「とつけむにゃあ!」って言いたいaoikaraです。また方言が楽しい大河ドラマですね。とつけむにゃあ!
というわけで今回のテーマは…
いだてん 第2回「坊っちゃん」感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。
▼いだてん 第1回「夜明け前」記事はこちら
第2回「坊っちゃん」あらすじ
テレビ寄席で志ん生が語るのは、日本初のオリンピック選手となった金栗四三(中村勘九郎)の熊本での少年時代。
学校まで往復12キロを走る「いだてん通学」で虚弱体質を克服した四三。軍人に憧れ海軍兵学校を受けるも不合格に。
身体を鍛えても無駄と落ち込む四三だが、幼なじみのスヤ(綾瀬はるか)に励まされ、嘉納治五郎(役所広司)が校長を務める東京高等師範学校への進学を決意する。
GOODポイント
- 父親が43歳のときの子どもだから、四三という名前というのは、昔はよくあったそうですね。昔バラエティ番組の『水曜日のダウンタウン』で調べていて知りました。
- 西南戦争の最後の舞台となった田原坂が出てきて、ちょうど西郷どんで見たところだったので、かなり「記憶にある!」って感じでした。四三はあんなところを大変そうに走っていたわけですね。はあー、すごい。
- 金栗四三の幼少期のロケーションがすごく美しかったです。あれどこなんだろう。幻想的で、日本にまだあんな場所があるんだなとうれしくなりました。あそこに行ってみたいなぁ。
- 弟思いな四三の兄達に感動!
- 出産の「ひっひっふー」で、走るときの呼吸法「すっすー、はっはー」を編み出すとは!たしかに四三の呼吸法は、耳に残るほど印象的です。
- 謎の合成技術で若き日の志ん生さんが古い動画にはめ込まれていて面白かったです。
- 水浴びで裸になったときに、窓枠で見事に隠す技術力。謎のカメラワーク。いや、面白いんですけどね(笑)
- 相棒の特命係を覗いている人、でもおなじみの志水正義さんが、このドラマの方言指導もなさっていたそうです。そうか、ちょっと生き様を見られたみたいでうれしいな。ご冥福をお祈り申し上げます。
気になったポイント
- 兄に叱られて泣いている四三。本当に中村獅童さんの怒号が怖くて泣いてしまったんじゃないかなぁ、と思わせる演技でした。子どもの頃って、大人が怒鳴るだけで怖くて泣いちゃうよね。
感想
面白くなってきた!
正直、第1話はイマイチ乗り切れなかった私ですが、第2話は「大河ドラマ」という気持ちを一度振り切ってみました。すると、面白い!45分があっという間に過ぎていきました。これは1年間見ますね。
今さら気づいたけど、各回のタイトルが文学作品!
そう、今さらなんですが、各回のタイトルが、文学作品の題名なんですね。第1回の「夜明け前」は島崎藤村の長編小冊。日本で初めてオリンピックが開催されるところから振り返り、日本人が初めてオリンピックに参加するなど遡る、まさに日本とオリンピックの夜明け前が描かれました。
今回の第2回は、夏目漱石に会ったというエピソードから「坊っちゃん」。そして、主人公・金栗四三の少年時代を描くという意味でも、まさに「坊っちゃん」ですね。
まさか思想の父親の胃痛つながりで夏目漱石が登場するとは!その後に顔を知ったのにもかかわらず、子どもの頃に自分を抱え上げてくれた人だとは気づかない四三なのでした。
こういう後からじわじわと効いてくるような脚本の面白さが、宮藤官九郎さんの良さだよな~と感心しております。すごい。
あ、このタイトルについてはブログの別の記事でまとめようっと。
主人公の金栗四三、まっすぐな男を気に入った!
