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相棒17 第3話「辞書の神様」ネタバレ 言葉に取り憑かれた男の物語

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最近辞書を買ったaoikaraです。小学生のときの国語辞典、高校のときの電子辞書ぶりかなぁ。紙の辞書は本当に久しぶりです。

 

というわけで今回のテーマは、そんな辞書の話…

 

相棒17 第3話「辞書の神様」ネタバレ

 

 です。

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方はドラマを見てからどうぞ。

 

▼感想記事はこちら

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▼相棒17 第2話「ボディ~二重の罠」記事はこちら

www.aoikara-writer.com

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第3話 ゲスト・スタッフ

  • ゲスト:森本レオ 森田順平
  • 脚本:神森万里江
  • 監督:権野元

 

第3話「辞書の神様」あらすじ・ネタバレ

被害者は辞書の編集者

都内の公園で、メッタ刺しにされた男の遺体が見つかる。捜査一課の伊丹憲一(川原和久)と芹沢慶二(山中崇史)が捜査。刺し傷が多いことから怨恨を疑う。目撃者はまだいない。

 

被害者の男は文礼堂出版社の編集者・中西茂(天野浩成)。『千言万辞』という辞書の編集をしていた。

 

特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)もちゃっかり現場にいる。殺された中西の財布を調べてみると、キャバクラや相席酒場、個室バーなどの名刺が。冠城は辞書の編集者は硬派だと思っていたが、「チャラい」と中西のことを評する。

 

 

伊丹は勝手にやってきた特命係にいらいら。どうやら千言万辞は右京の愛読書らしく、「千言万辞寝る前の楽しみの一つなので」だそうだ。

 

辞書について「どれも一緒でしょ~」と言う芹沢に、「とんでもありません」と右京は言う。辞書によって見出し語も語釈も全く違うと。

 

文礼堂から2つの辞書がでているが、『文礼堂国語辞典』は学習用の辞書、『千言万辞』は引くためではなく読むための辞書と言われているとも右京は説明。伊丹は全くもって興味なさげ。

 

右京は「夢の語釈などまるで詩のようですよ~」と続ける。

 

「夢。それを語る時誰もが少年少女の顔に戻り、生きる喜びとなる。叶わないことの方が多く、叶えばこの上もなく幸せだが、それがいつしか当たり前となれば輝きを失う。叶っても叶わなくても、淡い思いの残るもの」

 

冠城は「深いなぁ」と納得顔。芹沢も「わかるわあ」と共感し、警察に憧れて島根から上京したことを話そうとするが、伊丹にたしなめられる。伊丹には“夢”は響かず。

 

右京と冠城は遺体も確認。メッタ刺しなので憎しみが強いのかと冠城は考えるが、右京から浅い傷もあると指摘される。

 

鑑識の益子桑栄(田中隆三)によると、一度では致命傷にならず何度も刺したのだろうとのこと。それも鋭利な刃物ではなく、おそらくはペーパーナイフで。独特な凶器に気になる右京と冠城だった。

 

被害者とのトラブル

右京と冠城は文礼堂出版社の辞書編集部を訪れる。部長の和田利広(酒向芳)から話を聞くことに。編集部には千言万辞の原稿もある。応接用のテーブルの上にも、編集中らしき付箋がたくさんはられた原稿があり、和田は急いでよける。

 

和田によると、昨日は中西から公園で先生と会うと電話で聞いたと明かす。“先生”とは、千言万辞の主幹を務める大鷹公介のこと。要件は主幹交代のことで。

 

辞書を作るとき、普通は有識者の先生を集めて会議をし、作業分担をする。しかし、千言万辞は全て大鷹一人の手で作られていると、和田は説明する。

 

しかし、中西は大鷹のこだわりの強さで作業が遅れことに辟易し、「国島さん」に主幹を代わってもらおうと言い出したのだった。

 

中西は辞書の厚みを変えず収録語が増やせるように薄紙作り取り組んだり、今風の装丁に変えたり、積極的に動いていたとのこと。千言万辞が出版間近ということもあり、部長として和田は主幹交代を認めざるを得なかったと話す。

 

変人

右京と冠城が向かっている途中、女子高生の話をこそこそと聞いている怪しい男(森本レオ)が一人。傍から見ると、スカートの中を覗いているようにしか見えない。

 

