真田丸の終了と年末ということと無職になりかけていることを認めたくないaoikaraです。現実逃避もしてられないくらい、直面しております。
というわけで今回のテーマは…
真田丸 第49回「前夜」感想
です。
あらすじ:幸村を止めにいく信之、しかし戦は火蓋を切る
幸村(堺雅人)からの手紙を受け取り、大坂へ発つ信之(大泉洋)。一方、豊臣と徳川の戦「大坂~夏の陣~」も始まった。しかし、豊臣の策が外へ漏れているようで…。幸村は春(松岡茉優)たちを城の外へ出すことに決める。そして、きり(長澤まさみ)には最後の使命を託すことにー。
まとめるとこんな感じですけど、全然こんな感じで終わらないんです!もう、言いたいことがいっぱいで…とにかく書いていきます!
いよいよ、大坂の陣が始まった
またもや合議で一悶着
戦前の秀頼(中川大志)、大野治長(今井朋彦)・治房(武田幸三)、大蔵卿局(峯村リエ)、大坂五人衆などの合議。堀もなくなり守ることができない大阪で戦うことはできないという幸村は、伏見城で戦うことを提案。しかし、またしてもストッパー大蔵卿局が大阪城を離れるのはダメだと言う。
そこで、後藤又兵衛(哀川翔)や毛利勝永(岡本健一)らが考えた策をとることに。五人衆は幸村に最初の合議のときと同じ策を提示していると指摘。「さすがの真田も万策が尽きたか」などといじっているが、そもそも昌幸の受け売りだからなぁ…うん。
なにやら言いたげな大蔵卿局と二人きりで話す幸村。「御上様(茶々)と秀頼公のため」とは言うものの、「牢人は大嫌い」だそうで期待を裏切らないお答えありがとうございますw悪い人ではないんですよ。性格が悪くて愚かなだけで。
豊臣を守りたいという気持ちは本当なのでしょう。ただ戦を知らないだけ…あとだいぶ少々お節介。
余裕綽々、徳川方
「父上は甘すぎる!」焦る秀忠
家康(内野聖陽)はちょいちょい大坂の様子を気にするんですよね。一気に攻めてしまえ、とか決してしない。その様子にイライラしっぱなしの秀忠(星野源)。そりゃそうだ、自分が遅れたらネチネチ言われて、早く戦を終わらしたいのに父親は動かない。
「豊臣の血は、この戦で断ち切るのです!」
とまで言うほど。家康は「恐ろしい男に育ったなぁ~」なんて言ってますが、本音はどうなのでしょうね。自分もよっぽど恐ろしい男だと思いますが…。
ああ、恐ろしき佐渡守
今回の戦では嫌におとなしい佐渡守こと本多正信(近藤正臣)。眠っているので家康から休んでおけ、と言われるほど。と、思いきや、後藤又兵衛が気になるとのことで策にうってでます。
まずは調略しようとするがあっけなく断られてしまいます。それも狙い通り。徳川の使いと関わった、徳川に寝返ったという情報を豊臣に流すのです。焦ったらそこで負け、後藤又兵衛はまんまと罠にはまったとのこと。
ひえーさすが元祖狸ですね。こわやこわや…。徳川のしたたかさに思わず家康も秀忠も舌を巻いておりました。
豊臣方の皆が死んでいく…
いよいよ戦が始まったわけですが、今まで支えてきた牢人達が次々と死んでしまいました。切ない…。でも、ナレーションじゃなくてみんなシーンがあったのは本当に良かったです。
塙団右衛門、大名の夢が尽きる
いつも木札をもっている塙団右衛門(小手伸也)「大名になる」という夢をつぶやいた直後、鉄砲に撃たれて即死。ああ、死亡フラグだなぁと思ってからが早すぎました。
団右衛門の遺体を見た茶々(竹内結子)が「皆この男のように死んで並ぶのか」と、呆然とした表情でつぶやきます。やはり彼女は死を呼ぶ女…?
最期までカッコイイ男、後藤又兵衛
佐渡守の仕業で又兵衛が寝返ったとの噂が大阪では広まりつつあり、幸村や毛利はそれは違うだろうかと確かめます。「噂なんか気にするな」という又兵衛が格好良かったなぁ。そこで自分だけ徳川に話を持ちかけられてない毛利の心が乱れていたのにもクスッときました。
道明寺の合戦の前には、木村重成(白石隼也)が訪れて「今までありがとうございました」と一礼。そんなことを言うとどっちかが死ぬからやめろ、と言う又兵衛。戦の師匠と弟子という雰囲気があって、良いシーンでした。この先を考えるとより切ない…。
道明寺で家康を待つ又兵衛でしたが、読みが外れて本陣は来ません。待つようにと言われていましたが、すぐに戦に出てしまいます。その焦りが原因なのか、槍を思い切り振るって、大勢に取り押さえられて彼は死にました。彼は武将として生きたのだと、感じる最期でした。
若き勢いそのままに、木村重成
真田丸の戦い以来、戦うことが楽しくなった木村重成。豊臣方でありながら、五人衆に学ばせてもらおうと、牢人達との距離も近くなっている人でした。だからこそ戦の第一線に立ち、そして死んでしまいました。
彼はまだ22歳だったとか。若いからこそ、戦場で死んでしまったのかなと切なくなる部分もありました。
秀頼も何かを察する
今まで尽くしてくれた牢人達が次々討ち死にする一報が入ってくる大阪城。秀頼はなんとも言えない、覚悟をしたような、察したような、切ない表情をしていました。いやぁ、本当に若いのに中川大志君、めっちゃ良い表情しますね。
情報が外に漏れている!?
