中卒フリーライターほぼ無職。

在宅Webフリーライターaoikaraの日常ブログです。

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anone 第9話 ネタバレ 一つ崩れると全部壊れる

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ブログの遅れに危機感がないaoikaraです。もっと頑張らないとーって自分が自分で思ってしまいます。

 

というわけで今回のテーマは…

 

anone 第9話 ネタバレ

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼感想記事はこちら

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▼anone 第8話 記事はこちら

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第9話 あらすじ・ネタバレ

「つい」

みんなで作った一万円札はATMを通らなかった。唯一、辻沢ハリカ(広瀬すず)がゲームセンターの両替機に通した一万円札だけは通った。そんなハリカが林田亜乃音(田中裕子)の工場に帰ったときに、中世古理市(瑛太)が弁護士の花房万平(火野正平)の首を絞めていた。

 

亜乃音や青羽るい子(小林聡美)、持本舵(阿部サダヲ)が必死に止める。つんのめって、倒れて、理市の手が離れた。万平は死なず、苦しそうにしている。亜乃音の家で飼っている白い猫が騒ぎを察して逃げて、ハリカがその猫を抱きしめる。

 

「殺そうとしたでしょ!」とるい子が理市に言う。「つい」理市は悪びれる様子もなく言う。「穴掘るんなら、3メートル近く掘らないと」万平は咳き込みながらそんなことを言う。

 

騙されたい男

万平を家の中に通し、ハリカがコップ一杯の水を手渡す。それを飲み干し、「あったかいものを」とおかわりを頼み、舵が用意しようとする。「あー寒いな」とぼんやりと万平が言うと、亜乃音がこたつの電源を入れる。理市は棒立ち。

 

万平はこたつに入る。亜乃音がエアコンのリモコンを探していると、理市が見つけてピッとつける。そのまま自分もこたつに入る。自然に入ってきた理市に万平はぎょっとする。

 

「大丈夫ですか?」理市は万平に聞く。「あなたこたつ入りましたね。なんで?」万平が逆に聞く。「え?」理市が言う。「僕を殺そうとしましたね」と万平が言っても、理市は首をかしげているだけ。

 

「僕を殺しても証拠は消せませんよ。また誰かに見つかったら、また殺すの?殺すんですか?一生ごまかしてくんですか?」そう万平は問い詰める。

 

るい子がお茶を持ってきて、ハリカが万平が以前土産で持ってきたきな粉餅を持ってきた。そこで「置いて」「戻して」と噛み合わないことが続き、結局こたつの上に置くことに。「食べにくいから小皿を」と言われて、理市以外が台所に取りに行く。

 

万平は、近くにあったティッシュ箱で理市の頭をはたく。「いって」理市は万平を見て言う。

 

みんなでこたつに入り、きな粉餅を食べながら。万平だけが淡々と諭すように話す。

 

「嘘はね、嘘で隠すしかないんですよ。嘘に終わりはないんですよ。嘘で守った嘘が、結局、君たち自身の心を壊していく」

 

「偽札作りが犯罪だと知らなかったとでも言うんですか?」万平は周りの顔を見回して聞く。「はい」舵が答える。きな粉で咳き込みながら、「知ってました」と答える。「なんで?」万平はその理由を聞く。「取り調べみたい」と言うるい子。「弁護士ですから」と万平は言う。

 

「君、何?」万平はハリカの方を見る。「まだ若いのに。ご両親は?」聞かれたハリカは「いないです」と答える。「いないって?」「亡くなりました」その答えにはばつが悪そうな万平は、「そう」とつぶやいてハリカにお茶を注ぐ。

 

「なんでやったの?何の目的?何のために?」心底疑問に思うかのように、万平は聞く。「あの、仲間に入りませんか?」理市はひょうひょうとした様子でそんなことを言い出す。「ちょっと、この人何言ってるんですか?」意味がわからない万平は困惑したように言う。

 

「あなたを雇います。このことを、守秘義務にしてもらえません」と言う理市に、「守秘義務ってのはね、犯罪を隠蔽するためにあるんじゃないの!」万平は明らかに怒った口調で言う。「この人たちを守りたいなら、仲間になるのが一番いいと思うんです」

 

バンッ!

