は他のキントリメンバーにも見せ場がしっかりありましたね。
小石川さん(小日向文世)はいつになく厳しかったし、峰岸(眞島秀和)に謝罪もしていた。自分も過ちを犯したかもしれない警察官だった。もしかしたら、峰岸の息子を自殺させたのは自分だったかもしれないから。と。
滝沢(渡辺真起子)の聞き込みをするときも、いつも以上に言葉が鋭くて、厳しくて、すごく痺れた。取調を降りたのも、善さんも最後かもしれないから譲ったんだろうね。そこに優しさもある。強くて、厳しくて、優しい。
もうね、格好良かった。
善さんも菱本さんも
善さん(大杉漣)も良かったなぁ。きちんと真壁のフォローはしつつ、取調官としての仕事もこなして。菱本さん(でんでん)も自分が主役にはならない仕事なのに、きちんと悪役をこなしたり、被疑者のフォローをしたり、裏方でしっかり働いてくれていた。
久しぶりに格好良かったもつなべコンビ
普段はパシリでおちゃらけているもつなべコンビだけど、今回は妙に格好良かった。神木(水上剣星)をきちんと捕まえて、言うことはびしっと言って。よく考えたら、いつもきちんと仕事をしてくれているのよね。出番が少なくて忘れがちだけど。今回は良かった!
父親が子を思う愛情
って、描かれるのが珍しい気がします。どちらかというと母親が子を思う作品が多いような気がします。
もちろん、父親主体で子への愛情が描かれる作品もありますけどね。ドラマだと『人間失格』(野島伸司さん脚本)とか、私がこのあいだまでよく読んでいた貫井徳郎さんという作家さんの作品だとか。
▼貫井徳郎さんの読書感想文はこちら
全員がそうとは言いませんが、男性は女性に比べて理性的なんですよね。だから、子供に対しても理性的に愛する。だからこそ、理性が吹っ飛んで感情が露わになったときの愛情や憎しみがすごいパワーになる。
何者かに子供が奪われたなんてなったら、そりゃあその人間を抹殺する勢いの感情を持ちつつ、理性的に動く。なんていう描き方になるのかな、なんて思いました。
父ふたり
今回の話はそんな「父ふたり」が子を思うが故に、被害者と加害者という立場を超えて協力しあって、自分たちの子供を奪った人たちに復讐するというストーリー。
娘と奥さんを放火で殺された久保寺さん(鶴見辰吾)としては、その加害者とされた人(冤罪だったわけだけど)の父親である峰岸さんに「一緒に闘って!」と言われても、正直憎くてたまらないと思うんですよ。葛藤もあっただろうし、娘を殺した人物が絶対に別人だと確信するまで、協力する気にはなれないし。
でも、そんな久保寺さんを動かしたのも、父親の愛情なんじゃないかなと。もう絶対に埋められなくてこぼれてあふれている家族への愛情を、正統な形で受け止められなければ、もうそれを憎しみにして復讐にするしかないよなぁ。
でも、復讐したからって恨みが晴れるわけじゃない。殺したからって解放されるわけじゃない。峰岸の
「息子は喜ばない。悲しみもしない。もう死んだから!」
って言葉がそれを物語っていた。そうなんですよね、本当にそう。死んでしまったら、もう何も戻らない。
その描き方が素晴らしかった、父ふたりを演じた鶴見辰吾さんと眞島秀和さんの演技も本当に素晴らしかった。
取調を終えた二人が顔を合わせて、何も言わずうなずいて、それで去って行くシーンは、何も言わないからこそ泣けました。あそこで言葉を交わすっていう選択肢もあると思うんですけど、言わない。言わなくても、もうわかってるから、っていう。すごく良いシーンでした。
正直、まだ協力者がいるのかと思っていました。弁護士の滝沢さんとかね。でも、きっと二人は孤独だったし、父ふたりの気持ちをわかるのは、あの二人しかいなかったのでしょうね。と考えると、良い副題です。
ちょっと残った疑問点
最終回なんですけど、若干の疑問点も残りました。
磐城刑事部長の「キントリ再編成」騒動
結局、磐城刑事部長って何がしたかったんでしょう?だって、キントリの存在を邪魔だと感じていて、それで真壁のペンをかじったり(うえー)、椅子を蹴り飛ばしたり、チクチクいじめていたんですよね。
そして、キントリを再編成しようとした。でも、やめた。その心変わりがイマイチ掴めない。キントリの取調に感動したとも思えないし、警察官として未熟だったことを理解したわけでもなさそうだし…。
あっ、もしかして…自分が「小さい」人間だって気づいたのかな?よく考えたらキントリって取調で有能だし、再編成する理由が「自分の意に沿わなくて邪魔」しかないって気づいちゃったからかな?その「小ささ」に気づけたのは大きな成長ですよ!やったね!
梶山が真壁の夫に「報告したいこと」
梶山が真壁の夫のお墓参りをしたいと言ってましたね。かつては夫と同僚だったらしいですが、「報告したいこと」ってなんでしょう?
「俺は真壁を本気で狙っているぞ、おまえには言っておく」とか?それとも「おまえの嫁は元気でやってるから安心しろよ」かな。真壁に「教えない」ということから、真壁に関することでしょうけど。
無駄に恋愛に発展するのも陳腐なので、まあつかず離れず楽しくやってくださいな。
私はあのラストシーンが好き
ラストシーンは若干賛否が分かれそうですね。今回の事件の真犯人である神木の取り調べもし終えて罪を認めさせるべきではなかったのか、と思われそうです。
でも、私は「賛」の方。キントリは「終わり」に向かっていたわけじゃないですか。それがなくなった、というためにはこれから取調もキントリも「始まり」を感じた方が良いなと思うからです。ゴールであり最終回であり、スタートなんだなと。
だから、私はあのラストシーンが好きです。
総括:「面白くなってきたじゃない?」だからSeason3も期待してます!
まあ、疑問点はあるにせよ、結局全部面白かったなぁ。役者さんたちの演技も安定していますし、事件も面白い。だけど、他の刑事ドラマとは視点が全く違う。だから、ほかとは絶対に被らないという面白さもある。
どんどん「面白くなってきたじゃない?」な展開なので、ぜひぜひSeason3もお願いしたいです。でもSeason1から2まで3年もありましたからね。あれだけの俳優さんたちのスケジュールをそろえるのは大変そうです。
なのでSeason3も3年後、ちょうど東京オリンピックの年くらいでしょうか?まあ、その辺も含めた面白い話を期待しています。というわけで3ヶ月ありがとうございました。次シーズンも待っています!
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aoikara
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