あまりにも豊臣方の読みが外れるので、どうやらまだ内部に間者がいるのではないかと疑う幸村たち。そこで思い出したのが食堂のおっちゃん。気づかれたせいで与八(今野浩喜)まで殺されてしまって…かわいそうに。
たしかに大事なことを話すのはいつも食堂でしたよね。まさかここにも徳川の間者がいたとは…。
信之、犬伏の次くらいに格好良かった!
幸村に会いに行くことを決意、その意志は堅い
さて、幸村からの手紙を受け取った兄の信之は、死を覚悟していることを察します。これは止めねばと大坂に向かうのです。以前は兵糧を送るために出ようとして、出浦にネバネバを投げつけられる始末でしたが、今回の意志は堅そうです。
▼参考記事
とはいえ、兵糧もスルメの奴がやらかしたので、行かなくて良かったです。さすが長生きした男だけあって、運が良いのかもしれません。
積年の思いを晴らすのは今!
道中で息子達の軍に立ち寄り、 なんとか幸村に近づける方法はないかと三十郎(迫田孝也)や小山田(高木渉)に聞く信之。すると叔父である信尹(栗原英雄)がまたも幸村調略のために大阪城に行くとのこと。それに着いていけば幸村に会えるわけですね。
しかし、途中で怪しい者として止められます。しかも、止めた相手はあの室賀の息子!室賀っていえば…ねえ、信之にとっては因縁の相手ですよね。こちらが「真田だ」と名乗ると、向こうは「父は昌幸に騙されて死んだ」と言いますが、そこですかさず幸村が…
「黙れ、小童あああああああああ!!!!!」
言ったー!!!ようやっと言ったーwwいや、長年の思いが今晴らせましたね。このシーンは声に出して大爆笑しました。いやー、複線回収まで長かったですね。言われた室賀の息子の顔が、またなんとも言えない良い顔をしててw(アンジャッシュの児島さん、良い演技でした!)
お兄ちゃんは1つの話に1つ面白いシーンがないといけない呪いにかかっているのでしょうか?
「これは今生の別れではない」
さて、シリアスな場面。幸村に会って、信之はどんなことがあっても生きていてほしいと言います。捕らえられれば、また自分がどんな手を使ってでも助けると。犬伏でまた3人で酒を酌み交わそうという誓い、まだ忘れてはいないと。幸村を死なせないのが自分の使命だからと。
しかし、幸村の意志も堅い。「そうしてまた14年」と。またあの暮らしをすれと言っているのか、ってことですよね。幸村はもう、生き延びたいわけではないのでしょう。
その様子を見て、信之は「帰る」と。それを幸村が止めます。
「兄上と酒を酌み交わしとうございます!」
と、しかし信之は受け入れません。「これは今生の別れではない」と言い残し、立ち去るのでした。幸村が生きて、そしてまた酒を酌み交わす日が訪れるようにしてくれ、という兄らしい願いを込めた、立ち去り方だったのでしょう。
また、信尹は幸村に「生きたいように生きよ」と言ってたのが対象的だなぁと感じました。いずれにせよ、幸村の腹はもう決まっているのでしょう。
家康と景勝と、なんだか異色な組み合わせ
一方、家康は上杉景勝と一緒に酒を酌み交わしていました。「こうするしか方法はない」「世のためだ」と戦について語ります。
それに対して景勝は「なぜ自分に言うのか」と問うのです。「上杉にはわかってもらいたかった」という家康に対し、景勝は「お心内にやましさがあるからではないか」「この戦に大義がないことをわかっているからではないか」と問いただすのです。
お、おう、どうした親方様!めっちゃカッコイイ!と思ったら、どうやら見事な戦いぶりを見せた幸村に感化されたようでした。「自分が生きたいと思ったように生きている」と幸村を評するのです。
その姿を見て、またも家康は「真田め…親子二代で」と恨み節。死んでもなお脅かす真田を思う家康なのでした。
幸村もある一つの決意をする
戦いの場で伊達と再会
自身も先陣を切って戦場へ出る幸村。しかし、体勢は不利。大阪城へ退却しますが、その途中で徳川の軍勢を煽ります。
「徳川にまことの武将はおらんのかああ!」
その様子を見て、撃ってやろうとする軍勢を止めたのが伊達政宗(長谷川朝晴)。同い年の二人は若き日に出会い、お互いのことを話していました。そして再び、武将として相まみえたわけです。「弾は尽きた」と止める伊達が格好良かったですね。
家族を伊達のもとへ送ることに決める
さすがに大阪城もまずいと感じた幸村は、春や子供たちを城から出すことに決めます。その行き先は伊達のもと。佐助(藤井隆)に話をつけてもらうと、伊達は実に快く引き受けてくれていました。
子供たちと一緒に伊達のもとに訪れた春は、おそるおそる…緊張感がありました。そこで伊達はずんだ餅をあげて、場の空気を和ませようとしてくれます。今回の話で伊達の株が急上昇!強くて優しくてカッコイイ、伊達政宗最高ですね!