 

理市の言葉に、万平はこたつの机に怒りをぶつけるように叩く。思わず、きな粉が舞ってしまい、4人は机を掃除する。

 

「使ったの?」と万平に聞かれて、自販機のことを告げる4人。回収したから大丈夫だと。「1円も?」そんな万平の言葉に、理市はATMに偽札を置いてきたことを思い出していた。

 

「僕が黙ってれば何もなかったってことになるわけか」小さくつぶやくように万平は言う。亜乃音が床に手を突き、「もう二度としません!印刷したお金も、機械も、全て処分します!見逃してください!」と頭を下げる。「犯罪者の言いぐさですよ。亜乃音さんからそんな言葉聞きたくなかった」寂しそうに万平は言う。

 

ピーンポーン

 

家のインターフォンが鳴る。やってきたのは万平の息子・三太郎(和田聰宏)。みんなの顔を見て、「どうした?口の周りにきな粉つけて」と言うもので、亜乃音やハリカ、るい子、舵は口をぬぐおうとする。

 

「中世古さん、でしたっけ?ちょっと調べさせてもらったんですけど」三太郎は理市を見ながら話しかけてくる。それは理市の過去。亜乃音の夫の工場で働く前に、ベンチャー企業の社長をしていた。が、インサイダー取引で逮捕されて、刑務所で1年服役してたと。

 

三太郎がさらに詰めようとすると「何でもない」と万平が言う。「何でもなかった。帰るぞ」と。まだ何か言いたそうな三太郎だったが、父親に従う。帰り際、「余計なゴミは早く捨てるように」と5人に告げて、万平は去る。

 

現実

頭を下げて万平を見送ろうとした亜乃音を、理市が急に引き留める。「あの弁護士仲間にする方法ないんですか?なんか弱味とか、金に困ってるとか」理市が言う。

 

「まだそんなことを…」亜乃音が呆れたように言い、「もう諦めましょう。あの偽札使えなかったんですよ。通らなかったんです」るい子がフォローするようにきっぱりと言う。

 

理市は「君のは?」とハリカに聞く。ハリカはうなずく。「使えなかった」と嘘を吐く。

 

警察が動き出す

翌日、理市は偽札を置いてきてしまった銀行を訪れると、まばらに人が集まっている。さらに警察が来ていた。理市はすぐに引き返す。

 

ニュースで、銀行で偽札が使われて、逃げる犯人の姿が防犯カメラに映っていたと報道されている。警察が男の行方を追っていると。

 

亜乃音の家では、亜乃音とハリカとるい子と舵も、朝食を食べながらそのニュースを見ていた。るい子が「うちのじゃないよね?」と言うと、舵が「中世古さんのリストに入っていた」と言う。「えっ、あの人入金しちゃったんですか?」とるい子は驚いたように言う。

 

一方、理市の妻・結季(鈴木杏)は自宅にて、まだ赤ちゃんの娘の相手をしている。テレビのニュースから番組を替えようとして、ATMの偽札のニュースを見て手が止まる。防犯カメラの映像が映し出されていた。黒づくめの格好に、帽子とマスクで顔を隠している男だが…

 

4人はなんだか楽しく

亜乃音の家で、4人は防犯カメラに映っているのが理市だと気づく。るい子は、こういうニュースがあっても捕まったという話は聞かないとフォローする。しかし、もし中世古が捕まったら…。

 

「みんなで逃げますか」亜乃音があまりにあっさりと言う。「え、どこに?」なぜかハリカがうれしそうに答える。「遠足じゃないんだから」とるい子が言う。「北海道とかどうですか?」舵も楽しそうに提案する。まるで、何もなかったかのような、いつもの団らん。

 

パリン、とコップが割れた。唐突に。一瞬、空気が張り詰める。しかし、亜乃音が「かーっ」と手から念力を送っているような仕草をしてみせる。みんなもくすくすとその状況を笑っていた。

 

裏切り

理市が家に帰宅すると、結季のぼそぼそとしゃべる話し声が聞こえる。結季は「間違いありません。あれは夫でした」と電話していた。

 

理市は察して、それでも部屋の中へ。電話を終えた結季は、「おかえり」と今までにないほど冷たい声で言う。「電話誰?」理市は聞く。「ん?うん…よくわかんない」結季は曖昧に答える。