ドラマを面白いと思った理由について、金栗四三のまっすぐさが好きだからだと思います。真面目でまっすぐで、ただひたすら走る。そんな姿に好感を持ちました。
幼少期を演じていたのは、久野倫太郎君。子役ではなく、素人の子なのだそうですね。だから妙にリアルさを感じました。歩き方とか佇まいとか、言葉選びとか、表情とか。弟っぽいほんわかさが良かった。偽物感がない。本当っぽい演技。
さらに大きくなり、往復12kmを走り、中学に上がってからは20kmをひたすら走る韋駄天へと成長。先生が冗談で言ったことを真に受けて、水浴びで風邪予防をしようとして、逆に風邪を引いてしまう。まさに、
「とつけむにゃあ」
熊本弁で、「とんでもない」という意味。金栗四三はとつけむにゃあ男ですね。
そして家族のために、亡くなった父の願いでもあった海軍学校に入ろうとしていましたが不合格。まさか目の検査で落とされるとはなぁ。あんなに体が弱くても頑張ってきたのにね。
美濃部さんも十分にとつけむにゃあ
一方で四三と一歳差の志ん生さん、当時は美濃部孝蔵。11歳の頃から博打だなんて、ぐれた子どもでございます。お父さんが警察官なら、そりゃあ死ぬほど怒られたでしょう。
まあ遊びまくるシティボーイ(笑)で、逃げるために嘘を吐き、逃げる姿は悪い男でしたね。四三とは別に意味でとつけむにゃあ男です。対照的だからこそ面白いですがね。まあ、噺家としては口が達者というのは良い性分なのかも?
逃げ足だけは速いのは、こちらも韋駄天と言えるのか。そして、師匠となる落語家との出会い。美濃部さんから志ん生さんになるのも、サイドストーリーとして楽しみではあります。
ヒロインのはつらつさがかわいすぎて癒やされる
ドラマを気に入った理由のもう一つ、綾瀬はるかさん演じるヒロインの春野スヤちゃんが、もうかわいくて仕方ない。綾瀬さんって年取るたびにかわいくなるね!同性でもキュンとしちゃいます。
ウッキウキで流行歌を歌い、猛スピードで自転車に颯爽と乗る姿は、『ハイカラさんが通る』?あんなでっかい声で歌っていたのに、「あらあ、聞こえていたとは…」みたいに照れる天然さもかわいいです。
やっぱり医者の娘さんなので、品があり、良いとこの子という感じがします。良い意味でね、邪気がなくてかわいいのです。
海軍の学校に落ちて、もう呆然した表情で、思い詰めて橋から飛び降りそうな勢いの四三に対してはつらつさ発揮しまくり。頑張って四三を励まそうとしていました。
四三に対して「でも、金栗さんの奥様になる方は幸せね」ってしきりに言うのも愛らしいですよね。昔、四三におぶわれから思いを寄せていたのかな。ここぞという女性からのアピールなのに、四三が全く気づかず「変わった女だな」くらいにしか思ってないのも面白いです。もう、とやきもきします。
その後は四三も吹っ切れて、スヤちゃんも笑顔。笑顔で歌いながら走る二人は青春そのものでした。
夢破れた四三が、父の悲願を果たす熱い展開
どうやら四三の友人・美川秀信のおかげで、一緒に東京高等師範学校に行くようですね。そこで嘉納治五郎と出会うのか。
四三は幼い頃、「だっこしてもらう」ために父親と一緒に治五郎を訪ねたわけですよね。治五郎にだっこしてもらった子は丈夫になる、と伝え聞いて。しかし、すごい人手で会うことすらできなかった。しかし、父はそれをずっと隠していました。
四三もずっと嘘を吐いて、だからこそ自分は丈夫にならねばと、必死に走ってきたわけです。そして、オリンピック選考会に出て、マラソンで世界記録を塗り替える記録をたたき出す、第1回の話へとつながるわけです。
第1回では、四三がゴールと同時に、治五郎に抱きかかえられていました。ツイッターの感想で見かけたのですが、そのとき初めて四三は、父の悲願だった「嘉納治五郎先生にだっこしてもらうと丈夫になる」を達成できたと見て、「なるほど!」と思いました。
ちゃんとした伏線だったんですね。なんと熱い展開。ぐっと来ました。
こういう細やかな脚本で作られている物語というのは、見れば見るほど面白くなるんですよね。うわー今後の展開がどんどん楽しみになってきました!
次回:マラソンとの出会い!
上京した金栗四三だが東京高等師範学校の寮生活にはなじめず。久しぶりに帰ってくると、スヤが見合いで落ち込み。すると天狗倶楽部に出会い、マラソンの存在を知り…。一方で、孝蔵も落語家への道を歩み始めていた。
ついに四三がマラソンと出会うわけですね。その最中、いろいろかわいそうなことがありそうですが…。次回も楽しみにしています!
aoikara
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