決して男に都合が良いわけでない、それでも魅力的な真田の女性達
さて、真田の女性達の話。みな個性的で、男性に都合の良い女性というのは一人もいません。だけど、そこが魅力的。歴史の陰にいる女性ではなく、一人一人が主人公のように思えるくらいです。
気が強く、それでも愛を忘れぬ稲
信之がどうしても幸村のところへ行くと言ったときは、本当は嫌な気持ちがありながらも、信之の気持ちを尊重する稲(吉田羊)。絶対に真田だとバレないようにするなどアドバイスを言い、そして「生きて帰ってきて」と。
ただ気性が荒いだけでなくて、本当は情が深い人なんですよね。自分の息子ではなく、おこうの息子を嫡男にして良いと言ったくらいだし。だからこそ、信之のことが本当に心配だったのでしょう。本当に良い嫁です。
いつも陰で支えるおこう
最初は正妻だったのに侍女になり、それでもなお信之から愛されたおこう(長野里美)。いつも稲の陰となり、信之をこっそり支えている女性でもありました。
今回も幸村のもとへ向かう信之に六文の銭を渡します。そう、真田の六文銭。そんな心使いが本当にステキ。信之は本当にできる嫁が二人もいて幸せですね。
渡したあとにおこうさんが咳をしていて、信之がさりげなく「大丈夫か?」と聞いたシーン。あれ、アドリブですかね?なんだか不思議なシーンでした。それにしてもおこうさんは最初の頃と比べて元気になったなあ!
天真爛漫、ほっとする松
信之が幸村のもとへ向かうと言うことで、あれやこれや渡したいものを託す松(木村佳乃)。姉でありながらどこか無邪気で、そしておばばさまに似ていて。松さんがいるだけで、なんだかホッとした気分になれますよね。
娘から妻へ、妻から母へ、武士の娘・春
幸村と出会ったときは少女のようで、妻になってからは嫉妬深くて、そしていつのまにか母の包容力を感じさせるようになった春。幸村に自分とは離れて城から出て行くよう言われたときも、昔だったら拒否していたでしょう。
しかい、今は母。「泣いて良いのなら泣きますよ」と、障子に穴を開けるように幸村をぷすぷすと突くのも、今はもう懐かしい。大谷刑部吉継の娘、と自負していただけあって、さまざまな覚悟もできているのでしょう。
やっと、やっときりちゃんが報われた
幸村一行が伊達へ送られるなか、きりちゃんは大切な使命があるので残れと幸村に言われます。それは、もしものときに千姫を秀忠のもとへ送り届ける役目。その後は自由にせよと言われます。
すると、きりちゃんは大阪城へ戻ってくると言うのです。おかみさまの近くにいないと。そして、覚悟を決めている幸村のこともちゃんとわかっていて、
「源二郎様のいない世にいても、つまらないから」
と言うのです。ああー本当にこのセリフ良いですよね。きりの性格とか、年月とか、いろんな思いが感じられて。そんな言葉に、幸村はきりを抱きしめます。そんな幸村に対して、きりちゃんは「遅い」と一言。
きりちゃんは何かを言いかけますが、幸村はその唇をふさぐように、自分の唇を重ねます。なのに、「せめて10年前に…あの頃が私一番キレイだったんですからね!」としゃべり続けるのがきりちゃんらしくてw
そこから、幸村に身を託すようにそっと体を寄せるきりちゃんがとてもいじらしかったです。思いがやっと届いたね、報われたね…本当に遅いわよ、幸村!
まさかのキスシーンにはやられましたね。くー!だけどムードを良い意味で壊してくれるきりちゃん。幸村の傍にもっとも長くいただろう、という有働さんのナレーションで幕を閉じる前夜でした。
次回予告:最終回
徳川と豊臣の戦いが、今終わるー。
多くを語るのは避けます。みんなが知っている結末だし(この長い文章を書いてよく言えるもんだ)。副題がなく「最終回」というのも良いですね。見た人がそれぞれ副題を考えてほしい、という狙いがあるそうです。
最後、本当に最後なんですね。こんなに気持ちを込めて見た大河は初めてかもしれません。1年間ありがとうございました。そして、最後の回までしっかりと見届けようと思います。
「前夜」はこちらの第四集に収録されているようです。
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aoikara
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