 

「彩月は?」家の中に娘がいないことに気づいて理市が聞く。「お母さんに預けた」冷たく結季は答える。そして、自身も荷造りをしている。理市が外に出ようとして、「どこ行くの?」と結季が聞く。「彩月連れ戻してくる」理市が答える。

 

「あなたにはもう彩月は会わせない」

 

にらみつけるような目で、結季はそう言い放つ。電話は警察にかと理市に聞かれて、結季はそうだと答える。「全然家族のためじゃなかったじゃん!」裏切られた夫に失望しているような口ぶりだった。

 

理市は結季の両肩をわしづかみにして、まっすぐな目で見つめる。「夜勤をしているとき、カラスみたいな真っ黒な服を着た男が偽札を持ってきたんだ」亜乃音たちにも話した、偽札作りのキッカケの話をしようとする。しかし、結季は怖がるように「あなた頭おかしい!」と返す。

 

「完璧な偽札ってあるんだよ!」そう理市は訴えかけるが、「触んないで!」と結季はその手を払いのける。「彩月には近づかないで!」と叫ぶように結季は言い、家を出て行った。

 

理市は表情をなくしていた。そんな理市の後ろには、まだ幸せだった頃の結季との写真が飾られていた。

 

ぶどうぱんを理由に

ハリカは外にいて、ぶどうぱんを食べながら紙野彦星(清水尋也)とチャット。

 

彦星「ぶどうぱん、好きです」
ハリカ「覚えてたから、ぶどうぱんにしました。すごくおいしい」
彦星「食べてみたいな」
ハリカ「お店の名前教えましょうか。病院に近いから、誰かに買ってきてもらえば」
彦星「ハリカちゃん、今度買ってきてもらえませんか?」
ハリカ「今度勝手、看護師さんに預けておきましょうか?」
彦星「部屋に届けてほしいです」

 

そんな彦星の返信を見て、「んっん」とハリカはぶどうぱんを咀嚼していた口を止める。

 

ハリカ「その部屋にってこと?私が彦星君の部屋に行くってこと?」
彦星「ごめんなさい。ぶどうぱんは言い訳です」
ハリカ「言い訳?」
彦星「会いたいだけです。会いたいから、ぶどうぱんを利用しました。無理かな」

 

ハリカはチャットで答える前に、画面を見ながら首を横に振る。「無理じゃない」そうつぶやいてから、少し考えて、

 

ハリカ「わかりました。ぶどうぱん、お届けします」

 

と返信した。

 

決めたこと

病室では、ハリカの言葉を見て彦星が笑顔になっていた。病室に母親がやってくる。深刻な表情で。そしてこう言う。「なんで?香澄さんがせっかく…」

 

「もう決めたから」

 

母親の言葉をさえぎるように、彦星は告げる。

 

ドキドキの時間

その帰り道、ハリカはスケボーに乗るのを失敗したり、心ここにあらずと言った気持ち。道から亜乃音の家が見えて、「ただいまー」とつぶやいている。

 

夕食時、「会うの?会えるの?」るい子と舵がハリカに聞いている。「んーまあ」と答えるハリカは笑みが絶えない。「にやにやしちゃって」と言うるい子に「にやにやしてない」と返し、「もじもじしちゃって」と言う舵に「もじもじしてない」と返す。

 

デートで浮かれている女の子を見ているようだと、亜乃音も含めて皆微笑ましそうにみている。ハリカはそんな女の子らしい自分を隠すように、二人にテーブルマナーを注意してごまかしている。

 

そんなハリカに、亜乃音が「はい」と以前買った服を手渡す。「別にたいしたもんじゃないから」と亜乃音は強い思い入れがないふりをしようとする。ハリカが紙袋から服を取り出してみているときも、「来ても着なくてもいいから」「適当に選んだやつだから」「着なくても良いんだよ」とばかり言う。

 

「着るよ」ハリカは本当にうれしそうだった。

 

そして、ハリカは着てみた。赤いカーディガンに、赤い花柄のワンピース。ふすまからちょこっとだけ見せて、「どうかな?」と聞いて、舵に「見えないよ」と言われてしまう。おそるおそる出てきたハリカに、みんなが「似合ってるよ-!」と褒める。

 

