遊川脚本はプチストレスを感じながらも、なんだかんだで見てしまうaoikaraです。悔しい!
というわけで今回のテーマは…
過保護のカホコ 第1話 感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方は見てからどうぞ。
▼第1話のネタバレ記事はこちら
第1話のGOODポイント
- 正高が家族みんなを動物に例えるのは面白かったですね。みんな、それっぽい。
第1話の気になったポイント
- 泉が正高に「明日は晩ご飯いるの?」って聞くのは何なんでしょう。いらないのに早く帰ってきたり、いるって言ってたのに遅くなったり、というイライラの積み重ねが増えたから、事前確認するようになったのかしら。でも、「いる」と聞いたらため息をつくんですよね。夫としてはビクビクしそうだよなぁ。
- 加穂子に対して「世界には化学兵器で死ぬ子供たちもいる」と初が説教するのには違和感。そもそも国なんてない、いつ奪われるかわからない土地にいる人と比較するなら、国があってごはん食べられる初もたいしたことない。まあ、その突拍子もない論理が大学生らしいのかもしれませんけどね。
- ドラマ『相棒』で警視庁捜査一課の刑事役をやっている方(役名はないけど赤井英和に似ている)が出てた!という微妙な喜び。
感想
一言で表すなら、面白い
面白いです。面白い上で書いてます。好き勝手書いてます。本当に面白いんですよ。
登場人物がカオス!
なかなかに個性的なドラマで、登場人物がカオスでしたね。主要人物それぞれについて思ったことを書いておきます。
主人公の過保護なカホコ
人に頼りすぎ!とツッコみたくなるくらいに頼りない主人公。なのですが、あの笑顔と頼りない姿を見せられると、私でも守ってあげたく、何でもやってあげたくなってしまう、妙に説得力のある主人公。
過保護な子というのはいや~な感じに描かれることが多いですが、カホコはとっても純粋でまっすぐな人。不器用だとしても、やり方を知れば一生懸命に頑張るひたむきさがあり、主人公として応援してくなるようなキャラでした。
演じている高畑充希さんは全然こういうタイプじゃないのに、さすが女優さん。ミュージカル出身で歌もうまいので、おどおど声とか表情とか、いちいちうまいんですよね。
高畑さんのおどおどキャラの役、私は好きです。ハッキリ主張するとかいうタイプより。小動物的なかわいさを全面に押し出している方が好き。朝ドラ『ごちそうさん』に出演していたときのようなキャラクターが好きなんですよね。
「人を幸せにする仕事をしたい」と決意を新たにした彼女の力って何なんでしょう。それこそ人を幸せにする力があるんじゃないのかしら。働いたら意外と有能だと思いますし、これからの成長が楽しみです。
カホコを導くアート青年
っていうか、この彼・麦野初って言うんですね。ドラマでの名前の印象が薄い…。カホコ以外は薄いのかもしれません。
彼のキャラはねーうーん…私は好きじゃないですwおまえみたいなのがいるから日本がダメになる、と言いつつも、自分が何か日本に貢献しているのかと言われると微妙。
奨学金をもらって大学に通う初からすると、「何のために働くの?」なんていうカホコが腹立たしいのはわかります。でも、働くことを教えてやると言うよりは、自分のバイトを人にやらせてラクしているだけのように見えるんですよね。
あと、演じている竹内涼真さんの顔が爽やかすぎて、熱血っぽく見えないので、私が違和感を抱いているのかもしれません。これは慣れてくるかな?ヒロインを導くにしては、あんまり好きじゃない。ごめんね。
過保護の自覚なし母
カホコの母親は過保護の自覚がないんですね。というか、自覚はしているけれど、認めたくないのかもしれません。カホコに「挫折させたくない」と言っている口調から、自身が挫折したことがあるのかもしれませんね。
あとはいとこの糸ちゃんにすごい才能があるから、それを羨んでいるような気がします。糸ちゃんだけ、カホコへの過保護感があまりありませんでしたし。あんな才能を見せつけられたら、「あなたの教育は失敗よ」と言われている気がするのかもなぁ。
でも、ある意味でカホコは大物かも?あれだけ人を信じて、卑屈ではなくて、まっすぐな子なんてなかなか育ちませんもん。
過保護の自覚はあるけど何も言えない父
男性って俯瞰しているときがありますよね。子供に対しても女性は子供を見つめていて、男性はそれも客観的に見ているような。すべての家庭がそういうわけではないんですけど。
だから、いろんな不満もある。カホコの父親も、過保護はそろそろやめたいと思っている。でも、自分が言えるようなことでもない。だって、子育てをしてきたのは母親だし、近寄りがたい絆さえある。