その男をとっつかまえる冠城。ところが男から「掴み損ねたじゃないか!」と逆に怒られる。男が手にしていたメモ帳を拾った右京は、彼が大鷹公介であることに気づき、本人も認める。

 

「僕ファンです!」と言う右京に、「あ、あ、ありがとう」と少しどもりながら返す大鷹。さっそく右京は先ほど大鷹がメモしていた言葉を読んでみる。

 

「ここでえんかとかまじまんじ」

「びょうでわいたわー」

 

女子高生が話していた言葉のようだ。「えんか…エンカウンター、遭遇の意味でしょうかね?」右京は嬉々として若者言葉を予想。「まじ卍、君わかりますか?」と右京に尋ねられた冠城は全くわからず、「意外とおじさんですね」と右京から言われてしまう。冠城は、こういった言葉は辞書を作る人が一番嫌う思っていたと言う。

 

大鷹は憤慨してメモを奪い返し、「言葉というのは、石ころみたいなもんなんだよ!」と言う。「最初は手触りが悪いが、使い込んでいくうちに過度がとれで光輝いていくものなんだ!例えば…愛というのは振り向いても振り向いても、また振り返ってしまうものなんだ。心というのは!」と熱く語る。

 

「だから、おまえのせいで貴重な変化を取り逃がしちゃったじゃないか!どうしてくれるんだあ!」と大鷹は冠城の胸ぐらを掴む。焦る冠城、楽しそうな右京。

 

偏屈で唯一無二な辞書作りの男

大鷹公介はそこそこ大きな自宅に戻り、作業場でさっそく先ほどメモしたことを書き直している。右京と冠城もやってきて、家の中にいる他の人物から話を聞くことに。

 

まずは、3年前から契約社員として働いている宮内友里子(鮎川桃果)から。用例採集といって、大鷹が集めてきたまだ辞書にない言葉をデータとして入力する仕事などをしていると説明。

 

冠城は大量の新聞を指し、「何日分ためちゃったんですか?」と聞く。「今日のです」友里子にさらりと答えられ、冠城は驚愕。全紙をしかも2部ずつ集めている。大鷹はすぐ切り取ってしまい裏が読めなくなるので2部ずつとっているのだと、友里子が説明する。

 

昨日については、久しぶりの休みで友達と買い物だと話す。忙しさについて尋ねると、「出版間近だから」と答えるのは大学教授で共同編集者の国島弘明(森田順平)。実際に忙しそうで愛想がない。昨日は終日大学だったとも言う。

 

大学教授との両立は大変ではないかと右京が尋ねると、「普通」だと答える。言語学者として辞書作りに強力する大学教授は多いと。ただ、学者の本業は「論文を書くことだ」と国島は言う。

 

「では、千言万辞の第三版は本業がお忙しかったんですね」と言う右京に「え?」と国島。巻末に名前がなかったからと右京が言うと、「よくご存じですね」と国島は驚き、「ええ、そうです」と答える。

 

また、辞書の改訂は7年おきなので、とても辞書だけでは食べていけないとも国島は言う。「食っていけるのは先生くらいですね」と大鷹のことを言う。大鷹は千言万辞に専念するために大学教授を辞めてしまったほど。「今や辞書と言えば大鷹公介ですからね」と国島は言う。

 

昨夜のこの家の上京について、大鷹一人だったのかとも尋ねる。「佐知江さんがいた」と友里子が説明。週に3日来るお手伝いさんとのこと。

 

冠城は大鷹に、昨日中西から来た電話を取ったのは、大鷹なのか佐知江なのか尋ねる。しかし、大鷹は答えない。冠城が再度尋ねると、「君は…電話を取ると言うんだね。出ると言うんじゃなくて」と質問を全く聞いていない大鷹。「家の電話だから?携帯でもそう言うのかね?」さらに尋ねる。

 

「きっと佐知江さんが出たんですよ」と答えたのは友里子。自分たちが大鷹より先に出るのは当然だと。

 

右京が「中西さんと会って何を話されたんでしょう?」と尋ねると、

 

「いい加減にしろー!!!」

 

と大鷹は怒り出し、立ち上がる。向かったのは国島のところ。

 

「あそこにあったペットボトルは?ラベルは原石なんだ!言葉というのは一期一会なんだ!いつもいつも言ってるだろうが!何年俺の下でやってるんだ!」

 

