中卒フリーライターほぼ無職。

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相棒16 元日SP 第10話「サクラ」ネタバレ 正義とか悪とかその狭間

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2017年よりは2018年に違和感がないaoikaraです。2017年は2016年って間違えることが多かったのですが、2018年はそうでもないんです。

 

ということで今回のテーマは…

 

相棒16 元日SP 第10話「サクラ」

 

です。お正月は必ず見る!

※個人的な感想なので辛口なコメントを含みます。
※ネタバレもしていますので、まだ内容を知りたくない方は見てからどうぞ。

 

▼感想記事はこちら

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▼相棒16 第9話 記事はこちら

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第10話 ゲスト・スタッフ

  • ゲスト:健太郎 篠井英介 梶原善 鶴見辰吾
  • 脚本:太田愛
  • 監督:内片輝

 

第10話「サクラ」あらすじ・ネタバレ

前兆

高校生くらいの男の子が明るい日差しの下、街を歩く。手にはたい焼きを持って。

 

「ともひろ!」

 

誰かが呼ぶ声。男の子は振り返る。そして笑顔に。

 

場所は変わってとある家の中。その男の子の顔写真が飾られている食卓。一人の老婆が「とも」と写真に向かって語りかける。自分は心配ない、お隣さんが気を利かせてくれると話を続けている。

 

最期の言葉

激しい雨が降る中、壮年の男性が公衆電話のボックスの中に入る。同じ頃、内閣官房副長官の折口洋介(篠井英介)のスマホに、公衆電話からの着信が入る。折口が不審に思いながらも出ると、それは雨の中公衆電話にいる男からだった。

 

「山脇だ」と男は名乗る。「君も気をつけろ」とだけ告げて電話は切れてしまう。そのまま山脇という男は、自分のカバンだけを残していなくなってしまう。

 

翌朝、折口はテレビのニュースで参議院議員の山脇重弘(宇納佑)が川に流されて溺死したことを知る。それは、折口に電話をかけてきた男だった。

 

年末もお忙しく

花の里では、女将の月本幸子(鈴木杏樹)がクリスマスのかわいいお弁当を作っている。時間が経ってやってきたのは、警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)。二人が歳末のパトロールをするため、冠城が頼んでわざわざ弁当を作ってくれたのだった。

 

二人の行き先はクリスマスシーズンにたくさんの人で賑わう大型デパート。黒いコートに青いパーカーで顔を隠した、怪しい男が一人。

 

特命係はデパートに到着。右京はいつものように挨拶代わりの嫌味を飛ばしている。と、デパートでは怪しい男が振り返り、拳銃を撃った。後ろにいた男の太ももが撃たれた。大きな銃声に気づいた特命係は現場へと走る。

 

騒然

デパートにいた多くの人々は騒然となり、皆一斉に外へと逃げ出す。逆行するようにデパートの中に向かう特命係の二人。現場には撃たれたと思われる血痕。しかし、被害者がいない。自力で逃げたのか。

 

近くにいた店員に話を聞く。彼は震えながらも、拳銃を撃った犯人が若い男で、180cmくらいの背丈に細身、青いパーカーに黒いコートを着ていたことを話してくれる。

 

母と警察官のはざまに

 警視庁広報課課長の社美彌子(仲間由紀恵)は、娘のマリア(ギラルド沙羅)に一緒に過ごせるとうれしそうに話している。しかし、美彌子のもとに警察から連絡が。事情を聞いて、「わかりました」と答えつつも、自分の中で受け入れるのには時間がかかっている。

 

娘に「ごめんね」と一緒に過ごせないことを話そうとすると、マリアは全てを察して聞き分けの良い子になる。「先に行って待ってるね」と健気に言うのだった。美彌子はマリアを家政婦に託して警視庁へ。

 

犯人は誰だ

拳銃発砲事件についてニュースでも報じられている。犯人が銃を所持したまま逃走していることも伝えられた。

 

デパートの監視カメラを見ている捜査一課の伊丹憲一(川原和久)と芹沢慶二(山中崇史)は「どこの組の者の仕業だ」と暴力団関係を疑っている。「暴力団なら足を狙わず仕留める」と指摘したのはいつのまにかいる右京。伊丹は拳銃はそう簡単に入手できないことから、右京の指摘を遮って、部屋から出て行かせる。

 

右京と冠城が気にしていたのは被害者の男性の行方。事件現場で血痕が途絶えていることから、彼を車で運んでくれた人物がいたのではないかと考える。しかし、防犯カメラがないので確かめようがない。

 

重大な事実

銃弾から、鑑識の益子桑栄(田中隆三)が「こいつはサクラだ」と指摘する。サクラとは、制服警察官が所持している拳銃のこと。

 

内村完爾刑事部長(片桐竜次)や中園照生参事官(小野了)がいる捜査本部にも、使われた銃がサクラの可能性があるとの情報が伝わる。中園は全捜査員にその事実を告げて、書く所轄の拳銃の残存を調べるようにと告げる。

 

広報課の美彌子もその事実を知る。部下の石川大輔(林泰文)から報道をどうするのかと問われると、調査中としてサクラの拳銃が使われたことは伏せる方針を伝える。

 

右京の気づき

右京はデパートの監視カメラの映像を見て、犯人が銃を撃った瞬間にクローズアップする。撃った反動で犯人の腕が上がっている。つまり、銃に使い慣れていない人物なので、警察官の可能性は低い。しかし、サクラの銃が紛失したという報告はない。右京は冠城や伊丹、芹沢にあらゆる可能性を考えるべきと言う。

 

「サクラを使って民間人に死者を出してからでは遅い」

 

途絶えた連絡

拳銃の所在を伝えるようにと言われながら報告のない所轄に、叱責しようと刑事たちが訪れる。しかし、その現場では警察官が口から血を流して倒れていた。「あと三ヶ月。もう生きていくのに疲れた」という手書きの遺書も添えられており、自殺か。

 

そして、彼のサクラがなくなっていた。

 

情報錯乱

美彌子が記者会見でサクラの拳銃であることを伏せながら話している最中、一斉にスマホや携帯のアラートが鳴り出す。緊急災害メールの名目で届いた情報だったが、実はハッキングされていて、自殺した警察官の交番が中継されていたのだった。「QTES689」というユーザー名も表示されており、映像が流されている。

 

街中では、黒いコートに青いパーカーの例の男が一人。顔も露わにしている。バイクに乗り、素早くパーカーを脱ぎ捨てて着替える。手袋の中にお金が入っているのを確認して、バイクで走り去る。

 

特命係と捜査一課は中継されている交番へ。冠城は一人で抜けてどこかへ。右京の調べによって、交番にあるパソコンのWebカメラから中継されていることが発覚。パソコンはサイバーセキュリティ対策本部に回されることになった。

 

美彌子の会見では、記者からサクラだったことを隠蔽しようとしたのではないかと責任が問われている。しかし、あくまで情報が来なかったことを主張し、「隠蔽の意図はない」と美彌子は会見を終える。

 

