中卒フリーライターほぼ無職。

在宅Webフリーライターaoikaraの日常ブログです。

スポンサーリンク

anone 最終回 感想 他人の4人だからこその説得力

スポンサーリンク

f:id:aoikara:20180331181634p:plain

説得力が欲しいaoikaraです。人としての説得力に欠けます。重みがほしいですね。というわけで今回のテーマは…

 

anone 最終回 感想

 

です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼ネタバレ記事はこちら

www.aoikara-writer.com

 

▼anone 第9話 記事はこちら

www.aoikara-writer.com

www.aoikara-writer.com

最終回のGOODポイント

  • 名言を聞かされる病院懐かしいですね。あれは逆に嫌だなぁ。普通に診断してほしいものです。
  • るい子が優しかったなぁ。母親のようでした。なんだろう。慈愛に満ち溢れているような。たしかに「たまに優しいからいいの」かも。
  • 鑑別所に入るとき、ハリカがスリッパをきちんと直すシーン。ああいうところにハリカの良さというか、礼儀正しさみたいなものを感じました。
  • 「プーさんのシールが欲しいのに、プーチンの写真を渡した」ってエピソードは笑いました。
  • ハリカの面会のときに対応してくれた刑務官の女性、なんだか私好きです。優しい人柄を感じられました。ハリカの髪を整えてあげるとか、ハリカがあまりにも楽しそうに彦星と話すから「時間だね」と告げるのもためらってしまうところとか。なんかほっこりしました。
  • ハリカが想像する、「もし彦星と一緒だったら」の未来が完全にカルピスのCM。
  • 舵は「何かを生み出したい」という気持ちがとても強かったのかな。花で作っているちぎり絵を見て思いました。その動機も切ない。でも、良い形で表現できて良かったのかも。
  • みかん鍋、やってみていましたね。おいしいそうですよ。

 

最終回の気になったポイント

  • 物語の便宜上仕方がないとはいえ、飼っていた猫を問答無用で誰かに預けるってけっこう迷惑ですよね。玲の家はアパートだし、禁止かもしれないし。戻ってきてから、また猫も戻っていたのは良かったのかな。
  • 有紗はなんで鑑別所に入ってたんだろう。歯が戻ったことと関係しているのかな。

 

感想

正直に言うと少しモヤモヤ…

見終わった直後の感想として、正直なことを言うと…少しモヤモヤとしています。まだスッキリしていなかったり、謎だったりする部分もあって気になるというか。終わり方とかまとめ方としては悪くないのですが、細かいところが気になるというか。魚の小骨が喉に引っかかっているような、そんな感じです。

 

個人的な感想で言うと、ハリカと彦星の関係も未消化な部分があるというか。「流れ星をもう一度二人で一緒に見よう」と約束していたので、そのラストシーンで終わるのかなと思っていましたが違いました。これは要望でしかないのでもやもやするのはお門違いだと理解はできるんですがね。

 

自分の中で「素晴らしい最終回があるはず」とハードルを高くしすぎたのかもしれません。それでもこの作品が好きということは変わらないですし、全体を通して良い作品だったと思います。

 

あくまでハリカの物語なのかも?

主人公はハリカなんですけれど、他の人たちの存在感も強すぎますよね。だからハリカが主人公だということをときどき忘れてしまうほどに。やっぱりハリカにフォーカスを当ててみると、すごく成長を感じられるんですよね。

 

それはハリカの「一人になりたい」という言葉が表していました。今までは一人になりたいと思ってなかったのに一人だった。でも、帰る場所ができたからこそ、自分一人で頑張りたいと思えた。

 

望んで一人になるのど、望まず一人になるのとでは大きな違いがあります。状況は同じなのに、全く違うんです。それがハリカの成長だったのかなと。明るくはきはきとしゃべるようにもなりましたし、見ていて幸せな気持ちになれました。

 

第1話できゅーっと胸が痛くなったのを思い出すと、ハリカが幸せそうなのは見ている側としても幸せなことです。

 

ハリカと彦星の初対面にドキドキ

ハリカが鑑別所に入って、彦星から手紙が来たときはうれしかったですね。なぜハリカが彦星に嘘を吐いたのか。なぜ偽札を作って鑑別所に入れられているのか。今までの言動を思い出してみれば、それが彦星のためだったと彦星本人も気づいてくれたのでしょう。

 

そこで、病室から出られない彦星に楽しい話をたくさん聞かせてくれたハリカのように、鑑別所から出られないハリカに楽しい話をたくさん聞かせてあげようとしてくれた彦星にほっこりとしました。これはハリカがしてくれたことへの恩返しなんだろうなって思って。

 

そして、彦星とハリカは最終回に会うのではないかな、と予想はしていたんですが、面会に来るとは思っていなかったので驚きました。あのときのハリカほどではないと思いますが、ほどほどにドキッとして。

 

すごく二人の歩みってゆっくりで、8話で心を通わせて、9話でやっと会おうとなってでもハリカの優しい嘘で離れてしまって。最終回の10話でやっとここまでたどり着いたなという印象。なんですが、二人の心の距離はすごく近い感じがしました。

