雨にすぐ負けるaoikaraです。じめじめして気持ちが折れますし、濡れたらアンパンマン並みにしおしおになります。
というわけで今夏のテーマは…
いだてん 第5回「雨ニモマケズ」感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。
▼いだてん 第4回「小便小僧」記事はこちら
第5回「雨ニモマケズ」あらすじ
高座に上がったほろ酔いの古今亭志ん生(ビートたけし)は、古典落語「芝浜」を語ると思いきや突然オリンピックの噺(はなし)を始める。
時は明治44年、オリンピックへの参加選手を決める羽田の予選会。全国から来た健脚の学生たちに刺激を受け、審査員だった三島弥彦(生田斗真)は急きょ短距離走に参戦。
一方、金栗四三(中村勘九郎)は、10里およそ40キロメートルという未体験の長さのマラソンに挑む。ライバルたちとの激しいデットヒートの先に、憧れの嘉納治五郎(役所広司)の待つゴールを目指す!
参考元:第5回「雨ニモマケズ」| あらすじ | NHK大河ドラマ『いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』
GOODポイント
- オリンピックの予選会にて、記録出たらいちいち天狗たちがタイムとか言うんですね。面倒w
- 三島弥彦のキャーキャーされ具合ってのは、ジャニーズアイドルのそれですね。…おや、演じているのは…(笑)
- 日本人初のオリンピック参加で、三島弥彦さんの顔が見えない写真はちょっと笑っちゃいました。ちゃんと顔が見える写真もあって良かったです。
- 志ん生師匠はお酒を飲むと寝ちゃうので、絶対に飲ませるな!って言われていたんですね。酒乱かと思ってびくびくしていました。お客さんも起こさないのが、良い時代ですよね。
- オリンピック予選大会のマラソンが本物の実況のようなナレーションで笑いました。順位変動まで紹介していましたしね。森山未來さん、声も自由自在だし、演技もうまいし、多彩だなぁ。
- 清さん、びっくりするほどダメダメじゃないですか(笑)
- 人が倒れゆく中を走る、まるで地獄、まさに!
- 野口君のパンのつまみ食いは笑っちゃいますね。今のルールならアウトですが、あれもまたよし。レース中にパンを食べたのは本当にあったらしいです!(公式ツイッターより)
- 美濃部孝蔵の車夫は、危なっかしくて仕方ないですね。
- 野口君も四位で頑張った!
- 市電に乗って帰ってくる四三は、まるでパレードのようでしたね。いつの時代でも本気の闘いの後は、観客の興奮も冷めないのかもしれません。わかるなぁ。
- 可児先生が酔っ払って、永井先生に絡んでいる姿は面白かったですね。「生きて帰ってきてくれ~」って良い言葉なんだけど、いじりたくなっちゃう気持ちもわかるw徒歩部の顧問ですから、四三の活躍がうれしかったのでしょう。嘉納さんのこともありましたし。それだけ四三がすごかったってことで、良かった良かった。
- 美川君の中二病に拍車がかかってる!胃までもうすっかり夏目漱石になっちゃって。猫なんぞ撫でて「吾輩は猫である」とでも言い出しそうな勢い。四三がいきなり時の人になって、素直に祝福できない気持ちと、こっそり拍手するところがかわいかったですね。悪い人ではないのよね、美川君。
- 四三が寝ぼけて、美川君を見間違い、お兄さんに説教されていると勘違いするのが面白かったです。いきなり怒鳴られた美川君は「怖い…」と震えていましたね。あれも笑っちゃいました。
- 播磨屋さん、四三に足袋を売ったときはあんなにそっけなかったのに、世界記録とったらちゃっかり宣伝するんだもんな~。だけど、けんかっ早い!江戸っ子ですね。
- シマちゃんは、日本女性のスポーツの先駆けになるのかな?
- 四三が写真を撮ろうとして、笑わせてくれようとする徒歩部の仲間が優しいな~。一緒にポージングしてくれたり、微笑ましすぎる!そして、カメラマンからの要求が「世界を意識して」という無茶ぶり!あれはそういう写真だった…のかな、本当に(笑)
気になったポイント
- マラソンレース後に「胴上げする!」となって、四三がやられるのかと思って驚いていたら、嘉納さんでした。そりゃそうですよね。びっくり。死んじゃうよ。
- 嘉納さん、また嬉しくなってお酒飲んじゃって!糖尿なんだからダメですよ!
感想
二度目だけど、金栗四三の世界記録はアツい!
第1回にすでに見ている、オリンピック予選会なのですが、今回は四三の気持ちもわかるからよりアツい気持ちで見てしまいましたね。
最初は地道にコツコツ、きちんと自分のペースで走っていた四三。徐々にペースを上げて、未知の距離でも臆することなく、練習した以上に結果を出せたように思います。
途中から、「勝ちたい!」とでもいうような、目力の強さを感じました。あの姿は、今の言葉でいうならアスリート。見た人たちは「韋駄天だ!」と呼ぶのでしょうか。
そして、首位だった小樽の佐々木(道産子としてはうれしい!)とのにらみ合い。あれはなんだったんでしょうね。不思議な10秒間でした。あのにらみ合いは、史実だそうです。ますます不思議だ。走っている者だけがわかる、目線での会話だったのでしょうか。(公式ツイッターより)
最後に1位でゴールに向かって走ってくる四三は、帽子の染色が落ちて顔に染みて、隈取りのようで、格好良かったです。やっぱり歌舞伎役者さんですから、似合いますし、本当に格好いい!勢いがある!