と怒り飛ばし、国島も「すみません…」と謝っている。「先生、まんじゅう」と慣れた様子で友里子がまんじゅうを差し出す。大鷹は怒りが引いたように「あ、ありがと」と言い、3個も取ってそそくさと作業場に戻る。

 

「よかったら」と友里子は右京と冠城にもまんじゅうを勧め、冠城はありがたくいただく。

 

大鷹はまんじゅうをおとなしく食べている。そばで右京が作業場をチェックすると、「平成9年 千言万辞出版記念」と書かれたペーパーナイフを見つける。他のペーパーナイフも合わせて、預からせてほしいと言うと、「ん、いいよ」と、先ほどとは打って変わって穏やかに答える大鷹だった。

 

新事実

大鷹が持っていた出版記念のペーパーナイフを、鑑識の益子に調べてもらったところ、遺体の傷跡とぴったり一致した。しかし、血液反応はなし。しかも、指紋すら出ない。

 

鑑識には伊丹と芹沢もやってきた。「できたか?」と伊丹は益子からスマホを渡してもらう。「自分らばっかり活躍してると思ってるだろ?残念でした!」と伊丹は嫌味を飛ばしつつ、スマホを見せる。

 

中西のスマホに入っていたメッセージアプリには「こーちゃん」の名前。どうやら大鷹とのやりとりらしい。古いデータは消えてしまうが、鑑識に復元してもらったとのこと。

 

冠城は気になり、メッセージを遡ってみる。すると、中西と大鷹は序文を国島に任せるという話をしている。序文は主幹が行うもの。つまり、二人の間ではすでに主幹交代の話はしていたということになる。となると、なぜ中西は大鷹を公園に呼び出したのか。

 

そもそも、国島は初版と第二版に協力していたものの、第三版は外れていた。なのに、なぜ今回また協力をすることにしたのか。「横取りするために戻ったのかもしんねえな」と伊丹は言い、スマホを奪い返して去って行く。

 

対照的な二人と常識外れな辞書

「二人の関係ですか?」右京と冠城が大鷹と国島の関係を聞いたのは、文礼堂出版の辞書編集部部長の和田。「正直、微妙なものがあります」と和田は打ち明ける。

 

大鷹は知名度こそ高いが、言葉集めなら素人にでもできると、学会では下に見られていたらしい。大学では一回りも年下の国島に抜かされて立場がなかった。大鷹が大学教授を辞めたのも、辞書に専念するためではなく逃げたんだろうとも言われているらしい。

 

「先生のような方がいてくれてありがたいですけどね」と和田は言う。辞書作りは大変な割りにお金にならず、やめていく出版社も多いと。それでも社会的使命があると和田は言う。

 

「どうしてまた二人は一緒に?」と右京が聞くと、「私も意外でした」と和田は言う。中西が声をかけたところで、国島が戻ってくるかどうかと。「では、最初から主幹交代の約束が?」と右京はさらに聞くも、それはわからないと和田は首を振る。

 

「あ、あれから僕も読みました、千言万辞!」と言い出したのは冠城。「ぶっ飛んでる」と笑顔で言い、そばにあった千言万辞を手に取る。そして、「“平凡で”…」と何かの項を探すように、ページをめくっている。すると右京が気づく。

 

「平凡でつまらない価値観。新しいものを拒む頭の古い考え。今これを読んで不快に感じているあなたのこと」

 

「常識」の項だと和田も教える。和田によると、千言万辞は文礼堂国語辞典のアンチで書かれているらしく、「まさに常識外れが売りで」と言う。「面白かったです。辞書に語りかけられるれるなんて」と冠城は笑顔。

 

しかし、大鷹の感情で書かれた部分も多く、クレームも多いと和田は言う。不愉快だとか独りよがりだと言う意見もあると。「あなたのように思ってくださる方ばかりだとうれしいんですけどね」と冠城に言うのだった。

 

人として

翌日、右京と冠城はまた大鷹の自宅へ。中年の女性に話しかける。彼女がお手伝いさんの佐知江(千葉雅子)。警察だと名乗り、話を聞こうとする。仕事についてはわからないという佐知江には、普段の大鷹の様子について聞く。

 

佐知江が鍵を開けて、右京と冠城も家に上がらせてもらう。冠城は鍵はみんな持っているのかと尋ねると、関係者はみんな鍵を持っているとのこと。

 