ニュースでもQTES689の中継動画について報じられている。

 

パソコンの捜査

サイバーセキュリティ対策本部では、上司からパソコンの取り扱いについて指示がある。青木年男(浅利陽介)が捜査したいと申し出る。同じサイバー犯罪捜査員の谷崎荘司(柴木丈瑠)から力不足ではないかと指摘されるが、自分が担当すると自信満々。

 

本部には右京も来ていた。青木は得意げに発信源のサーバーがウクライナであることから、人物の特定が難しいと話す。ただ、過去のコードの共通点からハッカーがどんな人物なのか探れる可能性もある。

 

さっそくパソコンを開いて捜査しようとすると、次々にファイルが削除されてしまい、青木は焦る。自爆プログラムがセットされていたのだった。まんまと犯人が仕掛けた罠にはまってしまった。

 

犯人像

右京は特命係の部屋へ。相変わらず暇そうな組織犯罪対策課の角田六郎課長(山西惇)がコーヒーをもらいに来ながら雑談。交番で亡くなっていたのは風間博(俵木藤汰)という警察官。昼の12~13時が死亡推定時刻で、右手に硝煙反応が残っていたことから、自殺に間違いないだろうとのこと。

 

右京は捜査本部が動画をアップしたQTES689と、拳銃発砲事件の犯人が別人だと考えているということを気にする。角田は、知能犯と暴力的な犯人像はかけ離れていると言う。銃撃犯は、自殺の銃声を聞いて拳銃を奪ったのではないか、と考えているらしい。

 

「それはない」と言うのは、部屋に戻ってきた冠城。銃声を聞いたはずの周辺の住民は誰も通報をしていない。というのも、その日は下水管の取替工事があり銃声は聞こえなかったそうだ。

 

冠城は、風間の自殺をWebカメラの盗撮で知った犯人が、サクラを奪ったと推察。角田はQTEP689と銃撃犯が同一人物なのかと疑わしそうに言う。

 

右京も冠城の同一人物説に「ありえますね」と同意する。動画を上げた人物が愉快犯だとすれば、一番ショッキングな自殺をして拳銃が奪われるシーンを抜粋するはず。しかし、実際に中継されていたのは捜査員が来てからだった。つまり、自分の姿を映さないように意図的に映像をカットした、というのが右京の見解。

 

自殺で一発、デパートで一発、拳銃の残りはあと3発。犯人が銃を奪った目的は何か。なぜ風間を盗撮していたのか。そして、被害者はなぜ姿を消したのか。

 

見たことがある男

テレビのニュースでは、事件発生の映像が流れている。冒頭で男の子の写真が飾ってあった老婆がいる家で、若く水商売風の女性がそのテレビを見ている。被害者の男(梶原善)を見て、はっと何かに気づいて驚く。

 

以前、男の子から「あいつのこと、ばあちゃんには言わないで!」と言われていた男だったからだった。彼女は老婆にそのことを告げず、帰って行く。老婆の言う“お隣さん”の女性だった。

 

探り合い

事件現場近くでは、犯人が脱ぎ捨てたと思われるパーカーとマスクが見つかる。捜査本部では、内村刑事部長と中園参事官が捜査員たちに徹底した捜査を命令。

 

冠城は芹沢に電話をして、「被害者の入院先が見つかった」と告げる。驚いた芹沢の声を聞き、「嘘だ」とすぐに返す冠城。捜査本部が被害者の居場所を特定していないことを探るために吐いた嘘だった。そんな冠城を撮影する者が…。

 

右京は花の里で首席監察官の大河内春樹(神保悟志)に会う。刑事だったはずの風間が交番に異動させられた理由を知りたがっていたのだった。大河内によると、風間は亡くなった山脇参議院議員の事件について調べていた。

 

川で転落したことによる事故死だと結論づけられていたが、風間は納得できなかった。山脇が置いていったカバンの中身を持ち去る人物がいた、という証言があったからだった。しかし、目撃者は見間違いだったた証言を翻した。

 

それでも風間は捜査を続けていたが、抗議があったらしい。それは折口内閣官房官房副長官からだった。山脇が最期に公衆電話からした人物は折口だと詰め寄ったが相手にされず、交番に飛ばされたらしい。

 

右京は証言を取り消した目撃者について調べてほしいと大河内に頼む。大河内はなぜ自分がと不満げだが、右京はつい最近協力した事件があったとほのめかし、大河内は渋々承諾する。

 

“ご協力”

 冠城はデパートの駐車場にて、目撃者を探す。事件当日に急発進した車を見かけたという人物を見つけて、丁寧にナンバーまで教えてくれる。そんな冠城のもとに、コツコツと松葉杖をつく音が。そこにいたのは、拳銃で太ももを撃たれた男だった。

 

「私、あなたのことをよく知ってるんですよ、冠城亘さん」

 

と、男は言う。「あなたの周りの人間のこともね」と付け加える。冠城が身を改めるが、「警察手帳なんてありませんよ」と男に返されてしまう。自分は公安じゃないと言う。そして“安田”と名乗る。

 

安田は冠城をとある喫茶店に誘い、何かを話す。「こんな話、悪い条件じゃないと思いますけどね」と安田は図々しく言う。険しい顔をしている冠城は「もし、断ったら?」と聞く。

 

「もうおわかりでしょう。あなたの大切な人の人生はめちゃくちゃになります。これまでの全てのキャリアを失い、警察と名のつくところにはいられなくなる」と穏やかな口調で脅す。 冠城は「あの」と挙手して「その大切な人って言い方やめてもらえます?誤解を招く」と訂正を求める。

 

そのまま立ち去ろうとする安田に、冠城は「あんた、何者なんだ?」と尋ねる。安田は質問には答えず「約束は守っていただく」とだけ返し、立ち去る。冠城は一人悩む。

 

気になる女性

警視庁の前には、老婆の家にいた派手な女性が一人。小島麗華(草刈麻有)という女性だった。冠城と右京が話しかけて、特命係の部屋へ。

 

デパートで撃たれた男を見たことがあると麗華は話す。半年ほど前に見て、その後すぐに“とも”が失踪したと男の子の写真を見せる。それは老婆の家にある写真に写っていた男の子だった。

 

彼の名前は椎名智弘(小原唯和)。高校一年生で、祖母の春子(島かおり)と二人暮らし。彼が失踪したのは半年ほど前の6月24日その前の日に、普通じゃない様子で、撃たれた男と話し合っていたと麗華は言う。

 

その日の晩に、団地の前で智宏は思い詰めた表情をしていた。麗華が話しかけると、「そんな恐ろしいもの見たなんて思わなかったんだ…」とつぶやいている。麗華が昼間に会っていた男のことかと問うと、「あの男のこと、ばあちゃんには言わないで!」と強く懇願されたのだった。

 

警察に届け出たが、不登校気味だったために家出ではないかと判断されてしまった。しかし、麗華と春子は事件に巻き込まれたのだと考えていた。

 