そして、世界記録を更新し、ゴールで嘉納治五郎に抱きかかえられました。まさか、こんな形で亡き父親がずっと願っていた、嘉納治五郎にだっこしてもらうという夢が叶うとは。わかっていても、じーんと胸に来るものがありましたね。
「君こそ世界に通用する韋駄天だ」という嘉納に対して、「ありがとうございます」と返した四三。それは言われたことではなく、だっこしてもらったことへの「ありがとうございます」だったのかもなぁ、なんて思いました。
さすがに水を飲まず、「夢になるといけねえ」は志ん生さんの創作でしょうけどね。芝浜で締めるとはおしゃれです。
向上心はすごいけど、韋駄天への道は遠し!
世界記録を出した四三ですが、本人は浮かれることなく、「勝つために」とさらに上を目指しています。勝因の分析をしようという四三に、「どうぞご自由に」とナレーションが呆れてしまう気持ちもわかります(笑)
以前の課題はきちんとクリアし、あとは道具…足袋だけですね。
足袋を買った播磨屋の黒坂さんも、まあうれしそうでしたね。しきりに褒めて、息子をだっこまでしてもらっていましたからね。しかし、四三は…
「走りづらかです」
と、一刀両断。しかも、走る上でこの足袋がいかに向かないかと、ダメ出ししまくりです。段々と黒坂はいらだち、家族も暗い顔に…。四三の「もっと上を目指すには!」という気持ちもわかりますが、言い方がありますよね。
結果、黒坂さんにカミナリ落とされてしまいました。塩までまかれちゃって。足袋は道端を走る用には作られていないわけで、勝手に走って文句を言われたら、そりゃあ黒坂さんも腹が立ちますよね。
でも、結局直してくれそうなんですよね。これはあくまで予想ですけど。足袋屋としてのプライドというか、そこまで言うならやってやろうじゃねえか、っていう江戸っ子の心意気ってやつでしょうか。ただ今の関係は最悪です。これから四三と播磨屋はどうなることやら…。
オリンピックに向けて、日本スポーツの夜明け
とでもいえるような、予選会後の祝勝会でしたね。世界が舞台のオリンピックに送れる選手が見つかり、嘉納は本当にうれしそうでした。たいまつを持って走る姿は、さながら聖火ランナーのようで。
世界。そういえば、四三も写真を撮られるときに、「世界を意識して」と言われていましたね。これからが世界への第一歩。ただ、これもまた前途多難ありそうです。
三島弥彦の苦難
三島弥彦は「自分は審判でもします!」とか言っておいて、しっかりスパイク履いて準備して、結果出す。ちゃっかり感がすごいです。飛び入りで100m、400m、800m優勝なんて、天才ですよね。
この飛び入り参加で3連勝も史実だというから、本当にすごい。(公式ツイッターより)
ただ、やはり家族は認めてくれないわけで。今でいうところの、新興スポーツみたいなものなんでしょうね。「道楽でしょ」と頭から決めつけているような。シマちゃんが代わりに怒っていても、弥彦は「仕方ない」と思っていそうな節があります。
オリンピックに行ってほしいけど、なんだか行かないみたいなことも言いますし、弥彦が本気になる瞬間はいつやってくるのでしょうね。
遊び人が惚れ込んでしまった瞬間にぐっと来た!
オリンピック予選会の日、実は後の古今亭志ん生さんこと、美濃部孝蔵にとっても運命的な日でした。清さんの代わりに車夫をやっていたら、たまたま憧れの噺家の橘家円喬がやってきたわけですよね。
車夫としての仕事は雑ですが、円喬さんの話の練習には思わず聞き入ってしまっていました。ああ、孝蔵はこのしゃべりに惚れ込んでいるだな、と伝わってきました。あんな真面目な顔をする孝蔵は初めて見たかもしれない。だから、本気だなとわかりました。
思い切って「弟子にしたください!」と言って、見ているこっちまでドキドキとしてしまって。思いの外、円喬さんはあっさりと受け入れてましたね。さらっと車夫として使うのも、なんだか粋ですし。
あれだけ賭けまくっていた孝蔵が賭けを止めるというのだから、驚きます。じゃあ円喬が来るかどうかと賭けようとして、「もう賭けは止めたんじゃないのかい!」って円喬師匠が言うのなんて、まあ粋で。くうーこれが落語の話みたいです!
スヤちゃんと四三の行方は…
久しぶりにスヤちゃんがちょこっと出ていましたね。いつもながらかわいいです。四三が世界記録を破り、新聞に載っているのを見て、本当にうれしそうでした。
しかし、父親から「嫁入り前の娘」と明るくたしなめられて、ふと寂しい表情になっていました。このままお嫁に行ってしまうのか、それとも…。スヤちゃんと四三の今後の関係性も気になります!
次回:オリンピックへ行く選手がいない!?
オリンピックに送るに足る選手が見つかったものの、派遣費用が莫大で、嘉納はまた頭を悩ませる。しかも、四三や弥彦は各々の理由でオリンピックには行かないと言い始めて…
これですんなりオリンピックに行ける、というわけではないのですね。悩ましいです。あーすっかり楽しくなってきました。日曜8時がわくわくする時間です。次回も楽しみにしています!
aoikara
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