家の中には黒電話がある。冠城は、事件の夜に電話を取ったのは佐知江かと尋ねる。佐知江はうなずき、編集部の中西さんという人から、「今から会社を出るから、1時間後に公園で会いたい」という用件だったと明かす。

 

また、佐知江は普段は「なるべく黙ってる」とも。大鷹はいつでもメモ片手に、興味を引けば「それは何だ?」「どんな意味だ?」と質問攻めにされたら大変だと言う。

 

「辞書というのは、偉い先生がまともな生活を捨てなきゃできない仕事なんですね」と言う佐知江に、「生活を捨てなきゃ?」と冠城は気にかかる。

 

「一体何なんですか!大勢で!」と怒りながらやってきたのは国島。なぜなら伊丹と芹沢にも付きまとわれていたから。伊丹はまた特命係を見つけてイライラ。右京と冠城は気にも留めず、佐知江の話の続きを聞く。

 

佐知江によると、大鷹には妻と子どもがいたが、逃げられてしまったとのこと。「そりゃあそうでしょう」と佐知江は言う。風呂でもトイレでも、何時間でもこもって出てこないのだから。「そういう人なんですよ」と呆れたような口調で言う。

 

「言葉集めはあの人の唯一の楽しみなんです。今では辞書に必要のない言葉まで集めています。ただ言葉に取り憑かれているだけなんですよ!」と国島がぶっきらぼうに言う。

 

「なぜそのような思いのあなたが、なぜまた先生と一緒に辞書作りを?」と右京は国島に尋ねる。「いきがかり上です」国島は短く答える。主幹交代の密約が交わされていたではという冠城にも、「いきがかり上です!」と再度答える。

 

「そういえばありました?」と佐知江は国島に聞く。一昨日つまり事件当日に佐知江が大鷹の家から帰ろうとしたところに国島が来て、何かあるとかないとか言っていたらしい。国島は終日大学にいたと説明したはず。

 

「終日大学でした。帰りに忘れ物を取りに来ただけです。たかが数分のことを言わなければならないんですか?」国島は怒りながら言う。「変に疑われたくなければ」と伊丹が言い返す。

 

「うあああっ、ダメだー!!!」

 

家の中から聞こえてきたのは大鷹の声。「ああ、また…」と佐知江。大鷹は近頃よく癇癪を起こすらしい。「出版前で忙しいんです。もう帰ってください!」と国島が言い放つ。佐知江の言葉通り、大鷹は癇癪を起こして冊子をぶん投げていた。

 

吸引力の悪い掃除機の情報

特命係の部屋では、右京が紅茶をなみなみと注ぎ、考え事。一方、冠城は中西と大鷹のSNSでのやりとりをチェックしている。そこでわかったのが、仕事のことがほとんどないこと。中西が大鷹のことが眼中になかったから?と冠城は言うが、右京は答えず。

 

「どうして携帯にしなかったのでしょう」と右京は疑問を呈する。ずっとSNSでやりとりをしていて、そのツールを使って通話もしていた。なぜ事件当日だけ自宅の電話だったのかと。「内密な話なのに携帯で呼び出さないなんておかしい」と冠城も同意。

 

そこに不満顔の青木年男(浅利陽介)がやってきた。まだ「サイバーセキュリティ対策本部 分室」というのれんを外していない。「まだしつこくやってるんですか?首突っ込むなっていわれたんでしょ?」といつもの刺々しい口調で尋ねる。

 

「吸引力の悪い掃除機か、おまえ」と冠城が一言。「は?」青木が反応すると、「飲み込み悪いっつってんの!言われてやめるような人じゃないのわかるんだろ?」と冠城は答える。

 

「よーくわかってますよ!だから情報持ってきたあげたのに、感じ悪いこと言うなら教えてあげませんよ」青木はネチネチと言う。

 

「青木君」右京が声をかける。「はい?」青木はまるで右京のように返事をする。「君と冠城君は警察学校の同期かもしれませんが、今は僕は君の上司ですよ。ほら、さっさと言いなさいよ!