祖母の思い

右京と冠城は、智宏の祖母のもとへ。智宏の母は亡くなり、父親は新しい事業のための借金が重なり、春子が返済して、今の団地に暮らしていると聞く。智宏は引っ込み思案でいじめられていたが、優しい子だった。自分を置いて家出するはずないと春子は訴える。

 

右京は智宏が寝ていたという押し入れが気になっている様子。自分も同じように寝転ぶと、押し入れの天井にとある写真を見つける。「チーム tomo」と書かれており、智宏と二人の男子の笑顔の写真。春子も初めて見たと話す。

 

もう一人の男の子

右京と冠城は、写真に写っている飲食店を割り出し、聞き込みへ。店主は自分が撮影した写真だと言う。何かの大会で優勝したお祝いだそうだ。真ん中に映っている子は制服から近くの高校の生徒だとわかる。

 

その高校に聞き込みに行くと、上条喬樹(健太郎)という男子学生だと発覚。半年ほど前にいなくなったらしい。教師から自宅の住所を聞き出す。右京と冠城は同じ時期に智宏と喬樹がいなくなっていることを知り、生活安全部に問い合わせてもう一人の身元を確かめることにする。

 

喬樹の自宅に行くと母一人。警察に届け出たが、家出だと思われてしまった。喬樹はパソコンに夢中だったとも話す。6月24日にいなくなった、智弘と同じ日の失踪。右京は自宅にあるトロフィーを見ていた。

 

少年たちの行方

右京が見ていたトロフィーにはバグハンターコンテストと書かれていた。コンピュータの脆弱性を追求するもので、いわゆるハッカーの大会。写真はその大会のお祝いだった。

 

しかし、智弘の自宅にはパソコンがない。というのも、智弘の父親が失敗した事業はソフトウェアの開発。祖母に心配させまいと、パソコンを隠していたのだった。

 

冠城の調べにより、もう一人の少年もわかった。富樫航太(山下真人)といい、同じく6月24日に失踪した。両親は豆腐屋を営んでおり、航太が家出ではないから探してほしいと願っていた。また、自宅にパソコンもあった。

 

少年たちに起きたこと

右京は推察する。おそらく、三人の高校生のもとに被害者の男が訪れたのではないかと。智弘が「そんな恐ろしいものを見たなんて思わなかった」と発言した翌日に三人は失踪した。何か恐ろしい者を見て、口封じされそうになったのではないかと。

 

しかし、被害者の身元は不明。捜査していたはずの冠城に尋ねるが、「手がかりはありません」と返される。

 

発砲事件の映像を再度見る右京。目撃者による証言で、犯人の体格は喬樹と一致している。ハッカーである高校生たちなら風間のパソコンに侵入することもできる。

 

 高校生達が狙われている可能性を知った角田は「あとの二人はもう…」と身を案じるが、右京が「生きている」と断言。というのも、喬樹が銃撃事件を起こしてから動画をアップするのに時間が早すぎる。ほかの二人が編集して動画をアップし、その間に喬樹を逃がそうとしたと考えれば納得できる。

 

角田は高校生たちと山脇の溺死事件の何が関わっているのかと疑問を投げかける。右京と冠城が気になるのもそこだった。

 

冠城に電話が入る。相手は安田だった。

 

チーム

銃撃犯がバイクを押して、辺りを見回しながら歩いている。それは喬樹だった。立ち入り禁止の区域に入り、寂れた映画館に入っていく。そこには航太と寝転んでいる智弘がいた。具合が悪そうな智弘に温かい食品を買ってきたのだった。

 

「僕は人殺しだ」と智弘は言う。「ともが人殺しなら、俺たちも人殺しだ」喬樹はそう返す。喬樹はパソコンで調べ物をしている。手袋にお金を入れてくれた航太に感謝していた。

 

航太は「1000万円があれば、何もかも終わりにできるのかな」とつぶやく。そうして「これからどうする?」と喬樹に聞く。安田たちだけでなく、警察も自分たちを追っていることを恐れている。喬樹は「警察が追っているのは俺だけ」と言う。

 

その言葉に憤慨する航太。「俺たちチームだろ!」と。航太の言葉に、喬樹は「そうだな」と答えて、うれしそうに小さく笑う。

 

忍び寄る悪意

夜、折口内閣官房副長官のもとには一人の男(鶴見辰吾)がいた。

 

「そろそろ態度を決めていただきませんとね。まあ、選択肢はないと思いますが」

 

嘲笑しながらその男は言う。折口はその男を「有馬さん」と呼びかける。風間が亡くなったことを知っているかと問う。「彼がこうなってあなたはむしろ安堵すべきだ」と有馬は言う。折口はきっとにらみつける。

 

有馬のもとにメールが届く。差出人は「安田英治」。それだけを見て、有馬は折口に結論を出すようにと促し、部屋から出て行く。

 

有馬は一人になってから、安田からのメールを確認する。そこには「特命係は喬樹たちの線までたどり着いたようです。」という内容が書かれていた。

 

一方、車に乗っている衣笠藤治副総監(大杉漣)のもとに電話が入る。その相手は有馬だった。「ちょっとお知らせしたいことがありましてね」と有馬は言う。

 

美彌子の自宅にて、朝刊を見ようとすると、そこにメモ紙が入っていた。美彌子はその中身を見て…

 

突然の変更

右京と鑑識で証拠品を見ていた。銃撃犯が脱ぎ捨てたと思われるパーカーを手に取ってみていると、益子から叱られてしまう。

 

と、冠城がやってくる。捜査本部に衣笠副総監がやってきて、犯人の身元を特定したと言うのだ。右京も一緒に捜査本部に向かう。

 

衣笠副総監は、サイバーセキュリティ対策本部の捜査員・谷崎を連れてきて、犯人について捜査員たちに話す。過去に警視庁のデータベースに侵入した被疑者として、上条喬樹という高校生がいた。その身体的特徴が銃撃事件の犯人と似通っていると衣笠が気づき、手の静脈パターンを照合したところ完全に一致した。

 

QTES689も銃撃犯もハッカーである喬樹だと衣笠は述べて、凶悪犯だと断言。抵抗されたら発砲もためらうなと過激な命令をする。

 

命令の強行

右京は衣笠に詰め寄り、喬樹と共に他にも二人の高校生が一緒に失踪していると話す。その高校生の一人が、銃撃事件の被害者と一緒にいることも目撃されており、喬樹も含めて高校生3人は何らかの事件に巻き込まれている可能性があると言う。

 

しかし、衣笠は特命係が意図的に被疑者となる人物を本部に隠していたと指摘して、服務規程違反だと言う。内村刑事部長も「おっしゃる通り」と同意し、特命係を停職処分にしてしまう。衣笠は特命係の顛末にほくそ笑んでいた。

 

マイペース

特命係の二人は上司でもある、元警察庁次長の甲斐峯秋(石坂浩二)のもとへ。「やられたね」と峯秋は言う。衣笠の後ろに誰かがいるとも話す。

 

右京は話がおかしいと感じていた。捜査本部はQTES689と銃撃犯が別人だと考えていたのに、衣笠副総監が同一人物だと言い出して素直に認めたこと。また、一度ハッキングした人物の身体的特徴を衣笠が記憶していたことに違和感を感じていた。