「嘘だ!」ハリカは恥ずかしくてそんな風にしか返せない。「座りなさい」とるい子が椅子に座らせて、髪をとかしてあげている。「耳にかけたら」なんてアドバイスしなgら。

 

舵は微笑ましそうに「おしゃれな女の子に見えます」と言う。亜乃音は「私が選んだの」と嬉しそうに自慢するように言う。

 

幸せな時間

その後はみんなでみかんを食べる。舵が芋虫を作り、亜乃音がでんでん虫を作り、ハリカが腕時計を作り、るい子がブラジャーを作り…とみんなで笑い合っている。

 

舵は楽しくて仕方がないようで、お酒も進んでいる。「人生の理不尽が救われる気がします!」と言う。何があったのかと聞かれて、「人生で3回熱を出したことがあるんです」と舵は言う。それが高校受験と、大学受験と、就職試験の日だったと。

 

ハワイに行けば食中毒になって1日も観光できず、喫茶店行ってコーヒーを頼んだら「なんであんたにコーヒー出さなきゃいけないんだ!」と言われたり…るい子が「もういいよ」と言うように肩をぽんぽんとする。

 

「でもね、僕思うんです。人生何がうれしいって、悲しくて悲しくてやりきれない出来事があっても、いつの間にか笑えるようになるんだなーって。こんなにつらくても、いつか笑えるようになるって思うと、楽しくなりませんか?」

 

そんな舵の言葉に、「持本さん」とるい子が話しかける。「寝てます」見ると、ハリカも亜乃音も夢の中。「悲しい」舵はつぶやく。

 

願い事

舵とるい子は二人で飲み直す。舵はるい子に「幽霊の子、最近出ないんですか?」と聞く。「私の機嫌が良いと、あんまり来ないんです」るい子は答える。「機嫌が良い?」舵は思わず聞き返してしまう。

 

「見えない?」とるい子に聞かれて「全然」と。「いいのよすごく」るい子はそう言う。「なんでですか?」舵の問いに、「ん?」と目を見ながらるい子は言い、「うん」とうなずく。

 

るい子「この間、あなた倒れたでしょ?」
舵「貧血で」
るい子「あのとき救急車呼ばなきゃって。あーだめだ、偽札見られちゃうから呼べないって。大事な人が倒れたのに、救急車も呼べないのか。あー、これが犯罪者になることなのかって」
舵「大事な人?

 

舵はるい子の言葉の別のところが気になってしまう。

 

るい子「いやあたしはね、なんていうか、願い事とか叶ったことがないからさ。思ったときはすぐ諦めるようにしてるんだけど。持本さんとはね、なんか…ずっと一緒にいられるんじゃないかなって、そんな予感がしてるんだよね。ついに、あたしの願いを叶えてくれる。そんな人なのかなーって気がしてる

 

舵は願い事を叶えてやれないとわかっていて、話を聞いていて表情が歪む。やりきれないというように、酒をぐいっと飲む。

 

会いたくない会いたい

 ハリカと亜乃音は布団を並べて寝ている。少しぼんやりとしながら、ハリカは話し出す。「前ね、会わない方がいいって言われて。会うと、一人が当たり前じゃなくなるからって」亜乃音は「そう」と返事をする。

 

「ちょっとわかるの」ハリカが言う。「一人が当たり前って思ってたから」と。「でもね」そう言って、亜乃音の方を見る。亜乃音もハリカを見る。目を合わせて、二人は何か通じ合っているように、にっこりと笑う。

 

「亜乃音さんがしてくれたみたいに、私も彦星君にしてあげられるかな」とハリカが言うよ、「何にもしてあげてないよ」と亜乃音は言う。「お金も用意してあげられなかったし」と。

 

「亜乃音さんは、私におかえりって言ってくれた。ただいまって言わせてくれた」そうハリカは答える。「私も彦星君の居場所になりたい」と。

 

天井を見つめながら、「病気の、ことは…。本当は病気のことは…心配なんだけど」言いながら、ハリカはこぼれてきた涙を手でぬぐう。「笑顔、笑顔で会わなきゃね」そうつぶやく。

 

部屋には、彦星と会うための服がハンガーでかけられていた。

 

