私の正義は…まだまだわからないaoikaraです。たしかに正義感はあるはずなんですけどね。いったい何かと問われると、一言で説明するのは難しいです。
というわけで今回のテーマは、そんな正義を問う…
相棒17 第4話「バクハン」感想
です。
※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。
▼相棒17 第3話「辞書の神様」記事はこちら
第4話 ゲスト
- ゲスト:中野英雄 長谷川公彦 崎本大海
- 脚本:真野勝成
- 監督:橋本一
第4話「バクハン」あらすじ
組織犯罪対策四課の賭博担当、通称バクハンの課長・源馬(中野英雄)の指揮の下、過去最大規模の裏カジノ一斉摘発が行われ、広域指定暴力団・武輝会の資金源に大ダメージを与えた。
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)も摘発に駆り出されたのだが、右京はその際、摘発を逃れた店があったことに気づき、源馬が裏で手引きしているのではないかと疑う。
組対五課の角田(山西惇)は、戦友のような源馬をかばい、手を引くよう釘を刺すが、右京は捜査を続ける。
そんな中、賭博業者との癒着で源馬をマークしているという生活安全部の刑事・百田(長谷川公彦)と久我(崎本大海)が、特命係に協力を要請してくる。
右京は、二人への協力を約束するが、亘は「角田課長を裏切れない」と言って、源馬の内定捜査から降りる。さらに、裏では特命係の廃止を目論む副総監の衣笠(杉本哲太)も暗躍していて…!?
参考元:第4話「バクハン」2018年11月7日(水)|ストーリー|相棒 season17|テレビ朝日
GOODポイント
- 右京さんが裏カジノの現場にいるシーンは面白かったですね。仮に反社会的勢力で極悪な内面性でも、美学を求めるようなキャラクターなんだろうなぁと思いました。トランプ飛ばすのお上手。
- 組対四課からスカウトされる冠城君。右京さんに「どうします?」と聞いたら、「僕は構いませんよ」と返されて、焦っていて笑いました。ちなみに青木君はにやっと笑ってましたw
- 衣笠副総監、今回スイーツ食べまくりでしたね。ロールケーキに丸いケーキ(なんだあれ?)、おかき?そういえば前から甘い物よく食べていますよね。甘党キャラ?だったらお茶淹れる甲斐さんとうまくやりそうなものなのに。
- 冠城くんは歴代2位の長さで特命係に在籍している、というのは笑いました。1位はもちろん…亀山君ですよね。そんなことを思い出してなんだかうれしくなりました。こういうところも真野さんらしさかな。最下位はもちろん陣川君ですねw
- 冠城君の在籍期間で、内村刑事部長と中園参事官が賭けをしているのには笑いました。お金は掛けちゃダメですよ。まさに違法賭博ですよ。
- 右京は走る、冠城は踊る、特命係カオス!青木君は…?
- 伊丹と芹沢のおとり捜査は笑っちゃいましたね。芹沢の新キャラ「滑川」印象強すぎですwたまにスーツ姿以外の格好だと、面白い率が高いですよね。クリスマスの着ぐるみとか。
- 衣笠さんってダメな人を切り捨てるイメージだったけれど、青木君といい久我さんといい、意外と面倒見が良いですよね。
- 源馬さんが焼肉屋で一人でぽつんといるところ、切なすぎて泣けてしまう。あのシーンを見ると、胸がぎゅっと締め付けられるようです。
気になったポイント
- 大木さんがいませんでしたね…。山西惇さんによると、体調が優れず撮影をお休みされていたそうです。組対の話なので出てほしかったなぁ。捜査にも、角田課長を止めるのにも、大木さんがいなきゃ…つらい。
- 特命係コーヒーメーカー壊れる事件。角田課長と、地味に青木君も困ってるんですよね。青木君、全然触れられないのだけれどw
- 大河内さんの部屋変わっていませんか?といっても、結構前の記憶ですが…。首席監察官より前の記憶かもしれない。
- 特命係に来てから訪れるのが割と難しい花の里に、今回のゲスト枠の百田さんと久我さんがあっさり来ていましたね。もっと敷居が高いと思っていたのになぁ…。
- 裏カジノ摘発で置いてあった、トランプのカードのキングとエースが気になりました。どちらも最も強いカード。右京さんと冠城君という、最強の二人を表している演出かしら?