 

「誰かが衣笠を動かしたんだろうね」と峯秋は言う。それを聞いて右京も、その人物は最初から銃撃犯を誰か知っていたとも推察する。

 

と、右京のもとに電話が来る。大河内からだった。山脇のカバンから中身を抜き取る人物を見たと目撃した者がわかったとの報告だった。田中茂(稲健二)という男だとのこと。大河内は特命係が停職処分になったことを知り、これ以上の捜査を止めようとするが、右京に途中で電話を切られてしまう。イラッとして、力強くラムネをかみ砕く。

 

目撃者の真意

右京と冠城は田中茂のもとへ。冠城はいきなり銃撃事件の被害者の写真を見せる。「知ってます?」と聞くと、田中は気まずそうな表情を見せる。どうやら知っている様子。

 

その人物が警察官ではないと明かすと、一緒にいた若い刑事が警察手帳を見せたと田中が話し始める。右京は偽刑事がいてその調査だと作り話をして、田中を話しやすい状況へと導く。そして、田中が証言を翻した理由を話し出す。

 

田中のもとに、銃撃事件の被害者ともう一人若い男が来て、山脇のカバンから中身を抜き取った人物がいたという証言について見間違いではないかと聞いてきた。しかし、田中は「見間違いじゃない」と否定。

 

すると、男たちは田中の息子についてあれこれ話し始めた。なぜ知っているのかというようなことまで掘り下げて。そして「やはり見間違いだったんじゃ?」と繰り返し聞く。田中は息子の将来を案じる思いもあり、怖くなって証言を翻したそうだ。

 

右京は「もう一つだけ」と質問する。山脇のカバンから持ち去っていたものは何かと。田中はハッキリはわからないが封筒のようなものだったと答える。

 

被害者という加害者の正体

右京と冠城は街で二人。田中の証言から考えをまとめている。若い刑事が警察手帳を持っていたのはおそらく公安だったから。その公安を手足のように使えるのは、内閣情報調査室だと考えている。

 

内閣情報調査室のトップは警察官僚出身者が多く、公安も使いこなせる。銃撃事件の被害者と言われている男も、おそらく内調のケースオフィサーあたりだろうと右京は推察。その裏で糸を引いており、衣笠副総監とも個人的にやりとりできる人物となると、内調の幹部の可能性がある。

 

疑わしきは

特命係の部屋にて、右京と冠城は荷物を段ボールに詰めながら話している。角田はこれ以上動くと免職されることを心配している。

 

そんなことよりと右京が気にしているのは、情報が漏れたこと。高校生3人が関わっているのを知っているのは右京と、冠城と、角田だけのはずだった。

 

冠城は「じゃあ角田課長だ」と言うが、右京は「いいえ、犯人は君です」ときっぱりと指摘。冠城がその理由を尋ねると、「理由は2つ」と右京は言う。「一つは人柄」と個人的意見を述べた後で、「二つは田中さんに被害者の写真を見せたから」と客観的意見を述べる。

 

右京は冠城も田中と同じ体験をしたのではないかと考えていた。つまり脅迫。だからこそ、情報を漏らしたのではないかと。冠城はあっさりと認める。右京が「何を脅されたんですか?」と聞くが、それだけは「内緒です」と頑なに言わない。

 

「はい!」と冠城がパンッと手を打ち、「わだかまりがなくなりました」と真実を話す。被害者の男は安田と名乗っていたこと。乗っていたらしい車のナンバーを調べて会社が見つかったが、ペーパーカンパニーだったこと。警察手帳を失った今、接触してくる可能性は低いだろうと右京は述べる。

 

「覗く人間が一人増えると目立ちますね」と右京が目にしたのは、いつも特命係を見ている組織犯罪対策課の大木長十郎(清水正義)と小松真琴(久保田龍吉)、そして青木。

 

大失敗をやらかした青木は、なんとか事件に貢献して名誉挽回したがっていた。いつになく落ち込んでおり、「おまかせされたい!」と息巻いている。

 

右京は青木に「本部に動きがあったら知らせてください」と言い、冠城は「広報課についても教えて」と頼む。すると青木は「広報課は今まさに大揉めに揉めている」と明かす。

 

狙われた人

広報課では、美彌子が部下から意見されていた。容疑者の喬樹について

 

「上条喬樹は悪質なハッカー。昔から虚言癖があり、遊び感覚でハッキングを繰り返して警察のサーバーにもサイバー攻撃を仕掛けたことがある。自作のウイルス等をダークウェブで販売して利益を得ていたと思われ、余罪も疑われる」

 

と公安から報道を指示されており、情報を操作しすぎだと憤慨されていた。側近の石川も逮捕前に警察がこんな情報を流せば、憶測だとしてもマスコミは事実だと報じると懸念している。

 

やってきた右京がその内容を読み「憶測ではなく虚偽です」とバッサリ。そもそもダークウェブを利用していたなら簡単に拳銃が手に入るので、わざわざサクラを使用する意味がないので矛盾していると指摘。

 

ただ、美彌子は黙っている。察した右京と冠城は別室に美彌子を呼び出す。冠城は、美彌子が娘のマリアのことについて脅されているのではと尋ねる。右京も何者かが美彌子を利用して真実を曲げようとしているのなら、美彌子だけの問題ではないと諭す。美彌子の古巣である内調も絡んでいると明かして。

 

美彌子はメモ紙を受け取ったと話す。「指示を実行すれば娘の秘密は守られる」という内容だった。

 

右京は美彌子の娘がロシアの諜報員ヤロポロクとの間に産まれた子という噂について、警察上層部を見事に黙らせたことを指摘。美彌子は「事実を話したまで」と言う。美彌子は真実を隠し、「乱暴された」と話し、それ以上追及させなかったのだった。

 

もし美彌子にスパイ容疑がかかれば逮捕されて、マリアは母親を失う。「娘のそばにいるために母親はどんなことでもする」と右京は言い、美彌子を見る。そして、美彌子の秘密が暴露される前に事件を解決させることを約束する。

 

たどり着いた真実

右京と冠城は戻りながら、話し合う。右京が「脅迫の犯人が現れて、半年前に姿を…」と口走ってから、はっと何かに気づき「僕としたことがー!」と言う。

 

右京が向かったのは証拠を押収している場所。右京は喬樹が来ていた青色のパーカーを見て、清潔であると指摘。半年前に子供だけで衣食住をして、こんなに清潔だっただろうかと。

 

高校生3人は何者かに軟禁されていて、最近になってそこから逃げ出したと考えると衣服が清潔であった理由にもなっとくがいく。

 

安田たちが目撃者に証言を翻させたように、手口は脅迫をして思い通りにさせること。それと同じことをしようとしたのではないかと右京は考える。

 

智弘がけ「そんな恐ろしいものを見たと思わなかった」と言っていたのは警視庁のサーバーのことで、おそらく3人でやったことだろうと。それを脅された3人を軟禁し、ハッキングの才能を買って官僚の秘密を探らせたのではないかと。

