中卒フリーライターほぼ無職。

在宅Webフリーライターaoikaraの日常ブログです。

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いだてん、頑張れ!

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私は毎週いだてんを観ている。面白くて大好きなドラマ。

 

そんないだてん視聴者の私にとって、衝撃的なニュースがあった。ピエール瀧さん、何やってるんだよ。コカインで逮捕って聞いたとき、私はまっさきに「いだてんどうなるんだろう」って思った。

 

そんなことはないんだろうけど、いだてんは一時的にも放送休止になるのかなとか、存続できるのかなとか、ニュースを知った直後はやっぱり心配だった。放送は中止せず、代役を立てて再撮影するなどして続けていくと知って、心底ほっとした。

 

 

本当に本当に申し訳ないことに、私はピエール瀧さんという人物について、逮捕前はあまり詳しく知らなかった。江戸っ子の役がうまいから、東京出身かと思って調べてみたら、東京出身で今年はウルトラの瀧として活動しているって最近知ったくらいで。

 

音楽活動をしていることは情報として知っていたけど、私に知識がないもので全く詳しくないし、曲については逮捕前も逮捕後も一度も聴いたことがない。もしかして電気グルーヴだと知らなくて、耳にしたことはあるのかもしれないけど、認識して聞いたことは申し訳ないけれどない。

 

しっかり認識したのはアナ雪のオラフの声で、あれ「あまちゃん」で見た人だなってなと思って、ピエール瀧さんという人を認識して見たのは「陸王」と「いだてん」かな。後から「三丁目の夕日」やファブリーズのCMに出てたってことも知った。

 

そして、ヤクザの役で出演されている作品は見たことがなくて、役柄による怖いってイメージもない。音楽活動やラジオとかバラエティとかも視聴しておらず、人間性もよく知らず、自由奔放で楽しい人だといろんな人が話すことで知った形。

 

良い意味でパフォーマンスがぶっ飛んでいるとか、優しい人とか、良い人とか、役によってめちゃくちゃ怖くなれるとか、ピエール瀧さんのパーソナルな部分を全く知らない。

 

人物像を全く知らない私が、ピエール瀧さんの人間性や個人についてどうのこうのって話は無責任になってしまうので、できない。だけど、いだてん視聴者としてどうのこうのと言いたい気持ちはある。

 

 

まず、いだてん、いろいろあるんだよね。視聴率もあまり良いとは言えなくて。視聴者から「見づらい」「大河っぽくない」ってマイナスなご意見があったり。たばこのシーンにクレームが入ったり。

 

楽しく見ている私としてはさ、低評価を受けてしまうのは悲しい。全ての人を納得させる作品を作るのは難しくて、視聴率なんて気にしないでと言いたいけれど、作っている人たちとしては気になるのもわかる。

 

で、何が低視聴率の原因なのか、好き勝手に書いたり言ったりしている媒体やメディアもある。BSでも再放送もしているんだから、視聴率が分散するのは当たり前。録画だってしている人もいる。視聴率は指標の一つで、絶対評価じゃないのにね。

 

「見づらい」って意見があるのもわかる。私はそうは感じないけどね。大河ドラマを観る層は高年齢の方が多いし、時代があっちこっち飛んでいって、わかりづらいってのはあるのかもとは思う。

 

「大河ドラマ」っぽくないのもわかる。でも「大河ドラマっぽくないから面白くない」ってのはイコールじゃない。たしかに「定番の大河ドラマ」を求める層からすると、思っていたのと違うし、需要と供給という意味ではマッチングは難しいのかもしれない。

 

逆に言えば、今まで大河を見ていなかった人が見ているようだし、それは新しい視聴者の開拓ができて面白い。

 

去年の「西郷どん」とか、「義経」「功名が辻」「真田丸」とか、いわゆる定番かはわからないけれど、今までの大河ドラマを少し観てきた私でも、すごく面白い。

 

 

たばこのシーンについてのクレームも、言い分としては理解できるところもある。衛生的に問題あったり、当時使われていた差別的な言葉なんかは、別に表現されていないから、たばこも別に必要ないだろう、的な意見だったように思う。

 

私はたばこを吸わない人間。そんな私がたばこを吸うシーンを見てどう思ったかというと、今とは違っていろんなところでたばこを吸うもんだな、という感想。数年前のドラマなんか観ても、職場や電車ですぱすぱ吸っているしね。当時と文化が違うんだなぁ、と興味深く見ていた。不快感はなかった。

 

むしろドラマでは、三島弥彦がオリンピックに出るために酒やたばこもやめた、というシーンもあった。あれは当時たばこを吸うのが当たり前の時代だったからこそ、そして三島がたばこを吸う人物だったからこそ、オリンピックに本気なんだと決意が伝わるシーンとして効果的だったわけで。

 

別の表現でやろうと思えばできなくもないんだけど、それは良いシーンの一つだったと思う。降る時代を描く表現の違いについて気になるってのはわからないでもないけれど、ドラマがたばこを吸うコマーシャルにはなってないし、現代と切り離して見ている視聴者が多いように思う。平たく言えば、私は問題ないと思う。

 

 

で、何が言いたいかっていうと、私はいだてんが好きなんだよ。面白いドラマだよ。感情移入して見てしまうし、登場人物のことが好きで、スタッフやキャストの方々が「面白いドラマを作るぞ!」って気概を感じて、すごくすごく見応えがあるんだよ。