近づいてくる

理市はマスクとメガネをつけて、買い物から帰ってくるところ。自宅に刑事らしき人物が来て、インターフォンを鳴らしているのを見て引き返す。刑事はそのまま近所に聞き込みをしている。

 

理市は偽札を作るために借りている物件で、必死に証拠を消す。電子レンジで落としたり、機械を叩いたり。

 

ピンポーン

 

そこでもインターフォンが鳴る。理市は息を潜め、立ち去るのをただひたすら待つ。

 

いってきます

ハリカは亜乃音に買ってもらった服を着て、笑顔で「いってきまーす」と出発。工場にいる亜乃音に手を振り、笑顔のまま歩き出す。

 

入れ替わるように

そんなハリカと入れ替わるように、理市が工場にやってきた。「警察来るかもしれません」と言い、舵とるい子も集まってみんなで証拠を処分することに。慌ただしく、皆で証拠をかき集める。

 

作った偽札は真っ黒なリュックに入れて、二等分にして。全ての証拠は処分するために亜乃音の車に入れる。処分するために理市と舵が車に乗り込む。が、理市は手が震えて、うまく車のエンジンをかけられないほどだった。

 

そんな理市を見て、亜乃音が「奥さんとお子さんは?」と聞く。「陽人君のことを黙ってたら、私と死んだ夫で全部かばいます」と亜乃音は言う。「取引ですか?」理市が聞く。しかし、理市は「僕がやったんだ。これは僕の犯罪です」と言う。

 

車は発進される。るい子と亜乃音が見送る。亜乃音は息を切らし、車を見つめていた。

 

そっち側

車で山奥に来た理市と舵は、穴を掘り、証拠を土の中に埋める。しかし、版と作った偽札を処分しようとしない理市。舵が指摘すると、「版は社長いないと二度と作れないんで」と言う。

 

そのまま車を停めて、二人は降りる。偽札の入った黒いリュックを1つ舵に渡し、もう一つは版と一緒に理市が持つ。「じゃあ僕ここで」と理市は言う。

 

「前に話したじゃないですか。偽札で竜田揚げ弁当を買った男の話」理市は話し出す。「あ、はい」舵が答える。「あの男がいるのは、この世の中から紙きれ一枚分はずれたところです。僕も彼のようになりたい。じゃ」そう言って理市はすたすたと歩いて行く。

 

走ってくる足音がして、理市が振り返ると舵が追いかけてきていた。そして、舵は言う。「僕も、そっちに連れてってもらえませんか?」

 

嵐の前の静けさ

ハリカはぶどうぱんを持って、病院へ。いつも彦星の病室を眺めていた場所から、また病室を見る。彦星は外にハリカがいることには気づいていない。ハリカはそっと手を振る。恥ずかしそうにその手をしまいながら、顔はうれしさを隠しきれていなかった。

 

病院へ行こうとすると、香澄茉歩(藤井武美)と鉢合わせる。そのまま二人で喫茶店へ。「あっつ」二人とも運ばれてきたおしぼりの熱さにびっくりして、顔を見合わせて笑ってしまう。

 

「彦星君の病気のことって知ってるんだよね?」香澄が切り出す。「うん」ハリカがうなずく。そこで、治るためには重粒子線治療が必要だと。とても費用がかかる治療なのだと、すでにハリカも知っていることを香澄が説明する。

 

「私ね、お父さんに頼んで、治療費を用意したの」ハリカは思わず咳き込み、驚く。とんでもない金額の治療費だと知っていたから。「うちのお父さん、株やってて。彦星君、成績優秀だったから、投資みたいなもんだよって。そういう言い方嫌なんだかけど…」香澄は言う。

 

ハリカは困惑した顔になる。そこから表情が歪み、ほっとしたように、ぽろぽろと涙を流す。「ハリカちゃん?」香澄が話しかける。ハリカは、本当に安堵したように、「良かった。良かった…。良かった」と何度も言いながらうなずく。

 

「ありがとう!」そうハリカが感謝を伝えると、香澄は首を横に振る。ハリカの表情が固まる。受け取れないと、彦星から断られたと香澄は告げる。「嫌われちゃった」香澄も苦しそうに言う。

 

「私は彦星君のなんでもないし、そういう形で自分の気持ちを押しつけたのは良くないやり方だった。反省してる」と後悔を口にする。「ん…?」ハリカは要領を得ない。「お金で何とかしようなんてずるかった」と香澄は言う。