 

その標的の一人が山脇だった。山脇は内閣官房副長官のほか、内閣人事局長を兼任しており、各人事を一元管理していた。ここを押さえれば、官僚人事は思うまま。そして、右京は山脇と親しかった折口内閣官房副長官も標的の一人になっていると推察。

 

つまり、山脇のカバンから抜き取られた封筒は遺書。脅迫されて自ら命を絶ったのだろうと右京は考える。

 

裏で糸を引く男

有馬は自分の部屋で銃撃犯に関するニュースを見ていた。机には美彌子と娘の写真が置かれている。ニュースでは喬樹について悪質な人間だという報道はなく、客観的事実のみが述べられていた。有馬は険しい顔を見せて、口を開く。

 

「守るべき相手を間違えたようですね、社さん」

 

と独り言を言う。

 

追い詰められて

寂れた映画館にて、航太は智弘の様子を見ている。苦しそうで熱がひどい。喬樹はパソコンで容疑者として自分の名前が明かされていることを知る。ネットで顔をさらされて、母親を直撃した映像まであり、言葉を失う。

 

喬樹は「安田と取引をして、俺は警察に行く」と宣言。航太は「俺も行く」と言う。「ダメだ」と即時に返す喬樹。「安田が裏が言ったら、誰がともを守るんだ?航太は残って、ともを守ってやるんだ」喬樹は思いを託す。航太はうつむくしかなかった。

 

喬樹は安田にメールを送る。「今夜10時に地図の場所に迎えにきてくれ。智弘と航太を自由にすると約束すれば、警察には何も話さない。」という内容とファイルが添付されているメールだった。

 

「どんな約束でも守ってやるよ」メールを受け取った安田は吐き捨てるように言う。そして有馬には「今夜中に事態を収束します」とメールしていた。

 

避難場所

特命係の部屋には停職処分の通知書が届いていた。誰もおらず、電気が消えている。

 

右京と冠城はすんなりと家に帰るはずもなく、こっそりと鑑識にいた。段ボールに詰め込んだ荷物をしっかりと使用しながら。益子は心配しているが、案外見つからないと右京と冠城は余裕な表情を見せる。

 

右京は「一つだけ余分なピースがある」と言う。動画のユーザー名である「QTES689」のことを指している。その理由が気になっていた。

 

最悪の事態

喬樹は一人で人のいない場所へと向かっていた。安田や男達がいて、「約束を守ってくれんだろうな?」と喬樹は聞く。余裕たっぷりに「もちろんだ」と答える安田。喬樹は所持していたサクラを手渡す。

 

しかし、物音がする。航太が着いてきてしまったのだった。男たちに捕まってしまう。そして、嘘を吐いたと安田は受け取ったサクラの銃口を航太の顔に向けて…

 

「ああああ!!!」

 

撃たれるのと一緒に喬樹が叫ぶ。そして、目を覚ます。夢だった。しかし、航太がいない。パソコンのメモ帳に「智弘、熱あるみたいだから薬買ってくる」という伝言を残していた。

 

現実は突然に

航太は商店街を歩き、薬を買いに行く。ふと、公衆電話を見つける。持っていた家族写真を見つけ、切なそうな表情を見せる。

 

安田たちのもとに、航太の自宅に公衆電話からの着信が入ったとの報告が入る。その音声を聞く。母親が「航太なの?」と何度も問いかけるが無言。しかし、最後に航太が答えてしまった。そのまま逆探知されて…

 

航太が薬を買って帰ると、安田ら男たちが追いかけてくる。必死で逃げ惑う航太。しかし、逃げ場所がわからず身を隠している映画館へ。気づいた喬樹が自分を追いかけろとバイクのエンジン音を盛大に鳴らす。

 

しかし、航太は逃げ切れず追い詰められて飛び降りてしまう。衝撃音に心臓が止まりそうになる喬樹。そのままバイクで走り去る。

 

智弘も物音に気づき、パソコンを確かめると喬樹が安田と会うことを知りパニック。物音がして、高熱でうなされながらも逃げる。追いつかれそうなその瞬間、何者かが智弘を抱き寄せて身を隠す。それは冠城だった。右京も一緒にいる。男たちは別の場所へと向かう。

 

停職中の二人のもとに智弘を匿うことは難しく、とある人物を頼ることに。

 

ヒント

二人が向かったのは幸子の家だった。幸子は高熱で眠ってしまった智弘の看病をする。

 

幸子はなぜ高校生達が隠れている場所がわかったのかと聞く。ヒントは「QTES689」にあった。

 

実はユーザー名ではなく、隠れ家を知らせる暗号だった。QTESをパソコンのキーボードでひらがな入力すると「たかいと」「高井戸689」という住所にいると、例の映画館にやってきたのだった。

 

冠城が角田から連絡を、航太が救急車で運ばれて病院で手術中だと知る。持っていた写真から身元がわかり、両親も来ているとのこと。喬樹は一人で逃げてしまって行方がわからない。こちらも心配だ。

 

悪意と正義

「うわああああ!!!」叫び声をあげて、智弘が驚きながら目を覚ます。そして、右京は「僕は警視庁特命係の杉下と言います」と自己紹介。「同じく冠城です」とこちらも自己紹介。「大丈夫」と冠城が優しく声をかける。

 

事態を把握し、智弘は幸子が作ったお粥を食べる。

 

「人を殺しました」

 

突然、智弘が言う。

 

「僕、人殺しです。僕…あの、山脇という秘密を見つけたりしなければ…」

 

声が消え入るように途切れる。冠城が「秘密って、どんな?」と尋ねると、智弘は激しく首を横に振る。「話さなくても良いんですよ。山脇さんが命を引き替えに守った秘密ですから」と右京は優しく話す。

 

「いいですか、智弘君。山脇さんが自殺したのは、君のせいではありません。彼を死に追いやったのは、君に秘密を見つけることを強要し、それを使って彼を思い通りに操ろうとした人間です。決して君ではない」

 

右京の言葉にほっとしたように、それでも後悔が消えないように、智弘はすすり泣く。右京は続けて聞く。

 

「君たちが安田に脅されたのは、警視庁のサーバーに侵入したのがきっかけですね?」。智弘はぽつりぽつりと話し始める。

 

「システムにセキュリティの穴が見つけられるかどうか、3人で試したんです。そしたら、サーバーに入れちゃって。いくつかのファイルを開いて、何のことか全然わからなかった。それで、穴にパッチを当てて出たんです」

 

「ところが、そのことで安田が現れた」右京がフォローする。智弘は安田がやってきたときのことを回想する。

 

安田は、3人が見たのは「特定秘密」だったと話す。国の防衛、外交、治安維持のための機密事項。「普通の人間が見ちゃいけないもの」と言い、10年以下の懲役か1000万円の罰金が科せられると脅したのだった。

 