 

まさかの右京の言い分に青木はシュンとして、「伊丹さんたちが被疑者を引っ張ってきました」と正直に明かす。あの晩、公園前を通りかかったドライブレコーダーに映っていた人物がいた。それは国島だった。

 

言葉に取り憑かれていたのは…

伊丹と芹沢は国島を取り調べる。公園にいた理由を尋ねると、「気分転換」と答える国島。

 

しかし、大学の研究室から傷跡と一致する出版記念のペーパーナイフが発見される。しかも血液反応もあったと伊丹は見せる。

 

中西は大鷹とうまくいっておらず、中西から戻ってきてほしいと頼み込まれていた国島。その立場を利用して主幹を交代するならと条件を持ち出した。しかし、装丁の見本では主幹は大鷹の名前。国島は中西に裏切られたと思った。というのが捜査一課の筋書きだった。

 

「はあああ」と国島はため息を吐き、「そうです」と犯行を認めた。中西から国島の名前ではネームバリューがないから表紙なんてあり得ないと言われたからだと、国島は苦々しく言う。「主幹という言葉に取り憑かれていたのはあなたの方だったようですね」と伊丹が言う。

 

右京と冠城は外から取り調べを見ている。もし国島が犯行に及んだのなら、仕事場に立ち寄って佐知江に見られるようなことをするかと右京は疑問に思う。だとすると、国島は誰かをかばっているのか、と言う冠城。

 

書く仕事の隠し事

右京と冠城は、国島の大学の研究室を訪れる。凶器のペーパーナイフがしまわれていた机の引き出しには鍵もない。まるで、見つかっても構わないとでも言っているような。

 

右京は、ゴミ箱から「バズる」と書かれたメモを見つける。それも何枚も「バズる」とばかり書かれている。どうやら大鷹の字。しかも、他にも大量のメモが、国島の研究室のゴミ箱に捨てられていた。「ひょっとして…」と右京はつぶやく。

 

そのまま右京と冠城は大鷹の家へ。友里子と佐知江が出迎えるが、二人とも国島が犯人だとは信じられない様子だった。大鷹に聞きたいことがあったのだが不在。印刷所から呼び出されたらしい。

 

中西と国島とで新しくできた紙を確認するはずだったが、こんな状況なので…。ちなみに家の電話に連絡が来た。

 

右京と冠城は家に上がり、大鷹の作業場を調べる。「右京さん、ちょっと」冠城が呼び、「これ…」と指をさす。そこには付箋で張られたメモ。印鑑の場所、銀行の暗証番号、電子レンジの使い方、デジカメの充電、リモコンの使い方などが書かれており…

 

辞書の神様

右京は取調室で国島と向かい合っていた。「いただきものなので」とまんじゅうを勧める。自分の部署は男3人なものだからと。「取り調べではありませんから、どうぞどうぞ」と勧めると、国島は警戒しながらも一つ手に取り食べる。

 

「かなり甘いですよね」と言う右京に、「そうですね」と国島は答える。右京たちが初めて大鷹に会ったときに友里子が出してくれたが、大鷹は3つも食べていたと右京は言う。

 

「先生は甘い物がお好きではないと、何かの記事で読んだことがあります。まあ、でも味覚は変わるそうですから。例えば病気などすると…」右京の言葉に、国島の表情が変わり、「何の話ですか?」と戸惑ったように笑いながら聞く。「世間話です」右京はさらりと答える。

 

「先生はこれまでに120万をもの言葉を集めたそうですね。計算すると、1日100以上の言葉を集めたそうです」

「だから言ったでしょう。取り憑かれていると」

「通常は20万で驚異的と言われるそうですねえ」

「無駄に集めたもんです」

「その膨大な下調べがあればこそ、あの独特な辞書は生まれた。

 

あぁ、まさに辞書の神様です!

 

右京は感嘆の声を上げる。

 

「地位や肩書きから離れて、自分の好きなものに人生を捧げる。しかし、なかなか思い切ることができません。それができる人が癪に障ってしまう」

 

と、右京は言う。

 

「辞書に生きるということは全ての生活を失うということです!家族も、自由も、時間も!あれが立派な、幸せな生き方に見えますか?」

 

と、国島は答える。

 

「だからこそあなたは誰にもできない生き方をしている先生の思いに答えたいと思った」

 

という右京の言葉に、国島は返事をせずにうつむくノックの音がして、冠城が入ってくる。「大鷹先生が自首してきました」と耳打ち。聞こえていた国島は、驚いた表情で顔を上げる。

 

自首

伊丹と芹沢が、自首した大鷹を連れてきた。右京と冠城は廊下で大鷹に向かい合う。「俺がやった!」と大鷹は声が裏返りながら言う。すでに話はしたらしいが、右京は「もう一度」と頼む。伊丹は断るが、「もう一度だけ」と大鷹の話を聞くことに。

 

「うん…。お、お、一昨日…の、夜。中西に、電話っで、呼び出されて…。う、う…。主幹を...交代、交代すると。それで、それで…ナイフで。用意したペーパー、ぺーパーナイフで。、おと、おとつい…うわ、うわああああ!ああああ!