 

「お金、あるんでしょ?お金あったら、彦星君助かるんだよ?」ハリカは戸惑ったように聞く。「本人が嫌だって言ってるの!」香澄は強く言い返す。何もわからないハリカは「なんで?」と聞く。「好きな人がいるからって」と、香澄は彦星に言われたことを言う。

 

「ごめんね、割り込みしようとしちゃって。わかってても、好きだから止められなかったんだよね」そう言いながら香澄は表情を歪ませて泣く。そして、「ごめん、そういうことだから」と言って、一万円札を置いて喫茶店を後にする。

 

外に出て行った香澄を「待って」とハリカが追いかける。支払ったおつりを香澄に返しに来たのだった。「いいのに」ぼそっと香澄が言う。「香澄さん」ハリカが話しかけて…

 

初めて会おう

彦星の病室をノックする音。「ハリカです」電話で聞いた声が聞こえる。「どうぞ、入ってください。ドアの開ける音がして、ハリカが入ってきた。手にぶどうぱんを持って。ドアを開けると、ついたてがあって、その奥にベッドがある。

 

「こっち」と彦星が言うが、ハリカは部屋の中に入ろうとしない。ドアを開けたまま、入り口で立っている。「ん?」不思議に思った彦星がついたてをよけようとすると、「あ、ちょっと…開けないで!」とハリカが止める。

 

少しの間。「あっ、そこに、たぶん椅子」彦星が言う。たしかに椅子がある。ハリカはそれにも座らず、病室を眺めている。二人は、相手の言葉を確認するように、ゆっくりと話す。

 

ハリカ「ここでいつも?」
彦星「そう、ハリカちゃんと話してた」
ハリカ「へえー」
彦星「コトブキさんの話聞いて笑ったり…。なんか直接話すの、不思議な感じがする」
ハリカ「うん、不思議」
彦星「声も、顔とかも、想像するだけだったから」
ハリカ「顔とか想像しなくていいよ」

 

ハリカはちょっと笑いながら言う。

 

彦星「背は、割と小さいイメージで」
ハリカ「小さくないし」

 

つっこむようにハリカが食い気味に言う。


彦星「何センチ?」
ハリカ「159センチ。…彦星君は?」
彦星「186」
ハリカ「嘘でしょ」
彦星「ほんとだよ」
ハリカ「そんなおっきかったら頭ぶつけてる」
彦星「普通にぶつけてる。そこの入り口とか」
ハリカ「バンザイしたらおへそ出る?」

 

ハリカは楽しそうに聞く。彦星も楽しそうに返す。

 

彦星「出るけど!今は長いパジャマ着てる」
ハリカ「薄いブルーのパジャマ?」
彦星「うん。言ったっけ?」
ハリカ「前に」

 

彦星「ハリカちゃんは?今どんな服?」
ハリカ「今はね」

 

ハリカは自分の格好を見返すようにしながら言う。

 

ハリカ「花とね、赤い花の、模様の、ワンピース。と、赤いカーディガン」
彦星「いつもそんな感じ?」
ハリカ「んー…そう…だね。いつもの格好」

 

ハリカは小さな嘘を吐く。

 

彦星「ハリカちゃん、子どもの頃も赤い服着てた」
ハリカ「覚えてるんだ」
彦星「覚えてるよ。飼育小屋でアヒルと寝てたとか、3mの木の上からジャンプしたとか」
ハリカ「…覚えてない」

 

ぽつりとハリカが言う。


彦星「森の中に、せせらぎがあって。ハリカちゃん、裸足でそこに入って。気持ちいいよ、こっちおいでよー…。覚えてないかな?」

 

彦星の話を聞きながら、ハリカは感情が溢れないように息をふーっと吐いている。

 

ハリカ「忘れちゃった」
彦星「そっか」
ハリカ「全部忘れちゃった」

 

彦星「ジュース飲む?」

 

そう言って彦星はベッドから立ち上がろうとする。

 

ハリカ「いい」

 

強めに、ハリカが言う。何かを言わなきゃと言うように。

 