さらに政府には小突き回してやりたいと思っている人間が大勢いて、智弘たちの人生はおしまいだとも言う。家族に借金を背負わせたくないだろうと、安田は「働いて稼ぐ」方法を智弘たちに提示してくる。そうすれば3人がやったことに目をつぶってやっても良いと。

 

 そして、智弘、喬樹、航太の3人は6月24日に自ら姿を消して、安田たちの元へ。財布とスマホを没収された。人物のリストを渡されて、ハッキングするようにと指示された。

 

喬樹は「警察がこんなことして良いのかよ」と憤慨。安田は「警察は強いもんの味方なんだよ」とふんぞり返って言う。「力のある者は何をやっても裁かれない」と。

 

「そんなのおかしいだろ」静かに怒りながら喬樹は返す。

 

「この世に正義やら公正さがあると思ってるなら、いい加減目ぇ覚ました方が良いぞ」

 

安田はそう言い放つだけだった。

 

隣の部屋に見張りがいながら、一日中ハッキングしていた3人。1年我慢すれば解放してやると約束されていた。しかし、山脇の秘密を知り、報告したら自殺。それを追いかける風間も監視させられていて、交番で拳銃自殺する瞬間を3人で目撃してしまった。

 

「見るな」その瞬間にパソコンを閉じる喬樹。目は死んでいた。「もう嫌だ、こんなのは嫌だ!」限界を感じてそう言ったのは智弘だった。

 

そんな智弘を見て、航太は「この拳銃を奪って逃げよう」と言い出す。すると喬樹が「見張りを巻いて拳銃を取りに行くから、そのすきにともを連れて逃げろ」と言い、航太もうなずいた。そして、デパートでの行動に出たのだった。

 

狙っていた男

智弘は二人の身を案じている。冠城が航太が病院にいること、喬樹が行方不明なことを伝える。智弘は「お願いです、喬樹を助けてください」と特命係の二人の頼む。右京はそのためにどんな小さなことでも良いから覚えていないかと尋ねる。

 

すると智弘は、喬樹と航太の会話の中で「有馬のことばらしてやれ」と話していたことを思い出す。有馬という名前の関係者。それは、内閣情報調査室のトップ・広瀬篤(石原良純)に次ぐ、二番手の内閣審議官・有馬武人だった。広瀬のポストも有馬が用意したと言われている。

 

喬樹が安田と交渉するメールを送った際、地図のファイルを添付した。それをクリックすることで、安田のメールのデータを抜き取り、有馬が主犯だということに気づいたのだった。

 

クラウドで隠しているが、安田に気づかれると喬樹の身が危険。ちょうどその頃、映画館に置いてあったパソコンから安田もそのことに気づいていた。喬樹がネットカフェでクラウドの情報を見ようとすると、アカウントが停止されて見られなくなっている。

 

右京は、喬樹が智弘も航太も危険な目にさらされていると思い込んでおり、一人でことを終わらせようとするはずだと考えていた。その頃、喬樹は有馬宛にメールを送っていた。

 

全てのデータは別のクラウドにも保管してある。
もうあんたたちの思い通りにはさせない。

 

と。喬樹は自分が所持しているサクラを確認し、バイクでどこかへ向かう。

 

右京は喬樹がサクラで有馬を狙おうとしていると言う。喬樹を止めなければと。冠城は、有馬を告発しても動かないのではと懸念するが、右京は身が危険にさらされているからSP要請してもらえば良いと言う。彼も命は惜しいはずだと。

 

対面

 右京と冠城は有馬のもとに赴き、事の次第を伝える。有馬はぴんと来ていないような様子をしてみせて、「逆恨みをされることはある。しかし、誰かが対極に立ってやらねばならないことをしているだけ」としか言わない。「どういうことでしょう?」右京が問う。

 

「私は、国を守る上で最も重要な武器は、ミサイルなどではなく情報だと考えています。テロや国家間の争いにおいてはもちろん、国内に潜む不穏分子をあぶり出すには綿密に張り巡らされた情報網が不可欠です」

「その点、我が国の情報収集体勢は脆弱と言わざるを得ない。危機感を持つ人間が結集し、すみやかに制度を強化する必要があるのです」

 

「制度を強化する?」今度は冠城が問う。

 

「国民一人一人が国防の目となり耳となるよう、不穏分子を見つけた際は直ちに通報することを義務づける」

 

そんな有馬の言い分に、穏やかな口調で右京が反応する。

 

「そして、誰を調査するかはあなたがお決めになる」

 

思わず冠城は止める。しかし、右京は止めない。

 

「そうやって恐喝の材料を集め、あなたの意に沿わない者を次々排除してきたわけですか」

 

有馬は穏やかに笑みを浮かべているだけ。右京も挑戦的なまなざしで微笑んでいる。間を置いてから、有馬はまた口を開く。

 

たしかに政府要人は調査することもあるとして、政府の中枢に国家を脅かすような思想の持ち主がいては困ると笑いながら話す。

 

「やましいことがなければ調べられても何の問題もないはずです」

「では、あなたご自身はどうです?」

 

すばやく右京が問いかける。

 

「未成年3人を脅迫して軟禁し、個人の秘密を探るよう強要するのは、何の問題もないことですか?」

「国家間の争いや不穏分子の活動において、ルールは存在しないのです。あえてあなたの妄想にお付き合いすれば、些末なルールに囚われ、結果脅威を増大させるのは大罪ではありませんか?」

「絶大な権力を握る者が自らルールを破り、己に都合の良いルールを人々に強要使用とする方が大罪だと僕は思いますが」

 

有馬は初めて眉をひそませて、ついにバッサリと言う。

 

「窓際で安穏として俸給をもらいながら気の向いた事件にだけ首を突っ込むあなた方が100人いても国防には何のようも成さない」

 

右京は素早く切り返す。

 

「あなたがどう思おうと、我々にはあなたを守る義務があります」

 

二人はにらみ合う。その沈黙を遮ったのは小さなブザー音。警視庁から人間が来たという報せだった。

 

冠城は警視庁という言葉に反応する。有馬曰く、広瀬のもとに脅迫状が届いたという。「おまえが標的だ」という内容で、送り主はQTES689だった。いたずらも懸念したが、万一に備えて警視庁に警護を頼んでいたのだった。

 

冠城は「QTES689」がハンドルネームではないことを指摘し、脅迫状は有馬の捏造なのではないかと疑う。右京もこんなことをしてまで喬樹をおびき出そうとしている有馬に怒りを感じている。

 

有馬は喬樹が公安の人物像と報じられれば、誰も言うことを信じないと余裕綽々で語る。冠城は広報課がそう報じることはないと言うが、有馬は動じず「それはどうでしょう?」と返す。

 

警察官の決意

 その後、美彌子がロシアの諜報員と交際していたことや、過去に諜報活動をしていた疑惑が報じられる。美彌子本人がその新聞を見ていた。さらに「今日中に上条喬樹の情報を公開しろ」とのメールも来る。

 

見つけたマリアが「ママの写真!」と喜ぶが、美彌子は見るのを止める。美彌子はため息をつき、目には涙がたまっている。マリアも心配そうに母親を見つめている。そして娘を抱き寄せ、口を開く。

 

「世界中がママをどんな風に言っても、マリアには一つだけ信じてほしいことがあるの。マリアはパパとママに愛されて生まれてきた。信じてくれる?」

 

マリアは黙ってうなずく。美彌子は娘を抱きしめる。顔を歪ませながら。

 

翌日、美彌子が警視庁に行くと、部下たちが不穏な表情で見つめている。側近の石川だけがいつものように接するが、思わず一人の部下が話しかける。「何を信じて良いのかわからなくなりました」と。

 

「新聞は私も読みました。その上で何を信じるかは、私の問題ではなく、皆さんの問題でしょ?