 

たどたどしい口調で話していた大鷹だが、途中でパニックを起こしてしまう。さっきはちゃんと言えていたらしい。大鷹はメモを落としてしまい、右京が拾う。

 

それにすがるように大鷹は前のめりになり、「あいつじゃない!俺、俺がやった!」と必死に言う。右京と冠城がメモを見てみると…

 

守りたかったもの

右京は改めて国島を取り調べる。手に何かを持って。「あの人は?」と国島は大鷹のことを尋ねる。大鷹は体調が思わしくないので病院へ。

 

「お互いに覚悟されていたんですね」と右京は話し出す。「だからこそ、複雑な関係を乗り越えて、再び手を取り合った。これが最後だったから」しかし国島は「おっしゃっている意味がわかりません」と言うだけ。

 

右京は手に持っていた物を国島の目の前で並べて見せる。それは家に張ってあったメモの付箋。「アルツハイマーなんですね?」と右京は言う。国島と友里子でずっとケアしてきたのだろうと。佐知江にも黙って。

 

編集部にも教えずに。編纂が無理だと判断されれば、出版されない可能性もある。しかし、そのことを知った中西から主幹交代を言い出した。

 

「私が手伝ったのは、今度こそ自分の手柄にしてやろうと思ったからです!」

 

国島はあくまで最初の主張を変えない。

 

一方、大鷹がいる病室の前に伊丹と芹沢、冠城がいる。「じゃあ国島は、無事出版されるまでの時間稼ぎ?」と言う芹沢に、「おそらく」と冠城は、大鷹がずっと持っていたメモを見せる。

 

「忘れるな」と書かれたメモには、「主幹を交代すると一方的に降ろされた。用意していたペーパーナイフで何度も刺して殺した。」と書かれていた。

 

「丸暗記だったってことですね」と冠城は言う。伊丹としては事実には変わりないとして、取り調べができないとしてもこのままでは終わらせないと、芹沢を連れて行く。冠城も病室の前から去る。大鷹は静かに寝ていた。

 

右京と国島。右京は事件当日の国島のことについて述べる。当日は休みだったが、大鷹の様子が気になった国島が言えに立ち寄った。そして、佐知江から大鷹が公園に呼び出されたことを知り、心配になって見に行った。

 

回想。ベンチには大鷹が一人。国島が呼びかける。ぼうっとしていた大鷹。国島が行きましょうと声をかける。と、すぐ近くでメッタ刺しの中西の遺体を発見してしまう。そばには千言万辞出版記念のペーパーナイフが落ちていた。

 

「そんな先生の様子から、あなたは隠し通すことをと心に決めた」

「違います」

「あなたのペーパーナイフと先生のペーパーナイフをすり替えた」

「違います」

「先生をかばうために!」

「いいえ!」

 

国島は断固として否定する。そして、

 

「先生の、いいえ、先生と私の辞書を守るために私がやりました!」

 

と言うのだった。ちょうどその頃、大鷹はゆっくりとまぶたを開けて…

 

失踪

冠城は大鷹の家へ。友里子が一人でうなだれている。病気のことを警察に話していたらまた違っていたのかもと後悔を口にもする。「まだ先生と決まったわけじゃないから」と冠城はフォローする。

 

編集している原稿を見ている友里子に、「持っていってあげてください」と冠城は言う。大鷹は病室でも作業したいだろうからと。

 

そして、冠城はとあることが気になる。「そんなに付箋だらけで間に合うんですか?」と。たしかに原稿には付箋が大量に貼られている。「実はまだ30ページも多くて」と友里子は苦笑する。

 

「でも、もう青だけですから」と友里子は言う。青い付箋はもっと内容を削れるという印で、赤い付箋は要検討だと説明する。

 

冠城と友里子が病院に着くと、警察官だらけで何やら様子がおかしい。中を見ると大鷹がいなくなっていた。警察の目を盗んで病室から出ていったのだった。心配する友里子に、冠城は「必ず見つけます」と言う。

 