 

チャットや手紙でやりとりをしていたときのように、とりとめもない話を本当に楽しそうにしていて。見ていて自然と笑顔になりました。あーなんかいいなぁと。

 

面会時間が終わってしまって、「ばいばい」と振った手が少しだけ触れたのは、すごくドキッとしました。恋愛ドラマの意図的なドキッとさせるシーンなんかよりずっと。すごくキュンとしましたね。

 

そこからもう一度でも、これから何度でも、彦星と会うのではないかなと私は思っていました。しかし、ハリカはそれを否定していましたし、ドラマの中でハリカと彦星の関係がその先どうなったのかは全く描かれませんでした。

 

その展開が寂しい気もしたんですが、どうしてなのかなと考えてみました。彦星は、一旦ではありますが、病気を治すことができたのでしょう。ハリカは本当に心からそれを喜んでいました。ハリカの目的だったんですよね。ずっと。

 

自分の力であろうが、自分の力でなかろうが、彦星が助かってほしい。生きていてほしい。それが目的で。その先の未来に自分がいようといまいと構わなくて。だからこそ、大金が必要で偽札作りに手を出したのですから。

 

私だったら、あれだけ心が近づいていたら、「もっとそばにいたい」と思ってしまう気がします。だけど、ハリカは本当に彦星が生きてくれてさえいればそれでいいと思っていて。その思いってすごく尊いですよね。

 

そして、彦星自身も自分が生きていくということが、ハリカから離れていくような気がすると言ってて。たぶん、二人はもう会わないのでしょう。切ないけど、きっとそれもそれで正解だったのだと思います。

 

舵はるい子と過ごせて幸せだったろうな

舵は亡くなってしまいました。切ない。でも、余命宣告されて、るい子と出会ってから舵はとても幸せだったのではないかと思います。嫌な友達が自殺するとか、誘拐するとかいろいろありましたけど、亜乃音とハリカにも出会えて。

 

4人で過ごすあの空間に、舵は心から幸せそうでした。自分の人生を大きく動かしてくれるるい子に惹かれて、一緒に過ごせて幸せだったと思います。

 

舵がいなくなってしまった後の、バラエティ番組に偶然出ちゃった舵の映像はずるいですよね。好きな色って聞かれて、「あおば」って答えて。もう聞けない「好き」ってことをね、思いがけない形で知るなんて、泣いちゃうよなぁ。切ないよなぁ。

 

でも、るい子で良かった。だって、死んでも幽霊として会話できるから。舵は素晴らしいパートナーと最期のときをすごし、そしてこれからも生活できるんです。素晴らしい出会いだったのですね。

 

るい子と舵が挙げた花言葉を調べてみた

舵とるい子が話していた花が気になって、花言葉を調べてみました。全て春の花なんですね。

 

舵が言っていた花
  • スイカズラ…愛の絆、献身的な愛
  • アヤメ…希望、良い便り・メッセージ、情熱、信じる者の幸福
  • ヒトリシズカ…静謐、隠された美

るい子を思ってのメッセージだったのかな。

 

るい子の言っていた花

  • 桔梗…永遠の愛、誠実、清楚、従順
  • スミレ…謙虚、誠実、小さな幸せ
  • ハルジオン…追想の愛

これもまた舵を思っての言葉のような気がします。追想の愛というのが切ないですね。

 

理市は何がしたかったのだろう

理市が偽札を作った理由って、結局はっきりしませんでしたよね。ハリカの言う「自分のルールで生きていきたい」が一番理由に近いのかもしれません。犯罪者が「自分のルールで生きていきたい」って最悪の発言ですけどね。

 

理市から出た、「弟」「暴力をふるう奴が嫌い」「俺は逃げた」というワードも合わせて、偽札を作ろうとした理由を考えてみました。

 

理市の過去を想像してみる

理市はおそらく父親に暴力を振るわれていたのでしょう。弟と一緒に。弟のことを「いた」とか「8歳だった」と過去形で言っていることから、もう弟はいないのでしょう。想像ですが、父親に暴力で殺されてしまったのではないかと。そして、自分は逃げたと思っているのではないかと。

 

時が流れて、理市は会社を立ち上げます。奥さんと出会い結婚します。しかし、横領で逮捕されて会社は辞めさせられて、刑務所に1年収監されることにもなりました。

 

この横領って誰かに騙されていたのだと思ったんですが、そういう描写はなかったように思いました。妻の結季が「会社を奪われて」と言っていましたが、あれは単純に逮捕されてやめさせられたことを言っていたように思います。

 

つまり、理市は自分の意思で横領していた。そこに金への執着心を感じました。だから、小さい頃の家が貧乏だったのかなと。お金がないから父親は暴力を振るい、だからこそ「金がなければ幸せになれない」と思い込んでしまったのではないかと。

 

そして、出所後は弁当屋で働き、小さいアパートに住み、娘も生まれて暮らしていたわけです。そこに、完璧な偽札を持った男が現れた。これが理市の転機になってしまったのではないかと。

 