 

目をそらす者もいれば、黙って美彌子を見つめる者も見た。美彌子は公安から受け取った喬樹に関する原稿を破棄するようにと石川に告げる。「責任は私が取ります」と力強く言い切った。

 

勝負の時

内村刑事部長や中園参事官が統率をとる捜査本部では、喬樹からの脅迫文を受け取って、広瀬の警備を行うことになった。その喬樹は、人気のない紳士服店でスーツとネクタイを購入している。パソコンのパーツも購入していた。

 

特命係は喬樹たち3人の高校生や、その裏で糸を引いていたのが有馬だという真実を、伊丹と芹沢にも告げる。「むちゃくちゃやばいっすよ」と芹沢はテンパっている。伊丹は喬樹が有馬を拳銃で狙うとすれば、撃たれるのは喬樹だと言う。

 

右京もそのことを懸念している。喬樹は有馬と差し違える覚悟だと。また、メールを送って有馬のスマホにウイルスを感染させて、喬樹はスケジュールを全て把握している可能性もある。

 

そこで伊丹が、喬樹の狙いは14時スタートの御用納めではないかとスケジュールを見せる。一般の人間も出入りできる状況だと、右京は会場の図面もチェック。

 

一方、青木は「僕のスキルで事件解決できるんですね」と期待の声を上げている。話を伝えにきた冠城は、「おまえのスキルが喬樹君より上だったらな」と青木の頭をなでる。「それは聞き捨てなりませんね」と青木は俄然やる気に。

 

力を持つ者

有馬は警護の者に防弾チョッキを付けてもらっていた。席を外してもらい、一人きりになる。そして安田に電話をかける。特命係がことの全容を掴んでいると話し、椎名智弘から話を聞いたのかもしれないと話す。

 

安田は匿っている場所を突き止めて、智弘を押さえると答える。そのまま安田は冠城に電話。安田は智弘の居場所を聞く。

 

罪を償う

幸子の家にて。智弘と穏やかに過ごしていた。「きちんと償えば、必ず人はやり直せる」と幸子は話す。「私がそうだから」と。その真意が気になる智弘。「杉下さんたちは必ず真実を暴いてくれる。きっと、あなたたちの力になってくれると思うわ」と信頼しきった言葉で言うのだった。

 

ピンポーン

 

と、幸子の家のチャイムがなる。二人にも緊張が走る。「ここでじっとしていなさい」と幸子は告げて、片手にアイロンを持って玄関へ。

 

「誰?」と告げて、覗いてみるとそこにいるのは角田課長の部下の大木と小松。特命係から角田経由で伝えられて、警護しに来てくれたのだった。

 

正義の復讐

御用納めでは太鼓が鳴り響き、会場も盛り上がっている。右京と冠城も会場へ。冠城は安田からの電話に、智弘の居場所について真っ赤な嘘と告げたと明かし、持って1時間と話す。右京も急ごうと足を速める。

 

会場にたどり着いて入ろうとするが、警察手帳を求められる。しかし、停職中の二人に警察手帳はない。何とかはぐらかそうとするが、結局は停職だと明かすことになってしまう。入れないと言われてしまうが

 

「構わんよ」

 

と割って入ってきた人物が。それは甲斐峯秋。「私の連れだ」と言い、右京と冠城も会場に入れることになった。その様子を見ていた衣笠副総監が、何か起きたときには峯秋に全ての責任を取ってもらうと言い出す。衣笠がいなくなってから、「正直今ちょっと心配してる」と本音を明かす峯秋。

 

 会場に入ると、有馬が広瀬にうやうやしく挨拶している。有馬は折口を見つけて「お久しぶりです」と白々しく言う。息子のことを伺い、「良い施設に入れて良かったじゃないですか」と耳打ちする。

 

捜査本部では、内村が若い男を全てチェックしろと現場の捜査員に命じていた。会場近くには喬樹が来ていた。サクラを取り出し、見つめている。持つ手は震えていた。それでも智弘や航太と過ごした楽しい日々、そして二人が絶望していく様子を思い出し、意を決した表情を見せる。

 

そして、監視カメラの前に立つ。中園参事官が気づく。そこは会場の駐車場だった。スタジャン姿で挑発してみせて、監視カメラに向かって発砲。ベルが鳴り響き、辺りは騒然とする。

 

その隙に喬樹は施設の中に入り、警備システムをハッキングして、施錠して外から捜査員が入れないようにする。

 

御用納めがおこなれている会場では、広瀬がスピーチ。しかし、非常ベルの音に気づいて中断。冠城は呼びかけて右京がうなずき、二手に分かれる。捜査本部では喬樹の格好について指示が仰がれる。弾は残り二つ。

 

喬樹はトイレでスーツに着替えて、髪型を整えてビジネスマン風の出で立ちに。そのままパソコンでハッキングして監視カメラの映像をダウンさせる。青木が防ごうとしているが、全く歯が立たない。

 

さらに、会場のライトが消して真っ暗に。会場に人が出入りして、不安がっている。喬樹は会場のすぐ外にいた。

 

会場では広瀬が警護されながら退室。有馬を見張っていた伊丹と芹沢だが、いつの間にか姿が消えている。

 

喬樹はひっそりと会場に入り、パソコンでさらに操作。会場のドアを全て施錠した。捜査員達も外でわけがわからないと言う様子でドアを開けようとしている。

 

右京は注意深く辺りを見渡している。そして、遠くにいる喬樹を見つける。喬樹も辺りを見渡し、誰かを探している。焦点が合う。有馬を見つけたのだった。喬樹の眼光が一気に鋭くなり、一心不乱に有馬のもとへと向かう。

 

そんな喬樹の姿を見つけた右京は急いで駆け寄ろうとする。たくさんの人をかき分けて、必死に向かおうとする。しかし、右京がたどり着く前に、喬樹は有馬に銃口を向けていた。

 

突然、まぶしい光が喬樹を照らす。

 

喬樹はまぶしそうに顔を隠す。騒然とする会場。冠城が喬樹を照明で照らしたのだった。右京はその一瞬の間に有馬の前に立ち、体を張って守ろうとする。

 

「その銃を下に置いてください」

 

右京が穏やかに諭すが

 

「どけ!」

 

喬樹は強く言い放つ。

 

「その有馬って奴が、俺たちを脅して半年間も閉じ込めて、政治家や役人のスキャンダルをハッキングさせていたんだ!脅迫のネタを掴むために。山脇って人は、そいつに脅されて自殺したんだ!