冠城は電話で右京にも電話。「では病院を出て左を探してください」と言う右京。「え?」と意味がわからない冠城だが、とりあえず従う。右京は緊急配備の連絡をする。

 

冠城が左を探していると、ふらふらと歩く大鷹を発見。目の前には電車が近づく踏切。そこを渡ろうとする大鷹を、間一髪で冠城が「何やってるんですか!」と引き留める。

 

あわあわとしている大鷹。「どこへ行こうとしていたんですか?」と冠城が聞くと、「警察に、警察に…」と息を切らしながら大鷹は答える。

 

右京も車でやってきた。なぜ左と言ったかについては、行くべき方向がわからないとき左に曲がる人が多いという「左曲がりの法則」からだった。

 

「情けねえ…こんな負け方…常識…なんかに」ぽつりぽつりと大鷹が断片的に言葉をつぶやく。到着して警察に連行された

 

右京も冠城も、大鷹が口にした「常識に負ける」という言葉が気に掛かっていた。そして右京は言う。「一つ、たしかめたいことがあります」

 

辞書を愛していたから

文礼堂の辞書編集部の部屋では、千言万辞の資料を処分するために、ダンボールを入れている和田の姿があった。

 

「早まらない方がいいですよ。また資料が必要になります」とやってきた冠城が言う。「どういうことですか?」と和田が言う。

 

右京は「辞書作りはお金にならない」と言った和田の言葉通り、文礼堂も時代の波には逆らえなかったのだと述べる。2つの辞書のうち、文礼堂国語辞典はすでになくなることが決まっていたと。その事実は確認している。

 

右京は、メモを覚えるのがやっとの大鷹に、人目を忍んで犯行に及ぶことは不可能だと述べる。つまり、大鷹が思い出したことを書き留めたのではなく、犯人が吹き込んだことをメモしたと。犯人は最初から病気である大鷹を利用し、都合よく操ろうとしていたのだと。

 

「それが私だと?」察した和田が言う。「ええその通りです」右京は答える。「どうして?」という和田に、「誰よりも辞書を愛しているからです」と冠城は答える。

 

「ただし、千言万辞ではなく文礼堂国語辞典を」

 

そして、千言万辞の原稿を並べる。三度目の校正刷り。編集者の中で、和田の原稿だけ真っ赤な付箋がびっしりと貼られている。「一人だけ辞書への意識が違う」と右京は言う。

 

「どんなに語釈を変えようとも、千言万辞は先生の独断で書かれる。あなたは、この辞書の存在そのものが許せなかった」

 

そして、右京は和田の立場になって話をする。和田は大鷹の異変気づき、病気を疑ったのだろうと。千言万辞を出版中止にできるかもしれない。文国を取り戻して千言万辞に勝てる。「そう期待したのではありませんか?」と。「だとしたらなんです?いけませんか?」と和田はふんぞり返る。

 

和田の回想。事件当日、中西は和田の指示で調べたところ、大鷹が飲んでいたのがアルツハイマーの薬だと説明する。和田はすぐに出版を中止するよう上に報告すると言った。

 

が、中西は「いえ、国島さんに主幹引き継いでもらうつもりです」と言った。国島にはずいぶんと裏で動いてもらっているので、「ここまで来てやめられないでしょ、千言万辞」と。さらには「文国が復活したってどうせ売れないだろうし。この時代誰が交うんだよあんなの」とまで言う。

 

その言葉で糸が切れたように、和田は怒りのままに中西をどんと押す。ちょうどウォーターサーバーから水を汲み、飲んでいた中西はびしょびしょに。和田は自分のしたことに慌てて、ハンカチでいそいそと拭こうとする。

 

「知ってますよ、先生が嫌いなんでしょ?」中西が言い出した。「まさかそんな」和田が言葉を濁すと、バン!と中西は持っていた紙コップを投げ捨てる。

 

「めんどくせえ」

 

中西は吐き捨てるように言う。「本なんて売れりゃなんだっていいじゃないですか?俺は早く結果出して、営業戻れりゃそれでいいんだから。最悪だよ!」そう言って去って行く。

 

そして和田は中西のフリをして、大鷹の家に電話をかけて、公園に呼び出した。佐知江が電話を受けたので別人とは気づかれず。

 

中西は主幹交代について大鷹に説明しようと、中西も連れ出した。引き出しにあるペーパーナイフも手にして。

 