 

この時代って、戦国時代や幕末なんかよりずっと近い時代なのに、知らないことが山ほどあるって、見ながら知るの。写真も映像もあるのにね。今の時代には当たり前のことも、近代だけど全く違うこともあって、それが面白いんだよ。

 

面白く伝えようともしてくれている。脚本も絶妙で、長い目で見て伏線になっていることもあって、大河だからこそ長く見ていて楽しめる瞬間がたくさんあるんだ。

 

そのシーンの意図や思いが伝わる演出にもぐっと来る。セットが凝っていてもわくわくする。役者さんたちの本気の演技にも見入ってしまう。

 

個人的な感想ではあるけど、私にとっては本当に素晴らしいドラマなんだよ。

 

 

だから、ピエール瀧さんが逮捕されたって知ったときは、今出演しているドラマを観ている人間としてはさ、「何やってるんだよ」って怒りと、「どうして」って悲しさがあった。

 

逮捕される前に放送された、第10回の話は、主人公である金栗四三が足袋を履いていることがきっかけで、海外の選手と交流するシーンがあったの。海外で警戒心も強くなっている四三だけど、そこで同じマラソン選手として心を通わせるの。

 

四三と足袋とマラソンという深いつながりにもなる、良いシーンだったんだよ。

 

その話には、ピエール瀧さんが演じている播磨屋のご主人も出てきて、文句を言いながらも四三のために足袋を作って送るっていう、江戸っ子らしい粋な感じが出てる良いシーンがあったんだよ。

 

今までだって、播磨屋さんってのは四三にとって重要な人だった。私はそのシーンで笑ったり感動したりもした。ピエール瀧さんが逮捕されたとしても、私がそのとき感じた楽しさや面白さや感動ってのは、決して嘘ではないと思う。

 

でも、私がもう一度そのシーンを見たときに、そして今後ピエール瀧さんを見るときに、ひやっとしてしまうと思う。逮捕って衝撃が冷めないうちは、なんか怒りと悲しさと残念だなと思う気持ちが入り交じった、複雑な気持ちで心がざらざらっとする。

 

事実、今はまだピエール瀧さんの映像や写真で見るだけで、ひやっとしてしまった。時間が経てば、また見え方も変わるかもしれないけれど、近々の今はやっぱりひやっと、ざらざらとしてしまう。

 

当人と関係なく、作品の登場人物として見られる視聴者もいるんだろうけど、私はやっぱり「コカインやった人」ってフィルターで見てしまう。これは私の最低な偏見かもしれないけど、その事実があるとないとで見方が変わってしまう。

 

もし薬物なんてやっていなくて、逮捕なんかされていなくて、それで見返したときに「あのときもこう思ったよなぁ」なんてうれしい気持ちで、播磨屋さんのシーンを振り返られるの。でもね、今は違うのよ。「あのときはこう思ったよなぁ」って、すごく悲しい気持ちで見ると思う。

 

すごくすごく悲しい。いだてんって作品が好きだからこそ、最初に感じた新鮮な喜びや感動という気持ちではもう見られないんだって。ドラマへの感じ方は私の個人的な感覚だから、私の問題かもしれないけれど。

 

 

ピエール瀧さんが出演したシーンをカットして再放送したらしくて、それには賛否があったらしい。否定の意見の中には「作品への冒涜」なんてのもあったらしいけど、違うよ。ピエール瀧さんが、いだてんって作品を冒涜していたんじゃないのかな、と思ってしまう。

 

ピエール瀧さんとしては、素晴らしい作品を作りたいって気持ちと、薬物を使うっていうのは、並行していて、たぶん素晴らしい作品をーって気持ちも本当に本当なんだと思う。

 

でも、犯罪を犯してしまえば、結果としてたくさんの作品を踏みにじってしまうことになるのは、わかるじゃないか。しかも過去とかではなくで、今の今も使っていたんだから。それでも今の今で絶好調に売れていたんだから。

 

人間性とか、そういうのを責める気はさらさらない。シンプルに、今の日本ではコカインは使用してはいけませんって法律がある中で、今それを破ってしまったことに関して責めているだけ。

 

 

私は代役で再撮影するのは仕方ないと思う。私が見るのはひやっとして怖いけれど、私が嫌だから禁止しろとかではない。みんな私と同じ意見になるべきとも全く思わない。

 

実際に、自粛ムードがおかしいって意見もたくさんあるわけで。それはいろんな意見があって、議論して、それぞれの作品に対して自粛や公開や配信を考えていけば良いことだと思う。

 

いだてんは、代役を立てるという決断をして、見ている私としてもそれを受け止めた。

 

これから編集や再撮影をするスタッフ、そしてキャストの皆さんのことを思うと、胸が苦しくなる。いだてんに関わってきた人たちは今でも大変な思いをしてきたけど、こんな思いをするとは思ってなかっただろうし。本当につらい。

 

だけど、だからこそ、いだてんを応援したい。いだてんを見続けたい。だって、面白いドラマだから。シンプルに理由は「面白いから」だけ。

 

播磨屋さんが新しい人に変わったとしても、やっぱり播磨屋さんだから。播磨屋さんとして、今まで通り好きな登場人物として、見ていきたいよ。

 

大変なことがたくさんある。大丈夫、見ている人は心から応援している。奮えー!奮えー!って。私は、ちゃんと全部いだてんを見届けます!いだてん、頑張れ!

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