世の中のルールがあって、その中で生きているはずなのに、自分は父親に暴力を振るわれていた。その父親は弟の命を奪った。世の中のルールがあるはずなのに。しかし、自分が悪いことをしたら、世の中のルールで罰せられて全てを奪われた。

 

世の中のルールってなんだ。自分を守ってはくれないのに、どうしてこんなものに縛られなきゃならないんだ。だったら、俺は自分のルールで生きていきたい。

 

その自分のルールが偽札作りになったのではないかと。「そちら側の人間になりたい」と言ってましたし。私はなんとなくこういう解釈をしています。

 

陽人だけは助けたかった理由

嘘を吐き、人を脅迫して、自分のルールを全うしたかった理市ですが、陽人だけは救おうとしていましたよね。おそらく自分の弟と重ねたのでしょう。救えなかった弟と。

 

弟と重ねて見ていたと思うと、理市の人間らしい部分が陽人によってすごく引き出されていた理由も頷けます。ずっとずっと弟を救いたかったんじゃないかなと。それができないから、すごくもがいているのではないかなと。

 

だからこそ、あんなに自分のために嘘を吐いていた理市が、陽人のために嘘を吐いていました。火事は陽人の仕業ではなく、自分がやったことだと。

 

火事に関しても理市が意図的にライターを置いていったようにも感じますし、どうしても偽札が作りたくて仕掛けたことのようにも思えて、諸悪の根源じゃないかという気もしてしまいます。そういう意味でも「俺がやった」と言ったのかもしれませんね。

 

亜乃音と玲の関係の修復が心からうれしい

 亜乃音と玲が初めて母と娘として笑顔で向き合っていて、あのシーンもすごくうれしかったですね。自然とほほえんで見てしまいました。

 

二人の心を融かしたものは、一つのキッカケがあったというよりは、いろんなことの積み重ねでしょうね。

 

陽人君が亜乃音の家に行くとすごく楽しそうにしていることにも心を動かされたでしょうし。偽札で捕まって理市と亜乃音が関わっていて、それがどうやら陽人と玲のためらしいと感じるところがあったとか。

 

玲としては、もう許しても良いと思っていたのかも。許したいと思っていたのかも。いろんなことの積み重ねで、「お母さん」って言いたくなったのだと思います。いろいろあったけど、良かったな。

 

 偽物が幸せを作ることもある

このドラマのテーマは、おそらく“ニセモノ”。偽札によって人と人を結びつけて、偽の家族だけど本当に幸せに過ごす。嘘も重なる。そして、偽札作りによってめちゃくちゃになっていく。だけど、また元通りにもなっていく。

 

きっかけはニセモノだったけれど、そこにある喜びとか悲しみとか、絆とかはニセモノじゃないんですよね。本物なんですよ。ここにいて幸せだなとか、理解されなくて切ないとか、それは本物で。

 

うまく言葉にできず漠然としか書けないのですが、おそらくそういうもの。偽物だらけだけど、あの空間やあの感情は絶対に偽物じゃなかったよと、空虚ではなくそう感じられるのです。

 

この4人が幸せだから説得力があるのかも

ラストはハリカと亜乃音とるい子と幽霊の舵とで、流星群の流れ星に願いを込めるシーンで終わりました。先述したように、私はこれがハリカと彦星の二人のシーンなのではないかと予想していたわけです。

 

でも、この「偽物だけど本物」と思えるためには、他人の4人だからこそ説得力があるのかもなと思ったんです。

 

そもそも、家族ってスタートは他人なんです。他人の男性と女性が(もちろん同性同士もあるけれど)恋人になりましょう、夫婦になりましょうって。他人だけど、他人じゃなくなることができる。ハリカと彦星なら。そういう物語はたくさんあります。恋愛作品でもたくさんあります。

 

そうではなくて、4人は全くの他人なんです。両親に捨てられた少女に、夫に先立たれた孤独な中年女性に、恋人に捨てられて友達に騙され続けて余命がわずかな男に、家族に存在を否定され続ける女性に。全員が他人。

 

だけど、その他人の4人でも心が結びつけば、家族になれるんだってこと。ドラマ「カルテット」にも通じるところがありますね。たしかに家族としては偽物かもしれないけれど、みんなの関係性は本物なんだよと。

 

「偽物が本物になる」という説得力は、この4人だからこそ生まれる。だから、4人で流れ星に願いを込めていたのかなと。説明されていないだけにいろいろ想像してしまって、私はこんな解釈をしました。

 

もう一度見直そうかな

とうわけでanoneを全て見終わりました。「どんなドラマ?」と誰かに聞かれると、すごく説明が難しいです。たぶん、それぞれで答えが違うだろうし。でも、「面白い」と思ってくれる人となら、私はとても仲良くなれそうだなと思います。このドラマみたいにね。

 

一旦全てを見て、いろいろ理解した上で、もう一度最初から見直してみようかなと思います。噛みしめながらね。良いドラマでした。3ヶ月間、ありがとうございました!

 

 

aoikara

 

▼anone 記事一覧はこちら

www.aoikara-writer.com

スポンサーリンク