 

同じ頃、青木がパソコンと格闘している。「これでどうだ!」そう言って放った一撃で、会場のドアの施錠が開かれた。一斉に押し寄せる捜査員たち。

 

「来るなぁ!」

 

喬樹は拳銃を天井に向かって撃ち、悲鳴が上がる。「あと一発」伊丹がつぶやく。照明に照らされて、会場のモニターに映されて、喬樹は続ける。

 

「あの人が自殺して、ともがどんなに苦しんだかわかるか?ともは悲鳴を上げて夜中に目を覚ますようになった。自分は人殺しだって。毎晩家族の写真を見ていた航太は、あんたの仲間に追い詰められて屋上から落ちた!」

 

捜査本部では内村が「何をしている、撃て!」と焦りながら命令。すると、会場にいる衣笠がひっそりと「撃ち方待て」と無線で指示。戸惑う内村と中園に、「杉下に任せる」と衣笠は言う。内村も捜査員たちに「撃ち方待て」と命じる。

 

右京は航太が病院で治療を受けていること、智弘は安全な場所にいることを告げる。そして、有馬がしたことは必ず明らかにしてみせると約束する。しかし、喬樹の険しく必死な形相は消えない。

 

「力のある人間は何をしても裁かれない、そいつの手下が言ってたよ。警察は強い者の味方だって。この世に正義なんてものはないんだってな!どかないと撃つぞ!

 

しかし、右京は動かない。喬樹の目を見て話す。

 

「引き金を引いては君の負けです。智弘君は君を助けてほしいと言っていました。君は、君たちの帰りを待っている家族がいることを忘れてはいけない」

 

その言葉を聞いて、喬樹は苦しみ葛藤する。苦しんで苦しんで、息が荒くなり、手が震えている。そんな中でも、ゆっくりと拳銃を持った手を下ろした。しかし、有馬が自ら前に出てきた。

 

「撃ってみろ。この腰抜け!」

 

静かに、しかしはっきりと有馬はそう言った。全ての恨みが爆発するように

 

「うわああああああ!!!」

 

喬樹は叫ぶ。もう一度力強く拳銃を握りしめた。伊丹や芹沢ら捜査員たちが必死で「撃つな!」と止める。冠城が勢いよく走り、そのまま体当たりで喬樹を倒した。

 

「これで上条喬樹は殺人未遂ですね」と有馬は言う。「いいえ」とすぐさま反論したのは右京だった。

 

「彼が撃つようにあなたが仕向けたんです。捜査員に彼を射殺させ、あなたの犯罪を闇に葬るために。彼を殺そうとしたのはあなたの方ですよ。僕がその目撃者です」

 

すると折口がそばに駆け寄り、有馬に脅されていたと告発する。秘密を公にしない代わりに、健康上の理由で職を辞せと。全て供述すると言う。

 

衣笠は警察としての立場から「話を伺わせてもらう」と捜査員を動かす。有馬は「私の志を継ぐものがすでに大勢いるということを忘れない方が良い」と捨て台詞を吐き、連れ去られる。峯秋は衣笠に「相変わらず身の振り方がお上手ですね」と嫌味を言い残す。

 

喬樹は伊丹と芹沢に確保されて、泣きじゃくっている。「はらはらさせやがって」と冠城が声をかける。右京も喬樹に向き直り、「喬樹君」と話をし始める。

 

「君は自分のしたことに責任を取らなければなりません。おそらく成人と同じ刑事裁判を受けることになるでしょう。しかし、僕は今回のことで、君が自分の生きている社会を諦めてほしくないと思っています」

「この社会にはたくさんの不正が存在します。君が今回体験したように、この世に正義がないのではないかと、感じるときもあるかもしれません。正義は人間が考え出したもの、根の弱い人工の植物のようなものだからです」

「その存在を望み、大切に育てる人がいなくなれば、たちまち枯れてしまう。不正に飲み込まれて、力のない人間は押しつぶされていってしまう」

「僕は君に正義と公正さを望み、それを実現しようと努力する側の人間であってほしいと、願っています。そして、君はそうなれる。僕は信じています」

 

喬樹はその言葉を聞いて、激しく泣きじゃくるしかなかった。

 

事件の終わり

安田は部下たちを連れて、またどこかへ。幸子の家には春子と麗華が来て智弘に会って涙する。航太は退院し、両親と笑顔になっていた。折口は自信の息子が薬物所持していた事件の揉み消しをしたと報じられて、議員バッジを外していた。

 

喬樹は母親との面会で、智弘と航太の動画を見せてもらい笑顔になる。二人とも前を向いているメッセージをくれて、「俺たちチームだからな」と言ってくれた。留置場にて、喬樹は右京の言葉を思い出していた。

 

「僕は君に正義と公正さを望み、それを実現しようと努力する側の人間であってほしいと、願っています。そして、君はそうなれる。僕は信じています」

 

はぁっと小さくため息を吐き、その言葉を反芻する。

 

特命係と美彌子の関係

右京と冠城、そして美彌子が街を歩く。美彌子は、喬樹の裁判で右京が弁護側の証人に立つことを話していた。冠城も警察官が弁護側の証人に立つことは非常識だと、愉快そうに話している。右京は「当たり前のこと」と言うだけ。

 

そして、特命係の停職もとけた。「杉下さん」美彌子が話しかける。「今回の事件のこと、礼は言いません」と。「ええ、僕たちがいようといまいと、あなたは結局、同じ選択をしたでしょうから」

 

「それじゃあそういうことで」美彌子らしい言い回しで去って行く。冠城は楽しそうに「相変わらず素直じゃないですね」と言う。

 

右京は「ところで」と、冠城が安田から脅されていたのは美彌子の件ではないかと尋ねる。青木に広報課について聞いた時点で、有馬たちが美彌子の秘密を知っていると気づいていたのではないかと。冠城は美彌子は元上司で、右京は情報が漏れたとしてもびくともしないだろうと当時のことを話す。

 

右京は、冠城が本当に心配したのはマリアのことではないかと指摘する。美彌子が警察上層部に伝えたことをマリアが知れば、深く傷つくだろうと。

 

しかし、冠城は答えを言わずはぐらかす。「喬樹君の裁判で俺傍聴席から手を振りますから、右京さん代わりにVサインしてくれません?」と自分でポーズを取ってみせる。

 

右京は「あっ良いチャンスだ」と言い、「前から言おうと思っていたのですがねぇ、君、少しは常識というものを身につけたらどうですかねぇ」と言う。冠城も冠城で「右京さんそう言われたくないですけどねぇ」と返す。

 

右京は「それはそうと、今年が良い年になると良いですねぇ」と締める。冠城も「ですね」と頼もしそうに答えた。

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はああああー楽しかった!お正月SP久々に安心できる終わり方!そして終わったあとまで興奮でした。この興奮がさめやらぬうちに、次の記事で感想をたっぷりと書きますよ~。

 

 

 

 

 

aoikara

 

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