ハリカ「もう帰るから」
彦星「え?もう…用事?」
ハリカ「…約束、あって」
彦星「そうなんだ」
ハリカ「映画見て、ご飯食べに行く約束してて。待ってもらってるから」
彦星「そっか…。ごめん」
ハリカ「ううん、大丈夫。入院してる知り合いのお見舞いに行くって伝えたし…。今日はちゃんと話しておこうかなって思ったし」

 

“知り合い”とハリカは言う。

 

ハリカ「なんかねぇ…。もしかして私、勘違いさせちゃってるのかな?」
彦星「…なんだろ?」
ハリカ「私が、まぁ、人に合わせちゃうのが良くないんだけど。結構、変な知り合い作るの好きで。彦星君も、その一人っていうか。ほら、悲しい漫画読んでるみたいに。彦星君の話聞いて、楽しんでた
彦星「何それ?」
ハリカ「彦星君の子どもの頃覚えてないし。そこまで、真剣になられると思わなかった…。ごめんね

 

言いながら、言葉とは裏腹に、ハリカは目にいっぱいの涙をためていた。一つ一つ、その涙の意味が言葉に出ないように必死で、冷静な声を作るようにして。

 

ハリカ「そろそろ、話聞いてるの重荷になってきた」

 

もう、涙が流れてしまう。

 

ハリカ「君のこと、めんどくさくなっちゃった」

 

ハリカの言葉に、彦星は言葉を失う。間があって、それから。

 

彦星「そっか。まあ、わかるけどね」

 

そんな風に言う彦星に、ハリカは見えない場所から、泣きながら必死で首を横に振る。言葉にはできないから。

 

彦星「僕も、僕のことがめんどくさいし。もう、ずっと会ってない人に、話すようなことじゃなかったよね。そうだよね。重荷だよね」

 

ハリカはずっとずっとその言葉に首を横に振り続ける。それでも、

 

ハリカ「良かったー、わかってくれて。じゃあさ、もう連絡するのやめるから。削除するから、そっちもそうしてくれる?」
彦星「わかった」
ハリカ「まあ、すぐに忘れるよ」

 

思ってもないことを言う。そして、

 

ハリカ「じゃあ行くね」

 

病室を後にしようとして、「あっ、ぶどうぱん」と自分の手元にある袋に気づく。何か言おうとしたが

 

「早く帰って」

 

彦星は冷たい声で言い放った。ハリカの目から止めどなく涙が流れて、苦しそうな表情になって、泣き声を上げないようにそっとドアを閉める。

 

ドアが閉まった瞬間、彦星は髪の毛を手でぐしゃぐしゃにして、叫ぶように泣く。ハリカも病室の外で、ドアの前で崩れるように声を殺して泣いていた。

 

そこへ、彦星の弟がやってきた。ハリカそばに近づき、ハリカも気づいてそのまま立ち去る。

 

先生からの手紙

小学校で、陽人(守永伊吹)が帰り際、先生から「お母さんへのお手紙」と渡される。陽人は封筒に書かれている絵を見て、「これ何の花?」と聞く。先生は「はあ」とため息をついて、何も答えずその場を後にする。

 

階段で一人遊ぶ陽人。封筒の中身を見えるように、光に透かしてみる。サイレンが聞こえて、陽人は何か思い出しているような…

 

ここにまで来た

亜乃音は工場で、ホログラムの切れ端を見つけて拾う。誰かがやってきた。それは刑事2人。亜乃音は手に持ったホログラムをエプロンのポケットに入れて、刑事の話を聞く。るい子は階段を降りてこようとしてが、事態を察して家に戻る。

 

刑事はATMで偽札が使われた事件について聞く。「知らないです」と亜乃音は答える。印刷関係の工場を捜査しているという刑事の言葉を受けて、招き入れる。刑事の目を盗んで、るい子が別の場所から外に出てくるのを誘導する。

 

るい子が外に出ると、ちょうど車に一人で乗った舵が戻ってきた。そのままるい子は乗せてもらい、急いで発信させる。

 

刑事は工場について聞く。一年前に夫が亡くなってからは動かしていないという亜乃音の言葉について、疑っている様子はなさそうだ。働いていた従業員について刑事は尋ねるが、「会ってないので」と亜乃音が答える。

 