公園のベンチで、中西がタバコを吸っているところに、和田がペーパーナイフで腹を一度刺した。中西は驚き、よろめきながら仰向けに倒れる。和田がナイフを抜くと、中西が恐怖で叫び出した。「うるさい!」と和田は何度も刺した。

 

そして、遺体を隠すために運び、指紋を拭いたペーパーナイフを置いていった。あとは持っている鍵で大鷹の家に入り、大鷹のペーパーナイフを盗んで帰った。

 

そんな右京と冠城の説明を聞きながら、和田は喉がからからになったかのように、手で押さえている。何も言葉は発さず。

 

「しかし、思いがけないことがおきた」と右京は言う。大鷹と犬猿の仲だと思っていた国島が身代わりになったこと。これでは千言万辞を潰せない。

 

そこで、和田は、今度は印刷所に大鷹を呼び出した。そして、こう吹き込んだ。

 

「国島さんもかわいそうに。先生は、覚えてらっしゃらないんですか?中西に会ったでしょう、公園で。その時ペーパーナイフで刺したでしょう?」

 

そんなことを聞いた大鷹は、ふらふらとした足取りで、自分が自分を信じられないというように呆然と歩いていた。そして、その場で忘れないように言われたことを、いつも持ち歩いているメモ帳に書いたのだった。そして大鷹はは国島を助けるために自首した。

 

「周りがどう思おうと先生と国島さんは深いところでつながっっていました。そのときが来たときのためにと先生は国島さんに託し、国島さんもそれに応えた。千言万辞はそんなお二人によって作られた辞書だったんですね」

 

そんな右京の言葉に、和田が食ってかかる。「あんなもの、辞書とは読まない!絶対に!いくら売れていようが、王道が売れて、亜流だけが残るなんてありえないんだ!」と叫ぶ。そして必死に水を汲み、ぐびぐびと水を飲む。

 

右京は真っ赤な付箋が貼られた原稿を手に取り、「常識。平凡でつまらない価値観。新しいものを拒む頭の古い考え。今これを呼んで不快に感じているあなたのこと」と読み上げた。

 

「なんです?何が言いたいんです?」

「あなたはずっと、これを先生が自分への当てつけに書いたものだと感じたのではないですか?そう感じるほどに、あなたは文礼堂国語辞典を愛し、正しい言葉を伝えることを指名だと考えてきました。

 

そのあなたが、偽りの言葉を使って、人を陥れるとは…非常に残念です

 

右京の言葉に、和田は表情を歪め、身を縮め、「あああああ」と嘆く。

 

辞書を作り上げたのは…

大鷹は自宅に戻ってきた。車いすに座り、友里子が笑顔で押している。国島もおり、手には千言万辞の第四版を持っていた。大鷹の前でその表紙を見せる。主幹には「大鷹公介」そして「国島弘明」の名前が書かれていた。

 

大鷹はとても大事そうに辞書に触れて、感極まったように震えながら、国島を見る。国島も笑顔出応えて、ページをめくる。佐知江も来て、四人でうれしそうに千言万辞を読むのだった。

 

二人だけの意味

花の里にやってきた冠城が、千言万辞 第四版を置き、とあるページを開き、右京と女将の月本幸子(鈴木杏樹)の前で咳払いをして読む。

 

「物事がすでに進行し、どうにも止められない状態にまでに来ていること。これまでの事情思うところはいろいろあるが、こうなった以上とことん付き合ってやるしかないという考えも多分に含まれている」

 

それは「行きがかり」の項だと右京が言い当てる。右京も気になっていたと。「そうですか、大鷹先生と国島さんの間には、そうした意味を持つ言葉なんですね」と右京は納得。冠城は「僕たちも行きがかりですね」と言う。

 

さらに、右京にぴったりな言葉も見つけたと言う。右京は期待したような目つきで冠城を見ている。

 

「基本的にワガママで、人を信用せず、白であれば黒と、あっちといえばこっちと、ことあることに突っかかる。つむじ曲がりでへそ曲がり」

 

右京の顔はどんどん白けていく。幸子は何だろうと考えつつ、「ひねくれ者!」とご名答。「はいはい、お好きにどうぞ」右京はすっかり不機嫌になってしまった。

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うわー良い話だーすごく良い話だー。そして、最後のオチまで完璧だ。“言葉”というのは面白いですねぇ。というわけで長くなってしまいましたので、感想はまた別記事で書きます。

 

 

aoikara

 

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