なんだろうな、世のお父さんは共感する部分があったんじゃないかしら。過保護だとわかっているけど、かわいい娘のためならやめられない、みたいなね。
両親の実家
母親の実家はカホコへの過保護がすごいし、父親の実家はまあ家庭のありそうな問題がありましたね。遊川さんって、本当に家族のいや~な部分をいや~に描くから、見ている側もいや~になる。悪い意味ではないですよ。いや~にならないと、物語には共感できませんし。
この家庭も何か問題が表面化するのかしら。
なんだかんだの遊川和彦ワールド
最初の引きは完璧すぎる
今季もドラマが始まって、でもいまいちピンとくるものがなくて。そして、このドラマを観たとき、「ああ、面白いだろうな」と思いました。
最初に表れたのは謎の境界線。ハートの形のような。でも、その正体はまだわからない。これでぐっと引き込まれてしまいました。何なんだろう、あの境界線は。ドラマを観ている間は絶対に忘れないし、それが解き明かされるまではみてしまうのです。
最初はカホコが一人で行ける場所の範囲なのかな、と思いました。でも、実は妻が運転する範囲。女性ってたしかにテリトリー以外は猫を被るところがある。
そうやって解き明かされても、まだ見てしまう。今度は純粋にドラマに夢中になっているから。本当にいつもいつも引きがうまい。そりゃあ第1話は見ちゃいますよ。
作り物感とリアリティがごちゃごちゃ
良い意味でも、悪い意味でも。ドラマは作り物ですから、リアリティを追求しすぎなくても良いと思います。遊川さんのドラマは、いつもリアルなスパイスを入れながら、作り物だとわかる。なんか不思議なんですよね。だからこそ見ちゃう。
リアルなスパイスというのは、たとえば、夫婦で子育ての“これから”を話し合っているのに、妻は「自分の教育が間違ってる」と自分自身を全否定されたような気分になる。そこで「ごめんね」「いつもありがとう」と抱きしめられたら良いんだろうけど、そうもできない夫。
女性って否定されると全て自分のことだと受け止めてしまうことがあるので、あれはリアルだなぁと思いました。テクニックとしての慰めをするのに抵抗がある男性もね。
そういう妙なリアルさにもぞもぞします。居心地が悪いなーって。リアルな空気感をそばで見ているような。それがプチストレスなんですよ。でも、ドラマとしての演出はすごく良いってことなんでしょうね。だから見ちゃう。
正直、不安しかない。でも、見る。だから見る。
遊川さんが脚本のドラマをいくつか見たことがあるんです。「〇〇妻」とか「偽装の夫婦」とか。いつも発想が面白いですし、最初の引きのように「面白そう」と思わせる技術は本当に素晴らしいと思います。
でも、破滅主義者なのかな?というくらい、物語を途中からぶっ壊すんですよね。うーん、それが苦手。「ここで終わりでいいよね」の先をとんでもなくしたり、ありえないような展開を生んだり。まあ、ここが評価されている部分でもあると思うんですけど。
だから、過保護のカホコも絶対に何かあると思うんですよ。ただのカホコの成長物語ではない、おどろおどろしいものが。カホコは犯罪に堕ちていったり、実は芸術の才能があって初より優れていたり…こんなのはたいしたことないですね。
でも、見ずにはいられない。これが悔しいところで、来週だって見たいですもん。そして、とんでもない展開があっても絶対に見るんですもん。遊川ワールドですよ。いやはや、悔しい。でも、見ます。
ある意味で今の時代とは真逆のような…
過保護で大事に育てられてきた人って、NOの評価が下るとすぐに諦めてしまうと思うんですよ。だから、くじけず一生懸命すぎるカホコとは真逆。だから、今の時代の象徴…とは少し違う。
だからこそ、これはドラマなんですよね。ドキュメンタリーじゃない。だから、続きが気になります。
過保護なカホコ、初めての秘密
「人を幸せにする仕事をしたい」という気持ちに気づいた加穂子。父親や親戚に仕事の良さを聞き、自分に合った仕事を探そうとするが、すべて加穂子には合っていない。泉には専業主婦になることを強く勧められる。
加穂子はいとこの糸にはチェロを続けている理由を聞くことにする。しかし、今クール前に手を痛めていることを知ってしまう。黙っているよう言われて、初めてママに秘密を作る加穂子。そして、糸の今クール本番になり…
うーん、泉は専業主婦ってことに劣等感があるのかしら。加穂子に強く勧めるのも、自分を肯定したいからのような気がします。そして、糸ちゃん大丈夫かしら。次回も破天荒な展開、楽しみにしております。
良かったらポチッとください。
励みになります。
aoikara
▼お仕事のご依頼はこちらまで