- シャブ山シャブ子、怖いよ~。演じた女優さんが話題になってますね。こういうスポットもあるんだなぁ。そして薬物に関する正しい知識も啓発されるなど、世論を巻き込んでおります。
感想
ずっと目が離せない
予告から角田課長との確執か決別かと、胸がざわざわしていました。もう何が起こっても受け止めようという態度でしたが、最悪の事態は免れてほっとしています。やっぱり特命係の隣には角田課長がいて、ときどき「暇か?」と来てほしいのです。
とはいえ、ヤクザの抗争に巻き込まれて刑事一人があっさり殺されたのは真野さんっぽかったですが(割とすぐ死ぬ感じ)。結局何が正義で何が悪いのか、どうしたら誰かが死ぬこともなかったのか…。
どこから間違っていたのでしょうね。どこからと言われると、きっと違法捜査からダメだったのでしょう。でも、そのおかげでさまざまな悪を断ちきることもできていたわけですし…難しい。
展開というよりは、人物の心情の変化が細やかで、最後まで目が離せませんでした。真剣に見入ってしまう話でした。
源馬さんの正義にも理解できることがある
源馬さんは憎き相手というわけではないんですよね。方法は間違っていたけれど、“必要悪”で逆に大きな成果を得ていた部分もあるわけですから。
話の通じない反社会的勢力を相手にしているわけで、恨みも買って奥さんまで傷つけられて。子どもまで失って。その復讐心という激しい感情だけではなく、あくまで警察官として源馬さんの正義を貫いていたと思います。
「俺たちが相手にしているのはそういう奴らなんだ」という言葉が、あまりにも重々しく伝わってきましたし。決して復讐心だけではなかったと思います。
そのために息子同然に感じている和氣君を巻き込んでしまったわけですが、なんというか、相棒ではない作品なら正義としても描かれそうですよね。一人は警察で、もう一人はヤクザとして、一緒にある組を潰す。私も二人の思いに揺らいでしまう部分は正直あります。
ただ、やはり右京さんの言う「子どもだと思っているなら、あなたの復讐に巻き込むべきではなかった」ことも正義で。そうなんだよね。それは真意がどうあれ利用している人と結果は変わらないから。警察官として、闘うべきだった。
本当にヤクザのようなやり方をする源馬さんでしたが、「落とし前」と振り上げた拳で右京さんを殴らず、直前で止めました。あそこで全く微動だにしない右京さんもすごいのですが、止めた源馬さんにも驚きました。
「俺も警察官なんだよ」というのが良かった。源馬さんも警察官として、方法は間違っていたけれど、正義を貫いたのだと思います。でも、今回辞めてしまうのは、仕方のなかったことだとも私は思います。
右京さんは正義の味方
故小野田官房長は言いました。「杉下の正義は暴走するよ」と。そんな言葉を思い出させる話でもありました。
右京さんには敵も味方もないんですね。恩義とかじゃない。杉下右京という個人的なポジションではなく、警察官という立場から見て、法を犯して証拠があれば誰でも捕まえる。だから、冠城君の言う通り「正義の味方」。
そうだよなぁ。昔の同僚だって(Pre Season 第1話で)、現在の同僚だって(カイト君)、捕まえた人ですもんね。それがたとえ角田課長だとしても、捕まえるのが右京さんでしょう。それは薄情なのかもしれません。
衣笠副総監も言ってましたが、それをできる人は稀有なんですよ。情にほだされるなんてことは当たり前のようにあるわけで。それで孤立した結果が“特命係”。衣笠さんとしては、どんどん孤立してほしい限りでしょう。
でも、右京さんの正義に共感する人は少なくない。だから“相棒”がいるんだなと。今回の冠城君は、まさに相棒でした。
おそらく本当に孤立するのは青木君みたいなタイプ…。
冠城君は相棒
冠城君の相棒も長いですよね。歴代2位と言われるシーンもあり、たしかになぁと思いました。私としては冠城君が好きなので、交代せず長く続けてほしいなと思っています。
そういう私の個人的な思いだけではなく、冠城君は右京さんの相棒として成長していますよね。今回もきちんと察知して一度手を引き、協力が必要になってからまた手を貸す。全てわかっていた。右京さんも冠城君も。
二人の関係って、性格上お互いに適当に扱うこともあるんですが、でも何か絆があるというか。他の人には理解し得ない信頼関係があるというか。この話を見て、「あ、この二人って相棒だ」と感じました。冠城君もかっこよかった!
角田課長がそばにいてくれて良かった
今回は本当に冷や冷やしました。最初に特命係のコーヒーメーカーが壊れたというのも、なんだか嫌な暗示のような気がして。角田課長と特命係の関係も壊れてしまう、というような。
あんなに穏やかでコミカルで優しい課長が、右京さんの胸ぐらを掴むほどに怒ってしまいました。第三者の立場から見ると、どちらの言い分もわかるんですよね。
角田課長からすると、一緒に組対を作り上げてきた源馬さんのやり方を右京さんが全否定し、しかも退職まで追い込んだのですから、情に厚い課長としては許せないだろうなと。必要悪として自分たちの仕事のためには仕方ないという思いも理解できました。
一方で、右京さんからすれば必要悪などない。ただの悪。違法捜査をしてその証拠があるのなら、それを提出して、結果として一人の刑事が退職するのはあたりまえのこと。間違ってはいない。
だからもどかしいんですよね。だけど、右京さんは立場によって見方を変えたりはしません。良いことは良い、悪いことは悪い、法律に則るのが警察官の仕事として全うしているに過ぎません。時効や裁判員裁判の話などでは「(法律や制度が)十分ではない」というようなことも言ってましたが。
角田課長の本音としても源馬さんを心配している部分もあったし、それを自分は止められなかった負い目もあった。だから止めてくれた右京さんの正義にも理解を示してくれたわけです。
そして、課長は壊れたコーヒーメーカーを修理に出してくれたんですよね。歩み寄ってくれるのはいつも課長から。本当に優しい人ですよ。
休憩室として特命係にやってきて、右京さんに「おまえは最後まで俺といろよ」は、暴走したら止めてくれよという信頼の言葉かなと。
あー良かった。特命係には角田課長がやってこなきゃダメですよ。軽い関係なだけではなくて、警察官として深い部分でもつながっている感じが良かったです。とにかく、良かった。これからも角田課長、よろしくお願いします!
次回:すごいネタ回の予感…
証拠品捜索のため、夜の神社にやってきた右京と冠城は、不審な男と出会う。男が完全犯罪で誰かを殺そうとしていることに気づく右京。男は星野といい、天才天文学者だった。彼は結婚で幸せの絶頂のはず。なぜ殺人を?しかし、過去にも星野の同級生の少女が爆発事故で亡くなっており…
ゲスト:木村了
脚本:根本ノンジ
監督:橋本一
なんというか、次はネタ回の予感がします。面白くも面白くなさそうにも振り切れそうな感じが。良い意味で、です!右京さんが初対面の相手に完全犯罪だとなぜ気づくのかも気になります。相棒では初の脚本家さんなので、それも期待しています。
aoikara
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