過去の記憶

玲(江口のりこ)が働いているガソリンスタンドに、メガネとマスク姿の理市がやってきて、ぐいと腕を引く。「しばらく街を離れることになりました」と理市は言う。しばらく会いに来なかった理市に、玲は「私がうざったいから?」と聞く。

 

ガソリンスタンドの裏に、陽人がいた。おとなしくしている。玲は陽人を見て、「あの子ちょっとおかしいの」と様子を心配している。玲は上司に呼ばれる。

 

理市が陽人のそばに寄る。「中世古くん」陽人が気づく。陽人は一心不乱で絵を描いていた。「この絵何?」「僕が火事したの」理市の問いに、陽人が答える。「僕が先生の手紙燃やしたから、隣のおじさん死んだの?」陽人が聞くと、理市は絵を見て呆然とする。

 

それは、燃えさかる炎の絵。画用紙だけでなく、ドリルにまで描いていた。

 

願い事の拒絶

るい子と舵は、車で海の前の風車のところまで来ていた。「どうして処分しなかったの?」偽札を持ち帰ってきた舵に、るい子は厳しく言う。「両替機使えるからもったいないと思って…」と舵は言う。

 

「車で工場に戻ってください。僕はこの金持って、中世古さんと逃げます。落ち合う約束してるんです」唐突に言い出す舵に、「何言ってんの?」とるい子は問いただそうとするが、舵は「いろいろお世話になりました。じゃ、どうも」と言って車を出てしまう。リュックを背負いながら、すたすたと舵は歩いて行く。

 

るい子「何、急に、そんなこと言ってんの?ばか?ばかなの?」
舵「はい、ばかです」
るい子「私のこと置いてくの?」
「邪魔なんで!」

 

今までにないほど、トゲのある言い方をする舵。

 

るい子「温泉は?」
舵「わかんない」
るい子「行くつもりだったのに」
舵「わかんないです」
るい子「この人とずっと一緒にいたいって思ったんですけど」
舵「それはそちらのご勝手で。僕は別に、あなたの願い事叶える、気もないんで」
るい子「ええ?」
「そういうつもり全くないんで。そういう風に思われるのも若干迷惑です。厄介です!」

 

「あっそう」諦めたようにるい子が言うと「はい」と舵が言う。「あっそ」半笑いしながらるい子が言うと「はい」とまた舵が言う。「それじゃ」舵は一人でどこかへ行こうとする。

 

そんな舵を追いかけて、るい子は正面から抱きしめる。「病気、悪いの?どうなの!?」涙声でるい子が聞く。舵の肩を持つように、ぐっと顔を近づけて。「青羽さん、顔が近いです…」ぼそっと舵が言う。

 

るい子「長くないの?」
舵「そっす…はい」
るい子「もう無理なの?」
舵「ええ」
るい子「そう…そっか」

 

やっと正直に話してくれた舵を、るい子はまた抱きしめる。

 

「あたし、看取るから。それぐらいならいいでしょ?それぐらいなら願ってもいいでしょ?」そうるい子が聞くと、舵もるい子を抱きしめ返す。そして、「それぐらいなら願っても良いです」涙声で言う。「ありがと」るい子が言い、「いえ」と舵が返す。涙ながらに。

 

崩壊はすぐそこに

亜乃音の工場では、刑事たちの一通りの調べが終わっていた。何もなく、また従業員が来たら連絡するようにと言われる。ふと、亜乃音がよろめいてしまい、刑事が助ける。すると、床に落ちている紙を見つける。

 

それは、一万円札が印刷されている紙だった。「やっぱりご同行願えますか?」と刑事は亜乃音に言う。

 

ハリカが手にぶどうぱんが入った袋を持ったまま、帰ってきた。道から工場が見える。亜乃音が、連行されようとしている。

 

ハリカは必死に走ってきて、亜乃音の前に立つ。「お知り合いですか?」刑事から聞かれた亜乃音は「いえ、知らない子です」と答える。ハリカは呆然として、亜乃音はそのまま車に乗り込む。

 

ひとりぼっちになってしまったハリカは、目にいっぱい涙をためて、車が走り去るのを見ていた。

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という話でした。いやーもう。もう…。悲しい。ただ平和な日常を見ていたいだけだったのになぁ。長くなりましたので、感想は別記事で書きます。

 

 

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